Raconte-Moi...パリの詩(うた) - Stacey Kent ステイシー・ケント

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フランス語の曲を集めたアルバム ★5

フランスで何度もコンサートを行ってきたステイシー・ケント初の全曲フランス語アルバム。
少しでも外国語訛りがあるフランス語が苦手という人にはだめかもしれませんが、ジャズが好きでない人でも楽しめそうな、ゆったり気持ちのいい音楽です。

1曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)作のボサノヴァの名曲に、フランス人Georges Moustaki ジョルジュ・ムスタキがフランス語歌詞をつけて歌い、過去にヒットさせたLes Eaux De Mars(三月の水)。 ボサノヴァの名盤「エリス&トム-ばらに降る雨」でも、1曲目に収録されていますね。
南半球のブラジルでは「三月の水」は”秋に降る雨”ですが、仏語訳では”春の雪解け水”となっています。
2曲目は、高齢で復帰したHenri Salvador アンリ・サルヴァドールが歌ってヒットさせたJardin d'hiver(冬の庭)。 若手の人気アーティスト、ケレン・アンバンジャマン・ビオレー作の曲です。 ノスタルジックな雰囲気がたまりません♪
6曲目も同じ二人による曲で、ケレン・アン自身もファーストアルバムで歌っています。

今のところ、アルバム収録曲の動画も出ています↓


"Les Eaux De Mars" (Águas De Março)

[2010] Blue Note / EMI
Stacey Kent (vo、whistling), Graham Harvey (p, Fender Rhodes), John Parricelli (g), Jeremy Brown (double bass), Matt Skelton (dr, per), Jim Tomlinson (sax-ts/as/ss, clarinet, sansula)

1. Les Eaux De Mars [A.C. JOBIM / adapt..J.MUSTACCHI] - Águas De Marçoの仏語版
2. Jardin D'hiver [BENJAMIN BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
3. Raconte-Moi [BERNIE BEAUPERE / EMILIE SATT - J.-K. LUCAS]
4. L'étang [PAUL MISRAKI]
5. La Vénus Du Mélo [B. BEAUPERE / J.-K. LUCAS]
6. Au Coin Du Monde [B. BIOLAY / B. BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
7. C'est Le Printemps [OSCAR II HAMERSTEIN / R. ROGERS](It Might As Well Be Springの仏語版)
8. Sait-On Jamais ? [CAMILLE D'AVRIL / JIM TOMLINSON]
9. Les Vacances Au Bord De La Mer [PIERRE GROSZ / MICHEL JONASZ]
10. Mi Amor [CLAIRE DENAMUR]
11. Le Mal De Vivre [MONIQUE ANDRE'E SERF]
12. Désuets [P.-D. BURGAUD / ANDRE' MANOUKIAN]

"Les Vacances Au Bord De La Mer"

VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

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QUELQU'UN M'A DIT - CARLA BRUNI メモ

ケルカン・マ・ディ 風のうわさ / カーラ・ブルーニ

現代に現れたミューズの素顔 ★5

最新モードに身を包み、完璧なメイクをほどこされてポーズをとる...というモデル生活を送っていたカーラ・ブルーニは、このファーストアルバム”QUELQU'UN M'A DIT”ケルカン・マ・ディについてこう語っていました。(意訳)

≪ このアルバムは、ポーズをとっていない、眠りから覚めたばかりの女の子みたいにしたかったの。着飾らず、化粧もしてない、裸みたいな感じね。私、12年間着飾りっぱなしだったんだもの。 ≫

彼女が飾らずに内面を表現したというこのディスクが発売されると、フランス中が大騒ぎになりました。
「人気モデルが歌えば中身はともかく話題にはなるよね」という通念があった中、この作品は「モデルのお遊び」どころか、とても完成度が高く、アンニュイ、ノスタルジー、心地よさ、クールさと温かみ、人の心を惹きつける強い魅力をあわせ持ったアルバムだったからです。フランス人の好みに合わないはずがありません。

意表をつかれた批評家達は、この新生シンガーソングライターを称えました。
ラジオでは毎日カーラの歌が流れ、フランス国内でミリオンセラーを記録し、ほんの数年でいくつもの盤がリリースされました(Amzon France等のフランスのCD屋で検索すると、何種類も出てきます)。
そうして、かすれ気味でクールなのに優しい彼女の声は、モデルとしてのヴィジュアル以上にフランス中に広まりました。

「天は二物以上を与えるんだな、完璧すぎる。」とジャケットを眺めつつCDを聴いていると、音楽の女神ミューズが妙なる調べをやすやすと奏でる場面が思い浮かびますが、インタヴューを読むと、彼女の人間らしい面が垣間見えます。

自分の曲を作っているときは他の人の曲は聴かない。このアルバムを出した後もしばらく聴いていないの。他の人のすごい音楽を聴いたら、モチベーションが下がるから…。フェレ、ゲーンズブール、ブラッサンス、バルバラ、ディランなんかを聴いたら、自分のアルバムなんかどうでもよくなっちゃうでしょ?自分はいいものを作るんだって思い込まなくちゃならないのに、他人の音楽を聴いたら、くじけちゃうのよ。 ≫

この葛藤、何かを作ったことがある人なら1度は体験するんじゃないでしょうか。子供の頃は何も考えずに創作を楽しめていたのに、目が肥えて感覚が鋭くなればなるほど自己批評も厳しくなり、「世の中すでに良いものが出つくしているのに、今さら自分が作って何になる?」という考えが浮かんでしまう。そんなことって、ありませんか。

この作品は、カーラ・ブルーニがそんな考えに打ち克って最後までやり通した成果。途中でやめていたら、生まれなかった傑作です。

「自分のしてることは無駄じゃないか?」とモチベーションが下がった時は、このアルバムを聴いてみてください。
いくら他にいいものがあっても関係ないと思えてくるかもしれません。

Naiveからクリップが出てました。CDと歌い方が違うし、素敵なのでぜひ~*


2002, naive

セルジュ・ゲーンズブール(=Lucien Ginsburg)の"LA NOYEE"を含む2曲以外は、全て自作曲。タイトル曲[1]の歌詞は、私も大好きな映画監督レオス・カラックス(『ポンヌフの恋人』『汚れた血』等)と共同制作しています。
アレンジは、フランスで有名なグループTELEPHONEの元メンバーLOUIS BERTIGNAC。彼がこんな繊細で優しいアレンジをこなせるというのも人々の意表をついたようです。曲によってはコードアレンジ、ギター、ベース、ピアノ、メロトロン、オルガン、パーカッションも担当しています。
白黒写真のジャケットも美しいし、本当に完璧なアルバムです。

追記: 2004年に日本盤が出ました。邦題は「ケルカン・マ・ディ 風のうわさ」。いいですね。歌詞タイトルは上記の通りです。
[13]としてケルカン・マ・ディ(レオス・カラックス監督作品)PV(CD Extra)が追加されているそうです。
愛聴盤ほど、後におまけつきのCDがリリースされるんですよね。複雑な気分...。

1. Quelqu'un M'a Dit [Paroles: Carla Bruni - Leos Carax,
Musique: Carla Bruni]
2. Raphaël
3. Tout Le Monde
4. La Noyée [Lucien Ginsburg (= Serge Gainsbourg)]
5. Le Toi Du Moi
6. Le Ciel Dans Une Chambre (Il cielo in una stanza) [original:Gino Paoli, フランス語歌詞Carla Bruni]
7. J'en Connais
8. Le Plus Beau Du Quartier
9. Chanson Triste
10. L'excessive
11. L'amour
12. La Dernière Minute 
1.ケルカン・マ・ディ 風のうわさ
2.ラファエル
3.みんな(トゥ・ル・モンド)
4.溺れるあなた(ラ・ノワイエ)
5.うらおもて(ル・トワ・デュ・モワ)
6.部屋の中の空(ル・シエル・ダン・ジュヌ・シャンブル)
7.男たち(ジャン・コネ)
8.注目の的(ル・プリュ・ボー・デュ・カルティエ)
9.悲しい歌(シャンソン・トリスト)
10.極端な私(レクセッシヴ)
11.アムール(ラムール)
12.最後の一分間(ラ・デルニエール・ミニュット)

追記-2; 2010年 クリップ・PV追加しました。

MANUIA! - UKULELE CLUB DE PARIS

MANUIA ! / ウクレレ・クラブ・ド・パリ

洒落いっぱいのフランス味ウクレレ ★5

UKULELE CLUB DE PARIS、パリのウクレレクラブ。きわどいまでに単刀直入なユニット名です。
このアルバムを初めて聴いたときの印象は、真剣な顔でどじょうすくいを踊る人を見た時の何ともいえない感じ。
軽やかなウクレレとくつろいだ南洋の雰囲気に、けだるいゴリゴリしたヴォーカルをのせたり、現地音楽を模しているけど妙に怪しいコーラスが入ったり…。計算されたユーモアを感じます。とにかく、普通のポリネシア音楽ではありません。
参加メンバーを見たら納得がいきました。

ジョセフ・ラカイユARTHUR Hのアレンジャーも担当しているアーティストで、自分自身も妙に笑えるアルバムを出しています。
ドミニク・クラヴィックは、LEE KONITZやHENRI SALVADORとも仕事しているアーティストで、LES PRIMITIFS DU FUTUR(未来の未開人ども…これまた妙な名)の中心人物でもあります。そのレ・プリミティフ・デュ・フュテュールの”World Musette ワールド・ミュゼット”というアルバムは、「古きよきパリの雰囲気」と、怪しい面白さが溶け合ったアルバム。
ウクレレクラブの姉妹版とでもいう感じです。
どちらも時間的、空間的に隔たった楽器・音楽を素材に、パリ風の斜に構えたユーモアを加えて味付けしてあります。
ウクレレやミュゼットなんて縁がなさそう…と思っている人でも楽しめると思います。


2002
JOSEPH RACAILLE、DOMINIQUE CRAVIC他

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Dreamsville ドリームズヴィル - Stacey Kent ステイシー・ケント

Dreamsville

最初の3秒でI've Got a Crush on You! ★5

2000年6月録音のアルバム。
再生して3秒、"I've got a"まで聴いただけで、早くも気に入る予感がしました。 (YouTube試聴
[2]のテナーサックスソロ、[3]のピアノソロ、[6]のギター&ピアノがメインのイントロなど、夢見るようなゆったりした雰囲気です。
[8]は、なんともいえない憂いがあります。元はミュージカル映画Chitty Chitty Bang Bang チキ・チキ・バン・バンの曲なんですね。ステイシーの夫、ジム・トムリンソンのアレンジで、儚げな感じがプラスされています。

本作は、家族、友人、ファン等からバラードをリクエストされていたステイシーが、"an unashamedly dreamy and romantic album"を作るいい機会だ、といって作ったんだそうで、たしかに演奏からタイトル、ジャケットまで夢見心地です。
みずからロマンティックなところがあると認めている彼女のアルバムには、程度の差はありますが、いつでもどこか”dreamy and romantic”なところがありますね。
ステイシー・ケント ディスコグラフィー


Dreamsville / バラード ~ ドリームズヴィル
2001

Stacey Kent[vo]; Jim Tomlinson [ts,flute,clarinet]; Dave(David) Newton [p]; Colin Oxley[g]; Simon Thorpe [b]; Jasper Kviberg [d]
(ステイシー・ケント、ジム・トムリンソン、デビッド・ニュートン、コリン・オクスレー、サイモン・ソープ、ジャスパー・クヴィバーグ)

1. I've Got a Crush on You
2. When Your Lover Has Gone
3. Isn't It a Pity?
4. You Are There
5. Under a Blanket of Blue
6. Dreamsville
7. Polka Dots and Moonbeams
8. Hushabye Mountain
9. Little Girl Blue
10. You're Looking at Me
11. Violets for Your Furs
12. Thanks for the Memory
1. アイヴ・ゴット・ア・クラッシュ・オン・ユー
2. ホエン・ユア・ラヴァー・ハズ・ゴーン
3. イズント・イット・ア・ピティ?
4. ユー・アー・ゼア
5. アンダー・ア・ブランケット・オブ・ブルー
6. ドリームズヴィル
7. ポルカ・ドッツ&ムーンビームズ
8. ハッシャバイ・マウンテン
9. リトル・ガール・ブルー
10. ユー・アー・ルッキング・アット・ミー
11. コートに菫を
12. サンクス・フォー・ザ・メモリー

デイブレイク - リサ・エクダール SINGS SALVADORE POE / LISA EKDAHL

リサ・エクダールの幸せなアルバム ★5

スウェーデン民謡調の素朴なアルバムや、ロリータ風ヴォーカルのジャズアルバムなど、”スウェーデンの妖精” リサ・エクダールの歌は昔から聴いていましたが、このアルバムが一番好きです。とにかく可愛くて、透明感があります
歌詞カードの中の写真はちょっと小悪魔的ですが、もともとアイドル的なだけあってジャケットは見るからに天使で、ヴォーカルはキュートな女の子です。
歌い出しにちょっと入る笑い声や、ささやくような甘い英語ヴォーカルが最高にチャーミング。それなのに頼りなさを感じさせない安定感があって快適です。
リサの新しい夫SALVADORE POE サルバドーレ・ポーの曲が、彼女の魅力を最大限にひきだしています。
2000年に離婚したばかりのリサが、毎年瞑想に訪れるインドの寺でニューヨーカーの彼に出会って再婚し、2001年末に2人のCDを発売したそうで... めまぐるしいというか素敵な偶然というか

ボサノヴァが好きだとブラジル人に言うと、淡谷のり子好きのアイスランド人にでも出くわしたかのような顔をされました。フランス人に「エディット・ピアフなどのシャンソンが好きだ」と言った時に「うちのおじいちゃんがよく聴いてるよ」と言われるのと似ています
フレンチ・ボサが20世紀中頃に流行ったフランスですが、2000年頃にはボサノヴァ好きフランス人は周りに誰もいませんでした。ジャズやハードロック好きは多かったのに。
一度見たらフレンチボサを好きにならずにいられないクロード・ルルーシュの傑作映画「男と女」ですら、映画マニア以外の若いフランス人の間では無名で、「ダバダバダ」とタイトル曲を熱唱してようやく「映画は知らないけどその歌なら知ってる」といわれるのが関の山 時の流れは冷たいものよのうと思いました。まぁ私はまだ生まれてなかったので、そのころ実際どんな感じだったのかは知らないんですが

それが2000年頃になると、フランスでもボサノヴァ熱が再燃し、ラジオでもしょっちゅう流れるようになりました。
このリサ・エクダールの2001年のアルバムも、そんなボサノヴァ復活に関連していると思います。とはいっても彼女はスウェーデン出身ですし、このアルバムにボサノヴァのスタンダードは一曲も入っていません。それでもサルバドーレ・ポーの音楽は、心地よいボサノヴァを思い起こさせます。
これを聴くうちに皆がボサ風ポップの良さを思い出したんじゃないかという気がするほど、このリサのアルバムはフランスのあちこちで流れていたし、インパクトがありました。
特に1曲目の「デイ・ブレイク」は大流行して毎日ラジオでかかっていましたが、あれだけ聴かされても嫌にならないというのは、なかなかすごいと思います。
このアルバム発売の数ヵ月後にフランスで行ったコンサートも好評だったようです。

リサ・エクダール&サルバドーレ・ポー夫妻が作った最高に幸せ感漂うアルバム ジャケットのように朝日を浴びながら聴くと、気持ちいい一日が過ごせます


2001
LISA EKDAHL(1971- ), Salvadore Poe

1. Daybreak
2. Rivers Of Love
3. Sunny Weather
4. Only You
5. the color of you
6. How Many More Times
7. I Will Be Blessed
8. Since You've Been Gone
9. I've Never Seen Anything Like You
10. I Don't Miss You Anymore
11. Nightingale
12. The Rhythm Of Our Hearts
13. Sun Rose
14. Of My Conceit
日本盤
1.デイブレイク
2.リヴァーズ・オブ・ラヴ
3.サニー・ウェザー
4.オンリー・ユー
5.ザ・カラー・オブ・ユー
6.ハウ・メニ・モア・タイムズ
7.アイ・ウィル・ビー・ブレスド
8.シンス・ユーヴ・ビーン・ゴーン
9.アイヴ・ネヴァー・シーン・エニシング・ライク・ユー
10.アイ・ドント・ミス・ユー・エニモア
11.ナイチンゲール
12.ザ・リズム・オブ・アワ・ハーツ
13.サン・ローズ
14.オブ・マイ・コンシート

ボーナストラック入りの盤も出たようです (15. L'aurore、16. All I Really Want Is Love)。
公式サイト

SALLE DES PAS PERDUS - CORALIE CLEMENT

ルゥからの手紙 / コラリー・クレモン

ボサノヴァ色漂う快適フレンチポップ ★5

実の兄であるBenjamin Biolay バンジャマン・ビオレーのプロデュースによる、コラリー・クレモンのデビューアルバム。
適度な甘さ、懐かしさ、せつなさがうまい具合に混ざり合っていて、くつろげます。フランスでもかなり受けていました。
兄のバンジャマン・ビオレーはミュージシャン兼プロデューサー。ケレン・アンが参加したアンリ・サルヴァドールの大ヒット作『眺めのいい部屋』等を手がけています。

トラック[7]、[8]の甘えるようなウィスパー・ヴォイスはまさにフレンチロリータ。可愛いけどくどくない、さらっと自然なところが素敵です。

さて。ボサ混じりのフレンチポップの本作は、気持ちのいい午後に聴きたくなるお気に入りディスクですが、次の「バイバイ・ビューティー」は、うってかわってロック色が濃厚です。デュオも入っていて面白そうなのですが、何度も聴きたくなりそうにないので私は試聴で断念しました。
80年代のフランソワーズ・アルディやカヒミ・カリィ等を好きな方は気に入るかもしれません。


2001 Amazon.fr試聴
1. Salle Des Pas Perdus
2. L'ombre Et La Lumière
3. Ca Valait La Peine
4. La Contradiction
5. La Mer Opale
6. A L'occasion Tu Souris
7. Samba De Mon Coeur Qui Bat
8. Ces Matins D'été
9. Le Dernier Train
10. Lou
11. Le Jazz Et Le Gin
12. Bientôt
13. Mes Fenêtres Donnent Sur La Cour
1.ルゥからの手紙
2.影と光
3.勇気を出して
4.矛盾
5.オパールの海
6.あなたがときどき微笑む
7.胸の鼓動のサンバ
8.あの夏の朝
9.最終列車
10.ルゥ
11.ジャズとジン
12.いつかそのうち
13.中庭をのぞむ窓辺から

2002年日本盤には「14.影と光(FPM palme d’or mix:Fantastic Plastic Machine)」が追加されているそうです。

ワンダ・サーWANDA SA&BOSSA TRESアルバム

ワンダ・サー・ウィズ・ボッサ・トレス・フィーチャリング・ルイス・カルロス・ヴィニャス

ワンダ・サーとボッサ・トレスのクールなジャズボサ ★5

タンバ・トリオと並ぶ名ジャズボサトリオBOSSA TRESボッサ・トレスが復活し、55歳を超えたWANDA SAワンダ・サーと共演したアルバム。気持ちよく吹き抜ける風のようなトラックからおさえをきかせた渋いトラックまで、何となくジャズクラブで聴いている気分になります。なので特に夜におすすめです。
若い頃からのハスキーヴォイスぶりに輪がかかり、温かみが増したワンダ・サーのヴォーカルとボッサ・トレスの軽妙でクールな演奏は、まるで熱いエスプレッソをかけた冷たいヴァニラアイスクリーム。温と冷、ほろ苦さと甘さ、魅惑的なアロマが渾然一体となって刺激してくるあの感覚…。
何かの映画の中でジュリエット・ビノシュがアイスにエスプレッソをぶっかけていた記憶もありますが、このアルバムともども、まだの方はぜひお試しを。

ボッサ・トレスといえば、1964年に女性4人コーラスグループ QUARTETO EM CYと共演したクアルテート・エン・シー(ファーストアルバム)も気に入っています。


2000
Wanda Sa With Bossa Tres, featuring Luis Carlos Vinhas

1. Errinho A Toa
2. Deixa A Nega Gingar
3. Casa Forte
4. Se E Tarde Me Perdoa/Pra Machucar Meu Coracao/Palpite Infeliz
5. Brisa Do Mar
6. Light My Fire
7. Pode Ir
8. Zazueira
9. Moonlight/Garota De Ipanema
10. Estrada Do Sol/Foi A Noite
11. Amor Ate O Fim
12. Cancao Que Morre No Ar
13. Zanga Znagada
14. Two Kites/Fotografia/Eu Preciso De Voce
1. エヒーニョ・ア・トーア
2. デイシャ・ア・ネガ・ジンガー(サンダリア・デラ)
3. カザ・フォルチ
4. シ・エ・タルヂ・ミ・ペルドーア~プラ・マシュカール・メウ・コラサゥン~パウピーチ・インフェリース
5. ブリザ・ド・マール
6. ライト・マイ・ファイアー
7. ポーヂ・イール
8. ザズエイラ
9. イン・ザ・ムーンライト~ガロータ・ヂ・イパネマ
10. エストラーダ・ド・ソル~フォイ・ア・ノイチ
11. アモール・アテ・オ・フィン
12. カンサゥン・キ・モヒ・ノ・アール
13. ザンガ・ザンガーダ
14. トゥー・カイツ~フォトグラフィア~プレシーゾ・ヂ・ヴォセ

BOSSANOVA 2001 - RAMON LEAL

ボサノヴァ2001 / ラモン・レアル

・・・現代の洗練された快適ボサノヴァ・アルバム・・・ ★5

古きよき雰囲気も感じられますが、わざわざタイトルにしてあるとおり20世紀末に作られたスペイン発のボサノヴァ・アルバムです。
約半世紀前のボサノヴァ有名曲を大切にしつつ、余計なものを削ぎ落とした、洗練されたアルバムです。ジャケットだけはいまひとつですが...電子音の少ないボサノヴァ好みの私の新たな愛聴盤になりました。

よく練りこんだラモン・レアルの音楽もさることながら、女優でもあるベアトリス・ビノッティの適度にささやき気味のヴォーカルは最高にチャーミングです。

曲はD.カイミ、トム・ジョビン、ロベルト・メネスカル、カエターノ・ヴェローゾ等のお馴染みの曲ぞろい。9曲目「あなたと私 Voce e eu」は、「ゲッツ/ジルベルト#2」等では「私とあなた」と順番が逆ですが、同じ曲です。


2000
Ramon Leal & Beatrice Binotti

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CHAMBRE AVEC VUE - HENRI SALVADOR

サルヴァドールからの手紙 / アンリ・サルヴァドール

旅心をそそる粋な復活作 ★5

2000年、フランスのFNACの売場でNOUVEAU !(新作)シールが貼られている山積みCDに目がとまりました。ジャケットには微笑むアンリ・サルヴァドールが。引退したと思っていたのに、83歳にして復活したとは!早速購入しました。
味のあるヴォーカルと、旅心をそそる曲。素敵なアルバムです。買ってよかった。

新人シンガーソングライターのケレン・アンに捧げられた曲に感銘を受けたアンリ・サルヴァドールが、若手ミュージシャンに囲まれて作った作品で、コラリー・クレモンの実兄でもあるミュージシャンバンジャマン・ビオレー等が参加しています。
[7]Un Tour De Manegeでは、自分より少し年下のジャズハーモニカプレイヤートゥーツ・シールマンスと、[11]Le Fou De La Reineではフレンチポップの代表的歌手フランソワーズ・アルディと共演しています。
話題性と内容の良さから、案の定いろいろな世代に受けて、フランス国内だけでもあっさり50万枚以上を売上げました。

英語ヴァージョンなどが入った日本盤他、いくつか盤が発売され、2002年にはジャズの名門ブルーノートレーベルからもCDがリリースされました。
私が買ったCDにはフランス語13曲が入っています。日本盤は1,2曲目が英語・ポルトガル語ヴァージョンです。
BLUE NOTE盤は、日本盤と同じ外国語ヴァージョンを採用し、曲順も変えてあります。さらに、ちょうど同じ頃ボサノヴァ風アルバムをヒットさせたスウェーデン歌手リサ・エクダールとのデュオも追加収録されています。

ブエナビスタ・ソシアルクラブで世界的に有名になったキューバ人ミュージシャンといい、ジョアン・ジルベルトといい、年に合わせた魅力を出せるというのはいいですねぇ。


2000
アンリ・サルヴァドール、トゥーツ・シールマンス、フランソワーズ・アルディ


HENRI SALVADOR アンリ・サルヴァドール

(1917 Cayenne 仏領ギアナ・カイエンヌ生まれ- )

キーワード :フランス、ヴァリエテ・フランセーズ、フレンチ、シャンソン。ユーモリスト、ヴォーカリスト、シンガーソングライター、作詞作曲家。

Chambre Avec Vue (2000 EMI)
1. Jardin D'hiver (Keren Ann Zeidel - Benjamin Biolay / H. Salvador)
2. Chambre Avec Vue (Keren Ann Zeidel - B.Biolay)
3. J'ai Vu (Michel Modo / H. Salvador)
4. Il Fait Dimanche (Marc Esteve / Art Mengo)
5. La Muraille De Chine (Gisele Molard / H.Salvador)
6. Jazz Mediterranee (K.A. Zeidel - B.Biolay)
7. Un Tour De Manege (K.A. Zeidel) - feat. Toots Thielemans
8. Vagabond (Marc Esteve / Art Mengo)
9. Je Sais Que Tu Sais (Paul Misraki)
10. Mademoiselle (Thomas Dutronc - A. Garoux / H. Salvador)
11. Le Fou De La Reine (F. Hardy / H. Salvador) - feat. Francoise Hardy
12. Faire Des Ronds Dans L'eau (K.A. Zeidel - B. Biolay)
13. Aime-moi (Bernard Michel / H. Salvador)
サルヴァドールからの手紙 (2001 東芝EMI)
1.こもれびの庭に(BRAZILIAN VERSION)
2.眺めのいい部屋(ENGLISH)
3.人生という名の旅
4.毎日が日曜日
5.万里の長城
6.ジャズ・シルヴァー・ムーンライト
7.回転木馬(feat.トゥーツ・シールマンス)
8.ヴァガボンド
9.僕は知ってる
10.マドモワゼル
11.悲しみの道化師(feat.フランソワーズ・アルディ)
12.生きてるだけじゃ駄目なんだ
13.愛しておくれ
Room with a View (2002 Blue Note)
1.Jazz, Silver Moonlight
2.Jardim(BRAZILIAN VERSION)
3.Room With A View(ENGLISH)
4.J'ai Vu
5.All I Really Want Is Love (feat. Lisa Ekdahl)
6.La Muraille De Chine
7.Il Fait Dimanche
8.Un Tour De Manege (feat. Toots Thieliemans)
9.Vagabond 10.Je Sais Que Tu Sais
11.Mademoiselle
12.Faire Des Ronds Dans L'eau
13.Aime-Moi
14.Le Fou De La Reine (feat. Francoise Hardy)

PRINCESSE DE RIEN - RoBERT

プランセス・ド・リヤン / ロベール

囁きヴォーカルが引き立つ97年盤と、似て非なる2000年盤 ★5

ロベールのセカンドアルバムは、Princesse de rien(虚無王女)というタイトルのイメージどおり、孤独感が霧のように全体を覆っていて、かなりメランコリック
ヨーロッパのおとぎ話のような幻想的な雰囲気があり、嵐や深い森、夜の湖等が似合います。
ロベールは憂鬱すぎるという人もいますが、個人的には、北欧伝統音楽に通じるような憂いあるメロディと浮遊感に共感をおぼえます。
顔写真というだけなのに、透明感ある美しさと孤独感がにじみ出ているジャケットも好きです。

中でも一番イメージをかきたてるのは、昔のヨーロッパ宮廷を連想させるバロック風の曲PSAUME(詩編という意味)。もとは北欧デンマークの伝統音楽なんだそうです。

ロベールのアルバムは店であまり見かけませんが、パリの中古CD屋で、このジャケットのロベールが棚から私を見下ろしているのに気づきました。
フランスで一度も見かけなかったマイナーCDが目立つところに飾られてる...なぜ?」と、とりつかれたように買って帰り、家で聴いてみたら、
タイトルとジャケット写真はほとんど同じなのに、1997年に日本で買ったCDとは中身が全然違うんです。曲、アレンジ、歌い方だけではなく、よく見るとジャケットにもわずかな差が…。
「夜の間にいつのまにか髪が伸びてる日本人形じゃあるまいし...しかも、あそこで私を待ち構えていたかのようだった...」という考えが頭をよぎって一瞬怖くなりましたが、ロベールのサイトを見て納得しました。
1997年の方はインディペンデントレーベル発のマイナー盤で、新しい方は2000年3月発売のNAIVEレーベル発の新ヴァージョンなんですね。
この後にも1つ違うヴァージョンが出ていて、日本盤を入れると4種類存在するんだそうです。

2000年NAIVE盤は、ファーストアルバム並にテクノ度が上昇している上、ロベールのヴォーカルも、97年盤のような繊細なウィスパーヴォイスではなく、何だか切羽詰ったような、助けを求めているような、独特の声に変わっています。

曲順もかなり違い、この2000年盤にしか入っていない曲もあります。
ロベールと知り合ったAmelie Nothomb アメリー・ノートンが詩を書いた[1]もその1つです。
彼女は、日本でのOL生活経験を元に誇張とユーモアたっぷりに書いた小説「畏れ慄いて他で有名な女流作家です。

YouTubeにあるのは、だいたい後から手を加えた方のヴァージョン。彼女のクリップは、森や湖、エキゾチックな美女など、神秘的なものを連想させます。歌い方がたまにインドっぽく聞こえるのは気のせいかな。

私は、消え入りそうな可愛いささやきヴォーカル+適度なテクノ”の97年盤の方が断然好きです。もともとアコースティック楽器、ノスタルジックな雰囲気が好きなせいもありますが、古いヴァージョンの方が統一感があって、ロベールらしい独特の世界が表現されている気がするんです。
メランコリックで懐かしい子供の世界や寂しさや、いつまでもおとぎ話が好きな子供のままでいたい感覚を、隠さずありのままに出しているようで。
クラブ等で流すなら、テクノ率が高い&怪しさが加わった新ヴァージョンの方がおもしろいかもしれませんが、ちょっと冷たい衣を着せすぎじゃないかなとも感じます。


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SAVEUR BRESIL - CLAIRE CHEVALIER

ボサノーヴァにのせて / ブラジル風に - クレール・シュヴァリエ

フランスとブラジルの幸せなマリアージュ ★5

CLAIRE CHEVALIER クレール・シュヴァリエのいかにも南仏らしい陽気であたたかいヴォーカルと、ROSINHA DE VALENCA ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサの粋なギター&アレンジが心地良い、幸せ感漂うアルバム。

ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサは、ジョアン・ジルベルトの女性版といわれることもあるギターの名手。ワンダ・サーとともに、セルジオ・メンデスの「ブラジル'65」にゲスト参加している、あのギタリストです。
長いブラジル生活の後に画家として母国フランスに戻ったクレール・シュヴァリエを、彼女がレコーディングに誘って生まれたのがこのアルバム。曲は全てフランスの有名曲で、ヴォーカルもフランス語です。とはいっても、「ちょっとボサノヴァ風にアレンジしてみた」程度の半端なものとは一線を画しています。
選曲にしても、愛や過去の恋の切なさを歌った歌詞と憂いあるメロディを持つ曲、つまりボサノヴァと相性のいい曲をうまく選んでいます。
そして、長いブラジル生活を経たフランス人歌手とブラジルのギターの名手が、そのフレンチソング(シャンソン)とブラジルのリズムを丁寧に織り交ぜて、ほのかな憂いを帯びた音楽に仕上げています。

気持ちのいい昼下がりにカフェでも飲みながら聴けば、おすすめしたくなる気持ちが分かっていただけるかもしれません。


Que Reste-Il de Nos Amours? / Les Moulins de Mon Coeur

盤、ジャケット・・・

クレール・シュヴァリエの唯一ともいえるCDですが、ジャケットは私が覚えているだけでも4種類あります。

煙草を手に微笑む日本盤(SONY)ジャケット(画像上)が一番中身の雰囲気に近くて好きです。歌詞カードのフランス語が間違いだらけなのも許せてしまいます。
下の方は比較的新しい日本限定復刻盤らしいです。日本盤はわざとらしいくらい洒落たジャケットになることが多いので、ちょっと意外でした。オリジナルに近いのでしょうか。見方によっては60年代シネマ風とも解釈できますが、妙なアイドルもののようにも見えて、個人的にはジャケ買い心がくすぐられません。
邦題は上が「ブラジル風に」、下が「ボサノーヴァにのせて」。うーん。

このSAVEUR BRESILをフランス居住時にふと聴きたくなって寒空の下パリのCD屋を徘徊しましたが、どこにもありませんでした。日本でもこのアルバムしか見たことがありません。こんな歌手のCDが1枚しか手に入らないなんて、残念。まぁ結局これが一番のお気に入りのままかもしれないなとも思いますが。


シュヴァリエ→ブラジル→画家

クレール・シュヴァリエについてのお話です。16才の時、地元マルセイユのラジオでデビュー。彼女の歌に惹かれたモーリス・シュヴァリエに名を授けられ、以後「シュヴァリエ(シュバリエ)」と名乗ることになりました。
いろいろなアーティストのサポートをするうち、シャルル・アズナブールのツアーで訪れたブラジルに魅せられてそのままリオ・デ・ジャネイロに住みつき、ブラジルでアルバムを数枚発表。その後は画家として絵に専念し、作品がグルノーブル美術館に買い取られたりしているそうです。
CLAIRE CHEVALIERのアルバムはバークレーCBSから4枚ずつ、さらにブラジルでも10枚ほど出したらしいのですが、私はこの1枚しか見たことがありません。

キーワード :フランスMarseilleマルセイユ出身の歌手、シャンソン、フレンチボサ、ボサノヴァ、ワールドミュージック、カフェ・ミュージック、南仏系フランス語。

ボサノヴァとフランスの関係、フレンチボサボサノヴァとフランス


セルジュ・ゲーンズブール[2, 8]、ミシェル・ルグラン[5, 9]、詩人ジャック・プレヴェール作詞・ジョセフ・コスマ作曲[4]、アンリ・サルヴァドール[6]、シャルル・トレネ[11]、フランスのピエール・バルーとフランシス・レイによる映画『男と女』のテーマ[12]など、お馴染みの曲が並んでいます。
フランク・シナトラやイヴ・モンタンの熱唱イメージがある「マイ・ウェイ」、「枯葉」も、南仏の気候のごとく湿度低めで、さらっと粋な雰囲気です。


CLAIRE CHEVALIER (vo); ROSINHA DE VALENCA (g, arr)
クレール・シュヴァリエ(シュバリエ)、ホジーニャ(ロジーニャ)・ヂ・ヴァレンサ

1. Comme d'Habitude [Jacques Revaux,Claude François/Gilles Thibaut]
2. Couleur Cafe [Serge Gainsbourg ]
3. Une Histoire d'Amour [Carl Sigman, Fr:Catherine Desage/Francis Lai] 4. Les Feuilles Mortes [Jacques Prévert/Joseph Kosma]
5. Les Moulins de Mon Coeur [Eddy Marnay/Michel Legrand]
6. Syracuse [Bernard Dimey/Henri Salvador]
7. Je T'Aimerai [Hubert Ithier/José Cana]
8. Ces Petits Riens [Serge Gainsbourg]
9. La Valse des Lilas [Eddy Marnay/Michel Legrand]
10. L'Absent [Louis Amade/ Gilbert Bécaud]
11. Que Reste-Il de Nos Amours? [Charles Trénet]
12. Un Homme et Une Femme [Pierre Barouh/ Francis Lay]
1.コム・ダビチュード~マイ・ウェイ
2.コーヒー・カラー
3.ある愛の詩 Love story
4.枯葉
5.風の囁き~華麗なる賭け
6.愛の国シラキューズ
7.君を愛す
8.些細なこと
9.リラのワルツ~ワンス・アポン・ナ・サマー・タイム
10.去って行った人
11.残されし恋には
12.男と女

UM CANTINHO, UM VIOLAO - NARA LEAO & R.MENESCAL ナラ・レオン&ホベルト・メネスカル

最高に幸せな音楽 ★5

ナラ・レオンとロベルト(ホベルト)・メネスカルの1985年のアルバム。タイトル通り「歌とギター」だけのアコースティックな音に、リラックスしたアットホームな雰囲気。とても幸せな気分になれます
ナラの晩年のアルバムによく参加しているロベルトは、ナラが10代の頃通っていたギター教室の先生。このアルバムでは、そのギター教室で一緒に先生をしていたカルロス・リラの曲も演奏しています。
ナラのアルバムの中で1,2番目に気に入っているほどなんですが、CDを最近ショップで見かけません。これが廃盤なんてもったいないです


Nara Leão & Roberto Menescal - O barquinho , O pato , Manhã de carnaval
このアルバムの収録曲ではないですが

1985
Nara Leao & Roberto Menescal

1. O negocio e amar (Carlos Lyra / Dolores Duran)
2. Tristeza de nos dois (Mauricio Einhorn / Durval Ferreira / Bebeto)
3. Sabor a mi (Alvaro Carrillo)
4. Da cor do pecado (Bororo)
5. Transparencias (Abel Silva / Roberto Menescal)
6. Blusao (Xico Chaves / Roberto Menescal)
7. Resignacao(Arno Provenzano / Geraldo Pereira)
8. Vestigios (Paulo Sergio Valle / Marcos Valle)
9. There will never be another you (M.Gordon / H.Warren)
10. Comigo e assim (Jose Menezes / Luiz Bittencourt)
11. Mentiras (Lysias Enio / Joao Donato)
12. Inclinacoes musicais(Renato Rocha / Geraldo Azevedo)

http://www.allbrazilianmusic.comでも試聴できます。

2010更新: YouTube追加♪

BRASIL(海の奇蹟)ジョアン・ジルベルト

BRASIL / JOAO GILBERTO

幸せ感たっぷり・・・★5

カエターノ・ヴェローゾとその妹マリア・ベターニアジルベルト・ジルといった若手アーティスト達と、ジョアン・ジルベルトの共演盤。
男性ヴォーカルが多いアルバムをこういうもなんですが…蝶が舞うのどかな花畑を想像させるような、可愛い雰囲気のアルバムです。

シナトラの朗らかな歌唱で有名なAll of meは、ポンポンポンというリズムでみんな仲良く歌っていて、手に手をとって遠足に行く子供を想像してしまうほど。
5曲目の終わりには風鈴を思わせる音が入っていて、何だか懐かしい気分にさせられます。

中身はそんな風に遊び心たっぷりで楽しいんですが、外見はちょっと、いかつい気がします。
ジャケ買い心をそそらないジャケット。「海の奇蹟」という邦題。このタイトルから、たくましい漁師だの嵐だの難破船だの、力強くて荘厳なものを連想してしまうのは私だけでしょうか? 「ブラジル(の水彩画)」というタイトルじゃありふれているということで、5.Milagre(=奇跡)の邦題を使ったのでしょうか。
ジャケ買いしたけど1回聞いて終わり、なんてアルバムはよくありますが、これはその逆でした。曲数が少なく短いですが、おいしいものを腹八分目という感覚で楽んでいます。


1981
Joao Gilberto(g,vo); Caetano Veloso(vo); Gilberto Gil(vo); Maria Bethania(vo); Johnny Mandel(arr,cond)

1. Aquqrela Do Brasil ブラジルの水彩画
2. Disse Alguem (All Of Me オール・オブ・ミー)
3. Bahia Com H バイーア・コン・H(アガ)
4. No Tabuleiro Da Baiana ノ・タブレイロ・ダ・バイアーナ
5. Milagre 海の奇蹟
6. Cordeiro De Nana ナナンの子羊

ELIS&TOM エリス&トム(ばらに降る雨)

ばらに降る雨 / アントニオ・カルロス・ジョビン&エリス・レジーナ

エリス&トムの最高に素敵なボサノヴァアルバム ★5

ELIS REGINA エリス・レジーナと、ボサノヴァの第一人者ANTONIO CARLOS JOBIM アントニオ・カルロス・ジョビン(トム)が共演した名盤。ボサノバ最盛期から15年近く経った1974年にアメリカのロサンジェルスで録音されました。全曲ジョビン作で、エリスの可憐で優しい魅力が全開です。

トム・ジョビンは、カイミ一家との共演アルバム〔CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム〕でも”Inutil Paisagem”と”So Tinha De Ser Com Voce”の2曲をやっています。
カイミとのアルバムには切なさと物憂さが漂っていますが、〔ELIS&TOM ばらに降る雨〕ヴァージョンは湿気が少なめ。物憂い曲でもエリスが歌うと明るさが出るのかもしれません。
この2曲に限らず全体的にこの〔ELIS&TOM〕は、サウダーヂな物憂い雰囲気と明るさのバランスがよく、誰でも聴きやすいアルバムだと思います。
録音時のジョビンとエリスは、互いに個性が強いせいか険悪な雰囲気だったそうですが、そんなことは微塵も感じさせない楽しげな幸せ感が漂っています。


Águas de Março

[1]三月の雨は、世界中の様々なジャンルのアーティストに演奏され続けている有名曲ですが、私はこのアルバムのデュエットが一番好きです。会話するかのようなかけあいが絶妙で、その途中にふざけるように笑いながら歌うエリスの最高にチャーミングなヴォーカルはたまりません。
これは後の歌手に影響を与えているとも思います。フランス人女性シンガークレモンティーヌが歌う同曲でも、会話のように相手とかけあいしながら笑い出していて、このエリス&トムのデュオを意識しているように思えてなりません。実際どうかは知りませんが、オマージュなんでしょうか。

フランス人といえば、ナラ・レオンと共演したこともあるフランス人歌手George Moustaki ジョルジュ・ムスタキも、この曲をフランス語で歌っています。かなりフレンチ色が濃くてボサノヴァの印象は薄くなっていますが、ちょっと面白かったのは、歌詞の季節の変化です。
南半球のブラジルでは三月は秋だから「三月の水=で夏が終わる」ですが、北半球のフランスでは「三月の水」といえば春の雪解け水で、その違いが歌詞にも反映されています。夏の終わりと春の終わり。これから秋になるか夏になるかでは、イメージがずいぶん変わりますよね。(→Les eaux de mars 三月の雨フランス語歌詞

エリス・レジーナはアルバムごとに雰囲気がかなり違いますが、アップテンポで豪快・開放的なヴォーカルなら「エリス・イン・ロンドン」、ゆったりくつろいだチャーミングなヴォーカルならこの「ELIS&TOM」が一番気に入っています。


1974
ANTONIO CARLOS JOBIM & ELIS REGINA

私が持っている日本盤CDは以下の曲順。楽しく始まってしんみり終わります。

1. Aguas De Marco 三月の雨
2. Pois E 愛の終り
3. So Tinha De Ser Com Voce あなたでなければいけなかった/私はあなたのもの
4. Modinha モヂーニャ
5. Triste 悲しみ
6. Corcovado コルコヴァード
7. Que Tinha De Ser 愛につつまれて
8. Retrato Em Branco E Preto 白と黒の肖像
9. Brigas Nunca Mais もう決して喧嘩はしない
10. Por Toda A Minha Vida 私の愛のすべてを
11. Fotografia 海辺のテラス
12. Soneto De Separacao ソネットの一節
13. Chovendo Na Roseira ばらに降る雨
14. Inutil Paisagem うつろな風景

DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO

美しきボサ・ノヴァのミューズ / ナラ・レオン

・・・郷愁&哀愁・・・ ★5

1971年亡命先のパリでの録音。
個人的にはナラ・レオンの中で一番好きなアルバムです。
CDは、オリジナルと同じく2枚に分かれたものと、1枚にしたものがあります。

若い頃のナラ・レオンの広い豪華マンションがボサノヴァの創始者といわれるミュージシャンのたまり場となっていたのは有名な話。彼女はそんな環境で育ちつつ、ボサノヴァはブルジョワ的で現実から目をそらしていると感じるようになったそうで、1964年のファーストアルバム”NARA”の録音時にはすでにボサノヴァから離れていました。
その後、反政府的なプロテスト・ソングを歌うようになり、政府ににらまれてフランスに亡命します。
そこで懐かしのボサノヴァの良さを再認識して録音したのがこの「美しきボサ・ノヴァのミューズ」(原題DEZ ANOS DEPOISは「10年後」)で、ナラ・レオンの正式なボサ・アルバム一作目ということになります。
地理的に遠く離れた故郷と、ボサノヴァ仲間に囲まれていた懐かしい少女時代に思いをはせているせいでしょうが、いいようもない切なさとノスタルジーがただよっています。
これ以降は、ジャンルにとらわれずいろいろな曲を自分流に歌い、素敵なアルバムを出しています。

さて、アストラッド・ジルベルトに歌を教えたのはこのナラ・レオンだといわれています。確かに、力を抜いて優しく自然な感じで歌っているあたりは共通しています。
アストラッドはヘタウマともいえるあぶなっかさが、手を差し伸べたくなる可愛さにつながっていますが、ナラ・レオンのヴォーカルには、安定感、陰影と、包み込むようなあたたかみがあります。ボサノヴァに囲まれて裕福に育ったのに、環境に甘んじることなく、音楽面でも人生でもいろいろな経験をした彼女だからこそ、つくづくいいなぁと思わされる深みが出せるのかもしれません。


1971

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ELIS REGINA IN LONDON エリス・レジーナ・イン・ロンドン

豪快な疾走感が気持いい ★5

エリスのヨーロッパツアーメンバー(ロベルト・メネスカル他)と、イギリス人のピーター・ナイトが指揮するオーケストラが1969年3月(5月?)にロンドンに集まり、たった1日でレコーディングされたアルバム。
エリスは本当に気持よさそうに歌っていて、上昇気流に乗って昇っていくような伸びやかなヴォーカルは快感です。
歌とオーケストラを別々に録音したわけでなく、オーケストラの生演奏をバックにエリスが歌ったというのも納得です。
曲はアップテンポなものと、ゆったりしたものがいい具合に混ざっています。他のアルバムと同じ曲も入っていますが、このアルバムでの演奏はグルーヴ感があります。たとえばGiroは「コモ・イ・ポルケ」と比べてトーンも高く勢いがあります。
94年の日本語帯は「クラブミュージック」という分類になっています。なるほど。


1969
with accompaniment directed by Peter Knight

1. Corrida De Jangada 帆掛け船の疾走
2. A Time For Love ア・タイム・フォー・ラヴ
3. Se Voce Pensa もし、そう思うなら
4. Giro ジーロ
5. A Volta 帰り道
6. Zazueira ザズエイラ
7. Upa Nequinho ウッパ・ネギーニョ
8. Watch What Happens 瞳を見つめて
9. Wave ウェイヴ
10. How Insensitive ハウ・インセンシティヴ
11. Voce あなた
12. O Barquinho 小舟

ブラジルの水彩画-トゥーツ・シールマンス+エリス・レジーナ

AQUARELA DO BRASIL / TOOTS THIELEMANS & ELIS REGINA

幸せ感ただようJazzyな共演アルバム ★5

ジャズハーモニカ&口笛の名手トゥーツ・シールマンスとエリス・レジーナが共演したアルバム。二人が一緒に演奏していない曲も意外と多かったりしますが、ジャズとブラジル音楽の相性のよさをあらためて思い知らされます。
ホベルト(ロベルト)・メネスカル(g)、アントニオ・アドルフォ(p)、ジュランヂール・メイレーリス(b)、ウィルソン・ダス・ネヴィス(ds)、エルメス・コウテジーニ(perc)とともにエリスがヨーロッパ各地をツアーしている時(1969年始め)に、スウェーデンで録音されたそうです。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンの゛Wave゛他の有名曲に加え、トゥーツ・シールマンスのオリジナル曲(Five for Elis)等。
私が特に好きなのは、Roberto Menescal作の”VOCE(あなた)”。エリスが笑い声や吐息混じりに歌っていて、リラックスして楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。

エリスは時代や共演者に合わせて変わるので、アルバムによって印象が違います。同じ曲を聞き比べると、アレンジや雰囲気に合わせて自由自在に歌いわけているのが分かります。
この「ブラジルの水彩画」ではWave、Voce、O Barquinhoをリラックスした感じで歌っていますが、同年録音の「エリス・イン・ロンドン」では、グルーブ感たっぷりに伸びやかに歌いあげています。O Sonhoも、同じく同年録音の゛Como&Porque"で歌っていますが、また印象が全く違います。雰囲気で自在に歌いわけるジャズシンガーのようですね。
ボサノヴァならではのヘタウマ・リラックス系歌手もいいですが、表現力豊かなエリス・レジーナの歌うボサノヴァは最高です。

 
Voce / Aquarela Do Brasil

トゥーツ・シールマンスは数々のジャズプレイヤーと共演していますが、ブラジル関係のものとしては、豪華ゲストをこれでもかというくらい迎えたアルバム「ブラジル・プロジェクト(vol.1、2)」があります。聴けば聴くほど、共演者をくつろがせるオーラを感じさせられます。


1969
TOOTS THIELEMANS & ELIS REGINA

1. Wave ウェイヴ
2. Aquarela Do Brasil ブラジルの水彩画
3. Visao 幻想
4. Corrida de Jangada コヒート・ヂ・ジャンガダ/帆掛け船の競争
5. Wilsamba ウィルサンバ
6. Voce (You) ヴォセ(あなた)
7. Barquinho 小舟
8. O Sonho 夢
9. Five for Elis ファイヴ・フォー・エリス
10. Canto de Ossanha (Chi Dice Non De) オサーニャの歌
11. Honeysuckle Rose ハニーサックル・ローズ
12. A Volta ア・ヴォルタ

2010 試聴YouTube追加♪

デューク・ピアソンのハウ・インセンシティヴ メモ

DUKE PEASON - HOW INSENSITIVE

ジャズピアニストとコーラス、オーケストラのあたたかいアルバム ★5

トム・ジョビンの曲"How Insensitive"をタイトルにしたデューク・ピアソンの快適アルバム。
曲目を見ると、オリジナル曲の他、ボサノヴァ、ゴスペル、ジャズスタンダードが混ざっていますが、統一感がないどころか逆にジャケットそのままの独特な不思議世界ができあがっています。童話や幻燈を思わせるような、あたたかくて神秘的なアルバムです。冬の寒い日にはとくにおすすめ。どこかの森の奥の秘密の家に足を踏み入れたような気分が味わえます。

心地よさの秘密は、全体を包むあたたかい雰囲気に加え、絶妙な曲順にもあるでしょう。
「星影のステラ」で始まり、あたたかいコーラス3曲の後、ランバート・ヘンドリックス&ロスを思わせる粋なジャズ[5]。そこでふっとピアノソロ[6]を入れてしんみりさせた後、清涼感あるヴォーカリストフローラ・プリムのブラジリアンサウンドで湿度を下げ、再び大勢のコーラスであたたかさを出し、次は静かにソロ...。
温泉、サウナ、冷水を組み合わせるかのような絶妙の温度調整がたまりません。

5、8曲目の作曲もしているジャック・マンノは、ランバート・ヘンドリックス&ロスとジョーンズ=ルイス・バンドを聴いて、「ヴォーカルでビッグバンドをやったら面白いんじゃないか」と思いつき、17人からなるニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドを率いてこのアルバムに参加しています。
メインヴォーカルはアンディー・ベイと、チック・コリアの"Return To Forever"にも参加しているブラジルのフローラ・プリム(プリン)。ジャズピアニストのデューク・ピアソンは、フリューゲルホーンも演奏しています。

センスのいいアルバムをいくつも出したデューク・ピアソンが48歳の若さで他界してしまったというのは本当に残念です。しかもこのアルバム、CD屋であまりみかけないのですが廃盤なのでしょうか。
レーベルはジャズの名門BLUE NOTEです。


1969 / BLUE NOTE
Duke Pearson(p, elp,fh); New York Group Singers' Big Band (conducted by Jack Manno); Al Gafa(elg); Dorio Ferreira(g); Bob Cranshaw(b); Bebeto Jose Souza(b); Mickey Roker, Airto Moreira(d, perc); Andy Bey(vo on 2&3); Flora Purim(vo. on7&10)

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サンバ’68 - マルコス・ヴァーリ

SAMBA'68 / MARCOS VALLE

晴れた休日に聴きたい幸せ感漂うアルバム ★5

ちょっと怪しいジャケットや、タイトルの「サンバ」とはほど遠く、楽しくくつろいだ気分になれる、洒落たアルバムです。
彼の作曲家としての代表作のひとつ[3]So Nice他、晴れた休日にぴったりの心地良い曲が詰まっています。
甘くてコクのある声のマルコス・ヴァーリと、透明感ある可愛い声の元妻アナマリアとのデュエットは最高。
セルジオ・メンデスやアストラッド・ジルベルトと同じく、アメリカでのボサノヴァ流行をうけていて、歌詞は英語がメイン。とっつきやすい雰囲気の快適なアルバムです。
初期の頃のブラジルの憂いあるボサノヴァはあまり好きじゃない、という方にもおすすめです。


1968(1967年録音)
Anamaria アナマリア(vo)、Eumir Deodato エウミール・デオタート(arr)、Claudio Slon(ds)、クラウディオ・スローン参加

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DOMINGO ドミンゴ - GAL e CAETANO カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ

極上のアンニュイ ★5

カエターノ・ヴェローゾ Caetano Velosoは、ブラジルでボサノヴァ衰退後に繰り広げられるトロピカリズモの中心となる人物ですが、その直前、彼がGal Costa ガル・コスタと録音したこのデュオ・アルバムは、物憂さただよう大好きなアルバムです
そっとささやくように歌う二人の甘くやさしいヴォーカルとギターがたまりません。

アントニオ・カルロス・ジョビン等の曲に代表されるような独特の憂愁・サウダーヂは、ボサノヴァで味わえる大きな魅力のひとつですが、
そのボサノヴァの終焉にふさわしいような静けさと切なさが、アルバム全体を包んでいます。
白黒写真とサイケなカラーをくみ合わせた、いかにも60年代後期らしい洒落たデザインのジャケットもいい雰囲気。
音質の悪さすら、懐かしい感じをそそるスパイスだと思えます。
晴れた日よりは、曇りや雨の日。じっくり聴くと、じんわりあたたかい気分になってきます。

ナラ・レオンのDEZ ANOS DEPOIS(美しきボサ・ノヴァのミューズ)などが好きなら、たぶん気に入ると思います。
この「ドミンゴ」のように物憂げではありませんが、夫婦だったLUIZ BONFA ルイス・ボンファとMARIA TOLEDO マリア・トレードの共演アルバム”BRAZILIANA”も愛聴盤です


1967 Gal Costa & Caetano Veloso

1.Coracao Vagabundo
2.Onde Eu Nasci Passa um Rio (Where I Was Born There Passes a River)
3.Avarandado (On the Veranda)
4.Um Dia (One Day)
5.Domingo (Sunday)
6.Nenhuma Dor (No Pain)
7.Candeias (Candle Lights)
8.Remelexo (Shake)
9.Minha Senhora (My Lady)
10.Quem Me Dera (If Only I Had)
11.Maria Joana
12.Zabele (A Name)
1.コラサォン・ヴァガブンド
2.オンヂ・エウ・ナッシー・パッサ・ウン・ヒオ/僕が生まれた町には川が流れている
3.アヴァランダード
4.ウン・ヂーア/ある日
5.ドミンゴ/日曜日
6.ネニュマ・ドール/痛みなくして
7.カンデイアス
8.ヘメレッショ
9.ミーニャ・セニョーラ
10.ケン・ミ・デーラ
11.マリア・ジョアナ
12.ザベレ

ロシュフォールの恋人たち サウンドトラック - MICHEL LEGRAND

ミシェル・ルグランの傑作 ★5

ジャズミュージシャンとしても有名なフランスのMICHEL LEGRAND ミシェル・ルグラン。これは彼が音楽を担当したミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち(1966)」のサウンドトラック。同じくジャック・ドゥミ監督と組んだミュージカル映画「LES PARAPLUIE DE CHERBOURG シェルブールの雨傘」と並ぶ傑作です。
画像左(1966年サントラのリマスター完全盤)は2枚組。ジャケットが、あの可愛い映画ポスターと違うことに多少違和感を覚えつつも、買って正解でした。
2枚目には英語ヴァージョンやインスト曲だけでなく、[9]デモ&コメントも入っていて、テーマ曲の「Chanson Des Jumelles 双子姉妹の歌」については、ルグランがインタビューに答える形で語っています。
「テーマ曲は50もの候補の中から選んだそうですね」という質問に対して、「あれこれ考えた末、あの曲にいきついたんだ」と答えるルグラン。ボツになった試作品のさわりを、自らピアノを弾きながら次々と披露していきます。どの断片も、聴いているとワクワクしてくる魅力的な音楽で、切り捨てる作業は大変だったろうなぁと思います。

映画「ロシュフォールの恋人たち」がフランスのTVで再放送された時に、あらためて見たんですが、その後何日かは脳内でいろんな曲がループし、気づくと口ずさんでいる状態に陥りました。
この魔法にかかったのは私だけではなく、放映後しばらく、パリのあちこちでこの映画の曲を口笛で吹く人を見かけました。
それほど視聴率が高かったのか、TV欄のタイトルやTV予告を見ただけで脳を占領されたのかはわかりませんが、これほど記憶に残るというのは何かの魔術のよう。ミッシェル・ルグランは頭に残るメロディ作りの天才ですね。

JACQUES DEMY ジャック・ドゥミ監督、CATHERINE DENEUVE カトリーヌ・ドヌーヴ、ミシェル・ルグランが組んだ映画はいくつかありますが、この夢と理想と幸福感に満ちた「ロシュフォールの恋人たち」は、ものわびしくて現実的な点も多い「シェルブールの雨傘」と対をなしている気がします。(どちらもフランスの地名ですし。)
シェルブールも好きですが、「ロシュフォール」は何度見ても楽しい気分にさせられるいい映画です。
楽しくてドラマティックな音楽と映像、ロマンティックで愛らしいまでに素直なすれ違いストーリー。実の姉妹であるカトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックが演じる双子の可愛さ。(無理に若ぶってるように見えるという人もいますが。)そして1960年代モード全開の衣装と美術。(長年にわたる60-70's愛好者の私にとっては垂涎もの。)
フランスワーズ・ドルレアックがふわふわしたワンピースを着て歩いている時「お嬢さん、下着がはみ出していますよ」と指摘されたり、母親が昔「マダム・ダム」と呼ばれるのが嫌だったという理由でダムという男性との結婚を断ってしまったり…といった、ちょっと笑えるエピソードも何だか可愛らしくて。
このサウンドトラックは、ミシェル・ルグランのアルバムの一つと考えることもできますが、歌詞は全て映画のセリフですし、やはり映画を見ておいた方が楽しめるような気がします。

AMAZON.frで試聴できます。


LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT(B.O.)/ ミシェル・ルグラン
1966

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BRAZILIANA - LUIZ BONFA & MARIA TOLEDO ブラジリアーナ ルイス・ボンファ&マリア・トレド

ゆったりフワフワ、心地いい ★5

当時夫婦だったルイス・ボンファとマリア・トレードの、幸せ感たっぷりのアルバム。全曲オリジナルで、自然な明るさ、優しさとふんわり感がただよっています。
マリア・トレドの透明感あるささやきヴォーカル、ルイスのあたたかみのあるギター、多用される口笛&スキャット... すべてが好みでGal Costaガル・コスタ&Caetano Veloso カエターノ・ヴェローゾの”DOMINGO ドミンゴ”と同じくらい愛聴しています。

LUIZ BONFAといえば、Marcel Camus マルセル・カミュ監督の映画 「黒いオルフェ」 (1959年 フランス・ブラジル合作)の音楽をジョビンと一緒に作ったコンポーザー/ギタリストとして有名ですし、ジョアン・ジルベルトは「ボンファに捧ぐ」という曲を作っていますね。
そんなルイス・ボンファはこのアルバムでも、ひとりで出しているとは思えないようないくつものパートの音をさらりとさりげなく奏でています。弾くのは技術がいってむずかしそうですが、大変さを感じさせない、優雅で美しい演奏です ソロ曲[5],[13]や、ピアノが入る[9]では、その演奏をたっぷり味わうことができます。「黒いオルフェ」でおなじみの[3]も、ソロではないですがギターがメインの曲です。技術を誇示するように早弾きをすることなどはなく、ひたすら快適さを追求するように弾く彼のギター、大好きです

[1]Whistle Sambaは、口笛とルイス・ボンファのスキャットが楽しい気分にさせてくれる可愛らしい曲です。
[2][4][10]に入っているオーケストラは、昔の映画のような雰囲気をプラスしますが、派手すぎず控えめです。口笛で始まり、マリアが英語で歌っている[8]では、ストリングスがそっと寄り添い、間奏のところで古い映画風の雰囲気をちょっぴり加えています。[6]はカヴァキーニョが使われているわけじゃなく、歌詞にカヴァキーニョと出てくるだけです。マリアのヴォーカルとギターがメインでピアノが加わっています。
[11]は、マリアだけの部分とデュオの部分があるスキャット曲。[12]は、マリアのヴォーカルからデュエットになり、まだ続きそうなところでフェードアウトします。ラスト[14]は、とても幸せな気分にさせてくれる、スキャットのデュオ曲。これでフェードアウトして終わるあたりも、なんだかフンワリしています。

全曲オリジナルで統一感があるせいもあり、夢の世界にいるような心地よさが味わえる、とにかく快適なアルバムです

ジャズサックスプレイヤーSTAN GETZ スタン・ゲッツの”JAZZ SAMBA ENCORE!”にも、二人揃って参加していますね


1965
LUIZ BONFA, MARIA HELENA DE TOLEDO

1. Whistle Samba
2. Tanto Amor
3. Samba De Orfeu
4. Pierrot
5. Boticario
6. Cavaquinho
7. Improviso
8. Promessa
9. Sugar Loaf
10. Saudade
11. Guanabara
12. Pequeno Olhar
13. Baroco
14. Sambura
1. ホイッスル・サンバ
2. たくさんの愛
3. オルフェのサンバ
4. ピエロ
5. ボチカリオ
6. カヴァキーニョ
7. インプロヴィーゾ
8. 約束
9. シュガー・ローフ
10. サウダーヂ
11. グァナバラ
12. ペケーノ・オリャール
13. バロコ
14. サンブーラ

VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー

ヴァガメンチ / ワンダ・サー (ヴァンダ・サー/ワンダ・ヂ・サー)

快適デビューアルバム・・・ ★5

TV出演をきっかけにデビューしたイパネマ出身のワンダ・サーのファーストアルバム。プロデューサーはRoberto Menescal ロベルト・メネスカル
セルジオ・メンデスは、このアルバムを聴いて彼女を気に入り「ブラジル'65」に加えたそうですね。
ビブラートをかけない素朴な歌い方と、二十歳そこらとは思えないハスキーな声。ボサノヴァならではの脱力感と物憂げさもたまりません。彼女に影響を受けたと語るアーティストが多いのも分かる気がします。
小野リサも、尊敬するアーティストとしてワンダ・サーの名前を挙げていました。彼女のアルバム〔Pretty World〕(2000年)を聞くと確かにワンダ・サーを思い出すんですが、他ではどちらかというとナラ・レオンに近い気もします。ワンダ・サーの方が共感できるのでしょうか。


1964
WANDA SA ( WANDA DE SAH )
1. Adriana アドリアーナ
2. E Vem O Sol そして陽は昇る
(◆YouTube試聴)
3. Encontro 出逢い
4. So Me Fez Bem あなたは愛してくれた
5. Mar Azul 蒼い海
6. Tambem Quem Mandou 嫌われてるの?
7. Tristeza de Nos Dois 二人の悲しみ
8. Vivo Sonhando 夢を見ながら
9. Sem Mais Adeus さよならは、もうたくさん
10. Inutil Paisagem 無意味な風景
11. Tristeza de Amar 愛する悲しみ
12. Vagamente ヴァガメンチ
13. So Nice (Samba de Verao)*ソー・ナイス
14. Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)* コルコヴァード
15. To Say Goodbye(Pra Dizer Adeus)* さよならを言うために
13~15 CDボーナストラック

BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL

Bossa Session

ジャズ的要素を取り入れつつも、懐かしさを感じさせるボサノヴァアルバム ★5

スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズを筆頭にアメリカでボサノヴァが流行していたた1964年頃の作品。
ボサノヴァ最盛期の懐かしさと同時に、[4][6][10]等の楽器演奏や[1][7]のスキャット混じりのヴォーカルにジャズテイストを感じます。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンから、若い世代のエドゥ・ロボ、デオダート、そして本作に参加しているロベルト・メネスカルまで、様々な世代のものを取り上げています。
SYLVIA TELLESとLUCIO ALVESのヴォーカル掛け合いと、ダバダバディバダのスキャットが楽しい[1]に始まり、ジョビン-モラエスの名曲[2]Ela E CariocaをLUCIOがけだるげに歌い、同じくジョビンの[3]Vivo SonhandoをSYLVIAがさらりと歌った後、メネスカル作の[4]をインストゥルメンタルで演奏。
続いてマルコス・ヴァーリ作の[5]をLUCIOがあたたかい声で歌い、再び清涼感ある楽器演奏[6]をはさんで、[7]の遊び心ある楽しいデュオにつなぐ…。
選曲、ヴォーカル、楽器演奏もさることながら、波打つようなこの温・冷の流れがまた快適。ジョビンの若かりし日のアルバム「カイミ・ヴィジタ・トム」等に通じるような、ほんわりやさしい感じもたまりません。
カフェでも飲んでくつろぎながらリピートで聴きたいくらい心地良いアルバムです。


1964
ボサ・セッション/シルビア・テレス, ルシオ・アルビス, ロベルト・メネスカル

SYLVIA TELLES, LUCIO ALVES, ROBERTO MENESCAL
シルビア・テリス(テレス), ルーシオ(ルシオ)・アルヴェス, ロベルト(ホベルト)・メネスカル, セウ・コンジュント他

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CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム

カイミ・ヴィジタ・トム / ドリヴァル・カイミ&アントニオ・カルロス・ジョビン

DORIVAL CAYMMI & ANTONIO CARLOS JOBIM

物憂い夕暮れ ★5

ドリヴァル・カイミアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)という世代の違う二人の1964年の初共演作。タイトル通り、カイミ一家がトムの家にふらっと立ち寄って何気なく演奏したかのようなくつろいだ雰囲気、物憂げな演奏、情緒ある歌。サウダーヂをしみじみ感じられる、夕暮時にぴったりなアルバムです。

のちにMPBで活躍するカイミの子供達(ナナ、ドリ、ダニーロ)だけでなく、奥さんのステラも珍しく歌っています。それがまた「家族でトムの家に寄った」雰囲気を強めています(9.Cancao Da Noiva)。ステラの声は娘ナナと共通点があり、母性的で切ない感じのヴォーカルです。
トムが歌っているのは2曲だけですが、彼のピアノとドリのヴィオラォン、ダニーロのフルートによるインストゥルメンタルの Berimbau も聴きごたえがあります。
唯一のトムとドリヴァルのデュエット曲5.Saudades Da Bahiaは、ハーモニーがぴったりはまりすぎていなくて、ゆる~い感じ。ボサノヴァ的で最高です。

ナナはこのアルバムがデビュー作らしいですが、声は瑞々しいながらも歌いっぷりはすっかり堂に入っています。Tristeza De Nos Doisでは情緒たっぷりにのびのびと、8.Sem Voceではしっとりと歌っています。3.Inutil Paisagemでの浮世離れしたヴォーカルには、すごみすら感じます。空中をまっすぐ突き進むような声で「空はなぜこんなに広いの、海はなぜこんなに大きいの」と歌うのを聴くと、壮大な風景が目の前にざーっと広がります。
大きなサングラスを見るとミッシェル・ポルナレフの”Tout tout pour ma cherie...”が鳴り響く私の脳では、広大な風景を見るとこの曲が自動再生されます。

「バラよりうつくしいものはない」とドリヴァル・カイミが歌うDas Rosasは、バラ(とそれに象徴されるもの)にほのかな憧れを抱くブラジル人青年を描いています。が、同じ曲をボサノヴァ好きフランス人ピエール・バルーがフランス語歌詞で歌うと("Des Roses" デ・ローズ)、バラと女性を愛するドンファンの世界。このバルーのフレンチバージョンと聴き比べると、カイミのオリジナルの曖昧さ、純朴さ、切なさが際立ちます。

スタン・ゲッツのジャズサンバ等でジャズボサになじんでいた私を、かれこれ15年以上前にブラジル音楽(ボサノヴァ)中毒にしたのは、このアルバムです。明るいサンバ系が好きな人は「メランコリックすぎる」、歌詞のひねりを求める人は「ボサの歌詞は物足りない」と感じるかもしれませんが、私にとっては思い入れのあるアルバムです。
大きなCD屋でもブラジル音楽売場が小さく、ネットショップどころかネット自体今ほど普及していなかった当時、CD探しは体力と勘と所持金勝負でした。所持金に限界のある学生時代の私が、もし同じカイミのCAYMMI EM FAMILIAや、ジョビンのインストアルバムを先に聴いていたら、ここまでブラジル音楽にはまることにはならなかったでしょう。


1964

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NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン

NIGHT LIGHTS - GERRY MULLIGAN

ジャケットとタイトルのイメージどおり ★5

潤んだような街の光が水面に揺らめくところが思い浮かぶようなジャケットとタイトル。豪華客船から街を眺めつつシャンパーニュとシーフードに舌鼓…なんてシーンを想像しつつ、ビールと冷奴で納涼するのに最適なアルバムです

白熱したセッションが好きな人は、プレイヤーが遠慮気味で燃焼しきっていなくてつまらないと感じるかもしれません。アート・ファーマーなど特に控えめな気がします。
このアルバムにはそういう熱さがなく、心地良い涼気が漂っていて、全員が美しい夜の景色を思い描きながら夢見心地で演奏しているような感じすらします

普段はピアノ無しの演奏を好むジェリー・マリガンが、[1]の「ナイト・ライツ」では、水晶を連想させる繊細な音で自らピアノを弾いています。
そして普通ならバリバリッという音になりがちなバリトンサックスを相変わらず優雅に吹きこなしています。チェット・ベイカーとの気合の入ったセッションなどとはまた違う、リラックスした感じが味わえます。
いつもにまして水の中をゆらゆら漂っているようなジム・ホールのギターも快適です。
ジェリー・マリガンが映画『真夏の夜のジャズ』に出てくるのを見ましたが、演奏する姿もcoolですね。

曲は、ジェリー・マリガンのオリジナルの他、ブラジル音楽やクラシック曲も入れています。
[2]は映画『黒いオルフェ』の中で、主人公がこの曲をギターを弾きながら歌うにつれて朝日が昇っていくシーンで使われている、ルイス・ボンファの有名曲。[3]はフランク・シナトラの十八番ですが、アン・バートンのヴァージョンも味があって割と好きです。[4]はショパンの切ないピアノ曲、プレリュード第4番。

ソファやベッドにゆったり横たわってこのアルバムを聴くと、疲れも何もフウっと抜け出ていく気がします


1963, MERCURY
Gerry Mulligan (bs,p,cl), Art Farmer (tp/flh), Bob Brookmeyer (btb), Jim Hall (g), Bill Crowe (b), Dave Bailey(tb), Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds)...

1. Night Lights (1963 Version)
2. Morning Of The Carnival From 'Black Orpheus'(Luiz Bonfa)
3. In The Wee Small Hours Of The Morning
4. Prelude In E Minor (F.Chopin)
5. Festival Minor
6. Tell Me When
7. Night Lights (1965 Version)
1.ナイト・ライツ(1963年ヴァージョン)
2.カーニヴァルの朝
3.ウィー・スモール・アワーズ
4.プレリュード:ホ短調
5.フェスティヴァル・マイナー
6.テル・ミー・ホエン
7.ナイト・ライツ(1965年ヴァージョン)

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブルシックスオブパリ)- ファースト+セカンドアルバム

les double six

ブルースターズよりジャズ色が濃いフランス語ヴォーカリーズ ★5

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)は、(LES) BLUE STARS ブルー・スターズで書いたように、その後身といえるフランスのフレンチジャズコーラスユニットです。
上の画像のディスクは、1959年~1962年録音のファースト&セカンド・アルバムを収めた2in1 CDです。

Michel Legrand ミッシェル・ルグランの姉、クリスチャンヌ・ルグランは、ブロッサム・ディアリーと共にブルースターズに参加した後、Swingle Sisters スィングル・シスターズで活躍し、その後、歌詞なしのジャズコーラスユニットQUIRE クワイアでアルバムを1枚出したりもしています。さすらってますね。(ジャケット右から2番目。)

トラック[1]~[8]&[20](59年後半~60年前半)が1作目で、[9]~[19]が2作目でしょうか。
前半は、Count Basie et son Orchestre カウント・ベイシー&オーケストラとのレコーディングで、ミミ・ペランがフランス語歌詞を書き、Quincy Jones クインシー・ジョーンズが曲、アレンジなどを担当しています。


[1] En Flânant Dans Paris / [2] La Course Au Rat

後半はShelly Manne シェリー・マン、John Coltrane ジョン・コルトレーン、Gerry Mulligan ジェリー・マリガン、Jay Jay Johnson J.J.ジョンソン、Charlie Parker チャーリー・パーカー、Miles Davis マイルス・デイヴィス等の有名ジャズプレイヤーの演奏を下敷きにして、これまたミミ・ペランが書いた歌詞をのせて歌っています。

楽器によるジャズ名演を歌詞つきヴォーカルで再現するvocalese ヴォーカリーズのグループなので、モダンジャズコーラスグループの元祖的存在ランバート、ヘンドリックス&ロス(LHR) を思い出すところもありますが、
ドゥブル・シスにはLHRのジェットコースターのようなスピード感は感じません。
フランス語自体、母音が一定の太さ強さで発音されるためか重くなりがちで、すべるような軽快さは出しにくい気がしますが、ドゥブル・シスにはまた別の粋な魅力があります。
よりジャズ色が濃いものの、感覚的にはやはりブルー・スターズの方に近いと思います。

メンバーは曲によって違います。数え違いがなければ、ヴォーカル12人、ピアノ3人、ベース2人、ドラム3人、ギター2人、ボンゴ1人がクレジットされています。
12人編成のビッグバンドを再現するために、6人が2つずつパートを歌って多重録音したようで、それでユニット名も2×6の「double 6」なんでしょうね。
ヴォーカリストが12人いるのに、6人に分けて多重録音で倍に増やしたのは、日程の問題なのか音的なこだわりなのか、それとも... 謎です


1959 - 1962
・Mimi Perrin, Christiane Legrand, Ward Swingle, Jean-Claude Briodin, Jacques Denjean, Claude Germain, Claudine Barge, Eddy Louiss, Monique Aldebert, Louis Aldebert, Jean-Louis Conrozier, Roger Guerin (voc)
・Art Simons / Georges Arvanitas / Rene Urtreger (p)
・Michel Gaudry / Pierre Michelot (b)
・Daniel Humair / Christian Garros / Kenny Clarke (dms)
・Elek Bacsik / Paul Piguihem (g)
・Eddy Louiss (v on 10), Jean-Pierre Drouet (bongos on 14)

共通項アーティスト・・・ザ・ブルー・スターズランバート・ヘンドリックス&ロス、L,H&バヴァン、アンドリューズ・シスターズ、スィングル・シスターズ、クワイアミッシェル・ルグランレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルコーラスグループ)

1. En Flânant Dans Paris
2. La Course Au Rat
3. Un Coin Merveilleux
4. Au Temps Des Indiens
5. Tout en Dodelinant
6. Au Bout Du Fil
7. Il Y A Fort Longtemps
8. T'as Foutu L'camp
9. Le Racket Et Les Balles
10. Finalement l'Automne Est Arrive
11. Les Quatre De L'opera
12. Naima
13. Histoire de Baryton
14. Le Tapis Volant
15. Une Ballade
16. A Batons Rompus
17. La Legende Du Troubadour
18. La Complainte Du Bagnard
19. Le Pas Qui Plaira
20. Un Tour au Bois
1. For Lena and Lennie
2. Rat Race
3. Stockholm Sweetnin'
4. Boos' Bloos
5. Doodlin'
6. Meet Benny Bailey
7. Evening in Paris
8. Count 'Em
9. Tickle Toe
10. Early Autumn
11. Sweets
12. Naima
13. Westwood Walk
14. Night in Tunisia
15. Ballad
16. Scrapple from the Apple
17. Boplicity
18. Moanin'
19. Fascinating Rhythm
20. Walkin' (#ボーナストラック)

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Barbara Lea バーバラ・リー (1956)

BARBARA LEA / バーバラ・リー

幸せ感ただようひそかな名盤 ★5

バーバラ・リーは、知名度が低いのが残念なジャズヴォーカリストの一人。
彼女の1950年代録音アルバムは3枚だけですが、そのうちの1枚である本作”Barbara Lea”を聴くまで、私も知りませんでした。
リピートしても飽きないアルバムです。それがいいことなのかは微妙ですが、大げさなところがなくて洗練されているのは確かです。
[1][2]のようなハッピーな曲をはじめ、全体的にあたたかい幸福感と小粋さが漂っています。気に入りました。
湿っぽくなりそうな[11]などの曲もさらっと粋に仕上げ、その後に軽妙なトラックを続ることで、あっさりした印象にしています。

楽しい気分になりたい時、寒い日にココアでも飲みながら家でゆっくりしたい時、モヤモヤ感をふき飛ばしたい時に聴きたくなる、心を軽くしてくれるようなアルバムです。


Baltimore Oriole 試聴

1956, Prestige
Barbara Lea (v), Dick Cary (ah), Johnny Windhurst (t), Al Hall (b), Dick Hyman (p), Osie Johnson (d), Richard Lowman, Al Casamenti

1.Nobody Else But Me
2.Where Have You Been?
3.I'm Coming Virginia
4.Honey in the Honeycomb
5.Thursday's Child
6.I've Got a Pocketful of Dreams
7.My Honey's Lovin' Arms
8.I Had Myself a True Love
9.Gee Baby, Ain't I Good to You
10.I Feel at Home With You
11.Baltimore Oriole
12.Blue Skies
13.I Feel at Home With You [Alternate Take][*]
14.Straw Hat Full of Lilacs [*]
日本盤
1.ノーバディ・エルス・バット・ミー
2.ホエア・ハヴ・ユー・ビーン
3.アイム・カミング・ヴァージニア
4.ハニー・イン・ザ・ハニーコウム
5.サーズデイズ・チャイルド
6.アイヴ・ガット・ア・ポケット・フル・オブ・ドリームス
7.マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ
8.アイ・ハド・マイセルフ・ア・トゥルー・ラヴ
9.ジー・ベイビー,エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
10.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー
11.バルチモア・オリオール
12.ブルー・スカイズ
13.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー(別テイク)
14.ア・ストロー・ハット・フル・オブ・ライラックス
[13][14]はボーナストラック

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LULLABY OF BIRDLAND - BLUE STARS ララバイ・オブ・バードランド / ブルー・スターズ

ふわり、ノスタルジックで粋なフレンチ・コーラス・ユニット ★5

フランスのコーラスユニット(LES/THE) BLUE STARS ブルースターズが1954年11月に録音したファーストアルバム。
ブロッサム・ディアリーと、ミシェル・ルグランの姉クリスチャーヌ(クリスティアーヌ)・ルグランも参加しています。

私は昔からランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)…&バヴァン (LHB)等が好きで、フランス語のジャズコーラスグループを探していました。
気に入るものがなくて諦めかけていた頃、お馴染みのジャズスタンダード曲ララバイ・オブ・バードランドがフランスのジャズラジオ局で流れてくるのを耳にしました
粋なフランス語コーラスに好みのツボを直撃され、CDを探して即購入。
早速聴いてみると、冬の休日に聴きたくなるような、ほんわりあたたかく心地いいアルバムでした。イメージ通りのものに出会えるなんて、ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」みたいだなと喜んでいたら、
その映画の音楽担当のMichel Legrand ミッシェル・ルグランが、このアルバムの[1]と[11]のアレンジをしているんですね(あとの10曲はブロッサム・ディアリーが担当)。
アルバム相手に勝手に運命を感じてしまいそうになりました


CD [5]&[1]

ジャズスタンダード([1], [2])、ポップ、シャンソンから作者不明の歌まで、原曲の歌詞を思い切り無視したフランス語歌詞がつけられているのもおもしろさの一つ。
「ロリポップ」でも知られるコーデッツが同じ1954年にヒットさせた曲[7]Mister Sandman ミスター・サンドマンのタイトルは、Mister L'Amour(L'Amour=The Love)になっています。
Lullaby Of Birdland バードランドの子守唄は、Legende du Pays aux Oiseaux(バードランドの言い伝え)でタイトルは似ていますが、歌詞は違います。

さて、このアルバムに参加しているブロッサム・ディアリーが1956年アメリカに帰国したのを機に、ブルー・スターズは人数を6人に減らし、ミミ・ペランウォード・スイングルが加わります。ここまで変わったらもう新ユニットみたいな気がしますが
そしてブルー・スターズが消えた後、1959年にミミ・ペランを中心としたLES DOUBLE SIX ダブル・シックスが誕生することに。
彼女とウォード・スイングル、クリスチャンヌ(クリスティアーヌ)・ルグランの3人は、ブルー・スターズ時代からのメンバーです。
BLUE STARSもDOUBLE SIXも好きなのに、アルバムが少ないのが残念です


1954
Blossom Dearie, Christiane Legrand, Jeanine DeWaleyne, Nadine Young他

1.ララバイ・オブ・バードランド 2.スピーク・ロウ 3.ジーナ 4.ハート・オブ・マイ・ハート 5.ザッツ・マイ・ガール 6.ポルトガルの洗濯女 7.ミスター・サンドマン 8.1920年 9.ホールド・ミー・クローズ 10.ヴァージニアへの手紙 11.ザ・キッシング・ダンス 12.マンボ・イタリアーノ
1.Legende du Pays aux Oiseaux (Lullaby Of Birdland)
2.Tout Bas (Speak Low)
3.Gina
4.Plus Je T'embrasse (Heart Of My Heart)
5.Toute Ma Joie (That's My Girl)
6.Les Lavandieres Du Portugal (The Portuguese Washerwoman)
7.Mister L'Amour (Mister Sandman)
8.En 1920 (In 1920)
9.Embrasse-moi Bien (Hold Me Close)
10.Lettre a Virginie (Letter To Virginia)
11.La Danse Du Baiser (The Kissing Dance)
12.Mambo Italiano

共通項アーティスト・・・レ・ドゥブル・シスデューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドランバート・ヘンドリックス&ロス、L,H&バヴァン、スィングル・シスターズ、クワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

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・ ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
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