Raconte-Moi...パリの詩(うた) - Stacey Kent ステイシー・ケント

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フランス語の曲を集めたアルバム ★5

フランスで何度もコンサートを行ってきたステイシー・ケント初の全曲フランス語アルバム。
少しでも外国語訛りがあるフランス語が苦手という人にはだめかもしれませんが、ジャズが好きでない人でも楽しめそうな、ゆったり気持ちのいい音楽です。

1曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)作のボサノヴァの名曲に、フランス人Georges Moustaki ジョルジュ・ムスタキがフランス語歌詞をつけて歌い、過去にヒットさせたLes Eaux De Mars(三月の水)。 ボサノヴァの名盤「エリス&トム-ばらに降る雨」でも、1曲目に収録されていますね。
南半球のブラジルでは「三月の水」は”秋に降る雨”ですが、仏語訳では”春の雪解け水”となっています。
2曲目は、高齢で復帰したHenri Salvador アンリ・サルヴァドールが歌ってヒットさせたJardin d'hiver(冬の庭)。 若手の人気アーティスト、ケレン・アンバンジャマン・ビオレー作の曲です。 ノスタルジックな雰囲気がたまりません♪
6曲目も同じ二人による曲で、ケレン・アン自身もファーストアルバムで歌っています。

今のところ、アルバム収録曲の動画も出ています↓


"Les Eaux De Mars" (Águas De Março)

[2010] Blue Note / EMI
Stacey Kent (vo、whistling), Graham Harvey (p, Fender Rhodes), John Parricelli (g), Jeremy Brown (double bass), Matt Skelton (dr, per), Jim Tomlinson (sax-ts/as/ss, clarinet, sansula)

1. Les Eaux De Mars [A.C. JOBIM / adapt..J.MUSTACCHI] - Águas De Marçoの仏語版
2. Jardin D'hiver [BENJAMIN BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
3. Raconte-Moi [BERNIE BEAUPERE / EMILIE SATT - J.-K. LUCAS]
4. L'étang [PAUL MISRAKI]
5. La Vénus Du Mélo [B. BEAUPERE / J.-K. LUCAS]
6. Au Coin Du Monde [B. BIOLAY / B. BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
7. C'est Le Printemps [OSCAR II HAMERSTEIN / R. ROGERS](It Might As Well Be Springの仏語版)
8. Sait-On Jamais ? [CAMILLE D'AVRIL / JIM TOMLINSON]
9. Les Vacances Au Bord De La Mer [PIERRE GROSZ / MICHEL JONASZ]
10. Mi Amor [CLAIRE DENAMUR]
11. Le Mal De Vivre [MONIQUE ANDRE'E SERF]
12. Désuets [P.-D. BURGAUD / ANDRE' MANOUKIAN]

"Les Vacances Au Bord De La Mer"

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The Movie - Clare and the Reasons /”ザ・ムーヴィー ” クレア&リーズンズ

ヴォーカル、コーラス、弦楽器...ノスタルジック感ただようポップ ★4

Clare Muldaur ManchonとOlivier Manchon クレア&オリヴィエ・マンション夫妻が率いる アメリカ・ブルックリンに拠点をおくバンド Clare&the Reasonsのファーストアルバムです。
Clare Muldaur Manchonのスイートな歌声は、軽やかに舞う羽のよう。その美しいヴォーカルと、きれいに絡むコーラスが作り出す透明感あるハーモニー、弦楽器のあたたかい音、懐かしい雰囲気に、ツボを直撃されました。
エレクトロニックな曲が増えたセカンドアルバム”Arrow”より、私はこの1stの方が好きです。

ショップではロックにジャンル分けされていたりもしますが、「モダン・チェンバー・エレクトロニック・ポップ」ということになるようです。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロといった弦楽器がクラシカルな雰囲気をかもしだしています。個人的にはThe Cardigans カーディガンズに通じるものもちょっぴり感じます。
冥王星が惑星から外されて番号で呼ばれるようになったもの悲しいニュースを受けた”Pluto”などの歌詞もいいです。


"Pluto"

架空の映画のサントラをイメージしたアルバムらしく、ジャケットには、クレア&オリヴィエ夫妻作の、フランス語で書かれたフォトストーリーが入っています。
全員トレンチコートに帽子姿で、スパイだか探偵だかのエージェントに扮しています。チームの中の女が実は裏切り者だった...というコミカルさ。ジャケットの裏には、昔の映画に出てくるような古いタイプライターと黒いダイヤル式電話と中国語の新聞になぜか喜多屋と書かれた純米酒が置かれた写真が
CDにも古い電話のダイヤルらしきものがプリントしてあって、楽しませてくれます。

[2] Nothing/Nowhereには、Sufjan Stevens スフィアン・スティーヴンスがヴォーカルで参加。[6] Rodi にはGregoire Maretがハーモニカで、[9] Love Can Be a Crimeには、彼らが影響を受けているというVan Dyke Parks ヴァン・ダイク・パークスがピアノで参加しています。

Olivier Manchonは、フランスのChantilly出身(ジャケットのフォトストーリーがなぜかフランス語だったのも納得)。子供の頃からジャズとクラシックをやっていた彼は1999年に渡米。
マサチューセッツ州ボストンのバークリー音楽大学で学び、ギターとバイオリンで弦楽器セクションを務めながらLA、NYからブルックリンに移り住み、妻のクレアとともに結成したClare and the Reasonsの活動はここを拠点にしているそうです。クレアとは音楽大学時代に知り合ったようですね。
Clare Muldaur Manchon クレア・マルダー・マンションは、Geoff Muldaur ジェフ・マルダーの娘で、Jenni Muldaur ジェニ・マルダーと異母姉妹。家族揃ってミュージシャンです。このファーストアルバムでは、ヴォーカルの他、数曲でアコースティックギターも弾いています。(ドラムのように)足でタンバリンをたたいたり、打楽器をやったり、口笛を吹いたりも。フランス語も歌だけじゃなく、話します。

クレア・マンションの声は人を惹きつけるし、室内楽&ポップというのも面白いし、3作目以降のアルバムがどうなるかも少し気になります。個人的には打ち込み電子音が少なくて、あの美しいヴォーカル、コーラスとアコースティックな楽器でポップ、の方が個性的でいいと思うんだけど… 電子音入れないと売れないのかなあ


2010年8月のCotton Clubでの来日ライヴには、メンバー3人にロンドン出身のゲストを合わせた4人で来ていました。
Clare Muldaur Manchon(g,vo,kazoo,whistle,per)、Olivier Manchon(g,vo,vln,per,b,hrn)、 Bob Hart(g,vo,per,b,key,cl)+Jon Cottle(g,vo,per,b,key,vc)
最小限の構成で一人が何役もこなしていました。
クレアのヴォーカルは最高で、冗談をいいながら話す声もキュート。”All the Wine”の前には、夫妻が演奏しているウクレレはブルックリンのゴミ箱から拾ったんだという話をはさんでいました。
セカンドアルバムに入っている”That's All (Genesis Cover) ”の映像を見ると、金管楽器は別の人が吹いていて、オリヴィエ・マンションはヴァイオリンを弾いていますが、このライヴのアンコールでは、数ヶ月練習したという彼が金管を演奏していました。
このアルバムからの演奏で印象的だったのは、静かなPluton(仏語version)から、テンポを上げてPlutoにつなげたメドレーと、Alphabet City。いい曲です。

ジャズ、ボサノヴァは少人数でアコースティックなライヴが大好きだし、クラシックも含めて、ライヴで聴いてよかった~と思うことが多いですが、
このユニットのアルバムは、曲やメインヴォーカルと同じくらい、ストリング・セクションと、きれいに重なるコーラスが大きなポイントなので、それがゆるいと正直ちょっとあれれといういう気はしました。
メンバー数が少ないせいもあって、CDのような完成度が高い心地よさの代わりに、ストリートライブ感が味わえましたが。来日だからしかたないのに、CDや他のライヴ映像を見てちょっと期待しすぎちゃってたようです
お客さんは意外と年齢層が高めでした。チャージ無料イベントだったのもあってか、彼らの音楽を聴きに来た人と、コットンクラブでライヴを見ながら食事をしに来た人が混ざっている印象を受けました。


[2007] Frog Stand Records

Clare Muldaur Manchon(vocals, a. guitar, synth sounds), Olivier Manchon(vocals, violin, saw, piano), Alan Hampton(vocals, bass), Greg Ritchie(drums), Beth Meyers(vocals), Christopher Hoffman(Cello), Bob Hart

String section on all songs:
・Violin- Olivier Manchon, Maxim Moston, Robe Moose, Naho Tsutsui
・Viola- Beth Meyers, Marla Hansen, Christopher Jenkins
・Cello- Christopher Hoffman, Julia Kent, Ben Kalb

1. Pluto
2. Nothing/Nowhere
3. Under the Water ♪Clip(Frog Stand Records@YouTube)
4. Alphabet City
5. Cook For You
6. Rodi
7. Sugar In My Hair
8. Go Back
9. Love Can Be a Crime
10. Science Fiction Man ♪Live動画(Frog Stand Records@YouTube)
11. Pluton (フランス語歌詞)
1. プルート~冥王星に愛をこめて
2. ナッシング~ノーウェア
3. アンダー・ザ・ウォーター
4. アルファベット・シティ
5. クック・フォー・ユー
6. ロディ
7. シュガー・イン・マイ・ヘア
8. ルール・ザ・ワールド  ♪Live動画(Frog Stand Records@YouTube)
(Tears For Fearsのカバー。日本盤ボーナストラック)
9. ゴー・バック
10. ラヴ・キャン・ビー・ア・クライム
11. サイエンス・フィクション・マン
12. プルート~冥王星に愛をこめて(フレンチ・ヴァージョン)

Amazon.comページで全曲試聴できます


"Pluton" live at Paste
「プルート~冥王星に愛をこめて」のフランス語ヴァージョン。
学芸会のような手作り感たっぷりな設定の?遊び心あるライヴです。前半は真っ暗な中でライトを揺らしながら歌っている模様。宇宙をイメージしているんでしょうね 姿が現れるのは真ん中以降です。
My Brightest Diamond with Clare and the Reasons - Moon River&Ice, Ice Baby live at Pasteはさらに学芸会風

Rodi - live on Fearless Music
ClareがCDジャケットのフォトストーリーの写真の衣装で歌っている映像。鉄琴らしきものとリコーダーが可愛らしい

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NEE DANS LA NATURE - HELENA NOGUERRA エレナ(エレナ・ノゲラ)

子供みたいな遊び心と可愛さ ★4.5

前作に続きPhilippe Katerine(カトリーヌ/フィリップ・カトリーヌ)がプロデュースし、作曲+数曲作詞、ギター、コーラスも担当。
子供のような遊び心いっぱいで懐かしくてちょっとシニカルなカトリーヌ色が濃いアルバムで、前作よりもずいぶん洗練された印象をうけます。

ジャケットは、アルバムの中身と一致する楽しいデザイン。ベッドの上でライオンに寄り添うエレナが、
ランプ、楽器、傘の骨、帽子、バッグ、トランク、下着、靴、花、ミラーボール、小鳥、人形たち、ドクロなどに囲まれていて、
背景は子供が描く絵のようなイラストで埋められています。
歌詞カードも同じく子供時代を彷彿とさせるデザインです。

かくれんぼ好きの子供のような遊び心は、ラストのTrack11にも表れています。
”Qui Es-Tu ?”の後、CDが終わったと思うほど長い空白を置いて、こっそり隠された宝物のように”C'est Parapluie”が始まります。
ギターにのせてFifi Chachnillとエレナがいかにも楽しそうにデュエットしているのですが、
キーが低くて声が出ないところで笑い出したり、いかにも友達同士で楽しく歌っている感じ。歌詞も音楽もキュートな曲です。

彼女のヴォーカルに、LISA EKDAHLSTACEY KENTとEMILIE-CLAIRE BARLOWに共通する、リラックスしたキュートさが増したのも嬉しい限り♪ 可愛くてたまらないウィスパーヴォイスです。
1stアルバムが良かったのに、その後どうもさえない竜頭蛇尾なミュージシャンもいる中、エレナは前進していて、今後が楽しみなミュージシャンです。


2004
HELENA, PHILIPPE KATERINE他

1. Nee Dans La Nature
2. L'Age De Ma Mere
3. Je T'aime Salaud (♪動画試聴
4. Mary Poppins
5. Can't Get You Out Of My Head
6. Le Jardin Pres De La Falaise
7. Aux Quatre Vents
8. Les Fantomes
9. Quand Tu Dors
10. Je Nageais Nue
11. Qui Es-Tu ? / C'est Parapluie

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VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

◆"VERS LA MER - LES MOUETTES"の全文 >>

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PRINCESSE DE RIEN - RoBERT

プランセス・ド・リヤン / ロベール

囁きヴォーカルが引き立つ97年盤と、似て非なる2000年盤 ★5

ロベールのセカンドアルバムは、Princesse de rien(虚無王女)というタイトルのイメージどおり、孤独感が霧のように全体を覆っていて、かなりメランコリック
ヨーロッパのおとぎ話のような幻想的な雰囲気があり、嵐や深い森、夜の湖等が似合います。
ロベールは憂鬱すぎるという人もいますが、個人的には、北欧伝統音楽に通じるような憂いあるメロディと浮遊感に共感をおぼえます。
顔写真というだけなのに、透明感ある美しさと孤独感がにじみ出ているジャケットも好きです。

中でも一番イメージをかきたてるのは、昔のヨーロッパ宮廷を連想させるバロック風の曲PSAUME(詩編という意味)。もとは北欧デンマークの伝統音楽なんだそうです。

ロベールのアルバムは店であまり見かけませんが、パリの中古CD屋で、このジャケットのロベールが棚から私を見下ろしているのに気づきました。
フランスで一度も見かけなかったマイナーCDが目立つところに飾られてる...なぜ?」と、とりつかれたように買って帰り、家で聴いてみたら、
タイトルとジャケット写真はほとんど同じなのに、1997年に日本で買ったCDとは中身が全然違うんです。曲、アレンジ、歌い方だけではなく、よく見るとジャケットにもわずかな差が…。
「夜の間にいつのまにか髪が伸びてる日本人形じゃあるまいし...しかも、あそこで私を待ち構えていたかのようだった...」という考えが頭をよぎって一瞬怖くなりましたが、ロベールのサイトを見て納得しました。
1997年の方はインディペンデントレーベル発のマイナー盤で、新しい方は2000年3月発売のNAIVEレーベル発の新ヴァージョンなんですね。
この後にも1つ違うヴァージョンが出ていて、日本盤を入れると4種類存在するんだそうです。

2000年NAIVE盤は、ファーストアルバム並にテクノ度が上昇している上、ロベールのヴォーカルも、97年盤のような繊細なウィスパーヴォイスではなく、何だか切羽詰ったような、助けを求めているような、独特の声に変わっています。

曲順もかなり違い、この2000年盤にしか入っていない曲もあります。
ロベールと知り合ったAmelie Nothomb アメリー・ノートンが詩を書いた[1]もその1つです。
彼女は、日本でのOL生活経験を元に誇張とユーモアたっぷりに書いた小説「畏れ慄いて他で有名な女流作家です。

YouTubeにあるのは、だいたい後から手を加えた方のヴァージョン。彼女のクリップは、森や湖、エキゾチックな美女など、神秘的なものを連想させます。歌い方がたまにインドっぽく聞こえるのは気のせいかな。

私は、消え入りそうな可愛いささやきヴォーカル+適度なテクノ”の97年盤の方が断然好きです。もともとアコースティック楽器、ノスタルジックな雰囲気が好きなせいもありますが、古いヴァージョンの方が統一感があって、ロベールらしい独特の世界が表現されている気がするんです。
メランコリックで懐かしい子供の世界や寂しさや、いつまでもおとぎ話が好きな子供のままでいたい感覚を、隠さずありのままに出しているようで。
クラブ等で流すなら、テクノ率が高い&怪しさが加わった新ヴァージョンの方がおもしろいかもしれませんが、ちょっと冷たい衣を着せすぎじゃないかなとも感じます。


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ヂ・マーレ・ヂ・シー - クアルテート・エン・シー DE MARRE DE CY - QUARTETO EM CY

ゆったり ★4.5

エレンコレーベルでの2作目。
[2]のサンバ曲などは陽気ですが、中盤あたりはもの寂しくゆったりした曲が多めです。
タイトル曲[8]Marre de Cyなんて、Eu sou pobre, pobre, pobre、僕は貧しい、貧しい、貧しいと繰り返して始まりますが、これ以外にも現状に対する不満や貧しさが現れている曲があり、軍事政権下の当時のブラジルを想像してしまいます。
まぁでもコーラスはやはりすばらしく、好きな曲が多いアルバムです。

1,3,5,8の4曲はSydney Miller作。[1]O Circoは、ナラ・レオンのアルバム"Vento De Maio"でもおなじみですが、楽しいのにもの悲しい曲調と不思議な歌詞はまさにサーカス(Circo)のイメージです。
この4曲の中で特に好きなのは、ギターとコーラスだけで演奏される[3]A Menina da Agulha(針の少女という意味深なタイトル&歌詞)、途中バロック音楽を思わせるフレーズがコーラスや管楽器で入る[8]です。
Dory Caymmi ドリ・カイミ作曲のフワフワした[6]もお気に入り。うっとりします。


1967 ELENCO

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BRAZILIANA - LUIZ BONFA & MARIA TOLEDO ブラジリアーナ ルイス・ボンファ&マリア・トレド

ゆったりフワフワ、心地いい ★5

当時夫婦だったルイス・ボンファとマリア・トレードの、幸せ感たっぷりのアルバム。全曲オリジナルで、自然な明るさ、優しさとふんわり感がただよっています。
マリア・トレドの透明感あるささやきヴォーカル、ルイスのあたたかみのあるギター、多用される口笛&スキャット... すべてが好みでGal Costaガル・コスタ&Caetano Veloso カエターノ・ヴェローゾの”DOMINGO ドミンゴ”と同じくらい愛聴しています。

LUIZ BONFAといえば、Marcel Camus マルセル・カミュ監督の映画 「黒いオルフェ」 (1959年 フランス・ブラジル合作)の音楽をジョビンと一緒に作ったコンポーザー/ギタリストとして有名ですし、ジョアン・ジルベルトは「ボンファに捧ぐ」という曲を作っていますね。
そんなルイス・ボンファはこのアルバムでも、ひとりで出しているとは思えないようないくつものパートの音をさらりとさりげなく奏でています。弾くのは技術がいってむずかしそうですが、大変さを感じさせない、優雅で美しい演奏です ソロ曲[5],[13]や、ピアノが入る[9]では、その演奏をたっぷり味わうことができます。「黒いオルフェ」でおなじみの[3]も、ソロではないですがギターがメインの曲です。技術を誇示するように早弾きをすることなどはなく、ひたすら快適さを追求するように弾く彼のギター、大好きです

[1]Whistle Sambaは、口笛とルイス・ボンファのスキャットが楽しい気分にさせてくれる可愛らしい曲です。
[2][4][10]に入っているオーケストラは、昔の映画のような雰囲気をプラスしますが、派手すぎず控えめです。口笛で始まり、マリアが英語で歌っている[8]では、ストリングスがそっと寄り添い、間奏のところで古い映画風の雰囲気をちょっぴり加えています。[6]はカヴァキーニョが使われているわけじゃなく、歌詞にカヴァキーニョと出てくるだけです。マリアのヴォーカルとギターがメインでピアノが加わっています。
[11]は、マリアだけの部分とデュオの部分があるスキャット曲。[12]は、マリアのヴォーカルからデュエットになり、まだ続きそうなところでフェードアウトします。ラスト[14]は、とても幸せな気分にさせてくれる、スキャットのデュオ曲。これでフェードアウトして終わるあたりも、なんだかフンワリしています。

全曲オリジナルで統一感があるせいもあり、夢の世界にいるような心地よさが味わえる、とにかく快適なアルバムです

ジャズサックスプレイヤーSTAN GETZ スタン・ゲッツの”JAZZ SAMBA ENCORE!”にも、二人揃って参加していますね


1965
LUIZ BONFA, MARIA HELENA DE TOLEDO

1. Whistle Samba
2. Tanto Amor
3. Samba De Orfeu
4. Pierrot
5. Boticario
6. Cavaquinho
7. Improviso
8. Promessa
9. Sugar Loaf
10. Saudade
11. Guanabara
12. Pequeno Olhar
13. Baroco
14. Sambura
1. ホイッスル・サンバ
2. たくさんの愛
3. オルフェのサンバ
4. ピエロ
5. ボチカリオ
6. カヴァキーニョ
7. インプロヴィーゾ
8. 約束
9. シュガー・ローフ
10. サウダーヂ
11. グァナバラ
12. ペケーノ・オリャール
13. バロコ
14. サンブーラ

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BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL

Bossa Session

ジャズ的要素を取り入れつつも、懐かしさを感じさせるボサノヴァアルバム ★5

スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズを筆頭にアメリカでボサノヴァが流行していたた1964年頃の作品。
ボサノヴァ最盛期の懐かしさと同時に、[4][6][10]等の楽器演奏や[1][7]のスキャット混じりのヴォーカルにジャズテイストを感じます。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンから、若い世代のエドゥ・ロボ、デオダート、そして本作に参加しているロベルト・メネスカルまで、様々な世代のものを取り上げています。
SYLVIA TELLESとLUCIO ALVESのヴォーカル掛け合いと、ダバダバディバダのスキャットが楽しい[1]に始まり、ジョビン-モラエスの名曲[2]Ela E CariocaをLUCIOがけだるげに歌い、同じくジョビンの[3]Vivo SonhandoをSYLVIAがさらりと歌った後、メネスカル作の[4]をインストゥルメンタルで演奏。
続いてマルコス・ヴァーリ作の[5]をLUCIOがあたたかい声で歌い、再び清涼感ある楽器演奏[6]をはさんで、[7]の遊び心ある楽しいデュオにつなぐ…。
選曲、ヴォーカル、楽器演奏もさることながら、波打つようなこの温・冷の流れがまた快適。ジョビンの若かりし日のアルバム「カイミ・ヴィジタ・トム」等に通じるような、ほんわりやさしい感じもたまりません。
カフェでも飲んでくつろぎながらリピートで聴きたいくらい心地良いアルバムです。


1964
ボサ・セッション/シルビア・テレス, ルシオ・アルビス, ロベルト・メネスカル

SYLVIA TELLES, LUCIO ALVES, ROBERTO MENESCAL
シルビア・テリス(テレス), ルーシオ(ルシオ)・アルヴェス, ロベルト(ホベルト)・メネスカル, セウ・コンジュント他

◆"BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL"の全文 >>

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Barbara Lea バーバラ・リー (1956)

BARBARA LEA / バーバラ・リー

幸せ感ただようひそかな名盤 ★5

バーバラ・リーは、知名度が低いのが残念なジャズヴォーカリストの一人。
彼女の1950年代録音アルバムは3枚だけですが、そのうちの1枚である本作”Barbara Lea”を聴くまで、私も知りませんでした。
リピートしても飽きないアルバムです。それがいいことなのかは微妙ですが、大げさなところがなくて洗練されているのは確かです。
[1][2]のようなハッピーな曲をはじめ、全体的にあたたかい幸福感と小粋さが漂っています。気に入りました。
湿っぽくなりそうな[11]などの曲もさらっと粋に仕上げ、その後に軽妙なトラックを続ることで、あっさりした印象にしています。

楽しい気分になりたい時、寒い日にココアでも飲みながら家でゆっくりしたい時、モヤモヤ感をふき飛ばしたい時に聴きたくなる、心を軽くしてくれるようなアルバムです。


Baltimore Oriole 試聴

1956, Prestige
Barbara Lea (v), Dick Cary (ah), Johnny Windhurst (t), Al Hall (b), Dick Hyman (p), Osie Johnson (d), Richard Lowman, Al Casamenti

1.Nobody Else But Me
2.Where Have You Been?
3.I'm Coming Virginia
4.Honey in the Honeycomb
5.Thursday's Child
6.I've Got a Pocketful of Dreams
7.My Honey's Lovin' Arms
8.I Had Myself a True Love
9.Gee Baby, Ain't I Good to You
10.I Feel at Home With You
11.Baltimore Oriole
12.Blue Skies
13.I Feel at Home With You [Alternate Take][*]
14.Straw Hat Full of Lilacs [*]
日本盤
1.ノーバディ・エルス・バット・ミー
2.ホエア・ハヴ・ユー・ビーン
3.アイム・カミング・ヴァージニア
4.ハニー・イン・ザ・ハニーコウム
5.サーズデイズ・チャイルド
6.アイヴ・ガット・ア・ポケット・フル・オブ・ドリームス
7.マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ
8.アイ・ハド・マイセルフ・ア・トゥルー・ラヴ
9.ジー・ベイビー,エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
10.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー
11.バルチモア・オリオール
12.ブルー・スカイズ
13.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー(別テイク)
14.ア・ストロー・ハット・フル・オブ・ライラックス
[13][14]はボーナストラック

2010 試聴YouTube追加♪

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LULLABY OF BIRDLAND - BLUE STARS ララバイ・オブ・バードランド / ブルー・スターズ

ふわり、ノスタルジックで粋なフレンチ・コーラス・ユニット ★5

フランスのコーラスユニット(LES/THE) BLUE STARS ブルースターズが1954年11月に録音したファーストアルバム。
ブロッサム・ディアリーと、ミシェル・ルグランの姉クリスチャーヌ(クリスティアーヌ)・ルグランも参加しています。

私は昔からランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)…&バヴァン (LHB)等が好きで、フランス語のジャズコーラスグループを探していました。
気に入るものがなくて諦めかけていた頃、お馴染みのジャズスタンダード曲ララバイ・オブ・バードランドがフランスのジャズラジオ局で流れてくるのを耳にしました
粋なフランス語コーラスに好みのツボを直撃され、CDを探して即購入。
早速聴いてみると、冬の休日に聴きたくなるような、ほんわりあたたかく心地いいアルバムでした。イメージ通りのものに出会えるなんて、ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」みたいだなと喜んでいたら、
その映画の音楽担当のMichel Legrand ミッシェル・ルグランが、このアルバムの[1]と[11]のアレンジをしているんですね(あとの10曲はブロッサム・ディアリーが担当)。
アルバム相手に勝手に運命を感じてしまいそうになりました


CD [5]&[1]

ジャズスタンダード([1], [2])、ポップ、シャンソンから作者不明の歌まで、原曲の歌詞を思い切り無視したフランス語歌詞がつけられているのもおもしろさの一つ。
「ロリポップ」でも知られるコーデッツが同じ1954年にヒットさせた曲[7]Mister Sandman ミスター・サンドマンのタイトルは、Mister L'Amour(L'Amour=The Love)になっています。
Lullaby Of Birdland バードランドの子守唄は、Legende du Pays aux Oiseaux(バードランドの言い伝え)でタイトルは似ていますが、歌詞は違います。

さて、このアルバムに参加しているブロッサム・ディアリーが1956年アメリカに帰国したのを機に、ブルー・スターズは人数を6人に減らし、ミミ・ペランウォード・スイングルが加わります。ここまで変わったらもう新ユニットみたいな気がしますが
そしてブルー・スターズが消えた後、1959年にミミ・ペランを中心としたLES DOUBLE SIX ダブル・シックスが誕生することに。
彼女とウォード・スイングル、クリスチャンヌ(クリスティアーヌ)・ルグランの3人は、ブルー・スターズ時代からのメンバーです。
BLUE STARSもDOUBLE SIXも好きなのに、アルバムが少ないのが残念です


1954
Blossom Dearie, Christiane Legrand, Jeanine DeWaleyne, Nadine Young他

1.ララバイ・オブ・バードランド 2.スピーク・ロウ 3.ジーナ 4.ハート・オブ・マイ・ハート 5.ザッツ・マイ・ガール 6.ポルトガルの洗濯女 7.ミスター・サンドマン 8.1920年 9.ホールド・ミー・クローズ 10.ヴァージニアへの手紙 11.ザ・キッシング・ダンス 12.マンボ・イタリアーノ
1.Legende du Pays aux Oiseaux (Lullaby Of Birdland)
2.Tout Bas (Speak Low)
3.Gina
4.Plus Je T'embrasse (Heart Of My Heart)
5.Toute Ma Joie (That's My Girl)
6.Les Lavandieres Du Portugal (The Portuguese Washerwoman)
7.Mister L'Amour (Mister Sandman)
8.En 1920 (In 1920)
9.Embrasse-moi Bien (Hold Me Close)
10.Lettre a Virginie (Letter To Virginia)
11.La Danse Du Baiser (The Kissing Dance)
12.Mambo Italiano

共通項アーティスト・・・レ・ドゥブル・シスデューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドランバート・ヘンドリックス&ロス、L,H&バヴァン、スィングル・シスターズ、クワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

2010 試聴YouTube追加♪

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  • ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
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