JOAO VOZ E VIOLAO - JOAO GILBERTO

ジョアン声とギター / ジョアン・ジルベルト

たまらない静けさ ★4.5

タイトル通り、ジョアン・ジルベルトの声とギターだけのとても静かなアルバム。プロデューサーはカエターノ・ヴェローゾ
し~っ静かに...と指を立てる女性のジャケットも素敵。夜、じっくり聴きたい一枚です。

1931年生まれですから、69歳ですか。スキャットや早口を得意としている音域と声量が売りのジャズヴォーカリストなどの場合、年による衰えを強く感じさせられますが、ジョアンは元からつぶやくように静かに歌っているので、そういう衰えをさほど感じさせません。若い頃よりあたたかみと深みが増して、どちらもいいなと思えます。アンリ・サルヴァドールと同じく、高齢になってからも魅力が増していく素敵なミュージシャンです。


2000

1. Desde Que O Samba E Samba デスヂ・キ・オ・サンバ・エ・サンバ(サンバがサンバであるからには)
2. Voce Vai Ver  ヴォセ・ヴァイ・ヴェール(思い知るがいいさ)
3. Eclipse  エクリプシ(エクリプス)
4. Nao Vou Pra Casa  ナォン・ヴォウ・プラ・カーザ(僕は家へは戻らない)
5. Desafinado ジザフィナード
6. Eu Vim Da Bahia エウ・ヴィン・ダ・バイーア
7. Coracao Vagabundo コラサォン・ヴァガブンド
8. Da Cor Do Pecado  ダ・コール・ド・ペカード(罪の色)
9. Segredo セグレード(秘密)
10. Chega De Saudade 想いあふれて

Raconte-Moi...パリの詩(うた) - Stacey Kent ステイシー・ケント

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フランス語の曲を集めたアルバム ★5

フランスで何度もコンサートを行ってきたステイシー・ケント初の全曲フランス語アルバム。
少しでも外国語訛りがあるフランス語が苦手という人にはだめかもしれませんが、ジャズが好きでない人でも楽しめそうな、ゆったり気持ちのいい音楽です。

1曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)作のボサノヴァの名曲に、フランス人Georges Moustaki ジョルジュ・ムスタキがフランス語歌詞をつけて歌い、過去にヒットさせたLes Eaux De Mars(三月の水)。 ボサノヴァの名盤「エリス&トム-ばらに降る雨」でも、1曲目に収録されていますね。
南半球のブラジルでは「三月の水」は”秋に降る雨”ですが、仏語訳では”春の雪解け水”となっています。
2曲目は、高齢で復帰したHenri Salvador アンリ・サルヴァドールが歌ってヒットさせたJardin d'hiver(冬の庭)。 若手の人気アーティスト、ケレン・アンバンジャマン・ビオレー作の曲です。 ノスタルジックな雰囲気がたまりません♪
6曲目も同じ二人による曲で、ケレン・アン自身もファーストアルバムで歌っています。

今のところ、アルバム収録曲の動画も出ています↓


"Les Eaux De Mars" (Águas De Março)

[2010] Blue Note / EMI
Stacey Kent (vo、whistling), Graham Harvey (p, Fender Rhodes), John Parricelli (g), Jeremy Brown (double bass), Matt Skelton (dr, per), Jim Tomlinson (sax-ts/as/ss, clarinet, sansula)

1. Les Eaux De Mars [A.C. JOBIM / adapt..J.MUSTACCHI] - Águas De Marçoの仏語版
2. Jardin D'hiver [BENJAMIN BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
3. Raconte-Moi [BERNIE BEAUPERE / EMILIE SATT - J.-K. LUCAS]
4. L'étang [PAUL MISRAKI]
5. La Vénus Du Mélo [B. BEAUPERE / J.-K. LUCAS]
6. Au Coin Du Monde [B. BIOLAY / B. BIOLAY - KEREN ANN ZEIDEL]
7. C'est Le Printemps [OSCAR II HAMERSTEIN / R. ROGERS](It Might As Well Be Springの仏語版)
8. Sait-On Jamais ? [CAMILLE D'AVRIL / JIM TOMLINSON]
9. Les Vacances Au Bord De La Mer [PIERRE GROSZ / MICHEL JONASZ]
10. Mi Amor [CLAIRE DENAMUR]
11. Le Mal De Vivre [MONIQUE ANDRE'E SERF]
12. Désuets [P.-D. BURGAUD / ANDRE' MANOUKIAN]

"Les Vacances Au Bord De La Mer"

Breakfast on the Morning Tram 市街電車で朝食を Stacey Kent ステイシー・ケント

やっと出た、しかもブルーノート ★5

彼女自身のアルバムが聴きたいといいつつ、はや数年。ついに、Jazzの名門Blue Noteレーベルと契約したステイシー・ケントのアルバムが2007年9月10日にリリース。やっと...!です。
このブルーノートでの1作目は、今までのアルバムとは違い、オリジナル曲が4曲入っています([1],[4],[7],[9])。作曲はStaceyの夫Jim Tomlinson、作詞はKazuo Ishiguro(日本生まれのイギリス作家 石黒一雄 カズオ・イシグロ)です。
他の選曲も相変わらずよくて、フランス(セルジュ・ゲーンズブールの[3]、[11])、ブラジル・ボサノヴァ(セルジオ・メンデスの[5]、バーデン・パウエル+ヴィニシウス・ヂ・モラエス+ピエール・バルー(フランス人)共作の[6])が入っているところがまた好み♪計3曲をフランス語で歌っています。


"Samba Saravah"
[3]”Ces Petits Riens ”と、[11]”La Saison des Pluies”はどちらもフランスのSerge Gainsbourg の曲。物憂さが最高で、個人的にはゲーンズブールの曲の中でも特に好きです。
このアルバムでのアレンジはもちろんゲーンズブール自身やジェーン・バーキン等とは別世界ですが、原曲のイメージがとても活きています。アンニュイでクールな歌詞の[3]は、心地いいテンポでスイングし、ヴォーカルもさらっと流す感じ。雨と別れの切なさがただよう[11]は、ゆったりしたアレンジで、ギターと一緒にしっとり歌っています。
[6]Samba Saravahは、以前書いたフランス映画『男と女』の中で使われている曲です。ブラジル音楽-ボサノヴァの有名ミュージシャン達とフランス人ミュージシャンのコラボ作で、歌詞はフランス語。
ラストがWhat a Wonderful Worldというのもたまりません。ルイ・アームストロングの歌で有名な曲ですが、個人的にはTerry Gilliam テリー・ギリアム監督の”12 Monkeys”を思い出し、不気味な薄笑いを浮べてしまいます。
あの感動的なほどポジティブな「この素晴らしき世界」も、テリー・ギリアムが映画のエンディングで使うと、シニカルなブラックユーモアに満ちた意味深な曲に聴こえてきてが浮かんでしまうんだな…と妙に感心させられました。モンティ・パイソンとか「未来世紀ブラジル」の頃のテリー・ギリアム、よかったなぁ。
それはさておき、ステイシー・ケントのヴォーカルは相変わらず素敵。低い声で歌う時の強さ、重さ、けだるさが気のせいか少し増したような気もします。
メジャーレーベルに移籍し、世界中をツアーで飛び回り、近々ちょろっと来日するステイシー・ケント。今後はアルバムをたくさん出していくでしょうね。来日コンサートも増えそうな気がします。楽しみです。
ステイシー・ケント ディスコグラフィー


2007 Blue Note
Stacey Kent (vo), Graham Harvey (p, Fender Rhodes), John Parricelli (g), Dave Chamberlain (double bass), Matt Skelton (drums,perc.), Jim Tomlinson (ts, as, soprano sax, fl, arrangements)

1. Ice Hotel ♪YouTube
2. Landslide
3. Ces Petits Riens
4. I Wish I Could Go Travelling Again
5. So Many Stars
6. Samba Saravah
7. Breakfast On That Morning Train
8. Never Let Me Go
9. So Romantic
10. Hard Hearted Hannah
11. La Saison des pluies
12. What A Wonderful World
1. アイス・ホテル
2. ランドスライド
3. 何でもないこと
4. トラベリング・アゲイン
5. ソー・メニー・スターズ
6. サンバ・サラヴァ
7. 市街電車で朝食を
8. ネヴァー・レット・ミー・ゴー
9. ソー・ロマンティック
10. ハード・ハーテッド・ハンナ
11. 雨の季節
12. この素晴らしい世界

"What A Wonderful World"

VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

◆"VERS LA MER - LES MOUETTES"の全文を見る »

QUELQU'UN M'A DIT - CARLA BRUNI メモ

ケルカン・マ・ディ 風のうわさ / カーラ・ブルーニ

現代に現れたミューズの素顔 ★5

最新モードに身を包み、完璧なメイクをほどこされてポーズをとる...というモデル生活を送っていたカーラ・ブルーニは、このファーストアルバム”QUELQU'UN M'A DIT”ケルカン・マ・ディについてこう語っていました。(意訳)

≪ このアルバムは、ポーズをとっていない、眠りから覚めたばかりの女の子みたいにしたかったの。着飾らず、化粧もしてない、裸みたいな感じね。私、12年間着飾りっぱなしだったんだもの。 ≫

彼女が飾らずに内面を表現したというこのディスクが発売されると、フランス中が大騒ぎになりました。
「人気モデルが歌えば中身はともかく話題にはなるよね」という通念があった中、この作品は「モデルのお遊び」どころか、とても完成度が高く、アンニュイ、ノスタルジー、心地よさ、クールさと温かみ、人の心を惹きつける強い魅力をあわせ持ったアルバムだったからです。フランス人の好みに合わないはずがありません。

意表をつかれた批評家達は、この新生シンガーソングライターを称えました。
ラジオでは毎日カーラの歌が流れ、フランス国内でミリオンセラーを記録し、ほんの数年でいくつもの盤がリリースされました(Amzon France等のフランスのCD屋で検索すると、何種類も出てきます)。
そうして、かすれ気味でクールなのに優しい彼女の声は、モデルとしてのヴィジュアル以上にフランス中に広まりました。

「天は二物以上を与えるんだな、完璧すぎる。」とジャケットを眺めつつCDを聴いていると、音楽の女神ミューズが妙なる調べをやすやすと奏でる場面が思い浮かびますが、インタヴューを読むと、彼女の人間らしい面が垣間見えます。

自分の曲を作っているときは他の人の曲は聴かない。このアルバムを出した後もしばらく聴いていないの。他の人のすごい音楽を聴いたら、モチベーションが下がるから…。フェレ、ゲーンズブール、ブラッサンス、バルバラ、ディランなんかを聴いたら、自分のアルバムなんかどうでもよくなっちゃうでしょ?自分はいいものを作るんだって思い込まなくちゃならないのに、他人の音楽を聴いたら、くじけちゃうのよ。 ≫

この葛藤、何かを作ったことがある人なら1度は体験するんじゃないでしょうか。子供の頃は何も考えずに創作を楽しめていたのに、目が肥えて感覚が鋭くなればなるほど自己批評も厳しくなり、「世の中すでに良いものが出つくしているのに、今さら自分が作って何になる?」という考えが浮かんでしまう。そんなことって、ありませんか。

この作品は、カーラ・ブルーニがそんな考えに打ち克って最後までやり通した成果。途中でやめていたら、生まれなかった傑作です。

「自分のしてることは無駄じゃないか?」とモチベーションが下がった時は、このアルバムを聴いてみてください。
いくら他にいいものがあっても関係ないと思えてくるかもしれません。

Naiveからクリップが出てました。CDと歌い方が違うし、素敵なのでぜひ~*


2002, naive

セルジュ・ゲーンズブール(=Lucien Ginsburg)の"LA NOYEE"を含む2曲以外は、全て自作曲。タイトル曲[1]の歌詞は、私も大好きな映画監督レオス・カラックス(『ポンヌフの恋人』『汚れた血』等)と共同制作しています。
アレンジは、フランスで有名なグループTELEPHONEの元メンバーLOUIS BERTIGNAC。彼がこんな繊細で優しいアレンジをこなせるというのも人々の意表をついたようです。曲によってはコードアレンジ、ギター、ベース、ピアノ、メロトロン、オルガン、パーカッションも担当しています。
白黒写真のジャケットも美しいし、本当に完璧なアルバムです。

追記: 2004年に日本盤が出ました。邦題は「ケルカン・マ・ディ 風のうわさ」。いいですね。歌詞タイトルは上記の通りです。
[13]としてケルカン・マ・ディ(レオス・カラックス監督作品)PV(CD Extra)が追加されているそうです。
愛聴盤ほど、後におまけつきのCDがリリースされるんですよね。複雑な気分...。

1. Quelqu'un M'a Dit [Paroles: Carla Bruni - Leos Carax,
Musique: Carla Bruni]
2. Raphaël
3. Tout Le Monde
4. La Noyée [Lucien Ginsburg (= Serge Gainsbourg)]
5. Le Toi Du Moi
6. Le Ciel Dans Une Chambre (Il cielo in una stanza) [original:Gino Paoli, フランス語歌詞Carla Bruni]
7. J'en Connais
8. Le Plus Beau Du Quartier
9. Chanson Triste
10. L'excessive
11. L'amour
12. La Dernière Minute 
1.ケルカン・マ・ディ 風のうわさ
2.ラファエル
3.みんな(トゥ・ル・モンド)
4.溺れるあなた(ラ・ノワイエ)
5.うらおもて(ル・トワ・デュ・モワ)
6.部屋の中の空(ル・シエル・ダン・ジュヌ・シャンブル)
7.男たち(ジャン・コネ)
8.注目の的(ル・プリュ・ボー・デュ・カルティエ)
9.悲しい歌(シャンソン・トリスト)
10.極端な私(レクセッシヴ)
11.アムール(ラムール)
12.最後の一分間(ラ・デルニエール・ミニュット)

追記-2; 2010年 クリップ・PV追加しました。

In Love Again - Stacey Kent*イン・ラブ・アゲイン - ステイシー・ケント

In Love Again

リチャード・ロジャースの名曲をさらりと ★5

生誕100年を迎えたブロードウェイ・ミュージカル史上に残るソングライター、リチャード・ロジャース(1902-1979)の曲を集めたアルバムです。
曲の輪郭が鮮明になるようにしたかのようなすっきりしたアレンジ。小編成バンドのくつろいだ演奏。適度に甘く可愛い声でさらっと歌うクリアなヴォーカル。彼女の他のアルバムと同じく、やさしく懐かしいのに洗練されています。

フランク・シナトラやトニー・ベネット等、リチャード・ロジャースの曲を集めたCDはいくつも出ていますが、真っ先に思い浮かぶELLA FITZGERALD エラ・フィッツジェラルドのアルバム「ザ・ロジャース・アンド・ハート・ソングブック(Vol1, 2)」には、このステイシーの「イン・ラブ・アゲイン」に収録されている曲がいくつか入っています。
(Vol.1に[4]It Never Entered My Mind, [5]I Wish I Were In Love Again, [10]This Can't Be Love, [12]Manhattan / Vol.2に[3]My Heart Stood Still, [6]Thou Swell)
(エラは得意のスキャットをせず穏やかに歌っています。オーケストラをバックにスイングするヴォーカルはいつもながら素敵ですが、個人的には、いい感じのVol.1後半に対し、Vol.1前半はヴォーカルに比べてオーケストラが強すぎると感じる時があるのでたまにしか聴きません。)

リチャード・ロジャースをのんびり聴きたい時は、ステイシー・ケントのこのアルバムを。着心地のいい普段着のように快適です。


In Love Again: The Music of Richard Rodgers イン・ラブ・アゲイン
2002

Stacey Kent[vo]; Jim Tomlinson[ts]; Dave Newton[p]; Colin Oxley[g]; Simon Thorpe [b]; Jasper Kviberg[d]
(ステイシー・ケント、ジム・トムリンソン、デビッド・ニュートン、コリン・オクスレー、サイモン・ソープ、ジャスパー・クヴィバーグ)

1. Shall We Dance
2. Bewitched, Bothered and Bewildered
3. My Heart Stood Still
4. It Never Entered My Mind
5. I Wish I Were In Love Again
6. Thou Swell
7. It Might As Well Be Spring
8. Nobody's Heart
9. I'm Gonna Wash That Man Right Outta My Hair
10. This Can't Be Love
11. Easy To Remember
12. Manhattan
13. Bali Ha'i
1. シャル・ウィー・ダンス?
2. ビウィッチト
3. マイ・ハート・ストゥッド・スティル
4. イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
5. アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・イン・ラブ・アゲイン
6. ゾウ・スウェル
7. イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・イン・スプリング
8. ノーボデイズ・ハート
9. アイム・ゴナ・ウォッシュ・ザット・マン・アウタ・マイ・ヘアー
10. ジス・キャント・ビー・ラブ
11. イッツ・イージー・トゥ・リメンバー
12. マンハッタン
13. バリ・ハイ

Dreamsville ドリームズヴィル - Stacey Kent ステイシー・ケント

Dreamsville

最初の3秒でI've Got a Crush on You! ★5

2000年6月録音のアルバム。
再生して3秒、"I've got a"まで聴いただけで、早くも気に入る予感がしました。 (YouTube試聴
[2]のテナーサックスソロ、[3]のピアノソロ、[6]のギター&ピアノがメインのイントロなど、夢見るようなゆったりした雰囲気です。
[8]は、なんともいえない憂いがあります。元はミュージカル映画Chitty Chitty Bang Bang チキ・チキ・バン・バンの曲なんですね。ステイシーの夫、ジム・トムリンソンのアレンジで、儚げな感じがプラスされています。

本作は、家族、友人、ファン等からバラードをリクエストされていたステイシーが、"an unashamedly dreamy and romantic album"を作るいい機会だ、といって作ったんだそうで、たしかに演奏からタイトル、ジャケットまで夢見心地です。
みずからロマンティックなところがあると認めている彼女のアルバムには、程度の差はありますが、いつでもどこか”dreamy and romantic”なところがありますね。
ステイシー・ケント ディスコグラフィー


Dreamsville / バラード ~ ドリームズヴィル
2001

Stacey Kent[vo]; Jim Tomlinson [ts,flute,clarinet]; Dave(David) Newton [p]; Colin Oxley[g]; Simon Thorpe [b]; Jasper Kviberg [d]
(ステイシー・ケント、ジム・トムリンソン、デビッド・ニュートン、コリン・オクスレー、サイモン・ソープ、ジャスパー・クヴィバーグ)

1. I've Got a Crush on You
2. When Your Lover Has Gone
3. Isn't It a Pity?
4. You Are There
5. Under a Blanket of Blue
6. Dreamsville
7. Polka Dots and Moonbeams
8. Hushabye Mountain
9. Little Girl Blue
10. You're Looking at Me
11. Violets for Your Furs
12. Thanks for the Memory
1. アイヴ・ゴット・ア・クラッシュ・オン・ユー
2. ホエン・ユア・ラヴァー・ハズ・ゴーン
3. イズント・イット・ア・ピティ?
4. ユー・アー・ゼア
5. アンダー・ア・ブランケット・オブ・ブルー
6. ドリームズヴィル
7. ポルカ・ドッツ&ムーンビームズ
8. ハッシャバイ・マウンテン
9. リトル・ガール・ブルー
10. ユー・アー・ルッキング・アット・ミー
11. コートに菫を
12. サンクス・フォー・ザ・メモリー

CLUBE DA CHAVE - RAMON LEAL

クルベ・ダ・シャーヴェ~二人と海 / ラモン・レアル

・・・海辺さながらの心地よさ・・・ ★4.5

ジョアン・ジルベルトゆかりのクラブの名を冠した気持ちいいアルバム。またもA.C.ジョビン、ジョアン・ジルベルト、カルロス・リラ等のスタンダードな曲を、オリジナルを大切にしつつ粋にアレンジしていますが、今回はラモン・レアルのオリジナル曲[5]も入っています。
前作に引き続き参加しているベアトリス・ビノッティのヴォーカルは相変わらずチャーミングで、”BIM BOM”などは、あまりの可愛さに転げまわってしまうほど。必聴です。
今回は彼女の他にスウェーデン出身のアナ・ラーンも参加していて、ちょっと陰のあるヴォーカルでアルバムに陰影を加えています。

私の好きなアーティストの多くは故人なので、埋もれていた音源の発見か、廃盤再発くらいしか楽しみがなかったのですが、20世紀末のボサノヴァブーム再来でラモン・レアルのようなアーティストが現れて、楽しみが増えました。嬉しいな♪


2001
Ramon Leal & Beatrice Binotti

1.So Em Teus Bracos (Jobim)
2.Bolinha De Papel (Pereira)
3.Nos E O Mar (Menescal, Boscoli)
4.Vai Passar (Buarque, Hime)
5.Mariate(R.Leal)
6.Bim Bom (J.Gilberto)
7.Aos Pes De Santa Cruz (menescal, Boscoli)
8.Seu Encanto (Valle,Pingariho,Valle)
9.So Danco Samba (Jobim, Moraes)
10.Sabe Voce (Lyra, Moraes)
11.Marcha Da Quarta Feira De Cinzas (Lyra, Moraes)
12.Chovendo Na Roseira (Jobim)
13.Sem Mais Adeus (Hime, Moraes)
14.Tristeza De Nos Dois
1.あなたの腕の中で(feat.Beatrice Binotti)
2.紙風船
3.二人と海(feat.Ana Laan)
4.ヴァイ・パッサール
5.マリアッテ
6.ビン・ボン(feat.Beatrice Binotti)
7.十字架のもとで
8.君の魅力(feat.Ana Laan)
9.ソ・ダンソ・サンバ
10.あなたを知ること(feat.Beatrice Binotti)
11.暗い水曜日のマーチ
12.ばらに降る雨(feat.Beatrice Binotti)
13.さよならはもうたくさん
14.二人の悲しみ(feat.Beatrice Binotti)

デイブレイク - リサ・エクダール SINGS SALVADORE POE / LISA EKDAHL

リサ・エクダールの幸せなアルバム ★5

スウェーデン民謡調の素朴なアルバムや、ロリータ風ヴォーカルのジャズアルバムなど、”スウェーデンの妖精” リサ・エクダールの歌は昔から聴いていましたが、このアルバムが一番好きです。とにかく可愛くて、透明感があります
歌詞カードの中の写真はちょっと小悪魔的ですが、もともとアイドル的なだけあってジャケットは見るからに天使で、ヴォーカルはキュートな女の子です。
歌い出しにちょっと入る笑い声や、ささやくような甘い英語ヴォーカルが最高にチャーミング。それなのに頼りなさを感じさせない安定感があって快適です。
リサの新しい夫SALVADORE POE サルバドーレ・ポーの曲が、彼女の魅力を最大限にひきだしています。
2000年に離婚したばかりのリサが、毎年瞑想に訪れるインドの寺でニューヨーカーの彼に出会って再婚し、2001年末に2人のCDを発売したそうで... めまぐるしいというか素敵な偶然というか

ボサノヴァが好きだとブラジル人に言うと、淡谷のり子好きのアイスランド人にでも出くわしたかのような顔をされました。フランス人に「エディット・ピアフなどのシャンソンが好きだ」と言った時に「うちのおじいちゃんがよく聴いてるよ」と言われるのと似ています
フレンチ・ボサが20世紀中頃に流行ったフランスですが、2000年頃にはボサノヴァ好きフランス人は周りに誰もいませんでした。ジャズやハードロック好きは多かったのに。
一度見たらフレンチボサを好きにならずにいられないクロード・ルルーシュの傑作映画「男と女」ですら、映画マニア以外の若いフランス人の間では無名で、「ダバダバダ」とタイトル曲を熱唱してようやく「映画は知らないけどその歌なら知ってる」といわれるのが関の山 時の流れは冷たいものよのうと思いました。まぁ私はまだ生まれてなかったので、そのころ実際どんな感じだったのかは知らないんですが

それが2000年頃になると、フランスでもボサノヴァ熱が再燃し、ラジオでもしょっちゅう流れるようになりました。
このリサ・エクダールの2001年のアルバムも、そんなボサノヴァ復活に関連していると思います。とはいっても彼女はスウェーデン出身ですし、このアルバムにボサノヴァのスタンダードは一曲も入っていません。それでもサルバドーレ・ポーの音楽は、心地よいボサノヴァを思い起こさせます。
これを聴くうちに皆がボサ風ポップの良さを思い出したんじゃないかという気がするほど、このリサのアルバムはフランスのあちこちで流れていたし、インパクトがありました。
特に1曲目の「デイ・ブレイク」は大流行して毎日ラジオでかかっていましたが、あれだけ聴かされても嫌にならないというのは、なかなかすごいと思います。
このアルバム発売の数ヵ月後にフランスで行ったコンサートも好評だったようです。

リサ・エクダール&サルバドーレ・ポー夫妻が作った最高に幸せ感漂うアルバム ジャケットのように朝日を浴びながら聴くと、気持ちいい一日が過ごせます


2001
LISA EKDAHL(1971- ), Salvadore Poe

1. Daybreak
2. Rivers Of Love
3. Sunny Weather
4. Only You
5. the color of you
6. How Many More Times
7. I Will Be Blessed
8. Since You've Been Gone
9. I've Never Seen Anything Like You
10. I Don't Miss You Anymore
11. Nightingale
12. The Rhythm Of Our Hearts
13. Sun Rose
14. Of My Conceit
日本盤
1.デイブレイク
2.リヴァーズ・オブ・ラヴ
3.サニー・ウェザー
4.オンリー・ユー
5.ザ・カラー・オブ・ユー
6.ハウ・メニ・モア・タイムズ
7.アイ・ウィル・ビー・ブレスド
8.シンス・ユーヴ・ビーン・ゴーン
9.アイヴ・ネヴァー・シーン・エニシング・ライク・ユー
10.アイ・ドント・ミス・ユー・エニモア
11.ナイチンゲール
12.ザ・リズム・オブ・アワ・ハーツ
13.サン・ローズ
14.オブ・マイ・コンシート

ボーナストラック入りの盤も出たようです (15. L'aurore、16. All I Really Want Is Love)。
公式サイト

SALLE DES PAS PERDUS - CORALIE CLEMENT

ルゥからの手紙 / コラリー・クレモン

ボサノヴァ色漂う快適フレンチポップ ★5

実の兄であるBenjamin Biolay バンジャマン・ビオレーのプロデュースによる、コラリー・クレモンのデビューアルバム。
適度な甘さ、懐かしさ、せつなさがうまい具合に混ざり合っていて、くつろげます。フランスでもかなり受けていました。
兄のバンジャマン・ビオレーはミュージシャン兼プロデューサー。ケレン・アンが参加したアンリ・サルヴァドールの大ヒット作『眺めのいい部屋』等を手がけています。

トラック[7]、[8]の甘えるようなウィスパー・ヴォイスはまさにフレンチロリータ。可愛いけどくどくない、さらっと自然なところが素敵です。

さて。ボサ混じりのフレンチポップの本作は、気持ちのいい午後に聴きたくなるお気に入りディスクですが、次の「バイバイ・ビューティー」は、うってかわってロック色が濃厚です。デュオも入っていて面白そうなのですが、何度も聴きたくなりそうにないので私は試聴で断念しました。
80年代のフランソワーズ・アルディやカヒミ・カリィ等を好きな方は気に入るかもしれません。


2001 Amazon.fr試聴
1. Salle Des Pas Perdus
2. L'ombre Et La Lumière
3. Ca Valait La Peine
4. La Contradiction
5. La Mer Opale
6. A L'occasion Tu Souris
7. Samba De Mon Coeur Qui Bat
8. Ces Matins D'été
9. Le Dernier Train
10. Lou
11. Le Jazz Et Le Gin
12. Bientôt
13. Mes Fenêtres Donnent Sur La Cour
1.ルゥからの手紙
2.影と光
3.勇気を出して
4.矛盾
5.オパールの海
6.あなたがときどき微笑む
7.胸の鼓動のサンバ
8.あの夏の朝
9.最終列車
10.ルゥ
11.ジャズとジン
12.いつかそのうち
13.中庭をのぞむ窓辺から

2002年日本盤には「14.影と光(FPM palme d’or mix:Fantastic Plastic Machine)」が追加されているそうです。

BOSSANOVA 2001 - RAMON LEAL

ボサノヴァ2001 / ラモン・レアル

・・・現代の洗練された快適ボサノヴァ・アルバム・・・ ★5

古きよき雰囲気も感じられますが、わざわざタイトルにしてあるとおり20世紀末に作られたスペイン発のボサノヴァ・アルバムです。
約半世紀前のボサノヴァ有名曲を大切にしつつ、余計なものを削ぎ落とした、洗練されたアルバムです。ジャケットだけはいまひとつですが...電子音の少ないボサノヴァ好みの私の新たな愛聴盤になりました。

よく練りこんだラモン・レアルの音楽もさることながら、女優でもあるベアトリス・ビノッティの適度にささやき気味のヴォーカルは最高にチャーミングです。

曲はD.カイミ、トム・ジョビン、ロベルト・メネスカル、カエターノ・ヴェローゾ等のお馴染みの曲ぞろい。9曲目「あなたと私 Voce e eu」は、「ゲッツ/ジルベルト#2」等では「私とあなた」と順番が逆ですが、同じ曲です。


2000
Ramon Leal & Beatrice Binotti

◆"BOSSANOVA 2001 - RAMON LEAL"の全文を見る »

CHAMBRE AVEC VUE - HENRI SALVADOR

サルヴァドールからの手紙 / アンリ・サルヴァドール

旅心をそそる粋な復活作 ★5

2000年、フランスのFNACの売場でNOUVEAU !(新作)シールが貼られている山積みCDに目がとまりました。ジャケットには微笑むアンリ・サルヴァドールが。引退したと思っていたのに、83歳にして復活したとは!早速購入しました。
味のあるヴォーカルと、旅心をそそる曲。素敵なアルバムです。買ってよかった。

新人シンガーソングライターのケレン・アンに捧げられた曲に感銘を受けたアンリ・サルヴァドールが、若手ミュージシャンに囲まれて作った作品で、コラリー・クレモンの実兄でもあるミュージシャンバンジャマン・ビオレー等が参加しています。
[7]Un Tour De Manegeでは、自分より少し年下のジャズハーモニカプレイヤートゥーツ・シールマンスと、[11]Le Fou De La Reineではフレンチポップの代表的歌手フランソワーズ・アルディと共演しています。
話題性と内容の良さから、案の定いろいろな世代に受けて、フランス国内だけでもあっさり50万枚以上を売上げました。

英語ヴァージョンなどが入った日本盤他、いくつか盤が発売され、2002年にはジャズの名門ブルーノートレーベルからもCDがリリースされました。
私が買ったCDにはフランス語13曲が入っています。日本盤は1,2曲目が英語・ポルトガル語ヴァージョンです。
BLUE NOTE盤は、日本盤と同じ外国語ヴァージョンを採用し、曲順も変えてあります。さらに、ちょうど同じ頃ボサノヴァ風アルバムをヒットさせたスウェーデン歌手リサ・エクダールとのデュオも追加収録されています。

ブエナビスタ・ソシアルクラブで世界的に有名になったキューバ人ミュージシャンといい、ジョアン・ジルベルトといい、年に合わせた魅力を出せるというのはいいですねぇ。


2000
アンリ・サルヴァドール、トゥーツ・シールマンス、フランソワーズ・アルディ


HENRI SALVADOR アンリ・サルヴァドール

(1917 Cayenne 仏領ギアナ・カイエンヌ生まれ- )

キーワード :フランス、ヴァリエテ・フランセーズ、フレンチ、シャンソン。ユーモリスト、ヴォーカリスト、シンガーソングライター、作詞作曲家。

Chambre Avec Vue (2000 EMI)
1. Jardin D'hiver (Keren Ann Zeidel - Benjamin Biolay / H. Salvador)
2. Chambre Avec Vue (Keren Ann Zeidel - B.Biolay)
3. J'ai Vu (Michel Modo / H. Salvador)
4. Il Fait Dimanche (Marc Esteve / Art Mengo)
5. La Muraille De Chine (Gisele Molard / H.Salvador)
6. Jazz Mediterranee (K.A. Zeidel - B.Biolay)
7. Un Tour De Manege (K.A. Zeidel) - feat. Toots Thielemans
8. Vagabond (Marc Esteve / Art Mengo)
9. Je Sais Que Tu Sais (Paul Misraki)
10. Mademoiselle (Thomas Dutronc - A. Garoux / H. Salvador)
11. Le Fou De La Reine (F. Hardy / H. Salvador) - feat. Francoise Hardy
12. Faire Des Ronds Dans L'eau (K.A. Zeidel - B. Biolay)
13. Aime-moi (Bernard Michel / H. Salvador)
サルヴァドールからの手紙 (2001 東芝EMI)
1.こもれびの庭に(BRAZILIAN VERSION)
2.眺めのいい部屋(ENGLISH)
3.人生という名の旅
4.毎日が日曜日
5.万里の長城
6.ジャズ・シルヴァー・ムーンライト
7.回転木馬(feat.トゥーツ・シールマンス)
8.ヴァガボンド
9.僕は知ってる
10.マドモワゼル
11.悲しみの道化師(feat.フランソワーズ・アルディ)
12.生きてるだけじゃ駄目なんだ
13.愛しておくれ
Room with a View (2002 Blue Note)
1.Jazz, Silver Moonlight
2.Jardim(BRAZILIAN VERSION)
3.Room With A View(ENGLISH)
4.J'ai Vu
5.All I Really Want Is Love (feat. Lisa Ekdahl)
6.La Muraille De Chine
7.Il Fait Dimanche
8.Un Tour De Manege (feat. Toots Thieliemans)
9.Vagabond 10.Je Sais Que Tu Sais
11.Mademoiselle
12.Faire Des Ronds Dans L'eau
13.Aime-Moi
14.Le Fou De La Reine (feat. Francoise Hardy)

レ・ヴォヤージュ / クレモンティーヌ

LES VOYAGES - CLEMENTINE

ブラジルのアーティスト参加の洗練フレンチ・ブラジリアン ★5

ブラジルでの初録音を含むアルバム。(録音はパリとリオデジャネイロ。)
プロデュースを手がけたのは、フランス側はギー・ボワイエ、ブラジル側はジョイス、ロベルト(ホベルト)・メネスカル、マルコス・ヴァーリと豪華。マルコス・スサーノ、ダニーロ・カイミもゲスト参加しています。
ブラジルポルトガル語の曲が多く、英語、フランス語の曲、インストゥルメンタルもあります。
同じくボサノヴァテイストのアルバム「クーラー・カフェ」に比べると、フランス語の比率が高いです。
オリジナル曲の他、ボサノヴァの名曲、フランスのスタンダード曲[9]シラキューズが、ブラジル風アレンジで気持ちよくくつろいだ雰囲気に仕上げられています。[11]はジャズテイスト。

13.「三月の水」は、いろいろなアーティストの演奏を聴きましたが、私にとってはエリス・レジーナとトム・ジョビンの有名なデュオが一番です。
「エリス&トム」ヴァージョンはエリスがかけあいの途中ふざけながら笑って歌ったりしますが、このクレモンティーヌとマルコス・ヴァーリのヴァージョンも同じことをやっています。二人は当然あのエリス&トムの名演を知っているはずですから、オマージュを捧げているんでしょうね、たぶん。


2000
1. Catavento
2. Liebestraum
3. Les Voyages
4. Tristeza (Goodbye Sadness)
5. Pourquoi Pas
6. Brazil
7. Nos Vimos Ya
8. Interlude
9. Syracuse
10. To Do Bem
11. Saint Tropez Blues
12. Interlude
13. Aguas De Marco (with Marcos Valle)
14. Nina
15. Al Anochecer
1.カタヴェント(インストゥルメンタル)
2.リーベストラウム
3.レ・ヴォヤージュ
4.トリステーザ
5.プルコア・パ
6.ブラジル
7.ノス・ヴィモス・ヤ
8.ランデヴー・ア・モンマルトル(インストゥルメンタル)
9.シラキューズ
10.トゥドゥ・ベン,トゥドウ・ボン
11.サントロペ・ブルース
12.クレプスキュール・オー・ポン・ドゥ・トルビアック(インストゥルメンタル)
13.三月の水 (duet:マルコス・ヴァーリ)
14.ニーニャ
15.夜のとばり

COULEUR CAFE - CLEMENTINE

クーラー・カフェ / クレモンティーヌ

南米音楽だけどパリの午後 ★4

タイトルの"COULEUR CAFE"(クルール・カフェ)は、フレンチポップ界に大きな影響を残したフランスのカリスマ的アーティストセルジュ・ゲーンズブールの比較的初期の頃の曲。

これをアルバムタイトルにするとは、さすがです。20世紀末始まった「ボサノヴァが流れるフレンチカフェ」、カフェミュージックを見事に連想させますから…。

フランス語とスペイン語がそれぞれ2曲ずつで、残りは全部ブラジルポルトガル語で歌っています。なのに、デュラレクスのコップに入ったペリエや、カフェを運ぶ黒エプロンのギャルソンといった「日本人が思い描くパリ」が目の前に現れそうな気がします。実際パリのカフェのテラスでボサノヴァが流れている確率は低いのですが…。

[1]は、クレモンティーヌが少女時代を過ごした地でお父さんがいつもかけていたラテンジャズで、メキシコの抜けるような青空を思い浮かべながら歌ったそうで、[2]は、スペインに思いをはせているのだそうです。自分が歌いたい曲を詰め込むという彼女らしい自由な選曲のアルバムです。

クレモンティーヌのヴォーカルはそれがたっぷり味わえて満足です。個人的には、テクノっぽくないところも好きな点です。

1999

1. Sabor A Mi
2. In The Stars
3. Couleur Cafe
4. Sina
5. J'retourne Chez Moi
6. Caminhos Cruzados 7. Sandalia Dela
8. El Manicero
9. Fiel E Insistente
10. Retrato Em Branco E Preto
11. Eu Sei Que Vou Te Amar
12. Bienvenido
1.サボール・ア・ミ
2.イン・ザ・スターズ
3.クーラー・カフェ
4.シナ
5.ジュ・ルトーヌ・シェ・モア
6.十字架
7.サンダリア・デラ
8.エル・マニセロ
9.フィエル・エ・インシステンテ
10.白と黒のポートレート
11.あなたを愛してしまう
12.ビエンヴェニード

PARAISO - ジェリー・マリガン

パライゾ / GERRY MULLIGAN&JANE DUBOC

さわやかジャズボサ・・・ ★4

CD発売後まもなく、ボサノヴァもジェリー・マリガンも好きだから聴いてみよう、と何気なく買ったのですが、期待以上でした。
日本語帯には「『ゲッツ-ジルベルト』を彷彿とさせるしっとりとしたジャズ・ボッサ」と書いてあります。目を引くコピーとしてはそれがいいのでしょうが、それを考えなければ、スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズ中では「Jazz samba encore ! ジャズ・サンバ・アンコール」が一番近いと思います。

ナイト・ライツ」でルイス・ボンファの「カーニヴァルの朝」を取り上げてブラジル音楽への興味をのぞかせたジェリー・マリガンが、30年後の1993年7月にニューヨークで録音したもので、参加メンバーのほとんどがブラジル人です。
トッキーニョ、ヴィニシウス・ヂ・モラエス、ジョビンが作曲した3曲を除いて、全てマリガン本人が作曲し、透明感あるヴォーカルが魅力的な女性シンガージェーン・ドゥボックが詞をつけています。
彼女(JANE DUBOC)は、ジルベルト・ジルやカエターノ・ヴェローゾ等が参加したアルバムを出していますが、スポーツもプロ並という多才な人なんだそうです。

ジェリー・マリガンは、相変わらずバリトンサックスをテナーサックスか何かのように優雅に吹きこなしつつ、ピアノも1曲弾いています。

初夏、夜明け前に目がさめてしまった時、冷たい空気と天然発泡水を味わいながら聴きたくなるアルバムです。


1993
Gerry Mulligan (bs); Jane Duboc(vo); Emanuel Moreila(g); Waltinho Anastacio(perc)

  • 1, 2, 4, 6, 7, 8, 9, 11:+ Cliff Korman(p); Rogerio Maio(b); Duduka Dafonseca(d);
  • 3~5:+ Carlie Ernst(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg(perc)
  • 10:Gerry Mulligan(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg
  • 1.Paraiso (G.Mulligan, J.Duboc)
    2.No Rio (In Rio) (Mulligan, Duboc)
    3.Sob a Estrela (Mulligan, Duboc)
    4.O Bom Alvinho (Mulligan, Duboc)
    5.Willow Tree (Mulligan, Duboc)
    6.Bordado (Mulligan, Duboc)
    7.Tarde en Itapoan (Toquinho, V.de Moraes)
    8.Amor en Paz (A.C.Jobim, V. de Moraes)
    9.Wave(A.C.Jobim)
    10.Tema Pra Jobim (Theme for Jobim)(Mulligan, Joyce Silveras)
    11.North Atlantic Run (Mulligan)
    1.パライゾ
    2.ノー・リオ
    3.ソ・ア・エストレーラ
    4.オ・ボム・アルヴィーニョ
    5.ウィロウ・ツリー
    6.ボルダード
    7.タルデ・エム・イタポアン
    8.アモール・エム・パス
    9.波
    10.ジョビンのテーマ
    11.ノース・アトランティック・ラン

    SAVEUR BRESIL - CLAIRE CHEVALIER

    ボサノーヴァにのせて / ブラジル風に - クレール・シュヴァリエ

    フランスとブラジルの幸せなマリアージュ ★5

    CLAIRE CHEVALIER クレール・シュヴァリエのいかにも南仏らしい陽気であたたかいヴォーカルと、ROSINHA DE VALENCA ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサの粋なギター&アレンジが心地良い、幸せ感漂うアルバム。

    ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサは、ジョアン・ジルベルトの女性版といわれることもあるギターの名手。ワンダ・サーとともに、セルジオ・メンデスの「ブラジル'65」にゲスト参加している、あのギタリストです。
    長いブラジル生活の後に画家として母国フランスに戻ったクレール・シュヴァリエを、彼女がレコーディングに誘って生まれたのがこのアルバム。曲は全てフランスの有名曲で、ヴォーカルもフランス語です。とはいっても、「ちょっとボサノヴァ風にアレンジしてみた」程度の半端なものとは一線を画しています。
    選曲にしても、愛や過去の恋の切なさを歌った歌詞と憂いあるメロディを持つ曲、つまりボサノヴァと相性のいい曲をうまく選んでいます。
    そして、長いブラジル生活を経たフランス人歌手とブラジルのギターの名手が、そのフレンチソング(シャンソン)とブラジルのリズムを丁寧に織り交ぜて、ほのかな憂いを帯びた音楽に仕上げています。

    気持ちのいい昼下がりにカフェでも飲みながら聴けば、おすすめしたくなる気持ちが分かっていただけるかもしれません。


    Que Reste-Il de Nos Amours? / Les Moulins de Mon Coeur

    盤、ジャケット・・・

    クレール・シュヴァリエの唯一ともいえるCDですが、ジャケットは私が覚えているだけでも4種類あります。

    煙草を手に微笑む日本盤(SONY)ジャケット(画像上)が一番中身の雰囲気に近くて好きです。歌詞カードのフランス語が間違いだらけなのも許せてしまいます。
    下の方は比較的新しい日本限定復刻盤らしいです。日本盤はわざとらしいくらい洒落たジャケットになることが多いので、ちょっと意外でした。オリジナルに近いのでしょうか。見方によっては60年代シネマ風とも解釈できますが、妙なアイドルもののようにも見えて、個人的にはジャケ買い心がくすぐられません。
    邦題は上が「ブラジル風に」、下が「ボサノーヴァにのせて」。うーん。

    このSAVEUR BRESILをフランス居住時にふと聴きたくなって寒空の下パリのCD屋を徘徊しましたが、どこにもありませんでした。日本でもこのアルバムしか見たことがありません。こんな歌手のCDが1枚しか手に入らないなんて、残念。まぁ結局これが一番のお気に入りのままかもしれないなとも思いますが。


    シュヴァリエ→ブラジル→画家

    クレール・シュヴァリエについてのお話です。16才の時、地元マルセイユのラジオでデビュー。彼女の歌に惹かれたモーリス・シュヴァリエに名を授けられ、以後「シュヴァリエ(シュバリエ)」と名乗ることになりました。
    いろいろなアーティストのサポートをするうち、シャルル・アズナブールのツアーで訪れたブラジルに魅せられてそのままリオ・デ・ジャネイロに住みつき、ブラジルでアルバムを数枚発表。その後は画家として絵に専念し、作品がグルノーブル美術館に買い取られたりしているそうです。
    CLAIRE CHEVALIERのアルバムはバークレーCBSから4枚ずつ、さらにブラジルでも10枚ほど出したらしいのですが、私はこの1枚しか見たことがありません。

    キーワード :フランスMarseilleマルセイユ出身の歌手、シャンソン、フレンチボサ、ボサノヴァ、ワールドミュージック、カフェ・ミュージック、南仏系フランス語。

    ボサノヴァとフランスの関係、フレンチボサボサノヴァとフランス


    セルジュ・ゲーンズブール[2, 8]、ミシェル・ルグラン[5, 9]、詩人ジャック・プレヴェール作詞・ジョセフ・コスマ作曲[4]、アンリ・サルヴァドール[6]、シャルル・トレネ[11]、フランスのピエール・バルーとフランシス・レイによる映画『男と女』のテーマ[12]など、お馴染みの曲が並んでいます。
    フランク・シナトラやイヴ・モンタンの熱唱イメージがある「マイ・ウェイ」、「枯葉」も、南仏の気候のごとく湿度低めで、さらっと粋な雰囲気です。


    CLAIRE CHEVALIER (vo); ROSINHA DE VALENCA (g, arr)
    クレール・シュヴァリエ(シュバリエ)、ホジーニャ(ロジーニャ)・ヂ・ヴァレンサ

    1. Comme d'Habitude [Jacques Revaux,Claude François/Gilles Thibaut]
    2. Couleur Cafe [Serge Gainsbourg ]
    3. Une Histoire d'Amour [Carl Sigman, Fr:Catherine Desage/Francis Lai] 4. Les Feuilles Mortes [Jacques Prévert/Joseph Kosma]
    5. Les Moulins de Mon Coeur [Eddy Marnay/Michel Legrand]
    6. Syracuse [Bernard Dimey/Henri Salvador]
    7. Je T'Aimerai [Hubert Ithier/José Cana]
    8. Ces Petits Riens [Serge Gainsbourg]
    9. La Valse des Lilas [Eddy Marnay/Michel Legrand]
    10. L'Absent [Louis Amade/ Gilbert Bécaud]
    11. Que Reste-Il de Nos Amours? [Charles Trénet]
    12. Un Homme et Une Femme [Pierre Barouh/ Francis Lay]
    1.コム・ダビチュード~マイ・ウェイ
    2.コーヒー・カラー
    3.ある愛の詩 Love story
    4.枯葉
    5.風の囁き~華麗なる賭け
    6.愛の国シラキューズ
    7.君を愛す
    8.些細なこと
    9.リラのワルツ~ワンス・アポン・ナ・サマー・タイム
    10.去って行った人
    11.残されし恋には
    12.男と女

    ONDE E QUANDO - NARA LEAO

    いつか、どこかで / ナラ・レオン

    ・・・ジャズ、映画音楽とボサノヴァの出会い、ナラとのお別れ・・・ ★5

    ナラ・レオンの遺作です。「あこがれ」と同じく、ジャズのスタンダードナンバーや映画音楽等、英語でお馴染みの曲をポルトガル語で歌っています。「いつかどこかで」というタイトルがお別れメッセージのようで…う~ん寂しい。

    有名曲ばかりですが、一応メモします。
    「ス・ワンダフル」はミュージカル『ファニー・フェイス』(オードリー・ヘップバーン主演映画『パリの恋人』)の曲で、ガーシュウィン兄弟作。ジャズシンガーのダイアナ・クラールが歌うヴァージョンもなかなかです。
    「ラヴ・レター~ドリーム」はヴィクター・ヤング作曲~ジョニー・マーサー作曲の2曲のメドレー。
    「バット・ノット・フォー・ミー」もガーシュウィン兄弟の有名作。数ある名演のうち、個人的にはチェット・ベイカーの歌が好きです。
    「サマータイム」はミュージカル『ポーギー&ベス』より。G.ガーシュウィン作曲。エラ・フィッツジェラルドの歌など多くの名演が残っています。ランバート・ヘンドリックス&ロスのお気楽コーラス版も面白いです。
    「センティメンタル・ジャーニー」はレス・ブラウンとベン・ホーマー作曲。ドリス・デイ他でお馴染み。
    「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はリチャード・ロジャース作曲、ロレンツ・ハート作詞の有名曲で、チェット・ベイカーの歌、マイルス・デイビスのトランペット、ビル・エヴァンスのピアノでの演奏が特に印象的です。
    「いつか,どこかで」もロジャース&ハートのコンビ作。エラ・フィッツジェラルド等の歌でお馴染み。
    「ナイト・アンド・デイ」は同じくエラ等が歌っているコール/ポーター作の有名曲。
    「知らないでしょう」は、ハリー・ウォーレン作曲、マック・ゴードン作詞、映画『ヘロー、フリスコ、ヘロー』からの曲。はい、知りません。
    「マイ・フーリッシュ・ハート」は映画『愚かなり我が心』から。ヴィクター・ヤング作曲、ネッド・ワシントン作詞。なんといってもビル・エヴァンスの演奏が最高です。映画はちょっとメロドラマっぽい感じです。「あの日からサウダーヂ」はこのアルバムで唯一ナラ・レオンとホベルト・メネスカルのオリジナル曲です。
    ふうぅ~長かった。

    ナラ・レオン、大好きです。


    1989
    1. Maravilha
    2. Cartas De Amor~Sonhos
    3. Mas Nao P'ra Mim
    4. Pleno Verao
    5. A Saudade Me Bateu
    6. Adeus No Cais
    7. Onde E Quando
    8. So Voce
    9. Sem Querer
    10. Descansa Coracao
    11. Saudades De Voce
    1.ス・ワンダフル
    2.ラヴ・レター~ドリーム
    3.バット・ノット・フォー・ミー
    4.サマータイム
    5.センティメンタル・ジャーニー
    6.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
    7.いつか,どこかで
    8.ナイト・アンド・デイ
    9.知らないでしょう
    10.マイ・フーリッシュ・ハート
    11.あの日からサウダーヂ

    CONTINENT BLEU - CLEMENTINE

    コンティノン・ブルー / クレモンティーヌ

    霧の中にいるようなやんわりしたジャズアルバム ★4.5

    ジャズサックスプレイヤーのジョニー・グリフィンと共演したジャズスタンダード中心のアルバム。
    大物ジャズミュージシャンのジョニー・グリフィンが参加してるのが正直意外だと思いましたが、聴いてみると粋でアンニュイな雰囲気のアルバムでした。
    グリフィンがスペインに来ていた時に、彼がかつて作曲した”CONTINENT BLEU”をフランス語で歌ったデモテープを持ってクレモンティーヌが会いに行き、彼女のこのデビュー作が生まれたのだそうです。

    彼女が昔パリの小さなジャズクラブに出た時の映像を見たことがありますが、自由自在に声を操るジャズ歌手というよりは、ボサノヴァ歌手に近いところがあり、このアルバムにも独特の脱力感とやわらかさを添えています。

    このアルバムの[1]アフタヌーン・イン・パリのフランス語版(Un apres-midi a Paris)歌詞は、彼女のお母さんが書いたそうです。あなたに会う前は素敵な人もいなくてつまらなかったけど今は最高、という内容。シャンゼリゼやサンジェルマンデプレ以上にキレイな街を闊歩するパリジェンヌが思い浮かび、デンジャラスゾーンの存在など忘れさせるほどのパリ理想化パワーがすでにちらっと現れています。
    同じ曲でもSTITT, POWELL, JJの演奏は、パリの公園で居眠りするおじいさんのようなイメージ。
    STEPHANE GRAPPELLIの軽やかな演奏も粋です。
    KATERINE カトリーヌの"Un Apres-Midi A Paris"は、同じタイトルですが別の曲。そちらもいい感じです。


    1989
    CLEMENTINE, JOHNNY GRIFFIN

    1. Un Apres Midi A Paris (Afternoon in Paris)
    2. Easy Living
    3. Line For Lyons
    4. Outra Vez
    5. Night Light
    6. Don't Be Blue
    7. All Blues
    8. Lady Wants To Know
    9. Rhum Coco
    10. Elizondo
    11. Aux Champs A Minuit
    12. Girl Talk
    13. Comme Une Princesse
    14. Giant Steps
    15. Continent Bleu
    1.アフタヌーン・イン・パリ
    2.イージー・リヴィング
    3.ライン・フォー・ライオンズ
    4.もう一度
    5.ナイト・ライツ
    6.ドント・ビィ・ブルー
    7.オール・ブルース
    8.レディ・ウォンツ・トゥ・ノウ
    9.ラム・ココ
    10.エリソンド
    11.夜,シャンゼリゼにて
    12.ガール・トーク
    13.プリンセスのように
    14.ジャイアント・ステップス
    15.コンティノン・ブルー

    UM CANTINHO, UM VIOLAO - NARA LEAO & R.MENESCAL ナラ・レオン&ホベルト・メネスカル

    最高に幸せな音楽 ★5

    ナラ・レオンとロベルト(ホベルト)・メネスカルの1985年のアルバム。タイトル通り「歌とギター」だけのアコースティックな音に、リラックスしたアットホームな雰囲気。とても幸せな気分になれます
    ナラの晩年のアルバムによく参加しているロベルトは、ナラが10代の頃通っていたギター教室の先生。このアルバムでは、そのギター教室で一緒に先生をしていたカルロス・リラの曲も演奏しています。
    ナラのアルバムの中で1,2番目に気に入っているほどなんですが、CDを最近ショップで見かけません。これが廃盤なんてもったいないです


    Nara Leão & Roberto Menescal - O barquinho , O pato , Manhã de carnaval
    このアルバムの収録曲ではないですが

    1985
    Nara Leao & Roberto Menescal

    1. O negocio e amar (Carlos Lyra / Dolores Duran)
    2. Tristeza de nos dois (Mauricio Einhorn / Durval Ferreira / Bebeto)
    3. Sabor a mi (Alvaro Carrillo)
    4. Da cor do pecado (Bororo)
    5. Transparencias (Abel Silva / Roberto Menescal)
    6. Blusao (Xico Chaves / Roberto Menescal)
    7. Resignacao(Arno Provenzano / Geraldo Pereira)
    8. Vestigios (Paulo Sergio Valle / Marcos Valle)
    9. There will never be another you (M.Gordon / H.Warren)
    10. Comigo e assim (Jose Menezes / Luiz Bittencourt)
    11. Mentiras (Lysias Enio / Joao Donato)
    12. Inclinacoes musicais(Renato Rocha / Geraldo Azevedo)

    http://www.allbrazilianmusic.comでも試聴できます。

    2010更新: YouTube追加♪

    BRASIL(海の奇蹟)ジョアン・ジルベルト

    BRASIL / JOAO GILBERTO

    幸せ感たっぷり・・・★5

    カエターノ・ヴェローゾとその妹マリア・ベターニアジルベルト・ジルといった若手アーティスト達と、ジョアン・ジルベルトの共演盤。
    男性ヴォーカルが多いアルバムをこういうもなんですが…蝶が舞うのどかな花畑を想像させるような、可愛い雰囲気のアルバムです。

    シナトラの朗らかな歌唱で有名なAll of meは、ポンポンポンというリズムでみんな仲良く歌っていて、手に手をとって遠足に行く子供を想像してしまうほど。
    5曲目の終わりには風鈴を思わせる音が入っていて、何だか懐かしい気分にさせられます。

    中身はそんな風に遊び心たっぷりで楽しいんですが、外見はちょっと、いかつい気がします。
    ジャケ買い心をそそらないジャケット。「海の奇蹟」という邦題。このタイトルから、たくましい漁師だの嵐だの難破船だの、力強くて荘厳なものを連想してしまうのは私だけでしょうか? 「ブラジル(の水彩画)」というタイトルじゃありふれているということで、5.Milagre(=奇跡)の邦題を使ったのでしょうか。
    ジャケ買いしたけど1回聞いて終わり、なんてアルバムはよくありますが、これはその逆でした。曲数が少なく短いですが、おいしいものを腹八分目という感覚で楽んでいます。


    1981
    Joao Gilberto(g,vo); Caetano Veloso(vo); Gilberto Gil(vo); Maria Bethania(vo); Johnny Mandel(arr,cond)

    1. Aquqrela Do Brasil ブラジルの水彩画
    2. Disse Alguem (All Of Me オール・オブ・ミー)
    3. Bahia Com H バイーア・コン・H(アガ)
    4. No Tabuleiro Da Baiana ノ・タブレイロ・ダ・バイアーナ
    5. Milagre 海の奇蹟
    6. Cordeiro De Nana ナナンの子羊

    私の初恋 - ナラ・レオン

    MEU PRIMEIRO AMOR - NARA LEAO

    ・・・ほっと一息・・・ ★4

    亡命先のフランスからブラジルに帰国したナラ・レオンが育児や勉学に励んでいた頃のアルバム。子供の枕もとで歌っているのを想像させるような、優しくてアットホームな感じがただよっていて、ボサノヴァ名盤の前作「美しきボサノヴァのミューズ」と、大勢の仲間と共演したにぎやかな次作「ナラと素晴らしき仲間たち」の合間にひっそり咲く花、とでもいう感じ。地味かもしれないけど、いいアルバムです。
    子供向けの歌、ブラジルの古い童謡をとりあげていて、子供のヴォーカルが入っている曲もあります。幸せな雰囲気と子供の声。小野リサに通じるものがあるかもしれません。

    アレンジはルイス・クラウヂオ Luis Claudio(ギターも担当)と、アントニオ・アドルフォ Antonio Adolfo(ピアノも担当)。次作でデュエットしているDominguinhosがアコーディオンで参加している曲もあります。


    1975

    1. Atirei Um Pau No Gato
    2. Marcha Dos Gafanhotos
    3. Canta Maria
    4. Sabia Laranjeira, Andorinha Preta
    5. Menino de Bracan
    6. Trevo de Quatro Folhas
    7. Fiz a Cama Na Varanda/Prenda Minha
    8. Colar de Estrelas
    9. Casinha Pequenina
    10. Cabecinha No Ombro
    11. Upa! Upa, Meu Trolinho
    12. Saudade Mata a Gente
    13. Meu Primeiro Amor
    1.猫に棒きれ
    2.マルシャ・ドス・ガファニョットス
    3.カンタ・マリア
    4.サビアー・ラランジェイラ
    5.ミニーノ・ジ・ブラサニャン
    6.四葉のクローバー
    7.バルコニーにベッドを
    8.星の首飾り
    9.小さな家
    10.カペシーニャ・オンブロ
    11.ウッパ! ウッパ!
    12.ア・サウダーヂ・マタ・ア・ジェンチ
    13.私の初恋

    ELIS&TOM エリス&トム(ばらに降る雨)

    ばらに降る雨 / アントニオ・カルロス・ジョビン&エリス・レジーナ

    エリス&トムの最高に素敵なボサノヴァアルバム ★5

    ELIS REGINA エリス・レジーナと、ボサノヴァの第一人者ANTONIO CARLOS JOBIM アントニオ・カルロス・ジョビン(トム)が共演した名盤。ボサノバ最盛期から15年近く経った1974年にアメリカのロサンジェルスで録音されました。全曲ジョビン作で、エリスの可憐で優しい魅力が全開です。

    トム・ジョビンは、カイミ一家との共演アルバム〔CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム〕でも”Inutil Paisagem”と”So Tinha De Ser Com Voce”の2曲をやっています。
    カイミとのアルバムには切なさと物憂さが漂っていますが、〔ELIS&TOM ばらに降る雨〕ヴァージョンは湿気が少なめ。物憂い曲でもエリスが歌うと明るさが出るのかもしれません。
    この2曲に限らず全体的にこの〔ELIS&TOM〕は、サウダーヂな物憂い雰囲気と明るさのバランスがよく、誰でも聴きやすいアルバムだと思います。
    録音時のジョビンとエリスは、互いに個性が強いせいか険悪な雰囲気だったそうですが、そんなことは微塵も感じさせない楽しげな幸せ感が漂っています。


    Águas de Março

    [1]三月の雨は、世界中の様々なジャンルのアーティストに演奏され続けている有名曲ですが、私はこのアルバムのデュエットが一番好きです。会話するかのようなかけあいが絶妙で、その途中にふざけるように笑いながら歌うエリスの最高にチャーミングなヴォーカルはたまりません。
    これは後の歌手に影響を与えているとも思います。フランス人女性シンガークレモンティーヌが歌う同曲でも、会話のように相手とかけあいしながら笑い出していて、このエリス&トムのデュオを意識しているように思えてなりません。実際どうかは知りませんが、オマージュなんでしょうか。

    フランス人といえば、ナラ・レオンと共演したこともあるフランス人歌手George Moustaki ジョルジュ・ムスタキも、この曲をフランス語で歌っています。かなりフレンチ色が濃くてボサノヴァの印象は薄くなっていますが、ちょっと面白かったのは、歌詞の季節の変化です。
    南半球のブラジルでは三月は秋だから「三月の水=で夏が終わる」ですが、北半球のフランスでは「三月の水」といえば春の雪解け水で、その違いが歌詞にも反映されています。夏の終わりと春の終わり。これから秋になるか夏になるかでは、イメージがずいぶん変わりますよね。(→Les eaux de mars 三月の雨フランス語歌詞

    エリス・レジーナはアルバムごとに雰囲気がかなり違いますが、アップテンポで豪快・開放的なヴォーカルなら「エリス・イン・ロンドン」、ゆったりくつろいだチャーミングなヴォーカルならこの「ELIS&TOM」が一番気に入っています。


    1974
    ANTONIO CARLOS JOBIM & ELIS REGINA

    私が持っている日本盤CDは以下の曲順。楽しく始まってしんみり終わります。

    1. Aguas De Marco 三月の雨
    2. Pois E 愛の終り
    3. So Tinha De Ser Com Voce あなたでなければいけなかった/私はあなたのもの
    4. Modinha モヂーニャ
    5. Triste 悲しみ
    6. Corcovado コルコヴァード
    7. Que Tinha De Ser 愛につつまれて
    8. Retrato Em Branco E Preto 白と黒の肖像
    9. Brigas Nunca Mais もう決して喧嘩はしない
    10. Por Toda A Minha Vida 私の愛のすべてを
    11. Fotografia 海辺のテラス
    12. Soneto De Separacao ソネットの一節
    13. Chovendo Na Roseira ばらに降る雨
    14. Inutil Paisagem うつろな風景

    JOAO GILBERTO(三月の水)

    三月の水 / ジョアン・ジルベルト feat.ミウーシャ

    ・・・子守唄のような心地よさ・・・ ★5

    ジョアン・ジルベルトのギターと歌にドラムだけというシンプルな構成で、 「ちょっとあわせてみよう」と始めたかのようなくつろいだ雰囲気。
    ゆりかごのようなベース音に寝言のようなフレーズが繰り返される「ウンディユ」や、内緒話のような「三月の水」の、眠れ眠れといわんばかりの心地よさ。
    弦の上を指が滑る音や微妙な声のふるえ、舌の音まで聴こえる臨場感のある音...。
    ジョアンのアルバムには、こんな風にすぐそばで何気なく演奏が始まったような錯覚を与えるものが多いですが、このアルバムはその代表です。

    やすやすと演奏しているように聴こえますが、ギターを弾く人に言わせると、ジョアン・ジルベルトは、力んでしまうような難しいフレーズでもよどみなく優雅に弾きこなしてしまうギターの名手なんだそうで。
    その表情力の豊かさといったら南京玉すだれ並で、ギターひとつでよくぞそこまで...と驚かされます。
    歌は拍の前や後にずれこみ、独特の揺らぎを生んでいます。

    このアルバムはとっつきにくいという意見も聞きます。ボサノヴァというジャンルにすら収まりきらない、ジョアン独特の世界一色だからでしょうか。揺らぎ感のあるヴォーカルと、歌詞の代わりに繰り返される「ウンドゥイユ」やら「ボン、ボン」等のフレーズと、独特のリズムと、この上ない静寂。
    山水画が誰にでも受け容れられないのと似ているかもしれません。ジョアン・ジルベルトが好きな人にとっては、彼の斬新さや個性が凝縮された、たまらない1枚だと思います。

    このアルバムを聴いて思い浮かぶのは、
    ・・・スタジオでジョアンの妻ミウシャがうたた寝しているところへジョアンとドラマーが入ってきて、起こすまいと静かに演奏を始める。ハイハットにやさしく触れるブラシ音、ささやくようなヴォーカル、変化するギターの音色。
    彼女が途中で目覚めたのに寝たふりを続けていることに気づいた2人は徐々にテンポをあげていき、9曲目が終わったところでジョアンが妻の髪にそっと触れて一言、さあ起きて一緒に歌おう
    ・・・という想像というか妄想。
    ミウシャは最後の1曲「イザウラ Izaura」しか参加していません。「ゲッツ・ジルベルト・アゲイン」でも聴ける、ジョアンとのこのデュオ曲、好きです。


    1973
    Joao Gilberto, Heloisa Buarque de Hollanda(Miucha)

    1. Aguas De Marco 三月の水
    2. Undiu ウンディユ
    3. Na Baixa Do Sapateiro バイーア(靴屋の坂道で)
    4. Avarandado 夜明けのベランダ
    5. Falsa Baiana 偽のバイーア娘
    6. Eu Quero Um Samba 喜びのサンバ
    7. Eu Vim Da Bahia バイーア生れ
    8. Valsa ベベウ
    9. E Preciso Perdoar 許してあげよう
    10. Izaura イザウラ (feat.Miucha)

    DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO

    美しきボサ・ノヴァのミューズ / ナラ・レオン

    ・・・郷愁&哀愁・・・ ★5

    1971年亡命先のパリでの録音。
    個人的にはナラ・レオンの中で一番好きなアルバムです。
    CDは、オリジナルと同じく2枚に分かれたものと、1枚にしたものがあります。

    若い頃のナラ・レオンの広い豪華マンションがボサノヴァの創始者といわれるミュージシャンのたまり場となっていたのは有名な話。彼女はそんな環境で育ちつつ、ボサノヴァはブルジョワ的で現実から目をそらしていると感じるようになったそうで、1964年のファーストアルバム”NARA”の録音時にはすでにボサノヴァから離れていました。
    その後、反政府的なプロテスト・ソングを歌うようになり、政府ににらまれてフランスに亡命します。
    そこで懐かしのボサノヴァの良さを再認識して録音したのがこの「美しきボサ・ノヴァのミューズ」(原題DEZ ANOS DEPOISは「10年後」)で、ナラ・レオンの正式なボサ・アルバム一作目ということになります。
    地理的に遠く離れた故郷と、ボサノヴァ仲間に囲まれていた懐かしい少女時代に思いをはせているせいでしょうが、いいようもない切なさとノスタルジーがただよっています。
    これ以降は、ジャンルにとらわれずいろいろな曲を自分流に歌い、素敵なアルバムを出しています。

    さて、アストラッド・ジルベルトに歌を教えたのはこのナラ・レオンだといわれています。確かに、力を抜いて優しく自然な感じで歌っているあたりは共通しています。
    アストラッドはヘタウマともいえるあぶなっかさが、手を差し伸べたくなる可愛さにつながっていますが、ナラ・レオンのヴォーカルには、安定感、陰影と、包み込むようなあたたかみがあります。ボサノヴァに囲まれて裕福に育ったのに、環境に甘んじることなく、音楽面でも人生でもいろいろな経験をした彼女だからこそ、つくづくいいなぁと思わされる深みが出せるのかもしれません。


    1971

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    サンバ’68 - マルコス・ヴァーリ

    SAMBA'68 / MARCOS VALLE

    晴れた休日に聴きたい幸せ感漂うアルバム ★5

    ちょっと怪しいジャケットや、タイトルの「サンバ」とはほど遠く、楽しくくつろいだ気分になれる、洒落たアルバムです。
    彼の作曲家としての代表作のひとつ[3]So Nice他、晴れた休日にぴったりの心地良い曲が詰まっています。
    甘くてコクのある声のマルコス・ヴァーリと、透明感ある可愛い声の元妻アナマリアとのデュエットは最高。
    セルジオ・メンデスやアストラッド・ジルベルトと同じく、アメリカでのボサノヴァ流行をうけていて、歌詞は英語がメイン。とっつきやすい雰囲気の快適なアルバムです。
    初期の頃のブラジルの憂いあるボサノヴァはあまり好きじゃない、という方にもおすすめです。


    1968(1967年録音)
    Anamaria アナマリア(vo)、Eumir Deodato エウミール・デオタート(arr)、Claudio Slon(ds)、クラウディオ・スローン参加

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    DOMINGO ドミンゴ - GAL e CAETANO カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ

    極上のアンニュイ ★5

    カエターノ・ヴェローゾ Caetano Velosoは、ブラジルでボサノヴァ衰退後に繰り広げられるトロピカリズモの中心となる人物ですが、その直前、彼がGal Costa ガル・コスタと録音したこのデュオ・アルバムは、物憂さただよう大好きなアルバムです
    そっとささやくように歌う二人の甘くやさしいヴォーカルとギターがたまりません。

    アントニオ・カルロス・ジョビン等の曲に代表されるような独特の憂愁・サウダーヂは、ボサノヴァで味わえる大きな魅力のひとつですが、
    そのボサノヴァの終焉にふさわしいような静けさと切なさが、アルバム全体を包んでいます。
    白黒写真とサイケなカラーをくみ合わせた、いかにも60年代後期らしい洒落たデザインのジャケットもいい雰囲気。
    音質の悪さすら、懐かしい感じをそそるスパイスだと思えます。
    晴れた日よりは、曇りや雨の日。じっくり聴くと、じんわりあたたかい気分になってきます。

    ナラ・レオンのDEZ ANOS DEPOIS(美しきボサ・ノヴァのミューズ)などが好きなら、たぶん気に入ると思います。
    この「ドミンゴ」のように物憂げではありませんが、夫婦だったLUIZ BONFA ルイス・ボンファとMARIA TOLEDO マリア・トレードの共演アルバム”BRAZILIANA”も愛聴盤です


    1967 Gal Costa & Caetano Veloso

    1.Coracao Vagabundo
    2.Onde Eu Nasci Passa um Rio (Where I Was Born There Passes a River)
    3.Avarandado (On the Veranda)
    4.Um Dia (One Day)
    5.Domingo (Sunday)
    6.Nenhuma Dor (No Pain)
    7.Candeias (Candle Lights)
    8.Remelexo (Shake)
    9.Minha Senhora (My Lady)
    10.Quem Me Dera (If Only I Had)
    11.Maria Joana
    12.Zabele (A Name)
    1.コラサォン・ヴァガブンド
    2.オンヂ・エウ・ナッシー・パッサ・ウン・ヒオ/僕が生まれた町には川が流れている
    3.アヴァランダード
    4.ウン・ヂーア/ある日
    5.ドミンゴ/日曜日
    6.ネニュマ・ドール/痛みなくして
    7.カンデイアス
    8.ヘメレッショ
    9.ミーニャ・セニョーラ
    10.ケン・ミ・デーラ
    11.マリア・ジョアナ
    12.ザベレ

    BRAZILIANA - LUIZ BONFA & MARIA TOLEDO ブラジリアーナ ルイス・ボンファ&マリア・トレド

    ゆったりフワフワ、心地いい ★5

    当時夫婦だったルイス・ボンファとマリア・トレードの、幸せ感たっぷりのアルバム。全曲オリジナルで、自然な明るさ、優しさとふんわり感がただよっています。
    マリア・トレドの透明感あるささやきヴォーカル、ルイスのあたたかみのあるギター、多用される口笛&スキャット... すべてが好みでGal Costaガル・コスタ&Caetano Veloso カエターノ・ヴェローゾの”DOMINGO ドミンゴ”と同じくらい愛聴しています。

    LUIZ BONFAといえば、Marcel Camus マルセル・カミュ監督の映画 「黒いオルフェ」 (1959年 フランス・ブラジル合作)の音楽をジョビンと一緒に作ったコンポーザー/ギタリストとして有名ですし、ジョアン・ジルベルトは「ボンファに捧ぐ」という曲を作っていますね。
    そんなルイス・ボンファはこのアルバムでも、ひとりで出しているとは思えないようないくつものパートの音をさらりとさりげなく奏でています。弾くのは技術がいってむずかしそうですが、大変さを感じさせない、優雅で美しい演奏です ソロ曲[5],[13]や、ピアノが入る[9]では、その演奏をたっぷり味わうことができます。「黒いオルフェ」でおなじみの[3]も、ソロではないですがギターがメインの曲です。技術を誇示するように早弾きをすることなどはなく、ひたすら快適さを追求するように弾く彼のギター、大好きです

    [1]Whistle Sambaは、口笛とルイス・ボンファのスキャットが楽しい気分にさせてくれる可愛らしい曲です。
    [2][4][10]に入っているオーケストラは、昔の映画のような雰囲気をプラスしますが、派手すぎず控えめです。口笛で始まり、マリアが英語で歌っている[8]では、ストリングスがそっと寄り添い、間奏のところで古い映画風の雰囲気をちょっぴり加えています。[6]はカヴァキーニョが使われているわけじゃなく、歌詞にカヴァキーニョと出てくるだけです。マリアのヴォーカルとギターがメインでピアノが加わっています。
    [11]は、マリアだけの部分とデュオの部分があるスキャット曲。[12]は、マリアのヴォーカルからデュエットになり、まだ続きそうなところでフェードアウトします。ラスト[14]は、とても幸せな気分にさせてくれる、スキャットのデュオ曲。これでフェードアウトして終わるあたりも、なんだかフンワリしています。

    全曲オリジナルで統一感があるせいもあり、夢の世界にいるような心地よさが味わえる、とにかく快適なアルバムです

    ジャズサックスプレイヤーSTAN GETZ スタン・ゲッツの”JAZZ SAMBA ENCORE!”にも、二人揃って参加していますね


    1965
    LUIZ BONFA, MARIA HELENA DE TOLEDO

    1. Whistle Samba
    2. Tanto Amor
    3. Samba De Orfeu
    4. Pierrot
    5. Boticario
    6. Cavaquinho
    7. Improviso
    8. Promessa
    9. Sugar Loaf
    10. Saudade
    11. Guanabara
    12. Pequeno Olhar
    13. Baroco
    14. Sambura
    1. ホイッスル・サンバ
    2. たくさんの愛
    3. オルフェのサンバ
    4. ピエロ
    5. ボチカリオ
    6. カヴァキーニョ
    7. インプロヴィーゾ
    8. 約束
    9. シュガー・ローフ
    10. サウダーヂ
    11. グァナバラ
    12. ペケーノ・オリャール
    13. バロコ
    14. サンブーラ

    VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー

    ヴァガメンチ / ワンダ・サー (ヴァンダ・サー/ワンダ・ヂ・サー)

    快適デビューアルバム・・・ ★5

    TV出演をきっかけにデビューしたイパネマ出身のワンダ・サーのファーストアルバム。プロデューサーはRoberto Menescal ロベルト・メネスカル
    セルジオ・メンデスは、このアルバムを聴いて彼女を気に入り「ブラジル'65」に加えたそうですね。
    ビブラートをかけない素朴な歌い方と、二十歳そこらとは思えないハスキーな声。ボサノヴァならではの脱力感と物憂げさもたまりません。彼女に影響を受けたと語るアーティストが多いのも分かる気がします。
    小野リサも、尊敬するアーティストとしてワンダ・サーの名前を挙げていました。彼女のアルバム〔Pretty World〕(2000年)を聞くと確かにワンダ・サーを思い出すんですが、他ではどちらかというとナラ・レオンに近い気もします。ワンダ・サーの方が共感できるのでしょうか。


    1964
    WANDA SA ( WANDA DE SAH )
    1. Adriana アドリアーナ
    2. E Vem O Sol そして陽は昇る
    (◆YouTube試聴)
    3. Encontro 出逢い
    4. So Me Fez Bem あなたは愛してくれた
    5. Mar Azul 蒼い海
    6. Tambem Quem Mandou 嫌われてるの?
    7. Tristeza de Nos Dois 二人の悲しみ
    8. Vivo Sonhando 夢を見ながら
    9. Sem Mais Adeus さよならは、もうたくさん
    10. Inutil Paisagem 無意味な風景
    11. Tristeza de Amar 愛する悲しみ
    12. Vagamente ヴァガメンチ
    13. So Nice (Samba de Verao)*ソー・ナイス
    14. Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)* コルコヴァード
    15. To Say Goodbye(Pra Dizer Adeus)* さよならを言うために
    13~15 CDボーナストラック

    BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL

    Bossa Session

    ジャズ的要素を取り入れつつも、懐かしさを感じさせるボサノヴァアルバム ★5

    スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズを筆頭にアメリカでボサノヴァが流行していたた1964年頃の作品。
    ボサノヴァ最盛期の懐かしさと同時に、[4][6][10]等の楽器演奏や[1][7]のスキャット混じりのヴォーカルにジャズテイストを感じます。
    曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンから、若い世代のエドゥ・ロボ、デオダート、そして本作に参加しているロベルト・メネスカルまで、様々な世代のものを取り上げています。
    SYLVIA TELLESとLUCIO ALVESのヴォーカル掛け合いと、ダバダバディバダのスキャットが楽しい[1]に始まり、ジョビン-モラエスの名曲[2]Ela E CariocaをLUCIOがけだるげに歌い、同じくジョビンの[3]Vivo SonhandoをSYLVIAがさらりと歌った後、メネスカル作の[4]をインストゥルメンタルで演奏。
    続いてマルコス・ヴァーリ作の[5]をLUCIOがあたたかい声で歌い、再び清涼感ある楽器演奏[6]をはさんで、[7]の遊び心ある楽しいデュオにつなぐ…。
    選曲、ヴォーカル、楽器演奏もさることながら、波打つようなこの温・冷の流れがまた快適。ジョビンの若かりし日のアルバム「カイミ・ヴィジタ・トム」等に通じるような、ほんわりやさしい感じもたまりません。
    カフェでも飲んでくつろぎながらリピートで聴きたいくらい心地良いアルバムです。


    1964
    ボサ・セッション/シルビア・テレス, ルシオ・アルビス, ロベルト・メネスカル

    SYLVIA TELLES, LUCIO ALVES, ROBERTO MENESCAL
    シルビア・テリス(テレス), ルーシオ(ルシオ)・アルヴェス, ロベルト(ホベルト)・メネスカル, セウ・コンジュント他

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    NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン

    NIGHT LIGHTS - GERRY MULLIGAN

    ジャケットとタイトルのイメージどおり ★5

    潤んだような街の光が水面に揺らめくところが思い浮かぶようなジャケットとタイトル。豪華客船から街を眺めつつシャンパーニュとシーフードに舌鼓…なんてシーンを想像しつつ、ビールと冷奴で納涼するのに最適なアルバムです

    白熱したセッションが好きな人は、プレイヤーが遠慮気味で燃焼しきっていなくてつまらないと感じるかもしれません。アート・ファーマーなど特に控えめな気がします。
    このアルバムにはそういう熱さがなく、心地良い涼気が漂っていて、全員が美しい夜の景色を思い描きながら夢見心地で演奏しているような感じすらします

    普段はピアノ無しの演奏を好むジェリー・マリガンが、[1]の「ナイト・ライツ」では、水晶を連想させる繊細な音で自らピアノを弾いています。
    そして普通ならバリバリッという音になりがちなバリトンサックスを相変わらず優雅に吹きこなしています。チェット・ベイカーとの気合の入ったセッションなどとはまた違う、リラックスした感じが味わえます。
    いつもにまして水の中をゆらゆら漂っているようなジム・ホールのギターも快適です。
    ジェリー・マリガンが映画『真夏の夜のジャズ』に出てくるのを見ましたが、演奏する姿もcoolですね。

    曲は、ジェリー・マリガンのオリジナルの他、ブラジル音楽やクラシック曲も入れています。
    [2]は映画『黒いオルフェ』の中で、主人公がこの曲をギターを弾きながら歌うにつれて朝日が昇っていくシーンで使われている、ルイス・ボンファの有名曲。[3]はフランク・シナトラの十八番ですが、アン・バートンのヴァージョンも味があって割と好きです。[4]はショパンの切ないピアノ曲、プレリュード第4番。

    ソファやベッドにゆったり横たわってこのアルバムを聴くと、疲れも何もフウっと抜け出ていく気がします


    1963, MERCURY
    Gerry Mulligan (bs,p,cl), Art Farmer (tp/flh), Bob Brookmeyer (btb), Jim Hall (g), Bill Crowe (b), Dave Bailey(tb), Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds)...

    1. Night Lights (1963 Version)
    2. Morning Of The Carnival From 'Black Orpheus'(Luiz Bonfa)
    3. In The Wee Small Hours Of The Morning
    4. Prelude In E Minor (F.Chopin)
    5. Festival Minor
    6. Tell Me When
    7. Night Lights (1965 Version)
    1.ナイト・ライツ(1963年ヴァージョン)
    2.カーニヴァルの朝
    3.ウィー・スモール・アワーズ
    4.プレリュード:ホ短調
    5.フェスティヴァル・マイナー
    6.テル・ミー・ホエン
    7.ナイト・ライツ(1965年ヴァージョン)

    BOSSA NOVA, CARLOS LYRA 「ボサノヴァ」「カルロス・リラ」

    あたたかくやさしく、そして長いCD ★4

    1作目”Bossa Nova”と、2作目”Carlos Lyra”を1枚に収めた1998年発売のCDです。
    カルロス・リラが、ロベルト・メネスカルと一緒にギター教室をやっていて、ナラ・レオンのマンションに集っていたアーティストの一人だったことは知っていましたが、後のMPBのイメージが強かったので、それほど好みに合わなそうだと何となく敬遠していました。
    が、ある日「世界初CD化」の帯がついたこのCDを見つけました。ジョアンの「海の奇蹟」が6曲入りなのに対して、これは26曲入り。ジャケットもいいし、試してみようと購入し、期待しないで聴いてみたら、いい意味で予想を裏切られました。買ってよかった!
    カルロス・リラのあたたかみのある優しいヴォーカルとギターに、管楽器、弦楽器、打楽器を加えたアコースティックなアルバムで、ボサノヴァが栄えていた頃のブラジルや、古い映画を思わせるノスタルジーがただよっています。
    哀愁たっぷりサウダーヂというよりは、明るくて平和な雰囲気。晴れた休日のランチに合いそうな一枚です。


    1960 (ファーストアルバム BOSSA NOVA),
    1961 (セカンドアルバムCARLOS LYRA)

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    Barbara Lea バーバラ・リー (1956)

    BARBARA LEA / バーバラ・リー

    幸せ感ただようひそかな名盤 ★5

    バーバラ・リーは、知名度が低いのが残念なジャズヴォーカリストの一人。
    彼女の1950年代録音アルバムは3枚だけですが、そのうちの1枚である本作”Barbara Lea”を聴くまで、私も知りませんでした。
    リピートしても飽きないアルバムです。それがいいことなのかは微妙ですが、大げさなところがなくて洗練されているのは確かです。
    [1][2]のようなハッピーな曲をはじめ、全体的にあたたかい幸福感と小粋さが漂っています。気に入りました。
    湿っぽくなりそうな[11]などの曲もさらっと粋に仕上げ、その後に軽妙なトラックを続ることで、あっさりした印象にしています。

    楽しい気分になりたい時、寒い日にココアでも飲みながら家でゆっくりしたい時、モヤモヤ感をふき飛ばしたい時に聴きたくなる、心を軽くしてくれるようなアルバムです。


    Baltimore Oriole 試聴

    1956, Prestige
    Barbara Lea (v), Dick Cary (ah), Johnny Windhurst (t), Al Hall (b), Dick Hyman (p), Osie Johnson (d), Richard Lowman, Al Casamenti

    1.Nobody Else But Me
    2.Where Have You Been?
    3.I'm Coming Virginia
    4.Honey in the Honeycomb
    5.Thursday's Child
    6.I've Got a Pocketful of Dreams
    7.My Honey's Lovin' Arms
    8.I Had Myself a True Love
    9.Gee Baby, Ain't I Good to You
    10.I Feel at Home With You
    11.Baltimore Oriole
    12.Blue Skies
    13.I Feel at Home With You [Alternate Take][*]
    14.Straw Hat Full of Lilacs [*]
    日本盤
    1.ノーバディ・エルス・バット・ミー
    2.ホエア・ハヴ・ユー・ビーン
    3.アイム・カミング・ヴァージニア
    4.ハニー・イン・ザ・ハニーコウム
    5.サーズデイズ・チャイルド
    6.アイヴ・ガット・ア・ポケット・フル・オブ・ドリームス
    7.マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ
    8.アイ・ハド・マイセルフ・ア・トゥルー・ラヴ
    9.ジー・ベイビー,エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
    10.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー
    11.バルチモア・オリオール
    12.ブルー・スカイズ
    13.アイ・フィール・アット・ホーム・ウィズ・ユー(別テイク)
    14.ア・ストロー・ハット・フル・オブ・ライラックス
    [13][14]はボーナストラック

    2010 試聴YouTube追加♪

    CASA - MORELENBAUM2 / SAKAMOTO

    カーザ - モレレンバウム2 / サカモト

    早朝の透明感・・・ ★4.5

    かつてアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)と一緒に演奏していたモレレンバウム夫妻(パンダ・ノヴァのメンバー)と坂本龍一が、今は亡きジョビン愛用のスタジオとピアノを使って演奏し、彼に捧げたオマージュ作品。
    ジョビンの曲づくしの、洗練されたアルバムです。フランスのラジオでも、よくかかっていました。
    パウラ・モレレンバウムの澄んだヴォーカルと、夫ジャキス・モレレンバウムの浮遊感ある切ないチェロがたまりません。
    最初のうちはピアノの音が明快すぎる気がして少し違和感を感じましたが、慣れたらいいと思えるようになりました。
    私が特に好きなのは、[9]のImagina。「想像してごらんよ、月が消えてしまう夜を」で終わる幻想的な曲に、夢見るような雰囲気の演奏がよく合っています。この曲はモレレンバウム夫妻が2人で歌っています。パウラのみずみずしい声とジャキスのスモーキーな声の組み合わせが、何となく童話の世界を思わせます。

    森や海にでも行って浄化されたい…なんてグレーな気分の時に聴くと、ちょっぴり浄化された気になりますよ。


    07.2001
    Paula Morelenbaum (vocal), Jaques Morelenbaum (cello), Ryuichi Sakamoto (piano)

    1. As Praias Desertas [Antonio Carlos (Tom) Jobim]
    2. Amor Em Paz [Jobim / Vinicius de Moraes]
    3. Vivo Sonhando (dreamer) [Jobim]
    4. Inutil Paisagem [Jobim / Aloysio de Oliveira]
    5. Sabia [Jobim / Chico Buarque]
    6. Chanson Pour Michelle [Jobim]
    7. Bonita [Jobim / Ray Gilbert]
    8. Fotografia (photograph) [Jobim / Ray Gilbert]
    9. Imagina [Jobim / Buarque]
    10. Esrtada Branca [Jobim / Moraes]
    11. O Grande Amor [Jobim / Vinicius de Moraes]
    12. Cancao Em Modo Menor [Jobim / Moraes]
    13. Tema Para Ana [Jobim]
    14. Derradeira Primavera [Jobim / Moraes]
    15. Esperanca Perdida (i Was Just One More For You) [Jobim / Moraes]
    16. Sem Voce [Jobim / Moraes]
    17. Samba Do Aviao (live) [Jobim] *
    18. Improvisation (live) [Ryuichi Sakamoto / Jaques Morelenbaum] *
    2001年に発売されたCDは16曲入りですが、2002年発売のSONY盤には[17],[18]の2曲が加わっています。
    ・ ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
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