VERS LA MER - LES MOUETTES

Catégories : おすすめ盤 , ヴォーカル-グループ , 2000年代 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , jazzy♪ , ノスタルジック♪ , 粋♪ , cool♪ , ジャズ:ヴォーカル , LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これだ!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足。お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくい、優しいアルバムです。


2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

◆"VERS LA MER - LES MOUETTES"の全文を見る »

QUELQU'UN M'A DIT - CARLA BRUNI メモ

Catégories : おすすめ盤 , 2000年代 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , ウィスパーヴォイス:ささやき系 , CARLA BRUNI

ケルカン・マ・ディ 風のうわさ / カーラ・ブルーニ

現代に現れたミューズの素顔 ★5

最新モードに身を包み、完璧なメイクをほどこされてポーズをとる...というモデル生活を送っていたカーラ・ブルーニは、このファーストアルバム”QUELQU'UN M'A DIT”ケルカン・マ・ディについてこう語っていました。(意訳)

≪ このアルバムは、ポーズをとっていない、眠りから覚めたばかりの女の子みたいにしたかったの。着飾らず、化粧もしてない、裸みたいな感じね。私、12年間着飾りっぱなしだったんだもの。 ≫

彼女が飾らずに内面を表現したというこのディスクが発売されると、フランス中が大騒ぎになりました。
「人気モデルが歌えば中身はともかく話題にはなるよね」という通念があった中、この作品は「モデルのお遊び」どころか、とても完成度が高く、アンニュイ、ノスタルジー、心地よさ、クールさと温かみ、人の心を惹きつける強い魅力をあわせ持ったアルバムだったからです。フランス人の好みに合わないはずがありません。

意表をつかれた批評家達は、この新生シンガーソングライターを称えました。
ラジオでは毎日カーラの歌が流れ、フランス国内でミリオンセラーを記録し、ほんの数年でいくつもの盤がリリースされました(Amzon France等のフランスのCD屋で検索すると、何種類も出てきます)。
そうして、かすれ気味でクールなのに優しい彼女の声は、モデルとしてのヴィジュアル以上にフランス中に広まりました。

「天は二物以上を与えるんだな、完璧すぎる。」とジャケットを眺めつつCDを聴いていると、音楽の女神ミューズが妙なる調べをやすやすと奏でる場面が思い浮かびますが、インタヴューを読むと、彼女の人間らしい面が垣間見えます。

自分の曲を作っているときは他の人の曲は聴かない。このアルバムを出した後もしばらく聴いていないの。他の人のすごい音楽を聴いたら、モチベーションが下がるから…。フェレ、ゲーンズブール、ブラッサンス、バルバラ、ディランなんかを聴いたら、自分のアルバムなんかどうでもよくなっちゃうでしょ?自分はいいものを作るんだって思い込まなくちゃならないのに、他人の音楽を聴いたら、くじけちゃうのよ。 ≫

この葛藤、何かを作ったことがある人なら1度は体験するんじゃないでしょうか。子供の頃は何も考えずに創作を楽しめていたのに、目が肥えて感覚が鋭くなればなるほど自己批評も厳しくなり、「世の中すでに良いものが出つくしているのに、今さら自分が作って何になる?」という考えが浮かんでしまう。そんなことって、ありませんか。

この作品は、カーラ・ブルーニがそんな考えに打ち克って最後までやり通した成果。途中でやめていたら、生まれなかった傑作です。

「自分のしてることは無駄じゃないか?」とモチベーションが下がった時は、このアルバムを聴いてみてください。
いくら他にいいものがあっても関係ないと思えてくるかもしれません。


2002, naive

セルジュ・ゲーンズブール(=Lucien Ginsburg)の"LA NOYEE"を含む2曲以外は、全て自作曲。タイトル曲[1]の歌詞は、私も大好きな映画監督レオス・カラックス(『ポンヌフの恋人』『汚れた血』等)と共同制作しています。
アレンジは、フランスで有名なグループTELEPHONEの元メンバーLOUIS BERTIGNAC。彼がこんな繊細で優しいアレンジをこなせるというのも人々の意表をついたようです。曲によってはコードアレンジ、ギター、ベース、ピアノ、メロトロン、オルガン、パーカッションも担当しています。
白黒写真のジャケットも美しいし、本当に完璧なアルバムです。

追記:ようやく2004年に日本盤が出ました。邦題は「ケルカン・マ・ディ 風のうわさ」。いいですね。歌詞タイトルは上記の通りです。
[13]としてケルカン・マ・ディ(レオス・カラックス監督作品)PV(CD Extra)が追加されているそうです。
愛聴盤ほど、後におまけつきのCDがリリースされるんですよね。複雑な気分...。

◆"QUELQU'UN M'A DIT - CARLA BRUNI メモ"の全文を見る »

MANUIA! - UKULELE CLUB DE PARIS

Catégories : おすすめ盤 , 2000年代 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , 多言語 , UKULELE CLUB DE PARIS

MANUIA ! / ウクレレ・クラブ・ド・パリ

洒落いっぱいのフランス味ウクレレ ★5

UKULELE CLUB DE PARIS、パリのウクレレクラブ。きわどいまでに単刀直入なユニット名です。
このアルバムを初めて聴いたときの印象は、真剣な顔でどじょうすくいを踊る人を見た時の何ともいえない感じ。
軽やかなウクレレとくつろいだ南洋の雰囲気に、けだるいゴリゴリしたヴォーカルをのせたり、現地音楽を模しているけど妙に怪しいコーラスが入ったり…。計算されたユーモアを感じます。とにかく、普通のポリネシア音楽ではありません。
参加メンバーを見たら納得がいきました。

ジョセフ・ラカイユARTHUR Hのアレンジャーも担当しているアーティストで、自分自身も妙に笑えるアルバムを出しています。
ドミニク・クラヴィックは、LEE KONITZやHENRI SALVADORとも仕事しているアーティストで、LES PRIMITIFS DU FUTUR(未来の未開人ども…これまた妙な名)の中心人物でもあります。そのレ・プリミティフ・デュ・フュテュールの”World Musette ワールド・ミュゼット”というアルバムは、「古きよきパリの雰囲気」と、怪しい面白さが溶け合ったアルバム。
ウクレレクラブの姉妹版とでもいう感じです。
どちらも時間的、空間的に隔たった楽器・音楽を素材に、パリ風の斜に構えたユーモアを加えて味付けしてあります。
ウクレレやミュゼットなんて縁がなさそう…と思っている人でも楽しめると思います。


2002
JOSEPH RACAILLE、DOMINIQUE CRAVIC他

◆"MANUIA! - UKULELE CLUB DE PARIS"の全文を見る »

Dreamsvilleドリームズヴィル - Stacey Kent ステイシー・ケント

Catégories : おすすめ盤 , 2000年代 , くつろぎ・リラックス♪ , ジャズ:ヴォーカル , STACEY KENT

Stacey Kent ステイシー・ケントの[Dreamsville] バラード~ドリームズヴィル

Dreamsville

最初の3秒でI've Got a Crush on You! ★5

2000年6月録音のアルバム。
私は再生して3秒、"I've got a"と聴いただけで気に入る予感がしました。
[2]のテナーサックスソロ、[3]のピアノソロ、[6]のギターとピアノがメインのイントロ等も夢見るようなゆったりした演奏です。
憂いがある[8]は好みの曲。ステイシー・ケントと夫のジム・トムリンソンのアレンジによる演奏は華奢で繊細な印象。元はミュージカル映画Chitty Chitty Bang Bang チキ・チキ・バン・バンの曲なんですね。

家族、友人、ファン等からバラードをリクエストされていたステイシーが、"an unashamedly dreamy and romantic album"を作るいい機会だと作ったアルバムだというだけあって、演奏からタイトル、ジャケットまで確かに夢見心地。
自らロマンティックなところがあると認めている彼女のアルバムには、程度の差はありますがいつもどこか”dreamy and romantic”なところがあります。
ステイシー・ケント ディスコグラフィー


2001

◆"Dreamsvilleドリームズヴィル - Stacey Kent ステイシー・ケント"の全文を見る »

デイブレイク - リサ・エクダール

Catégories : おすすめ盤 , 2000年代 , くつろぎ・リラックス♪ , cute♪ , 北欧・東欧等ヨーロッパ , LISA EKDAHL

SINGS SALVADORE POE / LISA EKDAHL

「スウェーデンの妖精」リサ・エクダールの幸せなアルバム ★5

スウェーデン民謡調の素朴なアルバムや、ロリータ的ヴォーカルがたまらないジャズアルバムなど、彼女の歌は昔から聴いていましたが、このアルバムが一番好きです。とにかく可愛く、透明感があります。
歌詞カードの中の写真はちょっと小悪魔的ですが、もともとアイドル的なだけあってジャケットは見るからに天使で、ヴォーカルは無邪気でキュートな女の子です。
歌い出しにちょっと入る笑い声や、ささやくような甘い英語ヴォーカルが最高にチャーミング。それなのに頼りなさを感じさせない安定感があるところが見事です。
SALVADORE POEの曲がこれまた彼女の魅力を最大限にひきだしています。
このサルバドーレ・ポーは、リサの新しい夫です。
2000年に離婚したばかりのリサが、毎年瞑想に訪れるインドの寺でニューヨーカーの彼に出会って再婚し、2001年末に2人のCDを発売したというわけです。めまぐるしいスピードというか素敵な偶然というか…。

20世紀半ばまでは、ボサノヴァが好きだとブラジル人に言うと、淡谷のり子好きのアイスランド人にでも出くわしたかのような顔をされました。フランス人に「エディット・ピアフなどのシャンソンが好きだ」と言った時に「うちのおじいちゃんがよく聴いてるよ」と言われるのと似ています。
フレンチ・ボサが流行ったフランスでも、ジャズやハードロック好きは多いのに、ボサノヴァ好きは見かけませんでした。
一度見たらフレンチボサを好きにならずにいられないクロード・ルルーシュの傑作映画「男と女」ですら、映画マニア以外の若いフランス人の間では無名で、「ダバダバダ」とタイトル曲を熱唱してようやく「映画は知らないけどその歌なら知ってる」といわれるのが関の山。時の流れは冷たいもんだと痛感しました。

ところが20世紀末になって、フランスでもボサノヴァ熱が再燃し、ラジオでもしょっちゅう流れるようになりました。
このリサ・エクダールのアルバムも、そんなボサノヴァ復活に関連していると思います。とはいっても彼女はスウェーデン出身ですし、このアルバムにボサノヴァのスタンダードは一曲も入っていません。ですがサルバドーレ・ポーの音楽は、心地よいボサノヴァを思い起こさせるんです。
これを聴くうちに皆がボサ風ポップの良さを思い出したんじゃないかという気がするほど、このリサのアルバムはフランスのあちこちで流れていたし、インパクトがありました。
特に1曲目の「デイ・ブレイク」は大流行して、毎日ラジオでかかっていましたが、あれだけ聴かされても嫌にならないというのは、なかなかすごいと思います。
このアルバムの発売数ヵ月後にフランスで行ったコンサートも好評だったようです。

リサ・エクダール&サルバドーレ・ポー夫妻が作った最高に幸せ感漂うアルバム。 ジャケットのように朝日を浴びながら聴くと、気持ちいい一日が過ごせますよ。


2001
LISA EKDAHL(1971- ), Salvadore Poe

◆"デイブレイク - リサ・エクダール"の全文を見る »

SALLE DES PAS PERDUS - CORALIE CLEMENT

Catégories : おすすめ盤 , 少しブラジル風味入り , 2000年代 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , ウィスパーヴォイス:ささやき系 , CORALIE CLEMENT

ルゥからの手紙 / コラリー・クレモン

ボサノヴァ色漂う快適フレンチポップ ★5

実の兄であるBenjamin Biolay バンジャマン・ビオレーのプロデュースによる、コラリー・クレモンのデビューアルバム。
適度な甘さ、懐かしさ、せつなさがうまい具合に混ざり合っていて、くつろげます。フランスでもかなり受けていました。
兄のバンジャマン・ビオレーはミュージシャン兼プロデューサー。ケレン・アンが参加したアンリ・サルヴァドールの大ヒット作『眺めのいい部屋』等を手がけています。

トラック[7]、[8]の甘えるようなウィスパー・ヴォイスはまさにフレンチロリータ。可愛いけどくどくない、さらっと自然なところが素敵です。

さて。ボサ混じりのフレンチポップの本作は、気持ちのいい午後に聴きたくなるお気に入りディスクですが、次の「バイバイ・ビューティー」は、うってかわってロック色が濃厚です。デュオも入っていて面白そうなのですが、何度も聴きたくなりそうにないので私は試聴で断念しました。
80年代のフランソワーズ・アルディやカヒミ・カリィ等を好きな方は気に入るかもしれません。


2001 Amazon.fr試聴
1. Salle Des Pas Perdus
2. L'ombre Et La Lumière
3. Ca Valait La Peine
4. La Contradiction
5. La Mer Opale
6. A L'occasion Tu Souris
7. Samba De Mon Coeur Qui Bat
8. Ces Matins D'été
9. Le Dernier Train
10. Lou
11. Le Jazz Et Le Gin
12. Bientôt
13. Mes Fenêtres Donnent Sur La Cour
1.ルゥからの手紙
2.影と光
3.勇気を出して
4.矛盾
5.オパールの海
6.あなたがときどき微笑む
7.胸の鼓動のサンバ
8.あの夏の朝
9.最終列車
10.ルゥ
11.ジャズとジン
12.いつかそのうち
13.中庭をのぞむ窓辺から

2002年日本盤には「14.影と光(FPM palme d’or mix:Fantastic Plastic Machine)」が追加されているそうです。

ワンダ・サーWANDA SA&BOSSA TRESアルバム

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 2000年代 , jazzy♪ , WANDA SA

ワンダ・サー・ウィズ・ボッサ・トレス・フィーチャリング・ルイス・カルロス・ヴィニャス

ワンダ・サーとボッサ・トレスのクールなジャズボサ ★5

タンバ・トリオと並ぶ名ジャズボサトリオBOSSA TRESボッサ・トレスが復活し、55歳を超えたWANDA SAワンダ・サーと共演したアルバム。気持ちよく吹き抜ける風のようなトラックからおさえをきかせた渋いトラックまで、何となくジャズクラブで聴いている気分になります。なので特に夜におすすめです。
若い頃からのハスキーヴォイスぶりに輪がかかり、温かみが増したワンダ・サーのヴォーカルとボッサ・トレスの軽妙でクールな演奏は、まるで熱いエスプレッソをかけた冷たいヴァニラアイスクリーム。温と冷、ほろ苦さと甘さ、魅惑的なアロマが渾然一体となって刺激してくるあの感覚…。
何かの映画の中でジュリエット・ビノシュがアイスにエスプレッソをぶっかけていた記憶もありますが、このアルバムともども、まだの方はぜひお試しを。

ボッサ・トレスといえば、1964年に女性4人コーラスグループ QUARTETO EM CYと共演したクアルテート・エン・シー(ファーストアルバム)も気に入っています。


2000
Wanda Sa With Bossa Tres, featuring Luis Carlos Vinhas

◆"ワンダ・サーWANDA SA&BOSSA TRESアルバム"の全文を見る »

BOSSANOVA 2001 - RAMON LEAL

Catégories : おすすめ盤 , 他国のブラジル音楽 , ヴォーカル-デュオ・デュエット , 2000年代 , くつろぎ・リラックス♪ , ウィスパーヴォイス:ささやき系 , RAMON LEAL

ボサノヴァ2001 / ラモン・レアル

・・・現代の洗練された快適ボサノヴァ・アルバム・・・ ★5

古きよき雰囲気も感じられますが、わざわざタイトルにしてあるとおり20世紀末に作られたスペイン発のボサノヴァ・アルバムです。
約半世紀前のボサノヴァ有名曲を大切にしつつ、余計なものを削ぎ落とした、洗練されたアルバムです。ジャケットだけはいまひとつですが...電子音の少ないボサノヴァ好みの私の新たな愛聴盤になりました。

よく練りこんだラモン・レアルの音楽もさることながら、女優でもあるベアトリス・ビノッティの適度にささやき気味のヴォーカルは最高にチャーミングです。

曲はD.カイミ、トム・ジョビン、ロベルト・メネスカル、カエターノ・ヴェローゾ等のお馴染みの曲ぞろい。9曲目「あなたと私 Voce e eu」は、「ゲッツ/ジルベルト#2」等では「私とあなた」と順番が逆ですが、同じ曲です。


2000
Ramon Leal & Beatrice Binotti

◆"BOSSANOVA 2001 - RAMON LEAL"の全文を見る »

CHAMBRE AVEC VUE - HENRI SALVADOR

Catégories : おすすめ盤 , 2000年代 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , HENRI SALVADOR

サルヴァドールからの手紙 / アンリ・サルヴァドール

旅心をそそる粋な復活作 ★5

2000年、フランスのFNACの売場でNOUVEAU !(新作)シールが貼られている山積みCDに目がとまりました。ジャケットには微笑むアンリ・サルヴァドールが。引退したと思っていたのに、83歳にして復活したとは!早速購入しました。
味のあるヴォーカルと、旅心をそそる曲。素敵なアルバムです。買ってよかった。

新人シンガーソングライターのケレン・アンに捧げられた曲に感銘を受けたアンリ・サルヴァドールが、若手ミュージシャンに囲まれて作った作品で、コラリー・クレモンの実兄でもあるミュージシャンバンジャマン・ビオレー等が参加しています。
[7]Un Tour De Manegeでは、自分より少し年下のジャズハーモニカプレイヤートゥーツ・シールマンスと、[11]Le Fou De La Reineではフレンチポップの代表的歌手フランソワーズ・アルディと共演しています。
話題性と内容の良さから、案の定いろいろな世代に受けて、フランス国内だけでもあっさり50万枚以上を売上げました。

英語ヴァージョンなどが入った日本盤他、いくつか盤が発売され、2002年にはジャズの名門ブルーノートレーベルからもCDがリリースされました。
私が買ったCDにはフランス語13曲が入っています。日本盤は1,2曲目が英語・ポルトガル語ヴァージョンです。
BLUE NOTE盤は、日本盤と同じ外国語ヴァージョンを採用し、曲順も変えてあります。さらに、ちょうど同じ頃ボサノヴァ風アルバムをヒットさせたスウェーデン歌手リサ・エクダールとのデュオも追加収録されています。

ブエナビスタ・ソシアルクラブで世界的に有名になったキューバ人ミュージシャンといい、ジョアン・ジルベルトといい、年に合わせた魅力を出せるというのはいいですねぇ。


2000
アンリ・サルヴァドール、トゥーツ・シールマンス、フランソワーズ・アルディ


HENRI SALVADOR アンリ・サルヴァドール

(1917 Cayenne 仏領ギアナ・カイエンヌ生まれ- )

キーワード :フランス、ヴァリエテ・フランセーズ、フレンチ、シャンソン。ユーモリスト、ヴォーカリスト、シンガーソングライター、作詞作曲家。

◆"CHAMBRE AVEC VUE - HENRI SALVADOR"の全文を見る »

PRINCESSE DE RIEN - RoBERT

Catégories : おすすめ盤 , 1990年代後半 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , メランコリック♪ , ノスタルジック♪ , cool♪ , ウィスパーヴォイス:ささやき系 , ROBERT

プランセス・ド・リヤン / ロベール

囁きヴォーカルが引き立つ97年盤と、似て非なる2000年盤 ★5

ロベールのセカンドアルバムは、Princesse de rien(虚無王女)というタイトルのイメージどおり、孤独感が霧のように全体を覆っていて、かなりメランコリック
ヨーロッパのおとぎ話のような幻想的な雰囲気があり、嵐や深い森、夜の湖等が似合います。
ロベールは憂鬱すぎるという人もいますが、個人的には、北欧伝統音楽に通じるような憂いあるメロディと浮遊感に共感をおぼえます。
顔写真というだけなのに、透明感ある美しさと孤独感がにじみ出ているジャケットも好きです。

中でも一番イメージをかきたてるのは、昔のヨーロッパ宮廷を連想させるバロック風の曲PSAUME(詩編という意味)。もとは北欧デンマークの伝統音楽なんだそうです。

ロベールのアルバムは店であまり見かけませんが、パリの中古CD屋で、このジャケットのロベールが棚から私を見下ろしているのに気づきました。
フランスで一度も見かけなかったマイナーCDが目立つところに飾られてる...なぜ?」と、とりつかれたように買って帰り、家で聴いてみたら、
タイトルとジャケット写真はほとんど同じなのに、1997年に日本で買ったCDとは中身が全然違うんです。曲、アレンジ、歌い方だけではなく、よく見るとジャケットにもわずかな差が…。
「夜の間にいつのまにか髪が伸びてる日本人形じゃあるまいし...しかも、あそこで私を待ち構えていたかのようだった...」という考えが頭をよぎって一瞬怖くなりましたが、ロベールのサイトを見て納得しました。
1997年の方はインディペンデントレーベル発のマイナー盤で、新しい方は2000年3月発売のNAIVEレーベル発の新ヴァージョンなんですね。
この後にも1つ違うヴァージョンが出ていて、日本盤を入れると4種類存在するんだそうです。

2000年NAIVE盤は、ファーストアルバム並にテクノ度が上昇している上、ロベールのヴォーカルも、97年盤のような繊細なウィスパーヴォイスではなく、何だか切羽詰ったような、助けを求めているような、独特の声に変わっています。

曲順もかなり違い、この2000年盤にしか入っていない曲もあります。
ロベールと知り合ったAmelie Nothomb アメリー・ノートンが詩を書いた[1]もその1つです。
彼女は、日本でのOL生活経験を元に誇張とユーモアたっぷりに書いた小説「畏れ慄いて他で有名な女流作家です。

私は「消え入りそうなささやきヴォーカル+適度なテクノ」の97年盤の方が好きです。もともとアンプラグド音楽、ノスタルジックな雰囲気が好きなせいもありますが、このオリジナルヴァージョンの方が統一感があって、ロベールらしい独特の世界がありのままに表現されている気がするんです。気取らずに素を出しているような。
クラブ等で流すなら、テクノ率が高い新ヴァージョンの方がしっくりくるでしょうが、 孤独な子供を思わせるような、ちょっとメランコリックで懐かしい雰囲気が好きな方には、97年盤がおすすめです。


◆"PRINCESSE DE RIEN - RoBERT"の全文を見る »

SAVEUR BRESIL - CLAIRE CHEVALIER

Catégories : おすすめ盤 , 他国のブラジル音楽 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , CLAIRE CHEVALIER

ボサノーヴァにのせて / ブラジル風に - クレール・シュヴァリエ

フランスとブラジルの幸せなマリアージュ ★5

CLAIRE CHEVALIER クレール・シュヴァリエのいかにも南仏らしい陽気であたたかいヴォーカルと、ROSINHA DE VALENCA ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサの粋なギター&アレンジが心地良い、幸せ感漂うアルバム。

ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサは、ジョアン・ジルベルトの女性版といわれることもあるギターの名手。ワンダ・サーとともに、セルジオ・メンデスの「ブラジル'65」にゲスト参加している、あのギタリストです。
長いブラジル生活の後に画家として母国フランスに戻ったクレール・シュヴァリエを、彼女がレコーディングに誘って生まれたのがこのアルバム。曲は全てフランスの有名曲で、ヴォーカルもフランス語です。とはいっても、「ちょっとボサノヴァ風にアレンジしてみた」程度の半端なものとは一線を画しています。
選曲にしても、愛や過去の恋の切なさを歌った歌詞と憂いあるメロディを持つ曲、つまりボサノヴァと相性のいい曲をうまく選んでいます。
そして、長いブラジル生活を経たフランス人歌手とブラジルのギターの名手が、そのフレンチソング(シャンソン)とブラジルのリズムを丁寧に織り交ぜて、ほのかな憂いを帯びた音楽に仕上げています。

気持ちのいい昼下がりにカフェでも飲みながら聴けば、おすすめしたくなる気持ちが分かっていただけるかもしれません。

盤、ジャケット・・・

クレール・シュヴァリエの唯一ともいえるCDですが、ジャケットは私が覚えているだけでも4種類あります。

◆"SAVEUR BRESIL - CLAIRE CHEVALIER"の全文を見る »

UM CANTINHO, UM VIOLAO - NARA LEAO & R.MENESCAL

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1980年代 , くつろぎ・リラックス♪ , NARA LEAO , ROBERTO MENESCAL

ナラ・レオン&ロベルト(ホベルト)・メネスカル

至福・・・ ★5

ナラ・レオンとロベルト(ホベルト)・メネスカルの1985年のアルバム。余計な音がなくシンプルで、リラックスしたアットホームな雰囲気です。ヴィオラオンとナラのふんわり優しいヴォーカルで最高に幸せな気分になれます。
ナラの晩年のアルバムによく参加しているロベルトは、ナラが10代の頃通っていたギター教室の先生だったそうです。このアルバムでは、そのギター教室で一緒に先生をしていたカルロス・リラの曲も演奏されています。
初期のアルバムや「ナラと素晴らしき仲間たち」「あこがれ」より気に入っているんですが、このCD、最近ショップで見かけません。これが廃盤なんてもったいない…。
試聴はhttp://www.allbrazilianmusic.comでできます。


1985
Nara Leao & Roberto Menescal

◆"UM CANTINHO, UM VIOLAO - NARA LEAO & R.MENESCAL"の全文を見る »

BRASIL(海の奇蹟)ジョアン・ジルベルト

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1980年代 , くつろぎ・リラックス♪ , cute♪ , CAETANO VELOSO , JOAO GILBERTO

BRASIL / JOAO GILBERTO

幸せ感たっぷり・・・★5

カエターノ・ヴェローゾとその妹マリア・ベターニアジルベルト・ジルといった若手アーティスト達と、ジョアン・ジルベルトの共演盤。
男性ヴォーカルが多いアルバムをこういうもなんですが…蝶が舞うのどかな花畑を想像させるような、可愛い雰囲気のアルバムです。

シナトラの朗らかな歌唱で有名なAll of meは、ポンポンポンというリズムでみんな仲良く歌っていて、手に手をとって遠足に行く子供を想像してしまうほど。
5曲目の終わりには風鈴を思わせる音が入っていて、何だか懐かしい気分にさせられます。

中身はそんな風に遊び心たっぷりで楽しいんですが、外見はちょっと、いかつい気がします。
ジャケ買い心をそそらないジャケット。「海の奇蹟」という邦題。このタイトルから、たくましい漁師だの嵐だの難破船だの、力強くて荘厳なものを連想してしまうのは私だけでしょうか? 「ブラジル(の水彩画)」というタイトルじゃありふれているということで、5.Milagre(=奇跡)の邦題を使ったのでしょうか。
ジャケ買いしたけど1回聞いて終わり、なんてアルバムはよくありますが、これはその逆でした。曲数が少なく短いですが、おいしいものを腹八分目という感覚で楽んでいます。


1981
Joao Gilberto(g,vo); Caetano Veloso(vo); Gilberto Gil(vo); Maria Bethania(vo); Johnny Mandel(arr,cond)

1. Aquqrela Do Brasil ブラジルの水彩画
2. Disse Alguem (All Of Me オール・オブ・ミー)
3. Bahia Com H バイーア・コン・H(アガ)
4. No Tabuleiro Da Baiana ノ・タブレイロ・ダ・バイアーナ
5. Milagre 海の奇蹟
6. Cordeiro De Nana ナナンの子羊

ELIS&TOM エリス&トム(ばらに降る雨)

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , ヴォーカル-デュオ・デュエット , 1970-1979 , くつろぎ・リラックス♪ , ANTONIO CARLOS JOBIM (TOM) , ELIS REGINA

ばらに降る雨 / アントニオ・カルロス・ジョビン&エリス・レジーナ

エリス&トムの最高に素敵なボサノヴァアルバム ★5

ELIS REGINA エリス・レジーナと、ボサノヴァの第一人者ANTONIO CARLOS JOBIM アントニオ・カルロス・ジョビン(トム)が共演した名盤。ボサノバ最盛期から15年近く経った1974年にアメリカのロサンジェルスで録音されました。全曲ジョビン作で、エリスの可憐で優しい魅力が全開です。

トム・ジョビンは、カイミ一家との共演アルバム〔CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム〕でも”Inutil Paisagem”と”So Tinha De Ser Com Voce”の2曲をやっています。
カイミとのアルバムには切なさと物憂さが漂っていますが、〔ELIS&TOM ばらに降る雨〕ヴァージョンは湿気が少なめ。物憂い曲でもエリスが歌うと明るさが出るのかもしれません。
この2曲に限らず全体的にこの〔ELIS&TOM〕は、サウダージな物憂い雰囲気と明るさのバランスがよく、誰でも聴きやすいアルバムだと思います。
録音時のジョビンとエリスは、互いに個性が強いせいか険悪な雰囲気だったそうですが、そんなことは微塵も感じさせない楽しげな幸せ感が漂っています。

[1]三月の雨は、世界中の様々なジャンルのアーティストに演奏され続けている有名曲ですが、私はこのアルバムのデュエットが一番好きです。会話するかのようなかけあいが絶妙で、その途中にふざけるように笑いながら歌うエリスの最高にチャーミングなヴォーカルはたまりません。
これは後の歌手に影響を与えているとも思います。フランス人女性シンガークレモンティーヌが歌う同曲でも、会話のように相手とかけあいしながら笑い出していて、このエリス&トムのデュオを意識しているように思えてなりません。実際どうかは知りませんが、オマージュなんでしょうか。

フランス人といえば、ナラ・レオンと共演したこともあるフランス人歌手George Moustaki ジョルジュ・ムスタキも、この曲をフランス語で歌っています。かなりフレンチ色が濃くてボサノヴァの印象は薄くなっていますが、ちょっと面白かったのは、歌詞の季節の変化です。
南半球のブラジルでは三月は秋だから「三月の水=で夏が終わる」ですが、北半球のフランスでは「三月の水」といえば春の雪解け水で、その違いが歌詞にも反映されています。夏の終わりと春の終わり。これから秋になるか夏になるかでは、イメージがずいぶん変わりますよね。(→Les eaux de mars 三月の雨フランス語歌詞

エリス・レジーナはアルバムごとに雰囲気がかなり違いますが、アップテンポで豪快・開放的なヴォーカルなら「エリス・イン・ロンドン」、ゆったりくつろいだチャーミングなヴォーカルならこの「ELIS&TOM」が一番気に入っています。


1974
ANTONIO CARLOS JOBIM & ELIS REGINA

◆"ELIS&TOM エリス&トム(ばらに降る雨)"の全文を見る »

DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1970-1979 , くつろぎ・リラックス♪ , メランコリック♪ , NARA LEAO

美しきボサ・ノヴァのミューズ / ナラ・レオン

・・・郷愁&哀愁・・・ ★5

1971年亡命先のパリでの録音。
個人的にはナラ・レオンの中で一番好きなアルバムです。
CDは、オリジナルと同じく2枚に分かれたものと、1枚にしたものがあります。

若い頃のナラ・レオンの広い豪華マンションがボサノヴァの創始者といわれるミュージシャンのたまり場となっていたのは有名な話。彼女はそんな環境で育ちつつ、ボサノヴァはブルジョワ的で現実から目をそらしていると感じるようになったそうで、1964年のファーストアルバム”NARA”の録音時にはすでにボサノヴァから離れていました。
その後、反政府的なプロテスト・ソングを歌うようになり、政府ににらまれてフランスに亡命します。
そこで懐かしのボサノヴァの良さを再認識して録音したのがこの「美しきボサ・ノヴァのミューズ」(原題DEZ ANOS DEPOISは「10年後」)で、ナラ・レオンの正式なボサ・アルバム一作目ということになります。
地理的に遠く離れた故郷と、ボサノヴァ仲間に囲まれていた懐かしい少女時代に思いをはせているせいでしょうが、いいようもない切なさとノスタルジーがただよっています。
これ以降は、ジャンルにとらわれずいろいろな曲を自分流に歌い、素敵なアルバムを出しています。

さて、アストラッド・ジルベルトに歌を教えたのはこのナラ・レオンだといわれています。確かに、力を抜いて優しく自然な感じで歌っているあたりは共通しています。
アストラッドはヘタウマともいえるあぶなっかさが、手を差し伸べたくなる可愛さにつながっていますが、ナラ・レオンのヴォーカルには、安定感、陰影と、包み込むようなあたたかみがあります。ボサノヴァに囲まれて裕福に育ったのに、環境に甘んじることなく、音楽面でも人生でもいろいろな経験をした彼女だからこそ、つくづくいいなぁと思わされる深みが出せるのかもしれません。


1971

◆"DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO"の全文を見る »

ELIS REGINA IN LONDON エリス・レジーナ・イン・ロンドン

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1965-1969 , hot♪ , ELIS REGINA

エリス・レジーナ・イン・ロンドン

豪快な疾走感が気持いい ★5

エリスのヨーロッパツアーメンバー(ロベルト・メネスカル他)と、イギリス人のピーター・ナイトが指揮するオーケストラが1969年3月(5月?)にロンドンに集まり、たった1日でレコーディングされたアルバム。
エリスは本当に気持よさそうに歌っていて、上昇気流に乗って昇っていくような伸びやかなヴォーカルは快感です。
歌とオーケストラを別々に録音したわけでなく、オーケストラの生演奏をバックにエリスが歌ったというのも納得です。
曲はアップテンポなものと、ゆったりしたものがいい具合に混ざっています。他のアルバムと同じ曲も入っていますが、このアルバムでの演奏はグルーヴ感があります。たとえばGiroは「コモ・イ・ポルケ」と比べてトーンも高く勢いがあります。
94年の日本語帯は「クラブミュージック」という分類になっています。なるほど。


1969
with accompaniment directed by Peter Knight

◆"ELIS REGINA IN LONDON エリス・レジーナ・イン・ロンドン"の全文を見る »

ブラジルの水彩画-トゥーツ・シールマンス+エリス・レジーナ

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1965-1969 , ELIS REGINA , TOOTS THIELEMANS

AQUARELA DO BRASIL / TOOTS THIELEMANS & ELIS REGINA

・・・幸せ感ただようJazzyな共演アルバム・・・ ★5

ジャズハーモニカ&口笛の名手トゥーツ・シールマンスとエリス・レジーナとの共演盤。ジャズとブラジル音楽の相性のよさをあらためて思い知らされます。
ホベルト(ロベルト)・メネスカル(g)、アントニオ・アドルフォ(p)、ジュランヂール・メイレーリス(b)、ウィルソン・ダス・ネヴィス(ds)、エルメス・コウテジーニ(perc)とともにエリスがヨーロッパ各地をツアーしている時(1969年始め)に、スウェーデンで録音されたそうです。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンの゛Wave゛他の有名曲に加え、トゥーツ・シールマンスのオリジナル曲(Five for Elis)等。
私が特に好きなのは、ホベルト・メネスカル作”VOCE(あなた)”。エリスが笑い声や吐息混じりに歌っていて、リラックスして楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。

エリスは時代や共演者に合わせて変わるので、アルバムによって印象が違います。同じ曲を聞き比べると、アレンジや雰囲気に合わせて自由自在に歌いわけているのが分かります。
この「ブラジルの水彩画」ではWave、Voce、O Barquinhoをリラックスした感じで歌っていますが、同年録音の「エリス・イン・ロンドン」では、グルーブ感たっぷりに伸びやかに歌いあげています。O Sonhoも、同じく同年録音の゛Como&Porque"で歌っていますが、また印象が全く違います。雰囲気で自在に歌いわけるジャズシンガーのようですね。
ボサノヴァならではのヘタウマ・リラックス系歌手もいいですが、表現力豊かなエリス・レジーナの歌うボサノヴァは最高です。

トゥーツ・シールマンスは数々のジャズプレイヤーと共演していますが、ブラジル関係のものとしては、豪華ゲストをこれでもかというくらい迎えたアルバム「ブラジル・プロジェクト(vol.1、2)」があります。聴けば聴くほど、共演者をくつろがせるオーラを感じさせられます。


1969
TOOTS THIELEMANS & ELIS REGINA

◆"ブラジルの水彩画-トゥーツ・シールマンス+エリス・レジーナ"の全文を見る »

デューク・ピアソンのハウ・インセンシティヴ メモ

Catégories : おすすめ盤 , 少しブラジル風味入り , ヴォーカル-グループ , 1965-1969 , ジャズ:ピアノ , DUKE PEARSON

DUKE PEASON - HOW INSENSITIVE

ジャズピアニストとコーラス、オーケストラのあたたかいアルバム ★5

トム・ジョビンの曲"How Insensitive"をタイトルにしたデューク・ピアソンの快適アルバム。
曲目を見ると、オリジナル曲の他、ボサノヴァ、ゴスペル、ジャズスタンダードが混ざっていますが、統一感がないどころか逆にジャケットそのままの独特な不思議世界ができあがっています。童話や幻燈を思わせるような、あたたかくて神秘的なアルバムです。冬の寒い日にはとくにおすすめ。どこかの森の奥の秘密の家に足を踏み入れたような気分が味わえます。

心地よさの秘密は、全体を包むあたたかい雰囲気に加え、絶妙な曲順にもあるでしょう。
「星影のステラ」で始まり、あたたかいコーラス3曲の後、ランバート・ヘンドリックス&ロスを思わせる粋なジャズ[5]。そこでふっとピアノソロ[6]を入れてしんみりさせた後、清涼感あるヴォーカリストフローラ・プリムのブラジリアンサウンドで湿度を下げ、再び大勢のコーラスであたたかさを出し、次は静かにソロ...。
温泉、サウナ、冷水を組み合わせるかのような絶妙の温度調整がたまりません。

5、8曲目の作曲もしているジャック・マンノは、ランバート・ヘンドリックス&ロスとジョーンズ=ルイス・バンドを聴いて、「ヴォーカルでビッグバンドをやったら面白いんじゃないか」と思いつき、17人からなるニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドを率いてこのアルバムに参加しています。
メインヴォーカルはアンディー・ベイと、チック・コリアの"Return To Forever"にも参加しているブラジルのフローラ・プリム(プリン)。ジャズピアニストのデューク・ピアソンは、フリューゲルホーンも演奏しています。

センスのいいアルバムをいくつも出したデューク・ピアソンが48歳の若さで他界してしまったというのは本当に残念です。しかもこのアルバム、CD屋であまりみかけないのですが廃盤なのでしょうか。
レーベルはジャズの名門BLUE NOTEです。


1969 / BLUE NOTE
Duke Pearson(p, elp,fh); New York Group Singers' Big Band (conducted by Jack Manno); Al Gafa(elg); Dorio Ferreira(g); Bob Cranshaw(b); Bebeto Jose Souza(b); Mickey Roker, Airto Moreira(d, perc); Andy Bey(vo on 2&3); Flora Purim(vo. on7&10)

◆"デューク・ピアソンのハウ・インセンシティヴ メモ"の全文を見る »

サンバ’68 - マルコス・ヴァーリ

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , ヴォーカル-デュオ・デュエット , 1965-1969 , くつろぎ・リラックス♪ , pop♪ , MARCOS VALLE

SAMBA'68 / MARCOS VALLE

晴れた休日に聴きたい幸せ感漂うアルバム ★5

ちょっと怪しいジャケットや、タイトルの「サンバ」とはほど遠く、楽しくくつろいだ気分になれる、洒落たアルバムです。
彼の作曲家としての代表作のひとつ[3]So Nice他、晴れた休日にぴったりの心地良い曲が詰まっています。
甘くてコクのある声のマルコス・ヴァーリと、透明感ある可愛い声の元妻アナマリアとのデュエットは最高。
セルジオ・メンデスやアストラッド・ジルベルトと同じく、アメリカでのボサノヴァ流行をうけていて、歌詞は英語がメイン。とっつきやすい雰囲気の快適なアルバムです。
初期の頃のブラジルの憂いあるボサノヴァはあまり好きじゃない、という方にもおすすめです。


1968(1967年録音)
Anamaria アナマリア(vo)、Eumir Deodato エウミール・デオタート(arr)、Claudio Slon(ds)、クラウディオ・スローン参加

◆"サンバ’68 - マルコス・ヴァーリ"の全文を見る »

ドミンゴ - GAL e CAETANO メモ

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , ヴォーカル-デュオ・デュエット , 1965-1969 , くつろぎ・リラックス♪ , メランコリック♪ , CAETANO VELOSO , GAL COSTA

DOMINGO / カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ

極上の甘さとアンニュイ ★5

カエターノ・ヴェローゾは、ブラジルでボサノヴァ衰退後に繰り広げられるトロピカリズモの中心となる人物ですが、その直前、彼がガル・コスタと録音したこのデュオ・アルバムは、物憂さ漂う名盤です。
そっとささやくように歌う二人の甘くやさしいヴォーカルがたまりません。

アントニオ・カルロス・ジョビン等の曲に代表されるような独特の憂愁・サウダージは、ボサノヴァの大きな魅力。
そのボサノヴァの終焉にふさわしいような静けさと切なさが、このアルバム全体を包んでいます。
白黒写真とサイケなカラーをくみ合わせた、いかにも60年代後期らしい洒落たデザインのジャケットも魅力的。
音質の悪さも懐かしさをそそるスパイスだと思えるほど、好きなアルバムです。
晴れた日よりは、曇りや雨の日。じっくり聴くと、じんわりあたたかい気分になってきます。

ナラ・レオンのDEZ ANOS DEPOIS(美しきボサ・ノヴァのミューズ)が好きな方には特におすすめ。たぶん気に入ると思いますよ。


1967 Gal Costa & Caetano Veloso

◆"ドミンゴ - GAL e CAETANO メモ"の全文を見る »

ロシュフォールの恋人たち サウンドトラック- MICHEL LEGRAND

Catégories : おすすめ盤 , 1965-1969 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , jazzy♪ , 粋♪ , MICHEL LEGRAND

LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT(B.O.)/ ミシェル・ルグラン

ミシェル・ルグランの傑作 ★5

ジャズミュージシャンとしても有名なフランスのMICHEL LEGRAND ミシェル・ルグラン。これは彼が音楽を担当したミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち(1966)」のサウンドトラックです。同じくジャック・ドゥミ監督と組んだミュージカル映画「LES PARAPLUIE DE CHERBOURG シェルブールの雨傘」と並ぶ、ルグランの傑作です。
画像左(1966年サントラのリマスター完全盤)は2枚組。ジャケットがあの可愛い映画ポスターと違うことに多少違和感を覚えつつも買って正解でした。
2枚目には英語ヴァージョンやインスト曲だけでなく、[9]デモ&コメントも入っていて、テーマ曲である「Chanson Des Jumelles 双子姉妹の歌」についてインタビュー形式で紹介しています。
「テーマ曲は50もの候補の中から選んだそうですね」という質問に対して「あれこれ考えた末、あの曲にいきついたんだ」と答えたルグランが、ボツになった試作品のさわりを次々と、自らピアノを弾きながら歌っていきます。どの断片も、聴く人をワクワクさせるようなルグランならではの魅力的な音楽で、切り捨てる作業が難しかっただろうなと思います。

フランスのTVで再放送された時、映画「ロシュフォールの恋人たち」をあらためて見たんですが、その後数日間私の脳内では映画のいろんな曲がループし、気づくと口ずさんでいる状態が続きました。
それは私だけではなかったようで、放映後しばらくの間パリのあちこちでこの映画の曲を口笛で吹く人を見かけました。
それほど視聴率が高かったのか、新聞TV欄のタイトルやTVの予告スポットを見ただけで脳を占領されたのかは知りませんが、これほど記憶に残るというのは魔法のよう。ルグランは頭に残るメロディ作りの天才ですね。

◆"ロシュフォールの恋人たち サウンドトラック- MICHEL LEGRAND"の全文を見る »

VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , WANDA SA

ヴァガメンチ / ワンダ・サー (ヴァンダ・サー/ワンダ・ヂ・サー)

快適デビューアルバム・・・ ★5

TV出演をきっかけにデビューしたイパネマ出身のワンダ・サーのファーストアルバム。プロデューサーはRoberto Menescal ロベルト・メネスカル
セルジオ・メンデスは、このアルバムを聴いて彼女を気に入り「ブラジル'65」に加えたそうですね。
ビブラートをかけない素朴な歌い方と、二十歳そこらとは思えないハスキーな声。ボサノヴァならではの脱力感と物憂げさもたまりません。彼女に影響を受けたと語るアーティストが多いのも分かる気がします。
小野リサも、尊敬するアーティストとしてワンダ・サーの名前を挙げていました。彼女のアルバム〔Pretty World〕(2000年)を聞くと確かにワンダ・サーを思い出すんですが、他ではどちらかというとナラ・レオンに近い気もします。ワンダ・サーの方が共感できるのでしょうか。


1964
WANDA SA ( WANDA DE SAH )

◆"VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー"の全文を見る »

BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , ノスタルジック♪ , ROBERTO MENESCAL

ボサ・セッション/シルビア・テレス, ルシオ・アルビス, ロベルト・メネスカル

Bossa Session

ジャズ的要素を取り入れつつも、懐かしさを感じさせるボサノヴァアルバム ★5

スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズを筆頭にアメリカでボサノヴァが流行していたた1964年頃の作品。
ボサノヴァ最盛期の懐かしさと同時に、[4][6][10]等の楽器演奏や[1][7]のスキャット混じりのヴォーカルにジャズテイストを感じます。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンから、若い世代のエドゥ・ロボ、デオダート、そして本作に参加しているロベルト・メネスカルまで、様々な世代のものを取り上げています。
SYLVIA TELLESとLUCIO ALVESのヴォーカル掛け合いと、ダバダバディバダのスキャットが楽しい[1]に始まり、ジョビン-モラエスの名曲[2]Ela E CariocaをLUCIOがけだるげに歌い、同じくジョビンの[3]Vivo SonhandoをSYLVIAがさらりと歌った後、メネスカル作の[4]をインストゥルメンタルで演奏。
続いてマルコス・ヴァーリ作の[5]をLUCIOがあたたかい声で歌い、再び清涼感ある楽器演奏[6]をはさんで、[7]の遊び心ある楽しいデュオにつなぐ…。
選曲、ヴォーカル、楽器演奏もさることながら、波打つようなこの温・冷の流れがまた快適。ジョビンの若かりし日のアルバム「カイミ・ヴィジタ・トム」等に通じるような、ほんわりやさしい感じもたまりません。
カフェでも飲んでくつろぎながらリピートで聴きたいくらい心地良いアルバムです。


1964

SYLVIA TELLES, LUCIO ALVES, ROBERTO MENESCAL
シルビア・テリス(テレス), ルーシオ(ルシオ)・アルヴェス, ロベルト(ホベルト)・メネスカル, セウ・コンジュント他

◆"BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL"の全文を見る »

CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , ANTONIO CARLOS JOBIM (TOM) , CAYMMI(DORIVAL,NANA)

カイミ・ヴィジタ・トム / ドリヴァル・カイミ&アントニオ・カルロス・ジョビン

DORIVAL CAYMMI & ANTONIO CARLOS JOBIM

物憂い夕暮れ ★5

ドリヴァル・カイミアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)という世代の違う二人の1964年の初共演作。タイトル通り、カイミ一家がトムの家にふらっと立ち寄って何気なく演奏したかのようなくつろいだ雰囲気、物憂げな演奏、情緒ある歌。サウダージをしみじみ感じられる、夕暮時にぴったりなアルバムです。

のちにMPBで活躍するカイミの子供達(ナナ、ドリ、ダニーロ)だけでなく、奥さんのステラも珍しく歌っています。それがまた「家族でトムの家に寄った」雰囲気を強めています(9.Cancao Da Noiva)。ステラの声は娘ナナと共通点があり、母性的で切ない感じのヴォーカルです。
トムが歌っているのは2曲だけですが、彼のピアノとドリのヴィオラォン、ダニーロのフルートによるインストゥルメンタルの Berimbau も聴きごたえがあります。
唯一のトムとドリヴァルのデュエット曲5.Saudades Da Bahiaは、ハーモニーがぴったりはまりすぎていなくて、ゆる~い感じ。ボサノヴァ的で最高です。

ナナはこのアルバムがデビュー作らしいですが、声は瑞々しいながらも歌いっぷりはすっかり堂に入っています。Tristeza De Nos Doisでは情緒たっぷりにのびのびと、8.Sem Voceではしっとりと歌っています。3.Inutil Paisagemでの浮世離れしたヴォーカルには、すごみすら感じます。空中をまっすぐ突き進むような声で「空はなぜこんなに広いの、海はなぜこんなに大きいの」と歌うのを聴くと、壮大な風景が目の前にざーっと広がります。
大きなサングラスを見るとミッシェル・ポルナレフの”Tout tout pour ma cherie...”が鳴り響く私の脳では、広大な風景を見るとこの曲が自動再生されます。

「バラよりうつくしいものはない」とドリヴァル・カイミが歌うDas Rosasは、バラ(とそれに象徴されるもの)にほのかな憧れを抱くブラジル人青年を描いています。が、同じ曲をボサノヴァ好きフランス人ピエール・バルーがフランス語歌詞で歌うと("Des Roses" デ・ローズ)、バラと女性を愛するドンファンの世界。このバルーのフレンチバージョンと聴き比べると、カイミのオリジナルの曖昧さ、純朴さ、切なさが際立ちます。

スタン・ゲッツのジャズサンバ等でジャズボサになじんでいた私を、かれこれ15年以上前にブラジル音楽(ボサノヴァ)中毒にしたのは、このアルバムです。明るいサンバ系が好きな人は「メランコリックすぎる」、歌詞のひねりを求める人は「ボサの歌詞は物足りない」と感じるかもしれませんが、私にとっては思い入れのあるアルバムです。
大きなCD屋でもブラジル音楽売場が小さく、ネットショップどころかネット自体今ほど普及していなかった当時、CD探しは体力と勘と所持金勝負でした。所持金に限界のある学生時代の私が、もし同じカイミのCAYMMI EM FAMILIAや、ジョビンのインストアルバムを先に聴いていたら、ここまでブラジル音楽にはまることにはならなかったでしょう。


1964

◆"CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム"の全文を見る »

NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン

Catégories : おすすめ盤 , 少しブラジル風味入り , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , 夜に♪ , ジャズ:その他 , GERRY MULLIGAN

NIGHT LIGHTS - GERRY MULLIGAN

ジャケットとタイトルのイメージどおり・・・ ★5

潤んだような街の光が水面に揺らめくところが思い浮かぶようなジャケットとタイトル。豪華客船から街を眺めつつシャンパーニュとシーフードに舌鼓…なんてシーンを想像しつつ、ビールと冷奴で納涼するのに最適なアルバムです。

白熱したセッションが好きな人は、プレイヤーが遠慮気味で燃焼しきっていなくてつまらないと感じるかもしれません。アート・ファーマーなど特に控えめな気がします。
このアルバムにはそういう熱さがなく、心地良い涼気が漂っていて、全員が美しい夜の景色を思い描きながら夢見心地で演奏しているような感じすらします。

普段はピアノ無しの演奏を好むジェリー・マリガンが、[1]の「ナイト・ライツ」では自らピアノを弾いています。水晶を連想させる繊細な音です。
そして普通ならバリバリッという音になりがちなバリトンサックスを相変わらず優雅に吹きこなしています。チェット・ベイカーとの気合の入ったセッションなどとはまた違う、リラックスした感じが味わえます。
ジェリー・マリガンが映画『真夏の夜のジャズ』に出てくるのを見ましたが、外見もcoolですね。
いつもにまして水の中をゆらゆら漂っているようなジム・ホールのギターも快適です。

曲は、ジェリー・マリガンのオリジナルの他、ブラジル音楽やクラシック曲も入れています。
[2]は映画『黒いオルフェ』の中で、主人公がこの曲をギターを弾きながら歌うにつれて朝日が昇っていくシーンで使われている、ルイス・ボンファの有名曲。[3]はフランク・シナトラの十八番ですが、アン・バートンのヴァージョンも味があって割と好きです。[4]はショパンの切ないピアノ曲、プレリュード第4番。

ソファやベッドにゆったり横たわってこのアルバムを聴くと、疲れも何もフウっと抜け出ていく気がしますよ。


1963, MERCURY
Gerry Mulligan (bs,p,cl), Art Farmer (tp/flh), Bob Brookmeyer (btb), Jim Hall (g), Bill Crowe (b), Dave Bailey(tb), Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds)...

◆"NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン"の全文を見る »

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ファースト+セカンドアルバム)

Catégories : おすすめ盤 , ヴォーカル-グループ , 1955-1959 , 1960-1964 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , 粋♪ , ジャズ:ヴォーカル , CHRISTIANE LEGRAND , (LES) DOUBLE SIX

LES DOUBLE SIX / レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)

les double six

ブルー・スターズよりジャズ色が濃くなったフレンチ・コーラス・ユニット ★5

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)は、(LES) BLUE STARS ブルー・スターズで書いたように、その後身といえるフランスのジャズ・コーラス・ユニットです。
上のディスクは、1959年~1962年録音のファースト、セカンド・アルバムを収めた2in1 CDです。

Michel Legrand ミッシェル・ルグランの姉、クリスチャンヌ・ルグランは、ブロッサム・ディアリーと共にブルー・スターズに参加した後、Swingle Sisters スィングル・シスターズで活躍し、その後、歌詞なしのジャズ・コーラス・ユニットQUIRE クワイアでアルバムを1枚出したりもしています。さすらってますね。(ジャケット右から2番目。)

トラック[1]~[8]&[20](59年後半~60年前半)が1作目で、[9]~[19]が2作目でしょうか。
前半は、Quincy Jones クインシー・ジョーンズカウント・ベイシーのオーケストラのレコーディングを元にしたヴォーカリーズで、ミミ・ペランがフランス語歌詞を書き、クインシー・ジョーンズがアレンジ等で貢献しています。
後半はShelly Manne シェリー・マン、John Coltrane ジョン・コルトレーン、Gerry Mulligan ジェリー・マリガン、Jay Jay Johnson J.J.ジョンソン、Charlie Parker チャーリー・パーカー、Miles Davis マイルス・デイヴィス等の有名ジャズプレイヤーの演奏を下敷きにして、これまたミミ・ペランが書いた歌詞をのせて歌っています。
楽器によるジャズ名演を歌詞つきヴォーカルで再現するvocalese ヴォーカリーズをやっているので、ヴォーカリーズを取り入れたモダンジャズコーラスグループの元祖的存在ランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)を思い出すところもありますが、
ドゥブル・シスにはLHRのジェットコースターのようなスピード感は感じません。
フランス語自体、母音が一定の太さ強さで発音されるためか重くなりがちで、すべるような軽快さは出しにくい気がしますが、ドゥブル・シスにはまた別の粋な魅力があります。
よりジャズ色が濃いものの、感覚的には上に書いたブルー・スターズの方に近いかもしれません。

メンバーは曲によって違います。数え違いがなければ、ヴォーカル12人、ピアノ3人、ベース2人、ドラム3人、ギター2人、ボンゴ1人がクレジットされています。
12人編成のビッグバンドを再現するために、6人が2つずつパートを歌って多重録音したようで、それでユニット名も2×6の「double 6」なんでしょうね。ヴォーカリストが12人いるのに、6人に分けて倍に増やしたのは、日程の問題か音的なこだわりか、なぜでしょう。そのうち気が向いたら調べようかな。


1959 - 1962
・Mimi Perrin, Christiane Legrand, Ward Swingle, Jean-Claude Briodin, Jacques Denjean, Claude Germain, Claudine Barge, Eddy Louiss, Monique Aldebert, Louis Aldebert, Jean-Louis Conrozier, Roger Guerin (voc)
・Art Simons / Georges Arvanitas / Rene Urtreger (p)
・Michel Gaudry / Pierre Michelot (b)
・Daniel Humair / Christian Garros / Kenny Clarke (dms)
・Elek Bacsik / Paul Piguihem (g)
・Eddy Louiss (v on 10), Jean-Pierre Drouet (bongos on 14)

◆"LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ファースト+セカンドアルバム)"の全文を見る »

Barbara Lea - バーバラ・リー

Catégories : おすすめ盤 , 1955-1959 , くつろぎ・リラックス♪ , 粋♪ , ジャズ:ヴォーカル , BARBARA LEA

BARBARA LEA / バーバラ・リー

幸せ感ただようひそかな名盤 ★5

バーバラ・リーは、知名度が低いのが残念なジャズヴォーカリストの一人。
彼女の1950年代録音アルバムは3枚だけですが、そのうちの1枚である本作”Barbara Lea”を聴くまで、私も知りませんでした。
リピートしても飽きないアルバムです。それがいいことなのかは微妙ですが、大げさなところがなくて洗練されているのは確かです。
[1][2]のようなハッピーな曲をはじめ、全体的にあたたかい幸福感と小粋さが漂っています。気に入りました。
湿っぽくなりそうな[11]などの曲もさらっと粋に仕上げ、その後に軽妙なトラックを続ることで、あっさりした印象にしています。

楽しい気分になりたい時、寒い日にココアでも飲みながら家でゆっくりしたい時、モヤモヤ感をふき飛ばしたい時に聴きたくなる、心を軽くしてくれるようなアルバムです。


1956, Prestige
Barbara Lea (v), Dick Cary (ah), Johnny Windhurst (t), Al Hall (b), Dick Hyman (p), Osie Johnson (d), Richard Lowman, Al Casamenti

◆"Barbara Lea - バーバラ・リー"の全文を見る »

LULLABY OF BIRDLAND - BLUE STARS メモ

Catégories : おすすめ盤 , ヴォーカル-グループ , 1950-1954 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , くつろぎ・リラックス♪ , ノスタルジック♪ , 粋♪ , ジャズ:ヴォーカル , BLOSSOM DEARIE , (LES) BLUE STARS , CHRISTIANE LEGRAND

ララバイ・オブ・バードランド / (ザ・)ブルー・スターズ

ノスタルジックで粋なフレンチ・コーラス・ユニット ★5

フランスのコーラスユニット(LES) BLUE STARS ブルースターズが1954年11月に録音したファーストアルバム。
ブロッサム・ディアリーと、ミシェル・ルグランの姉クリスチャーヌ(クリスティアーヌ)・ルグランも参加しています。

私は昔からランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)…&バヴァン (LHB)等が好きで、フランス語のジャズコーラスグループを探していました。
気に入るものがなくて諦めかけていた頃、お馴染みのジャズスタンダード曲ララバイ・オブ・バードランドがフランスのジャズラジオ局で流れてくるのを耳にしました。
粋なフランス語コーラスに好みのツボを直撃され、即購入に向いました。
早速聴いてみると、冬の休日に聴きたくなるような、ほんわりあたたかく心地いいアルバムでした。イメージ通りのものに出会えるなんて、ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」みたいだなと喜んでいたら、
その映画の音楽担当のMichel Legrand ミッシェル・ルグランが、このアルバムの[1]と[11]のアレンジをしているんですね。(あとの10曲はブロッサム・ディアリーが担当。)
アルバム相手に、勝手に運命を感じてしまいそうです。

ジャズスタンダード([1], [2])、ポップ、シャンソンから作者不明の歌まで、原曲の歌詞を思い切り無視したフランス語歌詞がつけられているのも楽しみの一つ。
「ロリポップ」でも知られるコーデッツが同じ1954年にヒットさせた曲[7]Mister Sandman ミスター・サンドマンのタイトルは、Mister L'Amour(L'Amour=The Love)になっています