ナラと素晴らしき仲間たち - ナラ・レオン

OS MEUS AMIGOS SAO UM BARATO / NARA LEAO

復帰作・・・ ★3

若い頃ナラの豪華アパートのサロンに集っていた仲間や、トロピカリズモ運動時代の仲間など、計11人が参加した1977年のアルバム。
ジルベルト・ジル、カエターノ・ヴェローゾ、エドゥ・ロボ、アントニオ・カルロス・ジョビン、カルロス・リラ、シコ・ブアルキ、ジョアン・ドナート、ロベルト・メネスカル他が参加しています。
子育てと勉学に専念した生活を終えて本格的に音楽に戻ってきたナラを皆で歓迎するかのような、にぎやかな雰囲気です。
「素晴らしき仲間たち」という邦題をつけたくなる気持ちが分かるくらい豪華な顔ぶれなんですが…MPB系のエレクトリックな音があまり好みじゃないので、ナラ・レオンを聞く時はこれを避けて他のものを選んでしまいます。


1977
Gilberto Gil、Caetano Veloso、Edu Lobo、Antonio Carlos Jobim (Tom)、Roberto 、Carlos Lyra

1. Sarara Miolo 
2. Odara 
3. Meu Ego 
4. Chegando De Mansinho 
5. Repente 
6. Nono 
7. Joao E Maria 
8. Amazonas 
9. Flash Back 
10. Cara Bonita 
11. Fotografia 
1.サララ・ミオーロ(wジルベルト・ジル)
2.オダーラ(wカエターノ・ヴェローゾ)
3.メウ・エゴ-私のエゴ(wエラスモ・カルロス)
4.シェガンド・ヂ・マンシーニョ-静かな到着
(wドミンギーニョス)
5.ヘペンチ(wエドゥ・ロボ)
6.ノノー(wネルソン・ルフィーノ)
7.ジョアンとマリア(wシコ・ブアルキ)
8.アマゾナス(wジョアン・ドナート)
9.フラッシュ・バック(wロベルト・メネスカル)
10.カーラ・ボニータ(wカルロス・リラ)
11.フォトグラフ(wトム・ジョビン)

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私の初恋 - ナラ・レオン

MEU PRIMEIRO AMOR - NARA LEAO

・・・ほっと一息・・・ ★4

亡命先のフランスからブラジルに帰国したナラ・レオンが育児や勉学に励んでいた頃のアルバム。子供の枕もとで歌っているのを想像させるような、優しくてアットホームな感じがただよっていて、ボサノヴァ名盤の前作「美しきボサノヴァのミューズ」と、大勢の仲間と共演したにぎやかな次作「ナラと素晴らしき仲間たち」の合間にひっそり咲く花、とでもいう感じ。地味かもしれないけど、いいアルバムです。
子供向けの歌、ブラジルの古い童謡をとりあげていて、子供のヴォーカルが入っている曲もあります。幸せな雰囲気と子供の声。小野リサに通じるものがあるかもしれません。

アレンジはルイス・クラウヂオ Luis Claudio(ギターも担当)と、アントニオ・アドルフォ Antonio Adolfo(ピアノも担当)。次作でデュエットしているDominguinhosがアコーディオンで参加している曲もあります。


1975

1. Atirei Um Pau No Gato
2. Marcha Dos Gafanhotos
3. Canta Maria
4. Sabia Laranjeira, Andorinha Preta
5. Menino de Bracan
6. Trevo de Quatro Folhas
7. Fiz a Cama Na Varanda/Prenda Minha
8. Colar de Estrelas
9. Casinha Pequenina
10. Cabecinha No Ombro
11. Upa! Upa, Meu Trolinho
12. Saudade Mata a Gente
13. Meu Primeiro Amor
1.猫に棒きれ
2.マルシャ・ドス・ガファニョットス
3.カンタ・マリア
4.サビアー・ラランジェイラ
5.ミニーノ・ジ・ブラサニャン
6.四葉のクローバー
7.バルコニーにベッドを
8.星の首飾り
9.小さな家
10.カペシーニャ・オンブロ
11.ウッパ! ウッパ!
12.ア・サウダーヂ・マタ・ア・ジェンチ
13.私の初恋

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ELIS&TOM エリス&トム(ばらに降る雨)

ばらに降る雨 / アントニオ・カルロス・ジョビン&エリス・レジーナ

エリス&トムの最高に素敵なボサノヴァアルバム ★5

ELIS REGINA エリス・レジーナと、ボサノヴァの第一人者ANTONIO CARLOS JOBIM アントニオ・カルロス・ジョビン(トム)が共演した名盤。ボサノバ最盛期から15年近く経った1974年にアメリカのロサンジェルスで録音されました。全曲ジョビン作で、エリスの可憐で優しい魅力が全開です。

トム・ジョビンは、カイミ一家との共演アルバム〔CAYMMI VISITA TOM カイミ・ヴィジタ・トム〕でも”Inutil Paisagem”と”So Tinha De Ser Com Voce”の2曲をやっています。
カイミとのアルバムには切なさと物憂さが漂っていますが、〔ELIS&TOM ばらに降る雨〕ヴァージョンは湿気が少なめ。物憂い曲でもエリスが歌うと明るさが出るのかもしれません。
この2曲に限らず全体的にこの〔ELIS&TOM〕は、サウダーヂな物憂い雰囲気と明るさのバランスがよく、誰でも聴きやすいアルバムだと思います。
録音時のジョビンとエリスは、互いに個性が強いせいか険悪な雰囲気だったそうですが、そんなことは微塵も感じさせない楽しげな幸せ感が漂っています。


Águas de Março

[1]三月の雨は、世界中の様々なジャンルのアーティストに演奏され続けている有名曲ですが、私はこのアルバムのデュエットが一番好きです。会話するかのようなかけあいが絶妙で、その途中にふざけるように笑いながら歌うエリスの最高にチャーミングなヴォーカルはたまりません。
これは後の歌手に影響を与えているとも思います。フランス人女性シンガークレモンティーヌが歌う同曲でも、会話のように相手とかけあいしながら笑い出していて、このエリス&トムのデュオを意識しているように思えてなりません。実際どうかは知りませんが、オマージュなんでしょうか。

フランス人といえば、ナラ・レオンと共演したこともあるフランス人歌手George Moustaki ジョルジュ・ムスタキも、この曲をフランス語で歌っています。かなりフレンチ色が濃くてボサノヴァの印象は薄くなっていますが、ちょっと面白かったのは、歌詞の季節の変化です。
南半球のブラジルでは三月は秋だから「三月の水=で夏が終わる」ですが、北半球のフランスでは「三月の水」といえば春の雪解け水で、その違いが歌詞にも反映されています。夏の終わりと春の終わり。これから秋になるか夏になるかでは、イメージがずいぶん変わりますよね。(→Les eaux de mars 三月の雨フランス語歌詞

エリス・レジーナはアルバムごとに雰囲気がかなり違いますが、アップテンポで豪快・開放的なヴォーカルなら「エリス・イン・ロンドン」、ゆったりくつろいだチャーミングなヴォーカルならこの「ELIS&TOM」が一番気に入っています。


1974
ANTONIO CARLOS JOBIM & ELIS REGINA

私が持っている日本盤CDは以下の曲順。楽しく始まってしんみり終わります。

1. Aguas De Marco 三月の雨
2. Pois E 愛の終り
3. So Tinha De Ser Com Voce あなたでなければいけなかった/私はあなたのもの
4. Modinha モヂーニャ
5. Triste 悲しみ
6. Corcovado コルコヴァード
7. Que Tinha De Ser 愛につつまれて
8. Retrato Em Branco E Preto 白と黒の肖像
9. Brigas Nunca Mais もう決して喧嘩はしない
10. Por Toda A Minha Vida 私の愛のすべてを
11. Fotografia 海辺のテラス
12. Soneto De Separacao ソネットの一節
13. Chovendo Na Roseira ばらに降る雨
14. Inutil Paisagem うつろな風景

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JOAO GILBERTO(三月の水)

三月の水 / ジョアン・ジルベルト feat.ミウーシャ

・・・子守唄のような心地よさ・・・ ★5

ジョアン・ジルベルトのギターと歌にドラムだけというシンプルな構成で、 「ちょっとあわせてみよう」と始めたかのようなくつろいだ雰囲気。
ゆりかごのようなベース音に寝言のようなフレーズが繰り返される「ウンディユ」や、内緒話のような「三月の水」の、眠れ眠れといわんばかりの心地よさ。
弦の上を指が滑る音や微妙な声のふるえ、舌の音まで聴こえる臨場感のある音...。
ジョアンのアルバムには、こんな風にすぐそばで何気なく演奏が始まったような錯覚を与えるものが多いですが、このアルバムはその代表です。

やすやすと演奏しているように聴こえますが、ギターを弾く人に言わせると、ジョアン・ジルベルトは、力んでしまうような難しいフレーズでもよどみなく優雅に弾きこなしてしまうギターの名手なんだそうで。
その表情力の豊かさといったら南京玉すだれ並で、ギターひとつでよくぞそこまで...と驚かされます。
歌は拍の前や後にずれこみ、独特の揺らぎを生んでいます。

このアルバムはとっつきにくいという意見も聞きます。ボサノヴァというジャンルにすら収まりきらない、ジョアン独特の世界一色だからでしょうか。揺らぎ感のあるヴォーカルと、歌詞の代わりに繰り返される「ウンドゥイユ」やら「ボン、ボン」等のフレーズと、独特のリズムと、この上ない静寂。
山水画が誰にでも受け容れられないのと似ているかもしれません。ジョアン・ジルベルトが好きな人にとっては、彼の斬新さや個性が凝縮された、たまらない1枚だと思います。

このアルバムを聴いて思い浮かぶのは、
・・・スタジオでジョアンの妻ミウシャがうたた寝しているところへジョアンとドラマーが入ってきて、起こすまいと静かに演奏を始める。ハイハットにやさしく触れるブラシ音、ささやくようなヴォーカル、変化するギターの音色。
彼女が途中で目覚めたのに寝たふりを続けていることに気づいた2人は徐々にテンポをあげていき、9曲目が終わったところでジョアンが妻の髪にそっと触れて一言、さあ起きて一緒に歌おう
・・・という想像というか妄想。
ミウシャは最後の1曲「イザウラ Izaura」しか参加していません。「ゲッツ・ジルベルト・アゲイン」でも聴ける、ジョアンとのこのデュオ曲、好きです。


1973
Joao Gilberto, Heloisa Buarque de Hollanda(Miucha)

1. Aguas De Marco 三月の水
2. Undiu ウンディユ
3. Na Baixa Do Sapateiro バイーア(靴屋の坂道で)
4. Avarandado 夜明けのベランダ
5. Falsa Baiana 偽のバイーア娘
6. Eu Quero Um Samba 喜びのサンバ
7. Eu Vim Da Bahia バイーア生れ
8. Valsa ベベウ
9. E Preciso Perdoar 許してあげよう
10. Izaura イザウラ (feat.Miucha)

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DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO

美しきボサ・ノヴァのミューズ / ナラ・レオン

・・・郷愁&哀愁・・・ ★5

1971年亡命先のパリでの録音。
個人的にはナラ・レオンの中で一番好きなアルバムです。
CDは、オリジナルと同じく2枚に分かれたものと、1枚にしたものがあります。

若い頃のナラ・レオンの広い豪華マンションがボサノヴァの創始者といわれるミュージシャンのたまり場となっていたのは有名な話。彼女はそんな環境で育ちつつ、ボサノヴァはブルジョワ的で現実から目をそらしていると感じるようになったそうで、1964年のファーストアルバム”NARA”の録音時にはすでにボサノヴァから離れていました。
その後、反政府的なプロテスト・ソングを歌うようになり、政府ににらまれてフランスに亡命します。
そこで懐かしのボサノヴァの良さを再認識して録音したのがこの「美しきボサ・ノヴァのミューズ」(原題DEZ ANOS DEPOISは「10年後」)で、ナラ・レオンの正式なボサ・アルバム一作目ということになります。
地理的に遠く離れた故郷と、ボサノヴァ仲間に囲まれていた懐かしい少女時代に思いをはせているせいでしょうが、いいようもない切なさとノスタルジーがただよっています。
これ以降は、ジャンルにとらわれずいろいろな曲を自分流に歌い、素敵なアルバムを出しています。

さて、アストラッド・ジルベルトに歌を教えたのはこのナラ・レオンだといわれています。確かに、力を抜いて優しく自然な感じで歌っているあたりは共通しています。
アストラッドはヘタウマともいえるあぶなっかさが、手を差し伸べたくなる可愛さにつながっていますが、ナラ・レオンのヴォーカルには、安定感、陰影と、包み込むようなあたたかみがあります。ボサノヴァに囲まれて裕福に育ったのに、環境に甘んじることなく、音楽面でも人生でもいろいろな経験をした彼女だからこそ、つくづくいいなぁと思わされる深みが出せるのかもしれません。


1971

◆"DEZ ANOS DEPOIS - NARA LEAO"の全文 >>

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ELA E CARIOCA ジョアン・ジルベルト

彼女はカリオカ(EN MEXICO) / ジョアン・ジルベルト

・・・メキシコにてカリオカ・・・ ★4

ジルベルト夫妻とスタン・ゲッツの「ゲッツ/ジルベルト」(1963)はアメリカ他でヒットしましたが、シングルカットされた「イパネマの娘」のシングルの爆発的セールスをきっかけにアメリカで人気歌手となった妻のアストラッドと、ジョアン・ジルベルトは数年後離婚します。彼は1965年にミウシャと再婚し、69年から2年間メキシコシティに移住します。
これはそのメキシコでの不遇時代といわれる頃に録音されたアルバム。
ジャケットも、ジョアンの口ひげも何だかメキシコっぽいし、「ベサメムーチョ」も入ってるし、もしや中身もメキシコ風なんでは…?と思いかねませんが、あくまでジョアンらしい音楽です。

LPリリース時のタイトルは"JOAO EN MEXICO"だったようですが、CD(1994年)は、ジャケットデザインは同じなのにタイトルだけ"Ela E Carioca"に変わっています。
陽気なメキシココンサートか何かと誤解されそうだからか、メキシコとジョアンのイメージが合わないからか...?タイトルを変えた理由は何なんでしょう。


1970

1.De Conversa en Conversa
2.Ela E Carioca
3.O Sapo
4.Esperanza Perdida
5.Joao Marcello
6.Farolito
7.Astronauta
8.Acapulco
9.Besame Mucho
10.Eclipse
11.Trolley Song

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