VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

◆"VERS LA MER - LES MOUETTES"の全文を見る »

VINICIUS EM CY - QUARTETO EM CY

ヴィニシウス・エン・シー / クアルテート・エン・シー


ヴィニシウスと共作者たちの曲を集めたコンピレーション ★4

外交官で詩人、ジョビンやカルロス・リラ等の曲の共作者としても有名なヴィニシウス・ヂ・モラエスの曲を集めた1993年リリースのコンピレーション盤。

ヴィニシウス・ヂ・モラエス本人[15], [16]の他、アントニオ・カルロス(トム)・ジョビン[4](ピアノ/ヴォーカル)、カルロス・リラ[8]、トッキーニョ][6](ヴィオラオン/ヴォーカル)、シコ・ブアルキ[1](ヴォーカル)、セリア・ヴァス[14](ヴォーカル/ヴィオラォン/アレンジ)等が参加した曲が聴けます。(このセリア・ヴァスと、ワンダ・サーの共演アルバム「ブラジレイラス」には、クアルテート・エン・シーがゲスト参加しています。)

[15]では、コーラスをバックに、ヴィニシウス本人が渋い声で詩を朗読しています。
BOMBA RECORDS日本盤はコーラスのイメージに合いそうな明るいジャケット(黄色)ですが、この曲には巨大ヴィニシウスのジャケットがぴったり。この1曲だけのためにあのジャケットをデザインしたと言われたら納得してしまうでしょう。
それまでの軽やかさとうって変わって、ラストで主役のヴィニシウスが渋さと重みを出すのは構成的にはいいんでしょう。が…時代劇っぽいというんでしょうか。この曲を思い出したとたんCDをかける気がしなくなり、しばらく聴いていなかった時期もありました。
ある日忘れた頃に聴いたら、そこまで嫌だった理由は何だったんだ?という程度になっていて、めでたし。あの朗読曲を克服した今では、結構好きです。


1993
QUARTETO EM CY + Vinicius de Moraes, Antonio Carlos Jobim (Tom), Carlos Lyra, Toquinho, Celia Vaz

1. Carta Ao Tom 74 トムへの手紙74年
2. Carta Que Nao Foi Mandada 送られなかった手紙
3. Agua De Beber おいしい水
4. Eu Sei Que Vou Te Amar あなたを愛してしまう
5. Pra Que Chorar - Consolacao プラ・ケ・ショラール/コンソラサォン
6. Tarde Em Itapua イタプアンの午後
7. Rancho Das Namoradas ハンショ・ダス・ナモラーダス
8. Samba Do Carioca サンバ・ド・カリオカ
9. Regra Tres 三角定規
10. Onde Anda Voce オンヂ・アンダ・ヴォセ
11. Derradeira Primavera デハデイラ・プリマヴェーラ
12. Mundo Melhor ムンド・メリョール
13. Loura Ou Morena ロウラ・オウ・モレーナ
14. Felicidade - Garota De Ipanema - Chega De Saudade フェリシダーヂ/イパネマの娘/想いあふれて
15. Soneto Do Amor Total - Samba Em Preludio 完璧な愛のソネット/プレリュードのサンバ
16. Samba Pra Vinicius ヴィニシウスに捧げるサンバ

デューク・ピアソンのハウ・インセンシティヴ メモ

DUKE PEASON - HOW INSENSITIVE

ジャズピアニストとコーラス、オーケストラのあたたかいアルバム ★5

トム・ジョビンの曲"How Insensitive"をタイトルにしたデューク・ピアソンの快適アルバム。
曲目を見ると、オリジナル曲の他、ボサノヴァ、ゴスペル、ジャズスタンダードが混ざっていますが、統一感がないどころか逆にジャケットそのままの独特な不思議世界ができあがっています。童話や幻燈を思わせるような、あたたかくて神秘的なアルバムです。冬の寒い日にはとくにおすすめ。どこかの森の奥の秘密の家に足を踏み入れたような気分が味わえます。

心地よさの秘密は、全体を包むあたたかい雰囲気に加え、絶妙な曲順にもあるでしょう。
「星影のステラ」で始まり、あたたかいコーラス3曲の後、ランバート・ヘンドリックス&ロスを思わせる粋なジャズ[5]。そこでふっとピアノソロ[6]を入れてしんみりさせた後、清涼感あるヴォーカリストフローラ・プリムのブラジリアンサウンドで湿度を下げ、再び大勢のコーラスであたたかさを出し、次は静かにソロ...。
温泉、サウナ、冷水を組み合わせるかのような絶妙の温度調整がたまりません。

5、8曲目の作曲もしているジャック・マンノは、ランバート・ヘンドリックス&ロスとジョーンズ=ルイス・バンドを聴いて、「ヴォーカルでビッグバンドをやったら面白いんじゃないか」と思いつき、17人からなるニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドを率いてこのアルバムに参加しています。
メインヴォーカルはアンディー・ベイと、チック・コリアの"Return To Forever"にも参加しているブラジルのフローラ・プリム(プリン)。ジャズピアニストのデューク・ピアソンは、フリューゲルホーンも演奏しています。

センスのいいアルバムをいくつも出したデューク・ピアソンが48歳の若さで他界してしまったというのは本当に残念です。しかもこのアルバム、CD屋であまりみかけないのですが廃盤なのでしょうか。
レーベルはジャズの名門BLUE NOTEです。


1969 / BLUE NOTE
Duke Pearson(p, elp,fh); New York Group Singers' Big Band (conducted by Jack Manno); Al Gafa(elg); Dorio Ferreira(g); Bob Cranshaw(b); Bebeto Jose Souza(b); Mickey Roker, Airto Moreira(d, perc); Andy Bey(vo on 2&3); Flora Purim(vo. on7&10)

◆"デューク・ピアソンのハウ・インセンシティヴ メモ"の全文を見る »

BRASILIAN SOUND -LES MASQUES レ・マスク

ブラジリアン・サウンド / レ・マスク

・・・フランス匿名アーティスト+トリオ・カマラのブラジリアンサウンド@パリ・・・ ★4.5

フランスのDARE-DAREレーベルからCDが再発されています。
Alice HERALDによる解説には、
<ブラジリアンミュージックを愛する仲間が話していたら、「アメリカではブラジル音楽が英語で歌われて広まってる。パリでブラジル音楽をやって楽しんでもよさそうなもんなのにね」ということに。実は彼らはプロのミュージシャン(作詞家、作曲家、歌手…)で、そのうち一人がレコーディングスタジオを持っていたので、自然ななりゆきでグループを結成。
LES MASQUESという名前は、カーニヴァル風の雰囲気を出すためかもしれないし、メンバーの名前を伏せた(MASQUE(S) マスケ=覆い隠された)ことにかけているのかもしれない 。 運良くパリに来ていた若い頃のLE TRIO CAMARAの参加で、本場ブラジルの味が出せた。>とあります。

オーケストラアレンジはJOSE BATEL (3,7), CHISTIAN (CHRISTIAN?) GAUBERT (10), CLAUDE GERMAIN (1,2,4,5,9,11)。
コーラスアレンジと音楽監督はCLAUDE GERMAIN。プロデューサーはFRANCIS LEMARQUE。他の参加者は謎です。

歌だけ聴いていると、フランスのジャズコーラスユニットLES DOUBLE SIXBLUE STARSを思い出します。
フランス語は腹からハッキリ発音される言語(子音は強く母音は音量がベタッと一定)で、ささやき声で歌っても完全なウィスパーヴォイスにできない(または意図的にしない)歌手が多い気がします。
ブラジルポルトガル語のサォン…ミーニャなどとフンワリ消え入りそうな音を聴きなれた人がこのアルバムを聴くと、①何となく耳障り、②勢いがあって新鮮、に意見が分かれるんじゃないでしょうか。


1968
JOSE BATEL, CHISTIAN (CHRISTIAN?) GAUBERT, CLAUDE GERMAIN, LE TRIO CAMARA

1.ECHO(A.HERALD/C.GERMAIN)
2.IL FAUT TENIR(A.HERALD/C.GERMAIN)
3.UN REGARD...UN SOURIRE...(G.KROM/J. BARTEL)
4.ENFER(A.HERALD/C.GERMAIN)
5.BAL CHEZ LE BARON(A.HERALD/C.GERMAIN)
6.LA GROSSE BOSSE A CASANOVA(C. LEVEL/E.MARINHO)
7.MAIS UN JOUR...(G.KROM/J.BARTEL)
8.INITIATION(M.VASSILIU)
9.DIS-NOUS QUEL EST LE CHEMIN(A.HERALD/C.GERMAIN)
10.L'OISEAU(A.HERALD/C.GAUBERT)
11.LES FILLES ET LES GARCONS(A.HERALD/C.GERMAIN)

ヂ・マーレ・ヂ・シー - クアルテート・エン・シー DE MARRE DE CY - QUARTETO EM CY

ゆったり ★4.5

エレンコレーベルでの2作目。
[2]のサンバ曲などは陽気ですが、中盤あたりはもの寂しくゆったりした曲が多めです。
タイトル曲[8]Marre de Cyなんて、Eu sou pobre, pobre, pobre、僕は貧しい、貧しい、貧しいと繰り返して始まりますが、これ以外にも現状に対する不満や貧しさが現れている曲があり、軍事政権下の当時のブラジルを想像してしまいます。
まぁでもコーラスはやはりすばらしく、好きな曲が多いアルバムです。

1,3,5,8の4曲はSydney Miller作。[1]O Circoは、ナラ・レオンのアルバム"Vento De Maio"でもおなじみですが、楽しいのにもの悲しい曲調と不思議な歌詞はまさにサーカス(Circo)のイメージです。
この4曲の中で特に好きなのは、ギターとコーラスだけで演奏される[3]A Menina da Agulha(針の少女という意味深なタイトル&歌詞)、途中バロック音楽を思わせるフレーズがコーラスや管楽器で入る[8]です。
Dory Caymmi ドリ・カイミ作曲のフワフワした[6]もお気に入り。うっとりします。


1967 ELENCO

◆"ヂ・マーレ・ヂ・シー - クアルテート・エン・シー DE MARRE DE CY - QUARTETO EM CY"の全文を見る »

QUARTETO EM CY クアルテート・エン・シー

クアルテート・エン・シー /  クアルテート・エン・シー

極上ファーストアルバム・・・ ★5

女性4人コーラス・グループ、クアルテート・エン・シーの1作目。
[3],[6],[7],[11]はルイス・カルロス・ヴィーニャス(p)、オターヴィオ(b)、ロナルド(ds)の3人からなる名ジャズ・ボサ・トリオ、ボサ・トレスがバックを務めていてcoolなジャズテイスト。タンバ・トリオが好きな方にも聴いてみていただきたいです。
[1],[2],[4],[5],[8],[9],[10]のアレンジとピアノはエウミール・デオダートが担当。ラウリジーニョ(トロンボーン)、パウロ・モウラ(as)も参加しています。

曲は、[1],[6]がEduardo Loboエドゥ・ロボ/Ruy Guerra共作。[3]がバーデン・パウエル/ヴィニシウス・ヂ・モライス共作。[7]はカルロス・リラ/ジェラルド・ヴァンドレ共作(アストラッドのヒット曲としても有名)。[8]がA.C.ジョビン/ヴィニシウス共作。ゼー・ケチとエルトン・メデイロスのサンバ曲[11]は、ボサノヴァ風にアレンジされていて快適です。

このグループは「クアルテート・エン・シー」というタイトルのアルバムを数枚出していてややこしいんですが、このファーストアルバムは1964年録音。軍事政権樹立の年で、ブラジルではボサノヴァが下火になっていた頃です。
クアルテート・エン・シーはデビュー時から長年経ても美しい声のコーラスを維持していますが、音楽には時代の流行が反映されていて、ポップっぽいアルバムもあります。ブラジルでのボサノヴァブーム終焉の頃のこのデビュー作が一番ボサノヴァ色が濃いかもしれません。


1964年8月22日、9月2,3日録音
QUARTETO EM CY + BOSSA TRES, Eumir Deodato...
1. REZA 
2. ENQUANTO A TRISTEZA NAO VEM
3. BERIMBAU 
4. O TREM 
5. BARRAVENTO
6. RESOLUCAO  7. ARUANDA 
8. CAMINHO DE PEDRA 
9. NANA 
10. VIDA RUIM 
11. MASCARADA
1.祈り
2.悲しみが来ない間に
3.ビリンバウ
4.列車
5.突風
6.決意
7.アルアンダ
8.険しい道
9.ナナン
10.味気ない人生
11.マスカレード

AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ

マシュ・ケ・ナーダ[テンポ (1964)+アヴァンソ(1963) 2in1 CD]/ タンバ・トリオ



ジャケット裏(AVANCO)

Cooool! ★4.5

ルイス・エサ(ピアノ/編曲)、 ベベート(ベース/サックス/フルート/ソロヴォーカル)、エルシオ・ミリート(パーカッション)の3人からなるタンバ・トリオ。
CD「マシュ・ケ・ナーダ」は、2作目AVANCOと、3作目のTEMPOが1枚になっていて、TEMPOの横顔写真の黒いジャケットが表、AVANCOの座りこんだ3人の白いジャケットが裏に使われています。
10代の頃ウイーンに音楽留学した後、ガーシュイン等の曲をオーケストラと演奏していたというルイス・エサの独特のアレンジ、ジャズ的な演奏、ひねりのきいたコーラス。[3]の、チェット・ベイカーを思わせるようなベベートの甘いソロヴォーカル。聴けば聴くほどcoolです。

余談ですが映画「Next Stop Wonderland ワンダーランド駅で」(1998)で、[14]マシュ・ケ・ナーダが使われていました。
水族館や海のシーンが多い映画で、(一応BGMとして) 始終ボサノヴァが流れるんですが、バックグラウンドというより音楽が前面に押し出されている感じでした。案の定というか、充実したサントラが出ています。
運命の人との出会いというテーマ、男女がすれ違いを繰り返し最後に出会うストーリー、ハリウッド恋愛映画らしからぬ余韻を残すエンディング、音楽のインパクトの大きさ…という点では、アメリカ版「ロシュフォールの恋人たち」というところでしょうか。


LUIZ ECA, ADALBERTO CASTILHO (BEBETO), HELCIO MILITO

◆"AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ"の全文を見る »

LIVE AT BASIN STREET EAST - LAMBERT, HENDRICKS&BAVAN /ライブ・アット・ベイズン・ストリート・イースト - ランバート、ヘンドリックス&バヴァン

ボサノヴァも入って、いつもよりのんびり ★4

LAMBERT, HENDRICKS&BAVAN (LHB)がニューヨークのクラブで1962年9月に行ったライブの録音。
LHBは、LAMBERT,HENDRICKS & ROSS (LHR)の紅一点ヴォーカリストANNIE ROSSが1962年に脱退した後、代わりにセイロン出身のロンドンっ子YOLANDE BAVANを加えたユニットですが、今ひとつLHRの陰に隠れてしまっている気がします。

LHRでもLHBでも、基本は楽器によるジャズの名演に歌詞をつけてヴォーカルで再現する「ヴォーカリーズ」。
イギリス人のアニー・ロスは、頭と舌の回転が速くて遊び心があるキュートな女の子を思わせる歌手で、容姿も魅力的。まさに LHRの紅一点の華といった感じでした。
そんなアニーの後を継いだヨランド・バヴァンは、当然アニーと比較されたはず。自由自在に歌いまくるアニーのフル回転な歌唱を期待して聴いた観客は、物足りなさを感じたかもしれません。
007のジェームズ・ボンドがショーン・コネリーからジョージ・レイゼンビーに代わった時の当時の観客の反応を考えてもそうだし、「やっぱり寅さんは渥美清でなくちゃ!」というのが一般的な心情でしょうから。それじゃなくても後継者は、元メンバー以上の個性や実力を見せつけないと認めてもらえないというハンデを負っているんですよね。
LHRのアルバムから聴き始めた私も、途中からアニーがいなくなるのを寂しく感じました。

ですが、先入観なしにLHBのアルバムを聴いていくと、絶妙のスイング感とユーモアが魅力のランバート、ヘンドリックスに、漫才でいうボケ的な女性ヴォーカルが加わった感じで、新鮮なんじゃないかな、と思えてきました。
ヨランドはたまに「壊れちゃったのか?」という時もあるほど、とぼけたような持ち味があって、結構面白いんです

そう考えると、このアルバムでボサノヴァの名曲”DESAFINADO”が取り上げられているのも意味があるように思えてきます。ヂサフィナードは「調子はずれ」というような意味で、歌はうまいへたじゃなく心だ、というボサノヴァの特性を象徴したような歌詞の曲です。
アニーのように切れ味が良くスマートなわけじゃないけど、ヨランダには独特の面白みがあるでしょう?というメッセージがこもっているのかも…というのは考えすぎでしょうか。

このアルバムではボサノヴァのスタンダード曲をもう1曲取り上げていますが、曲の前にわざわざ
ボサノヴァとはブラジル語で"New thing"という意味で、「ワン・ノート・サンバ」はアントニオ・カルロス・ジョビンが「黒いオルフェ」(映画)のために作った曲です、と説明しています。
このアルバムは、1962年2月録音のスタン・ゲッツのジャズ・サンバ・シリーズ第1作目がヒットした7ヶ月後のものですから、ちょうどブラジル音楽がアメリカで流行しつつある時期だったんでしょうね。


Melba's Blues

この3人のライブ盤"Havin' a Ball at the Village Gate"(Live)は遊び心全開。他の2人に負けず、ヨランドもリタ・ミツコのようなきわどい裏声や、男の子のような声で歌ったりしていて楽しめます


1962
DAVE LAMBERT, JON HENDRICKS, YOLANDE MARI WOLFFE BAVAN

1.This Could Be the Start of Something Big
2.Shiny Stockings
3.Slightly Out of Tune (Desafinado)
4.Doodlin'
5.Cousin Mary
6.April in Paris
7.Feed Me
8.One Note Samba
9.Melba's Blues
10.This Here
11.Swingin' Till the Girls Come Home

2010 試聴YouTube追加♪

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブルシックスオブパリ)- ファースト+セカンドアルバム

les double six

ブルースターズよりジャズ色が濃いフランス語ヴォーカリーズ ★5

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)は、(LES) BLUE STARS ブルー・スターズで書いたように、その後身といえるフランスのフレンチジャズコーラスユニットです。
上の画像のディスクは、1959年~1962年録音のファースト&セカンド・アルバムを収めた2in1 CDです。

Michel Legrand ミッシェル・ルグランの姉、クリスチャンヌ・ルグランは、ブロッサム・ディアリーと共にブルースターズに参加した後、Swingle Sisters スィングル・シスターズで活躍し、その後、歌詞なしのジャズコーラスユニットQUIRE クワイアでアルバムを1枚出したりもしています。さすらってますね。(ジャケット右から2番目。)

トラック[1]~[8]&[20](59年後半~60年前半)が1作目で、[9]~[19]が2作目でしょうか。
前半は、Count Basie et son Orchestre カウント・ベイシー&オーケストラとのレコーディングで、ミミ・ペランがフランス語歌詞を書き、Quincy Jones クインシー・ジョーンズが曲、アレンジなどを担当しています。


[1] En Flânant Dans Paris / [2] La Course Au Rat

後半はShelly Manne シェリー・マン、John Coltrane ジョン・コルトレーン、Gerry Mulligan ジェリー・マリガン、Jay Jay Johnson J.J.ジョンソン、Charlie Parker チャーリー・パーカー、Miles Davis マイルス・デイヴィス等の有名ジャズプレイヤーの演奏を下敷きにして、これまたミミ・ペランが書いた歌詞をのせて歌っています。

楽器によるジャズ名演を歌詞つきヴォーカルで再現するvocalese ヴォーカリーズのグループなので、モダンジャズコーラスグループの元祖的存在ランバート、ヘンドリックス&ロス(LHR) を思い出すところもありますが、
ドゥブル・シスにはLHRのジェットコースターのようなスピード感は感じません。
フランス語自体、母音が一定の太さ強さで発音されるためか重くなりがちで、すべるような軽快さは出しにくい気がしますが、ドゥブル・シスにはまた別の粋な魅力があります。
よりジャズ色が濃いものの、感覚的にはやはりブルー・スターズの方に近いと思います。

メンバーは曲によって違います。数え違いがなければ、ヴォーカル12人、ピアノ3人、ベース2人、ドラム3人、ギター2人、ボンゴ1人がクレジットされています。
12人編成のビッグバンドを再現するために、6人が2つずつパートを歌って多重録音したようで、それでユニット名も2×6の「double 6」なんでしょうね。
ヴォーカリストが12人いるのに、6人に分けて多重録音で倍に増やしたのは、日程の問題なのか音的なこだわりなのか、それとも... 謎です


1959 - 1962
・Mimi Perrin, Christiane Legrand, Ward Swingle, Jean-Claude Briodin, Jacques Denjean, Claude Germain, Claudine Barge, Eddy Louiss, Monique Aldebert, Louis Aldebert, Jean-Louis Conrozier, Roger Guerin (voc)
・Art Simons / Georges Arvanitas / Rene Urtreger (p)
・Michel Gaudry / Pierre Michelot (b)
・Daniel Humair / Christian Garros / Kenny Clarke (dms)
・Elek Bacsik / Paul Piguihem (g)
・Eddy Louiss (v on 10), Jean-Pierre Drouet (bongos on 14)

共通項アーティスト・・・ザ・ブルー・スターズランバート・ヘンドリックス&ロス、L,H&バヴァン、アンドリューズ・シスターズ、スィングル・シスターズ、クワイアミッシェル・ルグランレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルコーラスグループ)

1. En Flânant Dans Paris
2. La Course Au Rat
3. Un Coin Merveilleux
4. Au Temps Des Indiens
5. Tout en Dodelinant
6. Au Bout Du Fil
7. Il Y A Fort Longtemps
8. T'as Foutu L'camp
9. Le Racket Et Les Balles
10. Finalement l'Automne Est Arrive
11. Les Quatre De L'opera
12. Naima
13. Histoire de Baryton
14. Le Tapis Volant
15. Une Ballade
16. A Batons Rompus
17. La Legende Du Troubadour
18. La Complainte Du Bagnard
19. Le Pas Qui Plaira
20. Un Tour au Bois
1. For Lena and Lennie
2. Rat Race
3. Stockholm Sweetnin'
4. Boos' Bloos
5. Doodlin'
6. Meet Benny Bailey
7. Evening in Paris
8. Count 'Em
9. Tickle Toe
10. Early Autumn
11. Sweets
12. Naima
13. Westwood Walk
14. Night in Tunisia
15. Ballad
16. Scrapple from the Apple
17. Boplicity
18. Moanin'
19. Fascinating Rhythm
20. Walkin' (#ボーナストラック)

2010 試聴YouTube追加♪

The Swingers!: Lambert, Hendricks and Ross シング・ア・ソング・オブ・ベイシー:ランバート・ヘンドリックス&ロス

C.パーカー、M.デイヴィス、S.ロリンズ他の曲を、ジャズメンと ★4.5

THE SWINGERS: Dave Lambert, Jon Hendricks & Annie Ross
with Zoot Sims, Russ Freeman, Freddie Green, Jim Hall, Ed Jones & Sonny Payne

1958年8月、1959年3月録音。ズート・シムズ、ジム・ホール、トミー・フラナガン、エルヴィン・ジョーンズ等のジャズメンとランバート・ヘンドリックス&ロスが共演しています。
LHRの作詞はほとんどジョン・ヘンドリックスが行っていますが、[4]Jackieにはアニー・ロスが歌詞をつけています。[10]は作詞作曲ともジョンが行ったオリジナル曲です。
[2][7][8]は、ピアニストで作曲家のランディ・ウェストンの曲。3拍子のブルース[2]Babe's Bluesもそうですが、[7]Little Nilesの独特の雰囲気はたまりません♪ [8]はきれいなバラードです。
このほか、ソニー・ロリンズの[1]Airgin、マイルス・デイヴィスの1953年の録音を再現した[6]Four、チャーリー・パーカーの[9]Now's the Time(マイルスと共演したヴァージョン)など、おなじみの曲・演奏を取り上げた、楽しいアルバムです


[1958/59]
ランバート・ヘンドリックス&ロス(LHR) Dave Lambert, Jon Hendricks & Annie Ross (vo)
Zoot Sims (ts); Russ Freeman(p); Tommy Flanagan (p); Freddie Green (g); Jim Hall (g); Ed Jones(b); Sonny Payne(ds)

1. Airegin (Sonny Rollins)
2. Babe's Blues (Randy Weston)
3. Dark Cloud (Zoot Sims)
4. Jackie (Wardel Gray)
5. Swingin' Till the Girls Come Home (Oscar Pettiford)
6. Four (Miles Davis)
7. Little Niles (Randy Weston)
8. Where (Randy Weston)
9. Now's the Time (Charlie Parker)
10. Love Makes the World Go 'Round (Jon Hendricks)
[4]はAnnie Ross、その他はJon Hendricksが作詞


Four

1. エアジン
2. ベイブス・ブルース
3. ダーク・クラウド
4. ジャッキー
5. スインギン・ティル・ザ・ガールズ・カム・ホーム
6. フォア
7. リトル・ナイルス
8. ホエア
9. ナウズ・ザ・タイム
10. ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド
 (11. クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャーリー
 12. ドゥードリン
 13. ザ・スピリット・フィール)
 11-13 Bonus Track

Sing a Song of Basie: Lambert, Hendricks and Ross ランバート・ヘンドリックス&ロス

LHRの軽快ヴォーカリーズ、始まり~♪ ★4

ランバート・ヘンドリックス&ロス(LHR)のファーストアルバム。
歌詞はJon Hendricks ジョン・ヘンドリックス、アレンジはDave Lambert デーヴ・ランバートが担当。ベイシー楽団のリズムセクション(ピアノ、ギター、ベース、ドラム)が参加しています。
カウント・ベイシーののレパートリーを中心にしたこのアルバムが1stではありますが、ジョン・ヘンドリックスとデイヴ・ランバートが最初に取り組んだ曲は、Woody Hermanの”Four Brothers”。二人を含む4人のコーラスでこれを1955年に録音したのが始まりです。(この数十年後に録音されたマンハッタン・トランスファーのバージョンでも知られていますね。)
JonがDaveの家を訪れ、歌詞つきで歌を披露したら、Daveは手紙でも書くようににサラサラとアレンジを書き上げたのだそうです(これを含む活動初期の曲がボーナストラックとして収録されているCDもあります)。
Annieによると、Jonが歌詞を作る様子も同じく「手紙を書くように」速かったとのこと。彼らのアップテンポな曲のイメージと重なりますね

ベイシー楽団の音楽をヴォーカリーズで再現するという計画を立てたJonとDave。楽譜が読める歌手をコーラス隊として使おうとしていた当初の彼らが、すでにジャズシアターで知られていたAnnieに最初に依頼したのは、コーラス隊の指導。
最終的には企画を立て直し、カウント・ベイシー楽団の演奏を聴いて感覚を把んでいたAnnieが歌うことになり、Lambert, Hendricks and Rossの活動がスタートします。
最初は実験的ユニットだったようですが、このアルバムが反響を呼び、ベイシー楽団のツアーに招かれたり楽団と録音したり、新アルバムを次々と出したりしながら、LHRはグループとして人気を博していくことになります。


Every Day I Have the Blues with O.C. Smith
ゲストが加わってさらにブルージーでcool

[1957]
Dave Lambert, Jon Hendricks, Annie Ross (vocal);
Nat Pierce (piano); Freddie Green (guitar); Eddie Jones (bass); Sonny Payne (drums).

1. Everyday
2. It's Sand, Man!
3. Two For The Blues
4. One O'Clock Jump
5. Little Pony
6. Down For Double
7. Fiesta In Blue
8. Down For The Count
9. Blues Backstage
10. Avenue
(11.Four Brothers
 12.Cloudburst
 13.Standin' on the Corner (Whistlin' at the Pretty Girls
 11-13はVerve Master Editionのボーナストラック(1955録音)
 Jon Hendricks with the Dave Lambert Singers)

Sing a Song of & Along With Basie
(1st+2ndアルバム)
1.Every Day I Have the Blues 2.It's Sand Man
3 Two for the Blues
4 One O'Clock Jump
5 Little Pony
6 Down for Double
7.Fiesta in Blue
8.Down for the Count
9.Blues Backstage
10.Avenue C
11.Jumpin' at the Woodside
12.Going to Chicago Blues
13.Tickle Toe
14.Let Me See
15.Every Tub
16.Shorty George
17.Rusty Dusty Blues
18.King
19.Swingin' the Blues
20.Lil' Darlin'
21.Doodlin'
22.Every Day I Have the Blues

LULLABY OF BIRDLAND - BLUE STARS ララバイ・オブ・バードランド / ブルー・スターズ

ふわり、ノスタルジックで粋なフレンチ・コーラス・ユニット ★5

フランスのコーラスユニット(LES/THE) BLUE STARS ブルースターズが1954年11月に録音したファーストアルバム。
ブロッサム・ディアリーと、ミシェル・ルグランの姉クリスチャーヌ(クリスティアーヌ)・ルグランも参加しています。

私は昔からランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)…&バヴァン (LHB)等が好きで、フランス語のジャズコーラスグループを探していました。
気に入るものがなくて諦めかけていた頃、お馴染みのジャズスタンダード曲ララバイ・オブ・バードランドがフランスのジャズラジオ局で流れてくるのを耳にしました
粋なフランス語コーラスに好みのツボを直撃され、CDを探して即購入。
早速聴いてみると、冬の休日に聴きたくなるような、ほんわりあたたかく心地いいアルバムでした。イメージ通りのものに出会えるなんて、ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」みたいだなと喜んでいたら、
その映画の音楽担当のMichel Legrand ミッシェル・ルグランが、このアルバムの[1]と[11]のアレンジをしているんですね(あとの10曲はブロッサム・ディアリーが担当)。
アルバム相手に勝手に運命を感じてしまいそうになりました


CD [5]&[1]

ジャズスタンダード([1], [2])、ポップ、シャンソンから作者不明の歌まで、原曲の歌詞を思い切り無視したフランス語歌詞がつけられているのもおもしろさの一つ。
「ロリポップ」でも知られるコーデッツが同じ1954年にヒットさせた曲[7]Mister Sandman ミスター・サンドマンのタイトルは、Mister L'Amour(L'Amour=The Love)になっています。
Lullaby Of Birdland バードランドの子守唄は、Legende du Pays aux Oiseaux(バードランドの言い伝え)でタイトルは似ていますが、歌詞は違います。

さて、このアルバムに参加しているブロッサム・ディアリーが1956年アメリカに帰国したのを機に、ブルー・スターズは人数を6人に減らし、ミミ・ペランウォード・スイングルが加わります。ここまで変わったらもう新ユニットみたいな気がしますが
そしてブルー・スターズが消えた後、1959年にミミ・ペランを中心としたLES DOUBLE SIX ダブル・シックスが誕生することに。
彼女とウォード・スイングル、クリスチャンヌ(クリスティアーヌ)・ルグランの3人は、ブルー・スターズ時代からのメンバーです。
BLUE STARSもDOUBLE SIXも好きなのに、アルバムが少ないのが残念です


1954
Blossom Dearie, Christiane Legrand, Jeanine DeWaleyne, Nadine Young他

1.ララバイ・オブ・バードランド 2.スピーク・ロウ 3.ジーナ 4.ハート・オブ・マイ・ハート 5.ザッツ・マイ・ガール 6.ポルトガルの洗濯女 7.ミスター・サンドマン 8.1920年 9.ホールド・ミー・クローズ 10.ヴァージニアへの手紙 11.ザ・キッシング・ダンス 12.マンボ・イタリアーノ
1.Legende du Pays aux Oiseaux (Lullaby Of Birdland)
2.Tout Bas (Speak Low)
3.Gina
4.Plus Je T'embrasse (Heart Of My Heart)
5.Toute Ma Joie (That's My Girl)
6.Les Lavandieres Du Portugal (The Portuguese Washerwoman)
7.Mister L'Amour (Mister Sandman)
8.En 1920 (In 1920)
9.Embrasse-moi Bien (Hold Me Close)
10.Lettre a Virginie (Letter To Virginia)
11.La Danse Du Baiser (The Kissing Dance)
12.Mambo Italiano

共通項アーティスト・・・レ・ドゥブル・シスデューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドランバート・ヘンドリックス&ロス、L,H&バヴァン、スィングル・シスターズ、クワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

2010 試聴YouTube追加♪

・ ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
・ ジャケット画像をクリックするとAmazonページが開きます(試聴、関連情報、レビューなど)。

SEARCH:
Amazon.co.jp のロゴ


COPYRIGHT AU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごとAU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごと