政権とブラジル音楽CD

20世紀ブラジル音楽には、政権や運動が大きく関係しています。
ボサノヴァ(ボサノバ)は1950年代後期に裕福な層中心に生まれ、1960年代初めに全盛を極めましたが、1964年に樹立した軍事政権の体制が強圧的だったため、ボサノヴァアーティスト達もプロテストソングで政権を批判するようになります。
1960年代後半から70年代、カエターノ・ヴェローゾらを中心に若者中心に繰り広げられたトロピカリズモ(トロピカリア)は、アメリカへの文化流出を食い止め、ブラジル独自の芸術・文化を発展させようという運動でしたが、親米的だったブラジル軍事政権にとっては、反米的=反政府的な運動であると考えられ、中心人物達は政府ににらまれて、ヨーロッパに亡命することになります。
そうして愛や美を歌う平和で優雅な(ある意味のんきな)ボサノヴァは、ブラジルでは衰退し、MPB(エミ・ペー・ベー;Musica Popular Brasileira、ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)が主流になります。初期のMPBはブラジル土着音楽への回帰を目指していましたが、やがてボサノヴァやロック等の要素を取り入れるようになった、ということです。

プロテストソングやMPBより、のんびりボサノヴァが好きなので、このへんをあさるのがよさそうです。

  • 1950年代後期-60年代始め
  • 流行と関係なく自分の世界を追求するジョアン・ジルベルトのようなアーティスト
  • ブラジルでボサノヴァが下火になった後、国外で活躍したアーティスト
  • ボサノヴァに回帰したナラ・レオンなどの1970年代以降のアルバム
  • 20世紀末以降のボサノヴァ復活期のボサノヴァ

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