GETZ/GILBERTO 2 (Live)

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , ASTRUD GILBERTO , JOAO GILBERTO , STAN GETZ

ゲッツ/ジルベルト#2 (+5) - スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト、アストラッド・ジルベルト

・・・ジルベルト夫婦再参加コンサート・・・ ★4

1964年10月9日のカーネギーホールでのコンサートの録音。曲間のスピーチ、観客の拍手や声から会場の広さと雰囲気が伝わってきます。
ゲッツ/ジルベルト」で共演したジョアンとアストラッドのジルベルト夫妻に加え、前作「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」と同じメンバー(ゲーリー・バートン等)も参加しています。
ジョアン・ジルベルトとスタン・ゲッツは相変わらず険悪だったのでしょうが、そんなことは全く感じさせない楽しい雰囲気で、くつろげます。
CD〔GETZ/GILBERTO#2(+5)〕には、アストラッドがヴォーカルで参加した5曲が追加収録されていて(11~15)、例の大ヒット曲「イパネマの娘」も歌っています。
ジョアンのやわらかい声とギターに湧き上がる会場の拍手。控えめに寄り添うJoe HuntのドラムとGene Chericoのベース。海へ向かうイパネマ娘のイメージがいい感じに出来上がってきた頃に、ヨタヨタと走りこんでくるアストラッドのヴォーカル。このライブの彼女の歌は、いつもにましてあやうげです。卒業式で緊張して両手両足が一緒に出てしまう子供を見ているかのようにヒヤヒヤさせられ、When she passes each one she passes goes Aaah...゛と聴くと、こっちもaaah…と脱力してしまいます。
素朴であやしげなこのヴォーカル。初々しさが可愛いし落ち着くという人もいれば、音痴にしか聞こえなくて苦手だという人もいて、好みの別れるところですね。アバタもエクボ、エクボもアバタ。
人間は、驚きや恐怖による心拍数の上昇を恋愛感情のドキドキと勘違いして危険な人に惹かれることがあるといいますが、そう考えると、綱渡りを見ているかのように人をヒヤヒヤさせる感覚は、もしかするとヘタウマ系歌手の武器かもしれませんね?
これを聴いて自分も歌手になろうと思った人、いるんじゃないでしょうか。


1964, Verve

  • 1-4:Stan Getz(ts), Gary Burton(vb), Gene Cherico(b), Joe Hunt(d)
  • 5-10:Joao Gilberto(g), Keter Betts(b), Helcio Melito(d)
  • 11-15:Stan Getz(ts), Joao Gilberto(g), Gary Burton(vb), Gene Cherico(b), Joe Hunt(d), Astrud Gilberto(vo)

1. Grandfather's Waltz グランドファザーズ・ワルツ
2. Tonight I Shall Sleep -With a Smile on My Face 夢のほほえみ
3. Stan's Blues スタンズ・ブルース
4. Here's That Rainy Day ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
5. Samba de Monha Terra 我がふるさとのサンバ
6. Rosa Morena ホーザ・モレーナ
7. Um Abraco No Bonfa  ボンファに捧ぐ
8. Bim Bom ビン・ボン
9. Meditation (Meditacao) メディテーション
10. O Pato (The Duck) 鵞鳥のサンバ
11. It Might as Well Be Spring* 春の如く
12. Only Trust Your Heart* オンリー・トラスト・ユア・ハート
13. Corcovado -Quiet Nights of Quite Stars* コルコヴァード
14. Garota de Ipanema-The Girl from Ipanema* イパネマの娘
15. Eu E Voce* エウ・イ・ヴォセ

GETZ AU GO GO スタン・ゲッツ+アストラッド・ジルベルト

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , ASTRUD GILBERTO , STAN GETZ

ゲッツ・オー・ゴー・ゴー : スタン・ゲッツ・カルテット+アストラッド・ジルベルト

ライブ風効果音入りスタジオ録音?・・・ ★3.5

Cafe au go goでの1964年8月のライヴ録音、ということになっていますが、実は違うようですね。
カーネギーホールのコンサート録音「ゲッツ・ジルベルト #2」と聴き比べても、この「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」がライヴというのはどうも信じられません。

まず、会場の広がりを感じない、いかにもスタジオ録音っぽいクリアな音質。
周りの音も何だか不自然です。演奏中は雑音が一切なく不気味なくらい静かで、観客の反応はあくまで曲間だけ。拍手・歓声も必要以上に派手で、アメリカのホームドラマの効果音を思わせます。
例えば同じ頃の1961年のビル・エヴァンスのライヴ盤”Waltz for Debby”には、グラスのぶつかる音やざわめきが入っていますが、大ホールでの演奏ならともかく、カフェ(バー)でのコンサートならその方が自然ですよね。

一番あやしいと思うのは、あたまから伴奏なしでいきなり始まるアストラッド・ジルベルトのヴォーカル。数ヵ月後のカーネギーホールでのライヴ盤”GETZ/GILBERTO #2”と比べると、妙にリラックスしていて、彼女なりの魅力をしっかり発揮できています。

そういえばウディ・アレン監督・主演の映画で、TVのホームドラマを作っている友人がドラマにニセの笑い声を足すのを見て、ウディ扮する主人公が反発するシーンがありました。友人は、この方がウケて視聴率が上がるんだからいいじゃないか、というようなことを言います。
アストラッド・ジルベルトは英語で歌ってアメリカで成功し続け、かたくなにポルトガル語と自分の音楽にこだわるジョアン・ジルベルトは彼女と65年に離婚し、不遇期、ミウシャとの再婚、メキシコ移住などを経てようやくブラジルに戻ります。
こだわりなく何でもやってしまう方が資本主義ではうまくやっていけるということでしょうか?

アストラッドの「素人から偶然歌手になったラッキーガール伝説」も作り事というのが真相らしいですし…このアルバムも、ライブ風に見せかけるための効果音を足しているんだとしたら、あざといというか….。
まぁそういう怪しさはさておき、ケニー・バレル、チェック・イスラエル、ほぼ無名だった頃のゲーリー・バートンなども参加していて、演奏自体はいい感じです。


1964, Verve
THE STAN GETZ QUARTET FEATURING ASTRUD GILBERTO
Stan Getz(ts), Gary Burton(vb), Astrud Gilberto(vo/1,2,3,5,7,8),Kenny Burrell (g/1,2,3,7),
Gene Cherico(b/1,2,3,5,6,7,10), Chuck Israels(b/4,8,9),
Helcio Milito(ds/1,2,3,7), Joe Hunt(ds/4,5,6,8,9,10)

1.Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars) コルコヴァード
2.It Might as Well Be Spring 春の如く
3.Eu E Voce (Me and You) エウ・エ・ヴォセ
4.Summertime サマータイム
5.Only Trust Your Heart
オンリー・トラスト・ユア・ハート
6.Singing Song ザ・シンギング・ソング
7.Telephone Song ザ・テレフォン・ソング
8.One Note Samba ワン・ノート・サンバ
9.Here's That Rainy Day 雨の日に
10.6-Nix-Pix-Flix シックス・ニックス・ピックス・クリックス

VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , WANDA SA

ヴァガメンチ / ワンダ・サー (ヴァンダ・サー/ワンダ・ヂ・サー)

快適デビューアルバム・・・ ★5

TV出演をきっかけにデビューしたイパネマ出身のワンダ・サーのファーストアルバム。プロデューサーはRoberto Menescal ロベルト・メネスカル
セルジオ・メンデスは、このアルバムを聴いて彼女を気に入り「ブラジル'65」に加えたそうですね。
ビブラートをかけない素朴な歌い方と、二十歳そこらとは思えないハスキーな声。ボサノヴァならではの脱力感と物憂げさもたまりません。彼女に影響を受けたと語るアーティストが多いのも分かる気がします。
小野リサも、尊敬するアーティストとしてワンダ・サーの名前を挙げていました。彼女のアルバム〔Pretty World〕(2000年)を聞くと確かにワンダ・サーを思い出すんですが、他ではどちらかというとナラ・レオンに近い気もします。ワンダ・サーの方が共感できるのでしょうか。


1964
WANDA SA ( WANDA DE SAH )

◆"VAGAMENTE ヴァガメンチ - WANDA SA ワンダ・サー"の全文を見る »

BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , ノスタルジック♪ , ROBERTO MENESCAL

ボサ・セッション/シルビア・テレス, ルシオ・アルビス, ロベルト・メネスカル

Bossa Session

ジャズ的要素を取り入れつつも、懐かしさを感じさせるボサノヴァアルバム ★5

スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズを筆頭にアメリカでボサノヴァが流行していたた1964年頃の作品。
ボサノヴァ最盛期の懐かしさと同時に、[4][6][10]等の楽器演奏や[1][7]のスキャット混じりのヴォーカルにジャズテイストを感じます。
曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンから、若い世代のエドゥ・ロボ、デオダート、そして本作に参加しているロベルト・メネスカルまで、様々な世代のものを取り上げています。
SYLVIA TELLESとLUCIO ALVESのヴォーカル掛け合いと、ダバダバディバダのスキャットが楽しい[1]に始まり、ジョビン-モラエスの名曲[2]Ela E CariocaをLUCIOがけだるげに歌い、同じくジョビンの[3]Vivo SonhandoをSYLVIAがさらりと歌った後、メネスカル作の[4]をインストゥルメンタルで演奏。
続いてマルコス・ヴァーリ作の[5]をLUCIOがあたたかい声で歌い、再び清涼感ある楽器演奏[6]をはさんで、[7]の遊び心ある楽しいデュオにつなぐ…。
選曲、ヴォーカル、楽器演奏もさることながら、波打つようなこの温・冷の流れがまた快適。ジョビンの若かりし日のアルバム「カイミ・ヴィジタ・トム」等に通じるような、ほんわりやさしい感じもたまりません。
カフェでも飲んでくつろぎながらリピートで聴きたいくらい心地良いアルバムです。


1964

SYLVIA TELLES, LUCIO ALVES, ROBERTO MENESCAL
シルビア・テリス(テレス), ルーシオ(ルシオ)・アルヴェス, ロベルト(ホベルト)・メネスカル, セウ・コンジュント他

◆"BOSSA SESSION - SYLVIA TELLES,LUCIO ALVES,ROBERTO MENESCAL"の全文を見る »

QUARTETO EM CY クアルテート・エン・シー

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , ヴォーカル-グループ , 1960-1964 , jazzy♪ , QUARTETO EM CY

クアルテート・エン・シー /  クアルテート・エン・シー

極上ファーストアルバム・・・ ★5

女性4人コーラス・グループ、クアルテート・エン・シーの1作目。
[3],[6],[7],[11]はルイス・カルロス・ヴィーニャス(p)、オターヴィオ(b)、ロナルド(ds)の3人からなる名ジャズ・ボサ・トリオ、ボサ・トレスがバックを務めていてcoolなジャズテイスト。タンバ・トリオが好きな方にも聴いてみていただきたいです。
[1],[2],[4],[5],[8],[9],[10]のアレンジとピアノはエウミール・デオダートが担当。ラウリジーニョ(トロンボーン)、パウロ・モウラ(as)も参加しています。

曲は、[1],[6]がEduardo Loboエドゥ・ロボ/Ruy Guerra共作。[3]がバーデン・パウエル/ヴィニシウス・ヂ・モライス共作。[7]はカルロス・リラ/ジェラルド・ヴァンドレ共作(アストラッドのヒット曲としても有名)。[8]がA.C.ジョビン/ヴィニシウス共作。ゼー・ケチとエルトン・メデイロスのサンバ曲[11]は、ボサノヴァ風にアレンジされていて快適です。

このグループは「クアルテート・エン・シー」というタイトルのアルバムを数枚出していてややこしいんですが、このファーストアルバムは1964年録音。軍事政権樹立の年で、ブラジルではボサノヴァが下火になっていた頃です。
クアルテート・エン・シーはデビュー時から長年経ても美しい声のコーラスを維持していますが、音楽には時代の流行が反映されていて、ポップっぽいアルバムもあります。ブラジルでのボサノヴァブーム終焉の頃のこのデビュー作が一番ボサノヴァ色が濃いかもしれません。


1964年8月22日、9月2,3日録音
QUARTETO EM CY + BOSSA TRES, Eumir Deodato...
1. REZA 
2. ENQUANTO A TRISTEZA NAO VEM
3. BERIMBAU 
4. O TREM 
5. BARRAVENTO
6. RESOLUCAO  7. ARUANDA 
8. CAMINHO DE PEDRA 
9. NANA 
10. VIDA RUIM 
11. MASCARADA
1.祈り
2.悲しみが来ない間に
3.ビリンバウ
4.列車
5.突風
6.決意
7.アルアンダ
8.険しい道
9.ナナン
10.味気ない人生
11.マスカレード

イパネマの娘 - クラウデッチ・ソアーレス

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , 1960-1964 , CLAUDETTE SOARES

E DONA DA BOSSA / CLAUDETTE SOARES

後半+モノクロジャケットだけでいい気もするデビューアルバム ★3.5

画像右のクラウデッチ・ソアーレスのモノクロ写真にほれてジャケ買いし、CDケースを開けてびっくり、表ジャケットとは似ても似つかぬ不気味な写真が現れました。
左の方がオリジナルのようですが、この表紙ならジャケ買いしなかったことでしょう。私が買った日本盤は、表が物憂い白黒写真だったのです。
中身(音楽)もこれに対応するかのように、6-7曲目の間で分かれます。
6曲目までは華麗なハープやストリングスが舞うオーケストラが目立ち、昔のハリウッド映画音楽のような感じがします。これはこれでいいのかもしれませんが、個人的には前半部も後半部と同じ構成ならよかったのになぁと思ってしまいます。せっかくいい曲をとりあげてるのに。
というわけで、私にとっては前半6曲は左のオリジナルジャケットに相応します。食指がのびないというか…。
後半はピアノ、ギター、ベース、ドラムスという構成でジャズ的な香りもします。クラウデッチのヴォーカルがチャーミングに感じられるし、私は断然こちらの方が好きです。
[9]愛の分割払い(Theo作)、[12]よりを戻したい人への忠告(Silvio Cesar作)って、歌詞が読んでみたくなるタイトルじゃありませんか?
このアルバムがもし7曲目以降+白黒ジャケットだけだったら、もっと気に入っていたかもしれません。

それはそうと、クラウデッチは、エリス・レジーナほど変幻自在でないにしろ思い通りに情緒たっぷりに歌いますし、声もあまり若々しくないので、ファーストアルバムとはいえ堂に入った感じがします。微笑みながら、歌詞をじっくり味わうように感情をこめて歌っているところが目に浮かぶ、味のあるヴォーカルです。
[7]イパネマの娘や[10]ビーチ・サンバは、アストラッド・ジルベルトの歌唱で有名ですね。ボサノヴァならではのヘタウマ寸前ささやき系シンガーの代表アストラッドと、しっとり歌うクラウデッチ。聞き比べてみては?


1964 クラウデッチ・ソアーレス、エルロン・シャヴェス(オーケストラ)、セザル・カマルゴ・マリアーノ(p)、テオ・バロース(g)、サバー(b)、アミルトン・ピトーリ(d)

◆"イパネマの娘 - クラウデッチ・ソアーレス"の全文を見る »

CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , おすすめ盤 , 1960-1964 , ANTONIO CARLOS JOBIM (TOM) , CAYMMI(DORIVAL,NANA)

カイミ・ヴィジタ・トム / ドリヴァル・カイミ&アントニオ・カルロス・ジョビン

DORIVAL CAYMMI & ANTONIO CARLOS JOBIM

物憂い夕暮れ ★5

ドリヴァル・カイミアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)という世代の違う二人の1964年の初共演作。タイトル通り、カイミ一家がトムの家にふらっと立ち寄って何気なく演奏したかのようなくつろいだ雰囲気、物憂げな演奏、情緒ある歌。サウダージをしみじみ感じられる、夕暮時にぴったりなアルバムです。

のちにMPBで活躍するカイミの子供達(ナナ、ドリ、ダニーロ)だけでなく、奥さんのステラも珍しく歌っています。それがまた「家族でトムの家に寄った」雰囲気を強めています(9.Cancao Da Noiva)。ステラの声は娘ナナと共通点があり、母性的で切ない感じのヴォーカルです。
トムが歌っているのは2曲だけですが、彼のピアノとドリのヴィオラォン、ダニーロのフルートによるインストゥルメンタルの Berimbau も聴きごたえがあります。
唯一のトムとドリヴァルのデュエット曲5.Saudades Da Bahiaは、ハーモニーがぴったりはまりすぎていなくて、ゆる~い感じ。ボサノヴァ的で最高です。

ナナはこのアルバムがデビュー作らしいですが、声は瑞々しいながらも歌いっぷりはすっかり堂に入っています。Tristeza De Nos Doisでは情緒たっぷりにのびのびと、8.Sem Voceではしっとりと歌っています。3.Inutil Paisagemでの浮世離れしたヴォーカルには、すごみすら感じます。空中をまっすぐ突き進むような声で「空はなぜこんなに広いの、海はなぜこんなに大きいの」と歌うのを聴くと、壮大な風景が目の前にざーっと広がります。
大きなサングラスを見るとミッシェル・ポルナレフの”Tout tout pour ma cherie...”が鳴り響く私の脳では、広大な風景を見るとこの曲が自動再生されます。

「バラよりうつくしいものはない」とドリヴァル・カイミが歌うDas Rosasは、バラ(とそれに象徴されるもの)にほのかな憧れを抱くブラジル人青年を描いています。が、同じ曲をボサノヴァ好きフランス人ピエール・バルーがフランス語歌詞で歌うと("Des Roses" デ・ローズ)、バラと女性を愛するドンファンの世界。このバルーのフレンチバージョンと聴き比べると、カイミのオリジナルの曖昧さ、純朴さ、切なさが際立ちます。

スタン・ゲッツのジャズサンバ等でジャズボサになじんでいた私を、かれこれ15年以上前にブラジル音楽(ボサノヴァ)中毒にしたのは、このアルバムです。明るいサンバ系が好きな人は「メランコリックすぎる」、歌詞のひねりを求める人は「ボサの歌詞は物足りない」と感じるかもしれませんが、私にとっては思い入れのあるアルバムです。
大きなCD屋でもブラジル音楽売場が小さく、ネットショップどころかネット自体今ほど普及していなかった当時、CD探しは体力と勘と所持金勝負でした。所持金に限界のある学生時代の私が、もし同じカイミのCAYMMI EM FAMILIAや、ジョビンのインストアルバムを先に聴いていたら、ここまでブラジル音楽にはまることにはならなかったでしょう。


1964

◆"CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム"の全文を見る »

AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , ヴォーカル-グループ , 1960-1964 , jazzy♪ , cool♪ , TAMBA TRIO

マシュ・ケ・ナーダ[テンポ (1964)+アヴァンソ(1963) 2in1 CD]/ タンバ・トリオ



ジャケット裏(AVANCO)

Cooool! ★4.5

ルイス・エサ(ピアノ/編曲)、 ベベート(ベース/サックス/フルート/ソロヴォーカル)、エルシオ・ミリート(パーカッション)の3人からなるタンバ・トリオ。
CD「マシュ・ケ・ナーダ」は、2作目AVANCOと、3作目のTEMPOが1枚になっていて、TEMPOの横顔写真の黒いジャケットが表、AVANCOの座りこんだ3人の白いジャケットが裏に使われています。
10代の頃ウイーンに音楽留学した後、ガーシュイン等の曲をオーケストラと演奏していたというルイス・エサの独特のアレンジ、ジャズ的な演奏、ひねりのきいたコーラス。[3]の、チェット・ベイカーを思わせるようなベベートの甘いソロヴォーカル。聴けば聴くほどcoolです。

余談ですが映画「Next Stop Wonderland ワンダーランド駅で」(1998)で、[14]マシュ・ケ・ナーダが使われていました。
水族館や海のシーンが多い映画で、(一応BGMとして) 始終ボサノヴァが流れるんですが、バックグラウンドというより音楽が前面に押し出されている感じでした。案の定というか、充実したサントラが出ています。
運命の人との出会いというテーマ、男女がすれ違いを繰り返し最後に出会うストーリー、ハリウッド恋愛映画らしからぬ余韻を残すエンディング、音楽のインパクトの大きさ…という点では、アメリカ版「ロシュフォールの恋人たち」というところでしょうか。


LUIZ ECA, ADALBERTO CASTILHO (BEBETO), HELCIO MILITO

◆"AVANCO+TEMPO - TAMBA TRIO タンバ・トリオ"の全文を見る »

NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン

Catégories : おすすめ盤 , 少しブラジル風味入り , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , 夜に♪ , ジャズ:その他 , GERRY MULLIGAN

NIGHT LIGHTS - GERRY MULLIGAN

ジャケットとタイトルのイメージどおり・・・ ★5

潤んだような街の光が水面に揺らめくところが思い浮かぶようなジャケットとタイトル。豪華客船から街を眺めつつシャンパーニュとシーフードに舌鼓…なんてシーンを想像しつつ、ビールと冷奴で納涼するのに最適なアルバムです。

白熱したセッションが好きな人は、プレイヤーが遠慮気味で燃焼しきっていなくてつまらないと感じるかもしれません。アート・ファーマーなど特に控えめな気がします。
このアルバムにはそういう熱さがなく、心地良い涼気が漂っていて、全員が美しい夜の景色を思い描きながら夢見心地で演奏しているような感じすらします。

普段はピアノ無しの演奏を好むジェリー・マリガンが、[1]の「ナイト・ライツ」では自らピアノを弾いています。水晶を連想させる繊細な音です。
そして普通ならバリバリッという音になりがちなバリトンサックスを相変わらず優雅に吹きこなしています。チェット・ベイカーとの気合の入ったセッションなどとはまた違う、リラックスした感じが味わえます。
ジェリー・マリガンが映画『真夏の夜のジャズ』に出てくるのを見ましたが、外見もcoolですね。
いつもにまして水の中をゆらゆら漂っているようなジム・ホールのギターも快適です。

曲は、ジェリー・マリガンのオリジナルの他、ブラジル音楽やクラシック曲も入れています。
[2]は映画『黒いオルフェ』の中で、主人公がこの曲をギターを弾きながら歌うにつれて朝日が昇っていくシーンで使われている、ルイス・ボンファの有名曲。[3]はフランク・シナトラの十八番ですが、アン・バートンのヴァージョンも味があって割と好きです。[4]はショパンの切ないピアノ曲、プレリュード第4番。

ソファやベッドにゆったり横たわってこのアルバムを聴くと、疲れも何もフウっと抜け出ていく気がしますよ。


1963, MERCURY
Gerry Mulligan (bs,p,cl), Art Farmer (tp/flh), Bob Brookmeyer (btb), Jim Hall (g), Bill Crowe (b), Dave Bailey(tb), Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds)...

◆"NIGHT LIGHTS ナイト・ライツ / GERRY MULLIGAN ジェリー・マリガン"の全文を見る »

ゲッツ/アルメイダ STAN GETZ WITH GUEST ARTIST LAURINDO ALMEIDA

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , LAURINDO ALMEIDA , STAN GETZ

ゲッツ/アルメイダ - スタン・ゲッツ&ローリンド・アルメイダ

ギターが心地良い ★3.5

ブラジル出身のギタリスト、ローリンド・アルメイダとスタン・ゲッツの共演盤。
「ジャズ・サンバ・アンコール」の数週間後、「ゲッツ/ジルベルト」の数日後の1963年3月21日、Webster Hallでの録音。このアルバムがその2枚に比べて不思議なほどマイナーだった一昔前、フランスで初めてCDを見て買いました。最近は日本でも売っています。

スタン・ゲッツと「ジャズ・サンバ」で共演しているギタリストのチャーリー・バードと同じく、ローリンド・アルメイダもフランスでジャンゴ・ラインハルトの影響を受けてジャズに目覚め、その後クラシック等の分野に進んだんだそうです。
ジャンゴ・ラインハルトと聞くと、リズミカルなジプシー・スウィング・ギターが思い浮かびます。彼がジャズバイオリニストのステファン(ステファヌ)・グラッペリと結成したフランス・ホット・クラブ5重奏団の音楽は洒脱です。
伝説のギタリストといわれていますが、そういえばウディ・アレンの映画「ギター弾きの恋」でも、自尊心の高い主人公が唯一崇拝するのがジャンゴ・ラインハルトという設定になっていましたね。


1963.03.21
Stan Getz(ts); Laurindo Almeida(g); George Duvivier(b);  Edison Machado, Joe Soorez, Dave Bailey(d); Luiz Parga, Jose Paulo(Latin rhythm)

◆"ゲッツ/アルメイダ STAN GETZ WITH GUEST ARTIST LAURINDO ALMEIDA"の全文を見る »

GETZ/GILBERTO - スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , ANTONIO CARLOS JOBIM (TOM) , ASTRUD GILBERTO , JOAO GILBERTO , STAN GETZ

ゲッツ/ジルベルト - スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト

スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズに、ジルベルト夫妻とジョビンが参加 ★4.5

テナーサックス奏者スタン・ゲッツが、ボサノヴァの第一人者といわれるメンバー(アントニオ・カルロス(トム)・ジョビンジョアン・ジルベルトと、その妻アストラッド・ジルベルト)を迎えて1963年3月に録音した有名盤。レーベルはジャズの名門Verveで、ジャズ売場にあるブラジルものの中で最も知名度が高いアルバムでしょう。
ルイス・ボンファらとの"Jazz samba encore!"にひき続き、ジャズとブラジル音楽がいい具合に融合したジャズボサアルバムです。
ベースはトミー・ウィリアムスミルトン・バナナのドラムもいい味を出しています。

このアルバムのリリースで、(一時下がり気味だった)ボサノヴァ熱がアメリカ他各国で再燃したといわれています。
さらに、アストラッドが英語ヴォーカルで歌う1曲目の「イパネマの娘」(ジョビン作曲)がシングルカットされ、ミリオンセラーヒットを記録したという派手なおまけつき。これを機にアストラッドはアメリカで人気歌手になります。
彼女が歌うことになったいきさつについては、シンデレラガール風の逸話がいろいろありますが、宣伝のためにねつ造されたものが多いようです。アストラッド・ジルベルトのデビュー逸話

アストラッド・ジルベルトの歌を聴くと、Desafinado ヂサフィナード(=調子外れ)の「歌のうまい下手は重要じゃない」というフレーズが思いうかびます。美声で声量のある歌手が感情をこめて歌い上げるのがいいという従来の音楽の決まりごとにとらわれないボサ・ノヴァの特性を象徴するかのような歌詞の曲です。
アストラッドは、周りの歌手に習ったり真似たりしながら何となく歌ったら偶然「ヂサフィナード」の体現者になったというか...ヘタウマ系の素人っぽさが、舌足らずの英語とヴィジュアルと声の可愛さとあいまって「これぞボサノヴァの新鮮さだ」と受けたんじゃないかな?と思ったりします。「ヂサフィナード」な歌い方

このアルバムのくつろいだ演奏からはまるで想像もつきませんが、制作時はかなり険悪な雰囲気だったようですね。
スタン・ゲッツのサックスが前に出すぎでボサっぽくない、ボサノヴァの歌はポルトガル語じゃなきゃだめだ、アストラッドに歌わせるな、などと怒るジョアン・ジルベルトと、負けずに主張の強いゲッツが衝突。
ジョビンが通訳で何とか橋渡し役を担ったといわれています。(そんな苦労をしたジョビンはゲスト扱いですが。)
英語ヴォーカルに抵抗がなくアメリカにも進出したジョビンに比べ、ジョアン・ジルベルトは職人のようなこだわりを持った根っからのブラジル人アーティストという感じがします。
実際の話を聞くとちょっと複雑な気分になりますが、アルバムは緊張感とリラックス感のバランスが絶妙で快適です。


1963.03.18-19, Verve
STAN GETZ & JOAO GILBERTO - feat.ANTONIO CARLOS JOBIM, ASTRUD GILBERTO

1. Garota de Ipanema (The Girl From Ipanema) イパネマの娘
2. Doralice ドラリセ
3. P'ra Machucar Meu Coracao プラ・マシュカー・メウ・コラソン
4. Desafinado デサフィナード
5. Corcovado コルコヴァード
6. So Danco Samba ソ・ダンソ・サンバ
7. O Grande Amor オ・グランジ・アモール
8. Vivo Sonhando ヴィヴォ・ソニャンド

JAZZ SAMBA ENCORE! -STAN GETZ スタン・ゲッツ&LUIZ BONFA ルイス・ボンファ

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , STAN GETZ

ジャズ・サンバ・アンコール / スタン・ゲッツ&ルイス・ボンファ

清涼感あるジャズサンバ ★4.5

ジャズ・サンバ」の人気に応えて1963年2月に録音されたアルバムですが、メンバーも雰囲気もかなり違います。
ジャズ色が圧倒的に濃厚だった「ジャズ・サンバ」に比べて、この「ジャズ・サンバ・アンコール」はブラジル色が濃くなり、うまくバランスがとれています。
次の「ゲッツ/ジルベルト」にも参加しているアントニオ・カルロス・ジョビン(トム)が、3曲目の「ハウ・インセンシティヴ」(邦題「お馬鹿さん」って変に可愛い)に参加しているのもちょっぴり嬉しいところ。
そのトム・ジョビンと一緒に映画『黒いオルフェ』(1957)の音楽を担当したルイス・ボンファがギターで参加し、ゲストヴォーカリストのマリア・トレードの歌が何ともいえない清涼感を添えています。
夏の夕方、のんびり聴きたくなるアルバムです。
スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズのジャケットにはOlga Albizuの絵が使われていますが、中でもこのブルーの絵は、音楽と同じくらい気に入っています。


1963.02.08/ Verve

STAN GETZ&LUIZ BONFA

  • 1-4, 9:
    Stan Getz(ts); Luiz Bonfa(g); A.C.Jobim(g, p.on3); George Duvivier, Tommy Williams(b); Paulo Ferreira, Jose Carlos(d); Maria Toledo(vo)
  • 5-7, 11:
    Stan Getz(ts); Luiz Bonfa(g); Don Payne(b); Paulo Ferreira(d); Maria Toledo(vo)
  • 8, 10:
    Stan Getz(ts); Luiz Bonfa(g); Don Payne(b); Dave Bailey, Paulo Ferreira(d); Maria Toledo(vo)

◆"JAZZ SAMBA ENCORE! -STAN GETZ スタン・ゲッツ&LUIZ BONFA ルイス・ボンファ"の全文を見る »

LIVE AT BASIN STREET EAST -LHB

Catégories : ヴォーカル-グループ , 1960-1964 , ジャズ:ヴォーカル , LAMBERT HENDRICKS & ROSS / BAVAN

ライブ・アット・ベイズン・ストリート・イースト / ランバート、ヘンドリックス&バヴァン

ボサノヴァも入って、いつもよりのんびり ★4

LAMBERT, HENDRICKS&BAVAN (LHB)がニューヨークのクラブで1962年9月に行ったライブの録音。
LHBは、LAMBERT,HENDRICKS & ROSS (LHR)の紅一点ヴォーカリストANNIE ROSSが1962年に脱退した後、代わりにセイロン出身のロンドンっ子YOLANDE BAVANを加えたユニットですが、今ひとつLHRの陰に隠れてしまっている気がします。

LHRでもLHBでも、基本は楽器によるジャズの名演に歌詞をつけてヴォーカルで再現する「ヴォーカリーズ」。
イギリス人のアニー・ロスは、頭と舌の回転が速くて遊び心があるキュートな女の子を思わせる歌手で、容姿も魅力的。まさに LHRの紅一点の華といった感じでした。
そんなアニーの後を継いだヨランド・バヴァンは、当然アニーと比較されたはず。自由自在に歌いまくるアニーのフル回転な歌唱を期待して聴いた観客は、物足りなさを感じたかもしれません。
007のジェームズ・ボンドがショーン・コネリーからジョージ・レイゼンビーに代わった時の当時の観客の反応を考えても、「やっぱり寅さんは渥美清でなくちゃ!」というのが一般的見解でしょうから。後継者は初めから、元メンバー以上の個性や実力を見せつけないと認めてもらえないというハンディを負っているわけです。
LHRのアルバムから聴き始めた私も、途中からアニーがいなくなるのを寂しく感じました。

ですが、先入観なしにLHBのアルバムを聴いていくと、絶妙のスイング感とユーモアが魅力のランバート、ヘンドリックスに、漫才でいうボケ的な女性ヴォーカルが加わった感じで、新鮮なんじゃないかと思えてきました。
ヨランドはたまに「壊れちゃったのか?」という時もあるほど、とぼけたような持ち味があって、結構面白いんです。

そう考えると、このアルバムでボサノヴァの名曲”DESAFINADO”が取り上げられているのも意味があるように思えてきます。ヂサフィナードは「調子はずれ」というような意味で、歌はうまいへたじゃなく心だ、というボサノヴァの特性を象徴したような歌詞の曲です。
アニーのように切れ味が良くスマートなわけじゃないけど、ヨランダには独特の面白みがあるでしょう?というメッセージがこもっているのかも…というのは考えすぎでしょうか。

このアルバムではボサノヴァのスタンダード曲をもう1曲取り上げていますが、曲の前にわざわざ
ボサノヴァとはブラジル語で"New thing"という意味で、「ワン・ノート・サンバ」はアントニオ・カルロス・ジョビンが「黒いオルフェ」(映画)のために作った曲です、と説明しています。
このライヴアルバムは、1962年2月録音のスタン・ゲッツのジャズ・サンバ・シリーズ第1作目がヒットした7ヶ月後のものですから、ちょうどブラジル音楽がアメリカで流行しつつある時期だったんでしょうね。

この3人のライブ盤"Havin' a Ball at the Village Gate(Live)"は遊び心全開です。他の2人に負けず、ヨランドもリタ・ミツコのようなきわどい裏声や、男の子のような声で歌ったりしていてファニーです。


1962
DAVE LAMBERT, JON HENDRICKS, YOLANDE MARI WOLFFE BAVAN

1.This Could Be the Start of Something Big
2.Shiny Stockings
3.Slightly Out of Tune (Desafinado)
4.Doodlin'
5.Cousin Mary
6.April in Paris
7.Feed Me
8.One Note Samba
9.Melba's Blues
10.This Here
11.Swingin' Till the Girls Come Home

BIG BAND BOSSA NOVA 黒いオルフェ - スタン・ゲッツ&ゲイリー・マクファーランド

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , STAN GETZ

黒いオルフェ / STAN GETZ スタン・ゲッツ&ゲイリー・マクファーランド GARY McFARLAND(オーケストラ)

ジャズ・サンバ、ビッグバンド編 ★3

1962年8月ニューヨークで録音。前作「ジャズ・サンバ」をヒットさせたスタン・ゲッツが、ゲイリー・マクファーランドの編曲・指揮によるオーケストラをバックに気持ちよさそうにテナーサックスを吹いています。
曲はブラジルの有名曲が中心で、前作JAZZ SAMBAの延長上といった感じです。
邦題は、[1]カーニヴァルの朝(LUIZ BONFA作曲。映画「黒いオルフェ」(1957)の名曲)からつけたのでしょう。


1962, Verve
STAN GETZ, arranged and conducted by GARY McFARLAND

1.Manha de Carnaval (Morning of Carnival) カーニヴァルの朝
2.Balanco No Samba (Street Dance) ストリート・ダンス
3.Melancolico (Melancholy) メランコリー
4.Entre Amigos (Sympathy Between Friends) シンパシー・ビトウィーン・フレンズ
5.Chega de Saudade (Too Much Longing) チェガ・ヂ・サウダーヂ(ノー・モア・ブルース)
6.Noite Triste (Night Sadness) 夜の悲しみ
7.Samba de Uma Nota So (One Note Samba) ワン・ノート・サンバ
8.Bim Bom ビン・ボン

JAZZ SAMBA ジャズサンバ - スタン・ゲッツ&チャーリー・バード

Catégories : ジャズ+ブラジル音楽 , 1960-1964 , ジャズ:その他 , STAN GETZ

ジャズサンバ / Stan Getz スタン・ゲッツ&Charlie Byrd チャーリー・バード

amazon

スタン・ゲッツのジャズサンバアルバム1作目★3

スタン・ゲッツとチャーリー・バードが1962年2月に録音し、アメリカをはじめ世界各地にジャズサンバ(ジャズボサ)ブームを巻き起こしたヒット作。
ボサノヴァのメジャー曲をやっていますが、ジャズ色が濃く、ボサノヴァを聴いていなかった当時のアメリカ人にとっても馴染みやすかったんじゃないでしょうか。
スタン・ゲッツはジャズテナーサックス奏者ですし、彼のジャズサンバのシリーズはだいたいジャズ名門レーベルVERVEから出ていますから、ブラジルの曲をやっていてもやっぱりジャズ。中でもこの「ジャズサンバ」は後の数枚に比べてブラジル度が低く、「ジャズ>サンバ」です。

チャーリー・バードは、フランスにいた時にジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトと一緒に演奏し、その後クラシックギターを学んでジャズに応用させ、さらにブラジルツアーでゲッツにボサノヴァを紹介したんだそうですが、このアルバムでの彼のギターはボサらしくありません。それはそれでいいんですが。
イージーリスニングっぽいものが嫌いでボサノヴァが好きな人は、これよりも、後の”JAZZ SAMBA ENCORE!”等の方が気に入ると思います。


1962, Verve
Stan Getz(ts)and Charlie Byrd(g) with Gene Byrd(g, b), Keter Betts(b), Buddy Deppenschmidt, Bill Reichenbach(d)

◆"JAZZ SAMBA ジャズサンバ - スタン・ゲッツ&チャーリー・バード"の全文を見る »

BOSSA NOVA ボサノヴァ カルロス・リラ

Catégories : ブラジル:ボサノヴァ,MPB等 , 1960-1964 , くつろぎ・リラックス♪ , CARLOS LYRA

BOSSA NOVA + CARLOS LYRA (2in1CD) / CARLOS LYRA

あたたかくやさしく、そして長い ★4

1作目”Bossa Nova”、2作目”Carlos Lyra”を1枚に収めた1998年発売のCD。
カルロス・リラが、ロベルト・メネスカルと一緒にギター教室をやっていて、私の愛するナラ・レオンのマンションに集っていたアーティストの一人だったことは知ってたのですが、後のブラジリアンポップミュージックのイメージが強かったので、自分の好みに合わなそうだなと敬遠していました。
が、ある日「世界初CD化」の帯がついたこのCDを見つけました。ジョアンの「海の奇蹟」が6曲入りなのを考えると26曲入りでこの低価格はお得だし、ジャケットも悪くないし、とりあえず試してみようと購入することに。そして期待しないで聴いてみると、これが予想以上に好みでした。買ってよかった~♪
カルロス・リラのあたたかみのある優しいヴォーカルとギターに、管楽器、弦楽器、打楽器を加えたアコースティックなアルバムで、ボサノヴァが栄えていた頃のブラジルや古い映画を思わせる懐かさを感じます。
サウダージ(哀愁)度はそれほど高くなく、割と明るく平穏な感じがして、よく晴れた休日のランチに合いそうです。


1960 (ファーストアルバム BOSSA NOVA),
1961 (セカンドアルバムCARLOS LYRA)

1. Chora Tua Tristeza
2. Ciume
3. Barquinho de Papel
4. Rapez de Bem
5. So Mesmo Por Amor
6. Gosto de Voce
7. Quando Chegares
8. Maria Ninguem
9. Cancao do Olhar Amado
10. O Bem Do Amor
11. Menina
12. Sem Saudade de Voce
13. Tem Do de Mim
14. So Amor
15. De Quem Ama
16. Aonde Andou Voce
17. Vem do Amor
18. Nada Como Ter Amor
19. So Nao Vem Voce
20. Coisa Mais Linda
21. Primeira Namorada
22. Com Voce E Pior
23. Nos Dois
24. Caminho do Adeus
25. Voce E Eu
26. Mister Golden
1. おまえの悲しみが泣く
2. 嫉妬
3. 紙の小舟
4. 心優しき青年
5. ソ・メズモ・ポル・アモール/愛のためならば
6. ゴスト・ヂ・ヴォセ/君が好き
7. クワンド・シェガーレス/戻ってきたなら
8. マリア・ニンゲン
9. カンサォン・ド・オリャール・アマード/優しいまなざしの歌
10. オ・ベン・ド・アモール/愛の良心
11. メニーナ/少女
12. 君を忘れて
13. テン・ドー・ヂ・ミン/僕を哀れに思ってくれ
14. ソ・アモール/愛だけが
15. ヂ・ケン・アーマ/愛する者
16. アオンヂ・アンドウ・ヴォセ/どこへ行っていたの
17. ヴェン・ド・アモール/愛からくるもの
18. ナーダ・コモ・テール・アモール/愛にかなうものはない
19. ソー・ナォン・ヴェン・ヴォセ/君は来ない
20. コイザ・マイス・リンダ/もっとも美しいもの
21. はじめての恋人
22. コン・ヴォセ・エ・ピオール/君とじゃきっとうまくいかない
23. ノス・ドイス/僕らふたり
24. カミーニョ・ド・アデウス/別離への道
25. あなたと私
26. ミスター・ゴールデン

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ファースト+セカンドアルバム)

Catégories : おすすめ盤 , ヴォーカル-グループ , 1955-1959 , 1960-1964 , フランス(語圏):フレンチボサ、ポップ等 , 粋♪ , ジャズ:ヴォーカル , CHRISTIANE LEGRAND , (LES) DOUBLE SIX

LES DOUBLE SIX / レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)

les double six

ブルー・スターズよりジャズ色が濃くなったフレンチ・コーラス・ユニット ★5

LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ダブル・シックス・オブ・パリ)は、(LES) BLUE STARS ブルー・スターズで書いたように、その後身といえるフランスのジャズ・コーラス・ユニットです。
上のディスクは、1959年~1962年録音のファースト、セカンド・アルバムを収めた2in1 CDです。

Michel Legrand ミッシェル・ルグランの姉、クリスチャンヌ・ルグランは、ブロッサム・ディアリーと共にブルー・スターズに参加した後、Swingle Sisters スィングル・シスターズで活躍し、その後、歌詞なしのジャズ・コーラス・ユニットQUIRE クワイアでアルバムを1枚出したりもしています。さすらってますね。(ジャケット右から2番目。)

トラック[1]~[8]&[20](59年後半~60年前半)が1作目で、[9]~[19]が2作目でしょうか。
前半は、Quincy Jones クインシー・ジョーンズカウント・ベイシーのオーケストラのレコーディングを元にしたヴォーカリーズで、ミミ・ペランがフランス語歌詞を書き、クインシー・ジョーンズがアレンジ等で貢献しています。
後半はShelly Manne シェリー・マン、John Coltrane ジョン・コルトレーン、Gerry Mulligan ジェリー・マリガン、Jay Jay Johnson J.J.ジョンソン、Charlie Parker チャーリー・パーカー、Miles Davis マイルス・デイヴィス等の有名ジャズプレイヤーの演奏を下敷きにして、これまたミミ・ペランが書いた歌詞をのせて歌っています。
楽器によるジャズ名演を歌詞つきヴォーカルで再現するvocalese ヴォーカリーズをやっているので、ヴォーカリーズを取り入れたモダンジャズコーラスグループの元祖的存在ランバート、ヘンドリックス&ロス (LHR)を思い出すところもありますが、
ドゥブル・シスにはLHRのジェットコースターのようなスピード感は感じません。
フランス語自体、母音が一定の太さ強さで発音されるためか重くなりがちで、すべるような軽快さは出しにくい気がしますが、ドゥブル・シスにはまた別の粋な魅力があります。
よりジャズ色が濃いものの、感覚的には上に書いたブルー・スターズの方に近いかもしれません。

メンバーは曲によって違います。数え違いがなければ、ヴォーカル12人、ピアノ3人、ベース2人、ドラム3人、ギター2人、ボンゴ1人がクレジットされています。
12人編成のビッグバンドを再現するために、6人が2つずつパートを歌って多重録音したようで、それでユニット名も2×6の「double 6」なんでしょうね。ヴォーカリストが12人いるのに、6人に分けて倍に増やしたのは、日程の問題か音的なこだわりか、なぜでしょう。そのうち気が向いたら調べようかな。


1959 - 1962
・Mimi Perrin, Christiane Legrand, Ward Swingle, Jean-Claude Briodin, Jacques Denjean, Claude Germain, Claudine Barge, Eddy Louiss, Monique Aldebert, Louis Aldebert, Jean-Louis Conrozier, Roger Guerin (voc)
・Art Simons / Georges Arvanitas / Rene Urtreger (p)
・Michel Gaudry / Pierre Michelot (b)
・Daniel Humair / Christian Garros / Kenny Clarke (dms)
・Elek Bacsik / Paul Piguihem (g)
・Eddy Louiss (v on 10), Jean-Pierre Drouet (bongos on 14)

◆"LES DOUBLE SIX レ・ドゥブル・シス(ファースト+セカンドアルバム)"の全文を見る »

SEARCH:
Amazon.co.jp のロゴ


↑フランス音楽のCD・試聴の種類が豊富です。


COPYRIGHT AU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごとAU PETIT BONHEUR 音楽そぞろごと