LES ELLES - レゼル
ノルマンディの贈り物 / レゼル(レ・ゼル)
ファンタジックな可愛さと、きわどいユーモア・・・★4
フランスNormandie(ノルマンディ地方)出身の個性派女性ユニット、LES ELLES(レゼル)。「彼女ら」という人称代名詞のユニット名からして風変わりですが、中身も強烈です。
手書きの文字とイラストで飾られた歌詞カードは、よく見ると多少不気味なんですが可愛くも見えます。サーカスやメリーゴーランドを思わせる幻想的でノスタルジックな音楽と、子供のようなストレートで奔放な歌い方。一見キュートで可愛く、パーティーのような楽しさすら感じられます。
サーカスを思い出させる雰囲気という点では、ミレーヌ・ファルメールやロベールに通じるといえなくもありません。
が。歌詞もあわせて考えると、レゼルには、きわどいブラックユーモアというか、思ったことを何でも口にする、無邪気ゆえに残酷な子供のようなところがあります。
性的なことでも微妙な話題でも、固定概念を持たない子供のようにあっけらかんと笑い飛ばしているのかもしれませんが…やっぱりブラックな感じが…。
疲れているときは聴こうと思わないし、リピートで聴きたくありません。嫌いなわけじゃなく、むしろ独特の世界を極めていることに感心しているんですが、正直なところ、疲れちゃうから1回聴いたらしばらくはいいか…と思ってしまうんです。
そのあたりはギャスパー・ノエ監督の映画(『カノン』『カルネ』他)と似ているかもしれません。
さらに、ルイ・マルの『地下鉄のザジ』や、J.-J.ベネックスの『ベティー・ブルー』、トッド・ブラウニングの『フリークス』、『未来世紀ブラジル』他のテリー・ギリアム映画等も思い出します。
私の脳内では、自己完結した不思議(不気味)な世界、懐かしさ、強烈なインパクト…というキーワードでつながっているんでしょう。
可愛さと怖さの共存。すごいと認めているのに、たまにしか聴かないという矛盾。
何だか複雑な気持ちになるアルバムです。きわどいもの愛好家にはおすすめできます。
このファーストアルバムは、PARIS COMBO(パリ・コンボ)と同じBOUCHERIE PRODUCTIONS(ブシュリー=肉屋)のレーベルの1つ、Chantons sous la truieから出ています。「雨に歌えば」との語呂あわせで「豚に歌えば」とは、レーベル名もキッチュですね。
日本盤が出ているらしいので、きっと歌詞も訳してあるんですよね…。さぞ微妙な作業だったことでしょう。
この後の2作目は、本作同様サーカスや童話を思わせる音ですが、3作目PAMELA PEACEMAKERはかなり実験色が濃く、チェロやピアノ等と豪快なサンプリング音が組み合わせられています。
1995, Boucherie Productions(Chantons sous la truie)
Pascaline Herveet, Sophie Henry, Sarah Auvray, Christine Lapouze
|
1.Ah Si J'Etais Riche 2.Krik Manivelle 3.Nouche 4.Negresse 5.Quand Je S'rais Vieille 6.Water Closets 7.Orthopedia 8.Y'a un Jdi Gargon 9.Guiliguili 10.Simone 11.Tonton Amedee 12.Tom 13.L'Amerloc 14.Roma 15.Une Elle 16.Made in Normandie 17.Sale Tempo Pour Les Gras |
1.もしもわたしがリッチなら 2.クリック・マニヴェル 3.ヌーシュ 4.ネグレス 5.歳老いても 6.ウォーター・クロゼット 7.オルトペディア 8.素敵な少年 9.こちょこちょ 10.シモーヌ 11.トントン・アメデ 12.トム 13.ラメルロック~アメリカ野郎 14.ローマ 15.ユネル 16.メイド・イン・ノルマンディ 17.うっとうしい天気 |



