クレモンティーヌ CLEMENTINE ディスコグラフィ&メモ

◆CLEMENTINE クレモンティーヌ (1963 パリ - )

「理想的フランス、憧れのパリジェンヌ」を体現

午後の陽だまりのように心地よい"L'ETE"(レテ~夏)は、日本人が抱く「モードと芸術と美食とカフェと愛の国フランス、憧れのパリ」 のイメージを具体化したような曲で、これが日本でのクレモンティーヌの人気を決定的にしたともいえるでしょう。

それもそのはず、この曲が入っているアルバム「アン・プリヴェ~東京の休暇」は、「日本人が抱いているフランスのイメージを表現してみよう」という遊び心あるコンセプトのもと、日本人のアーティスト(小沢健司、田島貴男、ゴンチチなど)がクレモンティーヌの周りに集って作り上げたものなんだそうです。
そうして作られた音楽は、日本人が漠然と抱いていた「おしゃれなフランス」のイメージの強化と普及に一役買ったと思います。「日本におけるフランスのイメージ向上コンクール」があったら金賞をあげたいくらいです。
以降のクレモンティーヌにはこの「お洒落なパリジェンヌ」のイメージがつきものになります。

カフェブーム以前(=ボサノヴァ流行前)、代官山等のきれいなカフェやショップでは彼女の曲がよく流れていました。
私の周りにも、「気持ちいい休日&午後のカフェといえば、クレモンティーヌ」という図式が頭にすりこまれた人が数人いて、彼女の歌を聴くとカフェに行きたくなるという症状が出ていました。まるでパブロフの犬です。

契約の関係もあるのでしょうが、彼女は日本ではこれだけ有名なのに、フランスでは知名度が低く、パリのCD屋にたまにあったとしても、たいてい外国盤(ほとんどが日本盤)です。
外国人の友達が和太鼓や民謡などのいかにも日本的なCDを買うのを見ても、その国らしすぎるものは外国での方が受けるのかも、と思ってしまいます。

ボサノヴァ的

クレモンティーヌがわりと若い頃ジャズバーで歌っている映像を見て、彼女のヴォーカルは、声量と音程コントロールが必須のジャズ等よりも、頼りなさや自然さも味だと考えるボサノヴァ向きのような気がしました。
アストラッド・ジルベルトのちょっと洗練されたフランス版という印象があったので、彼女がボサノヴァテイストのアルバムを出した時、いい選択だなと思いました。

みかん

フランス語の名詞CLEMENTINEは、ゆずくらいの大きさのみかんのこと。小さくて可愛いその果物のイメージと、歌っている時のささやき気味の声や、コンサートの曲間アナウンスから、フランス人にはありえないくらい控えめで可憐な女性を想像していたのですが…
ごくカジュアルな楽屋でのインタヴューを見て、イメージが変わってしまいました。
まず、ステージの上と全く違うしっかりした低い声に、軽く驚きました。話す内容も批判精神旺盛。相手に媚びずにアンニュイや感情をあらわにする、典型的なフランス人女性という印象を受けました。
ま、みかんも皮と中身は違いますしね。「理想のパリジェンヌ」は演出なのよ、と割り切ってるようで、潔い気もします。

お薦め共通項アーティスト・・・コラリー・クレモンエレナクロディーヌ・ロンジェアストラッド・ジルベルト(ブラジル)、リサ・エクダール(スウェーデン)


◆CLEMENTINE クレモンティーヌ ディスコグラフィー

CONTINENT BLEU コンティノン・ブルー 1989 ★4.5

ジャズサックスプレイヤーのジョニー・グリフィンと共演したジャズスタンダード中心のアルバム。ジャズらしくない(ボサノヴァっぽい)自然なささやき系ヴォーカルと不思議な雰囲気が魅力。 

MES NUITS, MES JOURS メ・ニュイ・メ・ジュール 1990
EN PRIVE アン・プリヴェ ~ 東京の休暇 1992
LONG COURRIER ロン・コリエ 1993
(ロン・クーリエ)
ILS ET ELLE イル・エ・エル~彼らと彼女 1994 ★1.5
SOLITA/ソリータ 1997
HEURE D'ETE エル・デテ~夏時間 1998
(ウール・デテ)
COULEUR CAFE クーラー・カフェ 1999 ★4

アストラッド・ジルベルトほどではないけれどクレモンティーヌも頼りなさが持ち味といえるヴォーカルなので、声量と安定感が必要なジャンルよりボサノヴァの方が合うと思っていましたが、やはりブラジル音楽と相性がいいですね。
LES VOYAGES レ・ヴォヤージュ 2000 ★5

初めてのブラジル(リオ)録音を含むボサノヴァ・アルバム。ブラジルポルトガル語から、フランス語、英語曲、インストゥルメンタルまでいろいろ。ブラジルやフランスの有名曲だけでなくオリジナル曲もあり、マルコス・ヴァーリとのデュオも聴けます(「三月の雨」)。

CAFE APRES-MIDI カフェ・アプレミディ~クレモンティーヌが歌うボサノヴァ(ベスト) 2001

20世紀末に再流行し始めたボサノヴァ。カフェブームと関わりが深いクレモンティーヌの過去の成果を振り返ってブラジル・ボサノヴァテイストの曲ばかりを選び、さらに新曲を加えたアルバムだそうです。ブームに乗っかった商売根性に何となく抵抗を感じなくもないですが…たぶん快適なアルバムなんでしょう。

LIL' DARLIN' リル・ダーリング 2001
CLEMENTINE SINGS BEN SIDRAN パリス・ウォーク 2002
SPREAD YOUR WINGS スプレッド・ユア・ウィングス 2002
30 DEGREES CELCIUS 30℃ 2002 ★2.5

「オー・シャンゼリゼ LES CHAMPS-ELYSEES」のリミックスに始まり、1960s~70sの有名曲のカヴァーが続く、ロック、テクノが好きな人向きな気がするアルバム。
「車の中に傘忘れてきちゃった(「雨にぬれても」の前)」等、曲の間にちらっとせりふが入って、彼女の1日を追っているような感じが出ています。 

CLE / 2003 ★3
MADE IN FRANCE / 2005
LUMIERE ルミエール / 2006
  • オリジナルアルバムをそろえる時便利なように作った年代順ディスコグラフィ(オリジナルアルバムリスト)です。(基本的にベスト盤等は抜いてあります。)
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