L'EDUCATION ANGLAISE - KATERINE

エデュカション・アングレーズ / カトリーヌ

子供時代を彷彿とさせるノスタルジックでキュートなアルバム ★5

何となく懐かしい気分にさせる歌詞・曲と、おもちゃっぽい音が子供時代を思い出させるセカンドアルバム。ファーストアルバム「マリアージュ・シノワ」との大きな違いは、サンプル音が曲に溶け込んでいて、あからさまな実験音入りトラックがないこと。洒落た曲がそろっていて、快適です。

ヴォーカリストは前作と同じANNEBRUNO。ブリューノの憂いをおびた声と、アンヌのアンジェリックなウィスパーヴォイスの魅力が、前作よりさらに引き出されています。
特にアンヌの子供のような声と自然な歌い方の可愛さは、究極のささやき系クロディーヌ・ロンジェや、ラモン・レアルのボサノヴァアルバムで歌っている女優ベアトリス・ビノッティといい勝負です。

私は、明るさの中にメランコリーを含んだノスタルジックな音楽が好きですが、このアルバムにはそういう要素がいっぱい。
これを聴いていると、子供の頃、足踏みオルガンで思いついたメロディを延々と弾いていた時の楽しさを思い出します。


1994
KATERINE, BRUNO, ANNE
1. Un Apres-Midi A Paris
2. L'education Anglaise
3. La Memoire Courte
4. Le Badminton
5. L'ete Indien
6. Les Mensonges
7. Les Lecons De Belles Manieres
8. 21 Mai 1993
9. Les Neiges Eternelles
10. Quelques Minutes De Retard
11. Mon Bel Andalou
12. Jean-Francois
13. Minuit Sonne
14. L'automobile
15. Un Parapluie Pour Deux
16. L'education Anglaise
日本盤
1.あるパリの午後
2.エデュカション・アングレーズ
3.短い記憶
4.バドミントン
5.小春日和
6.嘘
7.礼儀作法のレッスン
8.1993年5月21日
9.永遠の雪
10.数分の遅刻
11.いとしのアンダルシア人
12.ジャン・フランソワ
13.12時の鐘が鳴る
14.自動車
15.二人一つの傘の下
16.エデュカション・アングレーズ
17.ジャニー・ロンゴのように
18.シラクサ
19.永遠の雪

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SINE - RoBERT

シィヌ / ロベール


再発盤 

昔のジャケット

ささやき系ヴォーカル×テクノ ★3.5

フランスのロベールのファーストアルバム。
悲しげな少女を連想させる曲調+歌詞に、消え入りそうなウィスパーヴォイスのヴォーカルという組み合わせは、甘くて感傷的なロリータ風にもなりかねませんが、冷たく無機的なテクノにのせることで甘辛バランスがとれています。

ほとんどがMathieu Saladin作曲・RoBERT作詞ですが、共同で作曲したものや、RoBERTが一人で作詞作曲しているものもあります([3])。ディズニーの音楽[1]や、ジャック・ブレルの[7]等も取り上げています。
クラフトワークのカヴァー[4]は、このアルバムではドイツ語ですが、セカンドアルバムPRINCESSE DE RIENではフランス語で歌っていて、もっと切ない感じがします。

私が持っているCD(画像下)は、数週間で発売中止されて幻のレアディスクとなったらしく、フランスでは数十ユーロ以上で取引されているんだそうで…。歌詞カードには、にじんだように仕上げられたロベールの上半身ヌード写真などの写真が何枚か使われています。
再発盤ジャケットもいかにもロベールらしいですね。”Princesse de Rien”と同じく、再発盤は中身が違うんだろうな。電子音があまり好きじゃない私には、オリジナル盤がギリギリ限界。あれ以上テクノだとつらそうです。

憂いを帯びた雰囲気と切ないほどの孤独感は変わりませんが、この1作目は現代風で、セカンドアルバムはバロック音楽を使ったりして中世ヨーロッパ物語風の雰囲気があります。
セカンドアルバムの方も4種類の盤があり、中身が違います。


1993 SONY

1.イッツ・ア・スモール・ワールド
2.ジャネット
3.アンニュイな夜
4.モデル
5.雨のしずく
6.夜遊びに夢中
7.懐かしき恋人の歌
8.愛は水彩画のように
9.ひとり遊び
10.サイモン
11.裸のわたし
12.薄紫色の犬
13.愛のささやき
14.映画「狩人の夜」~お伽話
15.男たちの視線
16.番外
17.アンニュイな夜(インストゥルメンタル)

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VINICIUS EM CY - QUARTETO EM CY

ヴィニシウス・エン・シー / クアルテート・エン・シー


ヴィニシウスと共作者たちの曲を集めたコンピレーション ★4

外交官で詩人、ジョビンやカルロス・リラ等の曲の共作者としても有名なヴィニシウス・ヂ・モラエスの曲を集めた1993年リリースのコンピレーション盤。

ヴィニシウス・ヂ・モラエス本人[15], [16]の他、アントニオ・カルロス(トム)・ジョビン[4](ピアノ/ヴォーカル)、カルロス・リラ[8]、トッキーニョ][6](ヴィオラオン/ヴォーカル)、シコ・ブアルキ[1](ヴォーカル)、セリア・ヴァス[14](ヴォーカル/ヴィオラォン/アレンジ)等が参加した曲が聴けます。(このセリア・ヴァスと、ワンダ・サーの共演アルバム「ブラジレイラス」には、クアルテート・エン・シーがゲスト参加しています。)

[15]では、コーラスをバックに、ヴィニシウス本人が渋い声で詩を朗読しています。
BOMBA RECORDS日本盤はコーラスのイメージに合いそうな明るいジャケット(黄色)ですが、この曲には巨大ヴィニシウスのジャケットがぴったり。この1曲だけのためにあのジャケットをデザインしたと言われたら納得してしまうでしょう。
それまでの軽やかさとうって変わって、ラストで主役のヴィニシウスが渋さと重みを出すのは構成的にはいいんでしょう。が…時代劇っぽいというんでしょうか。この曲を思い出したとたんCDをかける気がしなくなり、しばらく聴いていなかった時期もありました。
ある日忘れた頃に聴いたら、そこまで嫌だった理由は何だったんだ?という程度になっていて、めでたし。あの朗読曲を克服した今では、結構好きです。


1993
QUARTETO EM CY + Vinicius de Moraes, Antonio Carlos Jobim (Tom), Carlos Lyra, Toquinho, Celia Vaz

1. Carta Ao Tom 74 トムへの手紙74年
2. Carta Que Nao Foi Mandada 送られなかった手紙
3. Agua De Beber おいしい水
4. Eu Sei Que Vou Te Amar あなたを愛してしまう
5. Pra Que Chorar - Consolacao プラ・ケ・ショラール/コンソラサォン
6. Tarde Em Itapua イタプアンの午後
7. Rancho Das Namoradas ハンショ・ダス・ナモラーダス
8. Samba Do Carioca サンバ・ド・カリオカ
9. Regra Tres 三角定規
10. Onde Anda Voce オンヂ・アンダ・ヴォセ
11. Derradeira Primavera デハデイラ・プリマヴェーラ
12. Mundo Melhor ムンド・メリョール
13. Loura Ou Morena ロウラ・オウ・モレーナ
14. Felicidade - Garota De Ipanema - Chega De Saudade フェリシダーヂ/イパネマの娘/想いあふれて
15. Soneto Do Amor Total - Samba Em Preludio 完璧な愛のソネット/プレリュードのサンバ
16. Samba Pra Vinicius ヴィニシウスに捧げるサンバ

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マリアージュ・シノワ - カトリーヌ

LES MARIAGES CHINOIS ET LA RELECTURE / KATERINE

おもちゃっぽい音と、実験的な音 ★3

スタジオ録音は他人が絡むので落ち着かない、というようなことをインタヴューで語っていたカトリーヌが自宅録音したファーストアルバム。
ヴォーカルを担当は、カトリーヌの妹と、ウィスパーヴォイスが可愛いガールフレンドのANNE。兄のKATERINEという女性名に合わせたのか、妹はBRUNOという男性名を名乗っています。カトリーヌが歌っている曲もあります。

爆発したような音やキーキーいう音が入る実験色の濃いトラックは、一度聴くには面白いんですが、何となく流している時にこれが始まると、正直耳障りに感じることもあります。
いろんな音が集めてあって、女性の笑い声を重ねたような音も入っています。(映画「アメリ」で、笑い声収集趣味のエピソードを見た時、これを思い出しました。)

前衛的な実験音楽や後期ビートルズの実験音楽などが好きな人なら楽しめるアルバムだと思いますが、ピコ、ガジ、ゴー、テケテケ、キーいう類の音が嫌いな人には、次のアルバムエデュカション・アングレーズの方がおすすめです。

1993
KATERINE, BRUNO, ANNE
1. Je M'en Vais
2. Une Journee Sur Une Balancoire
3. Cherie (Que Je N'ose Appeler)
4. Petite Ville De Campagne
5. An Abc For You And Me
6. A Propos Du Divorce, De La Separation
7. Le Silence De L'apres-Midi
8. Chanson Pour Annie
9. Les Lecons De L'experience
10. Hips In The Morning
11. Comme Jeannie Longo
12. Le Bel Aime De Royan
13. Petit Apres-Midi En Automne-Hiver
14. La Relecture
1.僕は行く
2.ぶらんこにのった一日
3.シェリー
4.小さな田舎町
5.君と僕のためのABC
6.離婚,別れに関すること
7.午後の静けさ
8.アニーの歌
9.恋愛レッスン
10.ヒップス・イン・ザ・モーニング
11.ジャニー・ロンゴのように
12.ロワイアンの恋人
13.秋冬の短い午後
14.読み返し

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PARAISO - ジェリー・マリガン

パライゾ / GERRY MULLIGAN&JANE DUBOC

さわやかジャズボサ・・・ ★4

CD発売後まもなく、ボサノヴァもジェリー・マリガンも好きだから聴いてみよう、と何気なく買ったのですが、期待以上でした。
日本語帯には「『ゲッツ-ジルベルト』を彷彿とさせるしっとりとしたジャズ・ボッサ」と書いてあります。目を引くコピーとしてはそれがいいのでしょうが、それを考えなければ、スタン・ゲッツのジャズサンバシリーズ中では「Jazz samba encore ! ジャズ・サンバ・アンコール」が一番近いと思います。

ナイト・ライツ」でルイス・ボンファの「カーニヴァルの朝」を取り上げてブラジル音楽への興味をのぞかせたジェリー・マリガンが、30年後の1993年7月にニューヨークで録音したもので、参加メンバーのほとんどがブラジル人です。
トッキーニョ、ヴィニシウス・ヂ・モラエス、ジョビンが作曲した3曲を除いて、全てマリガン本人が作曲し、透明感あるヴォーカルが魅力的な女性シンガージェーン・ドゥボックが詞をつけています。
彼女(JANE DUBOC)は、ジルベルト・ジルやカエターノ・ヴェローゾ等が参加したアルバムを出していますが、スポーツもプロ並という多才な人なんだそうです。

ジェリー・マリガンは、相変わらずバリトンサックスをテナーサックスか何かのように優雅に吹きこなしつつ、ピアノも1曲弾いています。

初夏、夜明け前に目がさめてしまった時、冷たい空気と天然発泡水を味わいながら聴きたくなるアルバムです。


1993
Gerry Mulligan (bs); Jane Duboc(vo); Emanuel Moreila(g); Waltinho Anastacio(perc)

  • 1, 2, 4, 6, 7, 8, 9, 11:+ Cliff Korman(p); Rogerio Maio(b); Duduka Dafonseca(d);
  • 3~5:+ Carlie Ernst(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg(perc)
  • 10:Gerry Mulligan(p); Leo Traversa(b); Peter Grant(d); Norbert Goldberg
  • 1.Paraiso (G.Mulligan, J.Duboc)
    2.No Rio (In Rio) (Mulligan, Duboc)
    3.Sob a Estrela (Mulligan, Duboc)
    4.O Bom Alvinho (Mulligan, Duboc)
    5.Willow Tree (Mulligan, Duboc)
    6.Bordado (Mulligan, Duboc)
    7.Tarde en Itapoan (Toquinho, V.de Moraes)
    8.Amor en Paz (A.C.Jobim, V. de Moraes)
    9.Wave(A.C.Jobim)
    10.Tema Pra Jobim (Theme for Jobim)(Mulligan, Joyce Silveras)
    11.North Atlantic Run (Mulligan)
    1.パライゾ
    2.ノー・リオ
    3.ソ・ア・エストレーラ
    4.オ・ボム・アルヴィーニョ
    5.ウィロウ・ツリー
    6.ボルダード
    7.タルデ・エム・イタポアン
    8.アモール・エム・パス
    9.波
    10.ジョビンのテーマ
    11.ノース・アトランティック・ラン

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    ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

    ARTHUR H / アルチュール・アッシュ

    パリ路地裏の煙たい酒場が似合うファーストアルバム ★4.5

    アルチュールH(Arthur Higelin)の1990年のファーストアルバムには、デビュー作という瑞々しい言葉は似合いません。
    ディスクを再生した瞬間、タバコの煙がもうもうとたちこめるあやしげな酒場、キャバレー(お姉さんが出てくる日本のとは別物)が目の前に出現します。マッチに火を灯したマッチ売りの少女か、ランプをこすったアラジンか…ってな感じで。

    ゴリゴリしたしゃがれ声、アンニュイな雰囲気、世界各地の音楽の影響、新鮮なアイディアとユーモアからなる彼独特のクールなスタイルは、この1stアルバムの頃すでに出来上がっていたんですね。
    まぁ、1988年12月、パリの小さなホールで3日間の予定で行ったライヴが好評のあまり結局1ヶ月に延長されることになったというエピソードが残っているほどで、アルバムデビュー前にも活動して成功していたわけですから、完成度が高いのも納得です。

    それから、このアルバムには、近年パリにちょっとしたウクレレブームを起こしたウクレレクラブ・ド・パリのメンバーとしても腕を発揮しているあのジョセフ・ラカイユがアレンジャーとして参加しています。THOMAS FERSENトマス・フェルセンの"QU4TRE"のアルバム等も手がけている人で、自分のアルバム("SIGNE RACAILLE"他)では、強烈なユーモアとキッチュな感覚でニヤリと笑わせてくれます。

    夜、照明を暗くしてパスティスだかブランデーだかを飲みながらこのアルバムを流せば、部屋がパリの裏町の怪しげなバーに変わるかも?


    1990 POLYDOR
    ARTHUR H.(p, vo, harmonium); BRAD SCOTT(b); PAUL JOTHY(ds, perc); JOSEPH RACAILLE/JONATHAN HANDELSMAN(arr)

    1. Quai N。3
    2. Perfect Stranger
    3. Andora
    4. Cool Jazz
    5. Don't Make Me Laugh
    6. Je Reve De Toi
    7. La Lune
    8. Un Fantome S'est Suicide
    9. Scritch
    10. Marouchka
    11. John La Reine Des Pommes
    12. Padam Padam
    13. Loulou
    1.第3埠頭
    2.パーフェクト・ストレンジャー
    3.アンドラ
    4.クール・ジャズ
    5.ドント・メイク・ミー・ラフ
    6.君を夢見て
    7.ラ・リュンヌ
    8.幽霊が自殺した
    9.スクリッチ
    10.マルーシュカ
    11.ジョン,ラ・レーヌ・デ・ポム
    12.パダン・パダン
    13.ルウルウ(ルル)

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    • ★(最高5)は私が聴く頻度・個人的お気に入り度です。
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