LES SENEGALAISES セネガレーズ - SANSEVERINO サンセヴェリーノ

粋なマヌーシュ風スイングと辛口ユーモア ★4.5

フランスのシャンソン、マヌーシュ(ジプシー)・スイング、喜劇等の要素が混ざり合った、サンセヴェリーノのセカンドアルバム。
彼の音楽の好みだけでなく、まるでジプシーのように外国を転々とした経験や、喜劇役者他としての経験と、彼のキャラクターが反映されているような気がします。

(STEPHANE) SANSEVERINOは1962年生まれのイタリア系。3歳から家族と共にブルガリア、ユーゴスラビア、メキシコ等を転々とした後、20歳でコメディアンを目指し、演劇からスタート。
やがてベース等の楽器も操っていくつものグループで演奏し始め、その傍らショートフィルムの撮影等いろいろなことに挑戦します。
ルーマニア等の東欧音楽(ジプシー系)に凝るうち、1950年代のスイングと20年代のフランスの古いシャンソンを融合させるようになり、Les Voleurs de Poulesを結成。グループが、バーやビストロでのライブから始めて徐々に活動の場を広げ、自主制作アルバムを出したりもする一方、サンセヴェリーノは他のアーティストのスタッフとして働くなどして忙しい日々を送り、やがて自由にソロ活動することを決めます。
生活費のため舞台に参加したりもしますが、2001年秋にリリースしたファーストソロアルバムLe Tango des Gensが賞を獲得した後はトントン拍子。スイス、南仏ニース、パリ等を回ります。

そうして2004年2月にリリースされたのがこのセカンドアルバムLES SENEGALAISES セネガレーズ(=セネガル女性たち)です。
彼が影響を受けたDjango Reinhardt ジャンゴ・ラインハルト、東欧ジプシー音楽やパキスタンの音楽、Jimi Hendrix ジミ・ヘンドリックス、シャンソン等が混ざり合ったような音楽。
喜劇役者としての面を思わせる、シニカルで笑える歌詞と斜に構えたようなヴォーカル。軽快にリズムを刻むジプシー風ギター。
聴いていて楽しくなるアルバムです。


2004

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VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

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ワンダ・サーWANDA SA&BOSSA TRESアルバム

ワンダ・サー・ウィズ・ボッサ・トレス・フィーチャリング・ルイス・カルロス・ヴィニャス

ワンダ・サーとボッサ・トレスのクールなジャズボサ ★5

タンバ・トリオと並ぶ名ジャズボサトリオBOSSA TRESボッサ・トレスが復活し、55歳を超えたWANDA SAワンダ・サーと共演したアルバム。気持ちよく吹き抜ける風のようなトラックからおさえをきかせた渋いトラックまで、何となくジャズクラブで聴いている気分になります。なので特に夜におすすめです。
若い頃からのハスキーヴォイスぶりに輪がかかり、温かみが増したワンダ・サーのヴォーカルとボッサ・トレスの軽妙でクールな演奏は、まるで熱いエスプレッソをかけた冷たいヴァニラアイスクリーム。温と冷、ほろ苦さと甘さ、魅惑的なアロマが渾然一体となって刺激してくるあの感覚…。
何かの映画の中でジュリエット・ビノシュがアイスにエスプレッソをぶっかけていた記憶もありますが、このアルバムともども、まだの方はぜひお試しを。

ボッサ・トレスといえば、1964年に女性4人コーラスグループ QUARTETO EM CYと共演したクアルテート・エン・シー(ファーストアルバム)も気に入っています。


2000
Wanda Sa With Bossa Tres, featuring Luis Carlos Vinhas

1. Errinho A Toa
2. Deixa A Nega Gingar
3. Casa Forte
4. Se E Tarde Me Perdoa/Pra Machucar Meu Coracao/Palpite Infeliz
5. Brisa Do Mar
6. Light My Fire
7. Pode Ir
8. Zazueira
9. Moonlight/Garota De Ipanema
10. Estrada Do Sol/Foi A Noite
11. Amor Ate O Fim
12. Cancao Que Morre No Ar
13. Zanga Znagada
14. Two Kites/Fotografia/Eu Preciso De Voce
1. エヒーニョ・ア・トーア
2. デイシャ・ア・ネガ・ジンガー(サンダリア・デラ)
3. カザ・フォルチ
4. シ・エ・タルヂ・ミ・ペルドーア~プラ・マシュカール・メウ・コラサゥン~パウピーチ・インフェリース
5. ブリザ・ド・マール
6. ライト・マイ・ファイアー
7. ポーヂ・イール
8. ザズエイラ
9. イン・ザ・ムーンライト~ガロータ・ヂ・イパネマ
10. エストラーダ・ド・ソル~フォイ・ア・ノイチ
11. アモール・アテ・オ・フィン
12. カンサゥン・キ・モヒ・ノ・アール
13. ザンガ・ザンガーダ
14. トゥー・カイツ~フォトグラフィア~プレシーゾ・ヂ・ヴォセ

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PARAISO - ジェリー・マリガン

パライゾ / GERRY MULLIGAN&JANE DUBOC

さわやかジャズボサ・・・ ★4

CD発売後まもなく、ボサノヴァもジェリー・マリガンも好きだから聴いてみよう、と何気なく買ったのですが、期待以上でした。
日本語帯には「『ゲッツ-ジルベルト』を彷彿とさせるしっとりとしたジャズ・ボッサ」と書いてあります。目を引くコピーとしてはそれがいいのでしょうが、それを考えなければ、スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズ中では「Jazz samba encore ! ジャズ・サンバ・アンコール」が一番近いと思います。

ナイト・ライツ」でルイス・ボンファの「カーニヴァルの朝」を取り上げてブラジル音楽への興味をのぞかせたジェリー・マリガンが、30年後の1993年7月にニューヨークで録音したもので、参加メンバーのほとんどがブラジル人です。
トッキーニョ、ヴィニシウス・ヂ・モラエス、ジョビンが作曲した3曲を除いて、全てマリガン本人が作曲し、透明感あるヴォーカルが魅力的な女性シンガージェーン・ドゥボックが詞をつけています。
彼女(JANE DUBOC)は、ジルベルト・ジルやカエターノ・ヴェローゾ等が参加したアルバムを出していますが、スポーツもプロ並という多才な人なんだそうです。

ジェリー・マリガンは、相変わらずバリトンサックスをテナーサックスか何かのように優雅に吹きこなしつつ、ピアノも1曲弾いています。

初夏、夜明け前に目がさめてしまった時、冷たい空気と天然発泡水を味わいながら聴きたくなるアルバムです。


1993
Gerry Mulligan (bs); Jane Duboc(vo); Emanuel Moreila(g); Waltinho Anastacio(perc)

  • 1, 2, 4, 6, 7, 8, 9, 11:+ Cliff Korman(p); Rogerio Maio(b); Duduka Dafonseca(d);
  • 3~5:+ Carlie Ernst(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg(perc)
  • 10:Gerry Mulligan(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg
  • 1.Paraiso (G.Mulligan, J.Duboc)
    2.No Rio (In Rio) (Mulligan, Duboc)
    3.Sob a Estrela (Mulligan, Duboc)
    4.O Bom Alvinho (Mulligan, Duboc)
    5.Willow Tree (Mulligan, Duboc)
    6.Bordado (Mulligan, Duboc)
    7.Tarde en Itapoan (Toquinho, V.de Moraes)
    8.Amor en Paz (A.C.Jobim, V. de Moraes)
    9.Wave(A.C.Jobim)
    10.Tema Pra Jobim (Theme for Jobim)(Mulligan, Joyce Silveras)
    11.North Atlantic Run (Mulligan)
    1.パライゾ
    2.ノー・リオ
    3.ソ・ア・エストレーラ
    4.オ・ボム・アルヴィーニョ
    5.ウィロウ・ツリー
    6.ボルダード
    7.タルデ・エム・イタポアン
    8.アモール・エム・パス
    9.波
    10.ジョビンのテーマ
    11.ノース・アトランティック・ラン

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    ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

    ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

    パリ路地裏の煙たい酒場が似合うファーストアルバム ★4.5

    アルチュールH(Arthur Higelin)の1990年のファーストアルバムには、デビュー作という瑞々しい言葉は似合いません。
    ディスクを再生した瞬間、タバコの煙がもうもうとたちこめるあやしげな酒場、キャバレー(お姉さんが出てくる日本のとは別物)が目の前に出現します。マッチに火を灯したマッチ売りの少女か、ランプをこすったアラジンか…ってな感じで。

    ゴリゴリしたしゃがれ声、アンニュイな雰囲気、世界各地の音楽の影響、新鮮なアイディアとユーモアからなる彼独特のクールなスタイルは、この1stアルバムの頃すでに出来上がっていたんですね。
    まぁ、1988年12月、パリの小さなホールで3日間の予定で行ったライヴが好評のあまり結局1ヶ月に延長されることになったというエピソードが残っているほどで、アルバムデビュー前にも活動して成功していたわけですから、完成度が高いのも納得です。

    それから、このアルバムには、近年パリにちょっとしたウクレレブームを起こしたウクレレクラブ・ド・パリのメンバーとしても腕を発揮しているあのジョセフ・ラカイユがアレンジャーとして参加しています。THOMAS FERSENトマス・フェルセンの"QU4TRE"のアルバム等も手がけている人で、自分のアルバム("SIGNE RACAILLE"他)では、強烈なユーモアとキッチュな感覚でニヤリと笑わせてくれます。

    夜、照明を暗くしてパスティスだかブランデーだかを飲みながらこのアルバムを流せば、部屋がパリの裏町の怪しげなバーに変わるかも?


    1990 POLYDOR
    ARTHUR H.(p, vo, harmonium); BRAD SCOTT(b); PAUL JOTHY(ds, perc); JOSEPH RACAILLE/JONATHAN HANDELSMAN(arr)

    1. Quai N。3
    2. Perfect Stranger
    3. Andora
    4. Cool Jazz
    5. Don't Make Me Laugh
    6. Je Reve De Toi
    7. La Lune
    8. Un Fantome S'est Suicide
    9. Scritch
    10. Marouchka
    11. John La Reine Des Pommes
    12. Padam Padam
    13. Loulou
    1.第3埠頭
    2.パーフェクト・ストレンジャー
    3.アンドラ
    4.クール・ジャズ
    5.ドント・メイク・ミー・ラフ
    6.君を夢見て
    7.ラ・リュンヌ
    8.幽霊が自殺した
    9.スクリッチ
    10.マルーシュカ
    11.ジョン,ラ・レーヌ・デ・ポム
    12.パダン・パダン
    13.ルウルウ(ルル)

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    CONTINENT BLEU - CLEMENTINE

    コンティノン・ブルー / クレモンティーヌ

    霧の中にいるようなやんわりしたジャズアルバム ★4.5

    ジャズサックスプレイヤーのジョニー・グリフィンと共演したジャズスタンダード中心のアルバム。
    大物ジャズミュージシャンのジョニー・グリフィンが参加してるのが正直意外だと思いましたが、聴いてみると粋でアンニュイな雰囲気のアルバムでした。
    グリフィンがスペインに来ていた時に、彼がかつて作曲した”CONTINENT BLEU”をフランス語で歌ったデモテープを持ってクレモンティーヌが会いに行き、彼女のこのデビュー作が生まれたのだそうです。

    彼女が昔パリの小さなジャズクラブに出た時の映像を見たことがありますが、自由自在に声を操るジャズ歌手というよりは、ボサノヴァ歌手に近いところがあり、このアルバムにも独特の脱力感とやわらかさを添えています。

    このアルバムの[1]アフタヌーン・イン・パリのフランス語版(Un apres-midi a Paris)歌詞は、彼女のお母さんが書いたそうです。あなたに会う前は素敵な人もいなくてつまらなかったけど今は最高、という内容。シャンゼリゼやサンジェルマンデプレ以上にキレイな街を闊歩するパリジェンヌが思い浮かび、デンジャラスゾーンの存在など忘れさせるほどのパリ理想化パワーがすでにちらっと現れています。
    同じ曲でもSTITT, POWELL, JJの演奏は、パリの公園で居眠りするおじいさんのようなイメージ。
    STEPHANE GRAPPELLIの軽やかな演奏も粋です。
    KATERINE カトリーヌの"Un Apres-Midi A Paris"は、同じタイトルですが別の曲。そちらもいい感じです。


    1989
    CLEMENTINE, JOHNNY GRIFFIN

    1. Un Apres Midi A Paris (Afternoon in Paris)
    2. Easy Living
    3. Line For Lyons
    4. Outra Vez
    5. Night Light
    6. Don't Be Blue
    7. All Blues
    8. Lady Wants To Know
    9. Rhum Coco
    10. Elizondo
    11. Aux Champs A Minuit
    12. Girl Talk
    13. Comme Une Princesse
    14. Giant Steps
    15. Continent Bleu
    1.アフタヌーン・イン・パリ
    2.イージー・リヴィング
    3.ライン・フォー・ライオンズ
    4.もう一度
    5.ナイト・ライツ
    6.ドント・ビィ・ブルー
    7.オール・ブルース
    8.レディ・ウォンツ・トゥ・ノウ
    9.ラム・ココ
    10.エリソンド
    11.夜,シャンゼリゼにて
    12.ガール・トーク
    13.プリンセスのように
    14.ジャイアント・ステップス
    15.コンティノン・ブルー

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    1968 - フランス・ギャル

    1968 / FRANCE GALL

    60s好きにはたまらないお楽しみ袋 ★4

    イェイェ風から、インド音楽風、ジャズ風、ビートルズを思わせる曲までいろいろあり、1960年代好きにはたまらないアルバム。フランス・ギャルらしい甘いささやき声とハッキリ声の差も堪能できます。

    [1]は、甘え系ヴォーカルが可愛いロマンティックな曲。アルディあたりが歌っていても違和感なさそうな雰囲気です。
    [2]はタイトル通りインド音楽を取り入れていますが、他の曲(3や6)のメロディにもインドっぽい節が出てきます。ビートルズ(ジョージ)を筆頭にインド風が広まっていた頃ですもんね。
    ついでに[4]のサビと[5]も、どことなくビートルズを彷彿とさせます。
    ゲーンズブール作の[6]はエキゾティック。[9]も同じくゲーンズブール作ですが、いかにも60年代の彼らしいYeye風。
    [8]は、フランス・ギャルの代表曲のひとつですね。
    疾走感ある[11]はウィスパーせず思い切り歌い、[12]は子供のような可愛い声でデュエットしています。
    個人的に一番好きなのは[10]。ミッシェル・ルグランの映画音楽(ロシュフォールの恋人たち、シェルブールの雨傘)に出てきそうな、スイング感あふれる粋な曲です。

    [1]と[8]は、J.Dassin - J.M. Rivat&F.Thomasの共作。[6]と[9]の作者はSerge Gainsbourg セルジュ・ゲーンズブールです。


    1967- 68 
    1.Toi Que Je Veux
    2.Chanson Indienne
    3.Gare a Toi... Gargantua
    4.Avant la Bagarre
    5.Chanson Pour Que Tu M'Aimes un Peu
    6.Nefertiti
    7.Fille d'Un Garcon
    8.Bebe Requin
    9.Teenie Weenie Boppie
    10.Les Yeux Bleus
    11.Made in France
    12.Petite (Avec M. Biraud)
    1.あなたが欲しい
    2.インドのうた
    3.食いしん坊さん、気をつけて!
    4.けんかの前に
    5.あなたに贈る歌
    6.ネフェルティティ
    7.ある男の子の恋人
    8.おしゃまな初恋
    9.ティニー・ウィニー・ボッピー 10.青い瞳に恋してる
    11.メイド・イン・フランス
    12.ラ・プティット(デュオ:モーリス・ビロード)

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    ロシュフォールの恋人たち サウンドトラック - MICHEL LEGRAND

    ミシェル・ルグランの傑作 ★5

    ジャズミュージシャンとしても有名なフランスのMICHEL LEGRAND ミシェル・ルグラン。これは彼が音楽を担当したミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち(1966)」のサウンドトラック。同じくジャック・ドゥミ監督と組んだミュージカル映画「LES PARAPLUIE DE CHERBOURG シェルブールの雨傘」と並ぶ傑作です。
    画像左(1966年サントラのリマスター完全盤)は2枚組。ジャケットが、あの可愛い映画ポスターと違うことに多少違和感を覚えつつも、買って正解でした。
    2枚目には英語ヴァージョンやインスト曲だけでなく、[9]デモ&コメントも入っていて、テーマ曲の「Chanson Des Jumelles 双子姉妹の歌」については、ルグランがインタビューに答える形で語っています。
    「テーマ曲は50もの候補の中から選んだそうですね」という質問に対して、「あれこれ考えた末、あの曲にいきついたんだ」と答えるルグラン。ボツになった試作品のさわりを、自らピアノを弾きながら次々と披露していきます。どの断片も、聴いているとワクワクしてくる魅力的な音楽で、切り捨てる作業は大変だったろうなぁと思います。

    映画「ロシュフォールの恋人たち」がフランスのTVで再放送された時に、あらためて見たんですが、その後何日かは脳内でいろんな曲がループし、気づくと口ずさんでいる状態に陥りました。
    この魔法にかかったのは私だけではなく、放映後しばらく、パリのあちこちでこの映画の曲を口笛で吹く人を見かけました。
    それほど視聴率が高かったのか、TV欄のタイトルやTV予告を見ただけで脳を占領されたのかはわかりませんが、これほど記憶に残るというのは何かの魔術のよう。ミッシェル・ルグランは頭に残るメロディ作りの天才ですね。

    JACQUES DEMY ジャック・ドゥミ監督、CATHERINE DENEUVE カトリーヌ・ドヌーヴ、ミシェル・ルグランが組んだ映画はいくつかありますが、この夢と理想と幸福感に満ちた「ロシュフォールの恋人たち」は、ものわびしくて現実的な点も多い「シェルブールの雨傘」と対をなしている気がします。(どちらもフランスの地名ですし。)
    シェルブールも好きですが、「ロシュフォール」は何度見ても楽しい気分にさせられるいい映画です。
    楽しくてドラマティックな音楽と映像、ロマンティックで愛らしいまでに素直なすれ違いストーリー。実の姉妹であるカトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックが演じる双子の可愛さ。(無理に若ぶってるように見えるという人もいますが。)そして1960年代モード全開の衣装と美術。(長年にわたる60-70's愛好者の私にとっては垂涎もの。)
    フランスワーズ・ドルレアックがふわふわしたワンピースを着て歩いている時「お嬢さん、下着がはみ出していますよ」と指摘されたり、母親が昔「マダム・ダム」と呼ばれるのが嫌だったという理由でダムという男性との結婚を断ってしまったり…といった、ちょっと笑えるエピソードも何だか可愛らしくて。
    このサウンドトラックは、ミシェル・ルグランのアルバムの一つと考えることもできますが、歌詞は全て映画のセリフですし、やはり映画を見ておいた方が楽しめるような気がします。

    AMAZON.frで試聴できます。


    LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT(B.O.)/ ミシェル・ルグラン
    1966

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    BRASIL65 - SERGIO MENDES+WANDA SA

    ブラジル'65 / セルジオ・メンデス・トリオ+ワンダ・サー

    ・・・・ジャズ系ボサノヴァ・・・ ★4.5

    ワンダ・サーを迎えたセルジオ・メンデスのユニットブラジル'65のアルバム。
    後々ポップ路線に進んでいくセルジオ・メンデスですが、本作はボサノヴァ色が濃く、個人的には彼のアルバム中で一番好きです。

    ワンダ・サーは[1]、[5]、[8]を英語で、[2]、[10]をポルトガル語で歌っています。[3]はピアノを抜き、代わりにジャズアルトサックス奏者バド・シャンクのフルートと、女性ギタリストホジーニャ(ロジーニャ)・ヂ・ヴァレンサのギターが入っています。

    英語でも歌う素朴なヴォーカルの若い金髪女性、アメリカのジャズサックス奏者、ブラジルのギターの名手が参加するジャズ・ボサノヴァ・アルバム...という条件は、アストラッド・ジルベルトをフィーチャーしたスタン・ゲッツのジャズサンバ・アルバムと酷似していますね。
    「ソーナイス(サマーサンバ)」を聴き比べると、アストラッドはヨタヨタ歩く女の子のような感じ、ワンダはハスキーで素朴で母性的な感じがします。
    この曲は、作者マルコス・ヴァーリ本人のアルバム「サンバ’68 」収録の奥さんとの幸せ感たっぷりな(能天気っぽい)デュエットも好きです。


    1965
    Wanda Sa(vo); Sergio Mendes; Sebastiano Neto(b); Chico Batera(d); Rosinha de Valenca(g); Bud Shunk(as, fl)...

    1. So Nice (Samba de Varao) [Marcos Valle] 1.ソー・ナイス(サマーサンバ)
    2. Berimbau [Baden Powell] ビリンバウ
    3. Tristeza Em Mim 私の悲しみ<
    4. Aquarius [Joao Donato] みずがめ座
    5. One Note Samba ワン・ノート・サンバ [A.C.Jobim]
    6. She's a Carioca 彼女はカリオカ [A.C.Jobim, Vinicius de Moraes]
    7. Muito a Vontade [Joao Donato] 軽い気持ちで
    8. Let Me (Deixa) [Baden Powell] レット・ミー
    9. Consolacao [Baden Powell] なぐさめて
    10. Reza [Edu Lobo]  祈り

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    QUARTETO EM CY クアルテート・エン・シー

    クアルテート・エン・シー /  クアルテート・エン・シー

    極上ファーストアルバム・・・ ★5

    女性4人コーラス・グループ、クアルテート・エン・シーの1作目。
    [3],[6],[7],[11]はルイス・カルロス・ヴィーニャス(p)、オターヴィオ(b)、ロナルド(ds)の3人からなる名ジャズ・ボサ・トリオ、ボサ・トレスがバックを務めていてcoolなジャズテイスト。タンバ・トリオが好きな方にも聴いてみていただきたいです。
    [1],[2],[4],[5],[8],[9],[10]のアレンジとピアノはエウミール・デオダートが担当。ラウリジーニョ(トロンボーン)、パウロ・モウラ(as)も参加しています。

    曲は、[1],[6]がEduardo Loboエドゥ・ロボ/Ruy Guerra共作。[3]がバーデン・パウエル/ヴィニシウス・ヂ・モライス共作。[7]はカルロス・リラ/ジェラルド・ヴァンドレ共作(アストラッドのヒット曲としても有名)。[8]がA.C.ジョビン/ヴィニシウス共作。ゼー・ケチとエルトン・メデイロスのサンバ曲[11]は、ボサノヴァ風にアレンジされていて快適です。

    このグループは「クアルテート・エン・シー」というタイトルのアルバムを数枚出していてややこしいんですが、このファーストアルバムは1964年録音。軍事政権樹立の年で、ブラジルではボサノヴァが下火になっていた頃です。
    クアルテート・エン・シーはデビュー時から長年経ても美しい声のコーラスを維持していますが、音楽には時代の流行が反映されていて、ポップっぽいアルバムもあります。ブラジルでのボサノヴァブーム終焉の頃のこのデビュー作が一番ボサノヴァ色が濃いかもしれません。


    1964年8月22日、9月2,3日録音
    QUARTETO EM CY + BOSSA TRES, Eumir Deodato...
    1. REZA 
    2. ENQUANTO A TRISTEZA NAO VEM
    3. BERIMBAU 
    4. O TREM 
    5. BARRAVENTO
    6. RESOLUCAO  7. ARUANDA 
    8. CAMINHO DE PEDRA 
    9. NANA 
    10. VIDA RUIM 
    11. MASCARADA
    1.祈り
    2.悲しみが来ない間に
    3.ビリンバウ
    4.列車
    5.突風
    6.決意
    7.アルアンダ
    8.険しい道
    9.ナナン
    10.味気ない人生
    11.マスカレード

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    AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ

    マシュ・ケ・ナーダ[テンポ (1964)+アヴァンソ(1963) 2in1 CD]/ タンバ・トリオ



    ジャケット裏(AVANCO)

    Cooool! ★4.5

    ルイス・エサ(ピアノ/編曲)、 ベベート(ベース/サックス/フルート/ソロヴォーカル)、エルシオ・ミリート(パーカッション)の3人からなるタンバ・トリオ。
    CD「マシュ・ケ・ナーダ」は、2作目AVANCOと、3作目のTEMPOが1枚になっていて、TEMPOの横顔写真の黒いジャケットが表、AVANCOの座りこんだ3人の白いジャケットが裏に使われています。
    10代の頃ウイーンに音楽留学した後、ガーシュイン等の曲をオーケストラと演奏していたというルイス・エサの独特のアレンジ、ジャズ的な演奏、ひねりのきいたコーラス。[3]の、チェット・ベイカーを思わせるようなベベートの甘いソロヴォーカル。聴けば聴くほどcoolです。

    余談ですが映画「Next Stop Wonderland ワンダーランド駅で」(1998)で、[14]マシュ・ケ・ナーダが使われていました。
    水族館や海のシーンが多い映画で、(一応BGMとして) 始終ボサノヴァが流れるんですが、バックグラウンドというより音楽が前面に押し出されている感じでした。案の定というか、充実したサントラが出ています。
    運命の人との出会いというテーマ、男女がすれ違いを繰り返し最後に出会うストーリー、ハリウッド恋愛映画らしからぬ余韻を残すエンディング、音楽のインパクトの大きさ…という点では、アメリカ版「ロシュフォールの恋人たち」というところでしょうか。


    LUIZ ECA, ADALBERTO CASTILHO (BEBETO), HELCIO MILITO

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    • ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
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