VERS LA MER - LES MOUETTES

VERS LA MER(ヴェール・ラ・メール)/ レ・ムエット

フランス女性ヴォーカルユニットのコーラスアルバム ★5

フランスのラジオでこのセカンドアルバムの曲を何度か聴いて、これは!と思いました。
CDを聴いてみると、予想以上の内容で大満足♪ お気に入りが増えました。
ギターも担当しているMathias Duplessyが15曲中10曲を作曲。アレンジもjazzyで絶妙です。
コーラス、ギター、ベース、ドラムを中心としたシンプルな編成も好みだし、
ジャンゴ・ラインハルトを聴いている時のような懐かしさと、ふんわり漂う切ない感じもたまりません。

リヨンで出会い、パリのメトロで音楽活動を始めた女性3人組、LES MOUETTES。 MOUETTESは「かもめ(複数)」のこと。
タイトル曲の[5]Vers la mer他、すいっと飛ぶようなスピード感あるトラックと、空をふわふわ漂うような感じのトラックがバランスよく入っています。
聴きやすく飽きにくいアルバムです。もっとアルバムが出てくれればいいのになあ~。


[1] きみのTaches De Rousseur(そばかす)を指先で数える、そんな幸せな日はいつ来るかな~♪
という歌詞だから、そばかす美人の写真を中心に集めてあるんですね。

2003
LES MOUETTES = VERONIQUE BANDELIER, SYLVIE EVAIN, CELINE MANIL.
Mathias Duplessy(g.,作曲、アレンジ他), Fabrice Moreau(ds), Vincent Artaud(b), Magic Malic(fl), Thomas Ostrowiecki(perc), Sylvain Luc (g on [7])

共通項ミュージシャン 似た傾向のアーティスト・・・ザ・ブルー・スターズレ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)デューク・ピアソン+ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンドクワイアレ・マスク(フランス語ブラジル音楽)、クアルテート・エン・シー(ブラジルのコーラスグループ)、コーデッツ

◆"VERS LA MER - LES MOUETTES"の全文を見る »

JE DIS AIME - M

JE DIS AIME / エム(マチュー・シェディッド)

慣れるとハマる強烈な個性 ★4

セカンドアルバム”JE DIS AIME”は、I say "love"くらいの意味で、aime(エム)を名前のエムとかけています。
このアルバム発売時に公開されていたMのサイトを見ました。サイト名はアルバムタイトルを縮めた”JEDISAIME”。
Mの別名MATHIEU(マチュー)が聖書のMATTHIEU(マタイ)とつながるということで、「JERUSALEM(ジェリュザレム=エルサレム)の聖書」ともかけてあるのかもしれません。
そうだとすれば、名前のエム、「愛すAIME」のエム、エルサレム、と3重かけことばになりますね。
サイトのデザインはMのイメージとぴったりでポップ&キッチュ。内容も充実していて、試聴どころか、クリップビデオや曲を丸ごと何本も見せてくれるという太っ腹ぶり。片っ端から見せてもらうと、最初は違和感だらけに思えていたのに、コミカルでクールな独特の映像世界、音楽、外見にむしろ一貫性があるように感じ始め、愛着が湧いてきました。
何だか魔術にかかったかのよう。不思議です。

ところで、”JE DIS AIME”や”BONOBOO”の歌詞は祖母が書いたのだそうで。おばあちゃまの書いた詩にロック-ポップなサウンド。思い切りロックでクールなのにほのぼのしているというギャップがまたMらしい気もします。


1999 / Delabel
1. Monde Virtuel
2. Je Dis Aime
3. Onde Sensuelle
4. A Celle Qui Dure
5. Faut Oublier
6. Le Festival De Connes
7. Le Mec Hamac
8. Close To Me
9. Emilie 1000 Volts
10. Qui Est La Plus Fragile?
11. Le Complexe Du Corn Flakes
12. Au Lieu Du Crime
13. Bonoboo
14. Le Commun Des Mortels
15. Mama Sam

PRINCESSE DE RIEN - RoBERT

プランセス・ド・リヤン / ロベール

囁きヴォーカルが引き立つ97年盤と、似て非なる2000年盤 ★5

ロベールのセカンドアルバムは、Princesse de rien(虚無王女)というタイトルのイメージどおり、孤独感が霧のように全体を覆っていて、かなりメランコリック
ヨーロッパのおとぎ話のような幻想的な雰囲気があり、嵐や深い森、夜の湖等が似合います。
ロベールは憂鬱すぎるという人もいますが、個人的には、北欧伝統音楽に通じるような憂いあるメロディと浮遊感に共感をおぼえます。
顔写真というだけなのに、透明感ある美しさと孤独感がにじみ出ているジャケットも好きです。

中でも一番イメージをかきたてるのは、昔のヨーロッパ宮廷を連想させるバロック風の曲PSAUME(詩編という意味)。もとは北欧デンマークの伝統音楽なんだそうです。

ロベールのアルバムは店であまり見かけませんが、パリの中古CD屋で、このジャケットのロベールが棚から私を見下ろしているのに気づきました。
フランスで一度も見かけなかったマイナーCDが目立つところに飾られてる...なぜ?」と、とりつかれたように買って帰り、家で聴いてみたら、
タイトルとジャケット写真はほとんど同じなのに、1997年に日本で買ったCDとは中身が全然違うんです。曲、アレンジ、歌い方だけではなく、よく見るとジャケットにもわずかな差が…。
「夜の間にいつのまにか髪が伸びてる日本人形じゃあるまいし...しかも、あそこで私を待ち構えていたかのようだった...」という考えが頭をよぎって一瞬怖くなりましたが、ロベールのサイトを見て納得しました。
1997年の方はインディペンデントレーベル発のマイナー盤で、新しい方は2000年3月発売のNAIVEレーベル発の新ヴァージョンなんですね。
この後にも1つ違うヴァージョンが出ていて、日本盤を入れると4種類存在するんだそうです。

2000年NAIVE盤は、ファーストアルバム並にテクノ度が上昇している上、ロベールのヴォーカルも、97年盤のような繊細なウィスパーヴォイスではなく、何だか切羽詰ったような、助けを求めているような、独特の声に変わっています。

曲順もかなり違い、この2000年盤にしか入っていない曲もあります。
ロベールと知り合ったAmelie Nothomb アメリー・ノートンが詩を書いた[1]もその1つです。
彼女は、日本でのOL生活経験を元に誇張とユーモアたっぷりに書いた小説「畏れ慄いて他で有名な女流作家です。

YouTubeにあるのは、だいたい後から手を加えた方のヴァージョン。彼女のクリップは、森や湖、エキゾチックな美女など、神秘的なものを連想させます。歌い方がたまにインドっぽく聞こえるのは気のせいかな。

私は、消え入りそうな可愛いささやきヴォーカル+適度なテクノ”の97年盤の方が断然好きです。もともとアコースティック楽器、ノスタルジックな雰囲気が好きなせいもありますが、古いヴァージョンの方が統一感があって、ロベールらしい独特の世界が表現されている気がするんです。
メランコリックで懐かしい子供の世界や寂しさや、いつまでもおとぎ話が好きな子供のままでいたい感覚を、隠さずありのままに出しているようで。
クラブ等で流すなら、テクノ率が高い&怪しさが加わった新ヴァージョンの方がおもしろいかもしれませんが、ちょっと冷たい衣を着せすぎじゃないかなとも感じます。


◆"PRINCESSE DE RIEN - RoBERT"の全文を見る »

SINE - RoBERT

シィヌ / ロベール


再発盤 

昔のジャケット

ささやき系ヴォーカル×テクノ ★3.5

フランスのロベールのファーストアルバム。
悲しげな少女を連想させる曲調+歌詞に、消え入りそうなウィスパーヴォイスのヴォーカルという組み合わせは、甘くて感傷的なロリータ風にもなりかねませんが、冷たく無機的なテクノにのせることで甘辛バランスがとれています。

ほとんどがMathieu Saladin作曲・RoBERT作詞ですが、共同で作曲したものや、RoBERTが一人で作詞作曲しているものもあります([3])。ディズニーの音楽[1]や、ジャック・ブレルの[7]等も取り上げています。
クラフトワークのカヴァー[4]は、このアルバムではドイツ語ですが、セカンドアルバムPRINCESSE DE RIENではフランス語で歌っていて、もっと切ない感じがします。

私が持っているCD(画像下)は、数週間で発売中止されて幻のレアディスクとなったらしく、フランスでは数十ユーロ以上で取引されているんだそうで…。歌詞カードには、にじんだように仕上げられたロベールの上半身ヌード写真などの写真が何枚か使われています。
再発盤ジャケットもいかにもロベールらしいですね。”Princesse de Rien”と同じく、再発盤は中身が違うんだろうな。電子音があまり好きじゃない私には、オリジナル盤がギリギリ限界。あれ以上テクノだとつらそうです。

憂いを帯びた雰囲気と切ないほどの孤独感は変わりませんが、この1作目は現代風で、セカンドアルバムはバロック音楽を使ったりして中世ヨーロッパ物語風の雰囲気があります。
セカンドアルバムの方も4種類の盤があり、中身が違います。


1993 SONY

1.イッツ・ア・スモール・ワールド
2.ジャネット
3.アンニュイな夜
4.モデル
5.雨のしずく
6.夜遊びに夢中
7.懐かしき恋人の歌
8.愛は水彩画のように
9.ひとり遊び
10.サイモン
11.裸のわたし
12.薄紫色の犬
13.愛のささやき
14.映画「狩人の夜」~お伽話
15.男たちの視線
16.番外
17.アンニュイな夜(インストゥルメンタル)

ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

パリ路地裏の煙たい酒場が似合うファーストアルバム ★4.5

アルチュールH(Arthur Higelin)の1990年のファーストアルバムには、デビュー作という瑞々しい言葉は似合いません。
ディスクを再生した瞬間、タバコの煙がもうもうとたちこめるあやしげな酒場、キャバレー(お姉さんが出てくる日本のとは別物)が目の前に出現します。マッチに火を灯したマッチ売りの少女か、ランプをこすったアラジンか…ってな感じで。

ゴリゴリしたしゃがれ声、アンニュイな雰囲気、世界各地の音楽の影響、新鮮なアイディアとユーモアからなる彼独特のクールなスタイルは、この1stアルバムの頃すでに出来上がっていたんですね。
まぁ、1988年12月、パリの小さなホールで3日間の予定で行ったライヴが好評のあまり結局1ヶ月に延長されることになったというエピソードが残っているほどで、アルバムデビュー前にも活動して成功していたわけですから、完成度が高いのも納得です。

それから、このアルバムには、近年パリにちょっとしたウクレレブームを起こしたウクレレクラブ・ド・パリのメンバーとしても腕を発揮しているあのジョセフ・ラカイユがアレンジャーとして参加しています。THOMAS FERSENトマス・フェルセンの"QU4TRE"のアルバム等も手がけている人で、自分のアルバム("SIGNE RACAILLE"他)では、強烈なユーモアとキッチュな感覚でニヤリと笑わせてくれます。

夜、照明を暗くしてパスティスだかブランデーだかを飲みながらこのアルバムを流せば、部屋がパリの裏町の怪しげなバーに変わるかも?


1990 POLYDOR
ARTHUR H.(p, vo, harmonium); BRAD SCOTT(b); PAUL JOTHY(ds, perc); JOSEPH RACAILLE/JONATHAN HANDELSMAN(arr)

1. Quai N。3
2. Perfect Stranger
3. Andora
4. Cool Jazz
5. Don't Make Me Laugh
6. Je Reve De Toi
7. La Lune
8. Un Fantome S'est Suicide
9. Scritch
10. Marouchka
11. John La Reine Des Pommes
12. Padam Padam
13. Loulou
1.第3埠頭
2.パーフェクト・ストレンジャー
3.アンドラ
4.クール・ジャズ
5.ドント・メイク・ミー・ラフ
6.君を夢見て
7.ラ・リュンヌ
8.幽霊が自殺した
9.スクリッチ
10.マルーシュカ
11.ジョン,ラ・レーヌ・デ・ポム
12.パダン・パダン
13.ルウルウ(ルル)

AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ

マシュ・ケ・ナーダ[テンポ (1964)+アヴァンソ(1963) 2in1 CD]/ タンバ・トリオ



ジャケット裏(AVANCO)

Cooool! ★4.5

ルイス・エサ(ピアノ/編曲)、 ベベート(ベース/サックス/フルート/ソロヴォーカル)、エルシオ・ミリート(パーカッション)の3人からなるタンバ・トリオ。
CD「マシュ・ケ・ナーダ」は、2作目AVANCOと、3作目のTEMPOが1枚になっていて、TEMPOの横顔写真の黒いジャケットが表、AVANCOの座りこんだ3人の白いジャケットが裏に使われています。
10代の頃ウイーンに音楽留学した後、ガーシュイン等の曲をオーケストラと演奏していたというルイス・エサの独特のアレンジ、ジャズ的な演奏、ひねりのきいたコーラス。[3]の、チェット・ベイカーを思わせるようなベベートの甘いソロヴォーカル。聴けば聴くほどcoolです。

余談ですが映画「Next Stop Wonderland ワンダーランド駅で」(1998)で、[14]マシュ・ケ・ナーダが使われていました。
水族館や海のシーンが多い映画で、(一応BGMとして) 始終ボサノヴァが流れるんですが、バックグラウンドというより音楽が前面に押し出されている感じでした。案の定というか、充実したサントラが出ています。
運命の人との出会いというテーマ、男女がすれ違いを繰り返し最後に出会うストーリー、ハリウッド恋愛映画らしからぬ余韻を残すエンディング、音楽のインパクトの大きさ…という点では、アメリカ版「ロシュフォールの恋人たち」というところでしょうか。


LUIZ ECA, ADALBERTO CASTILHO (BEBETO), HELCIO MILITO

◆"AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ"の全文を見る »

・ ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
・ ジャケット画像をクリックするとAmazonページが開きます(試聴、関連情報、レビューなど)。

SEARCH:
Amazon.co.jp のロゴ


COPYRIGHT AU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごとAU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごと