SYMPATHIQUE – PINK MARTINI

3.5 / 5
笑えそうなほどきわどくゴージャス!

わざとヴィンテージフィルターをかけたような、昔のシャンソン風の曲が、フランスのCMやラジオでよく流れていました。”Je ne veux pas travailler, je ne veux pas dejeuner, je veux seulement l’oublier et puis je fume”(働きたくない、ランチもほしくない、ただ忘れたくてタバコ吸う)という歌詞の一緒に歌いたくなる耳に残る歌です。
カナダのPINK MARTINI ピンクマルティーニのデビューアルバムに入っているので、アルバムを聴いてみることに。1曲目を再生した途端、妙にゴージャスで驚いてしまいました。ボリュームを下げて再生した方が無難です。
気になっていた曲[3]Sympathiqueは、このグループのピアニストThomas M. LauderdaleとヴォーカリストChina Forbesのオリジナル曲なんだそうです。

アルバム収録曲は、言語もさまざまで、曲もフランス、キューバ、スペイン、イタリア、ギリシア、ブラジルからクラッシックまで色とりどりですが、どれもかなり濃厚な味付けです。
[11]Brazilは、ジョアン・ジルベルト他ブラジル人アーティストの演奏でおなじみの曲ですが、ピンクマルティーニ版は、ボサノヴァよりもむしろテリー・ギリアムの傑作映画『未来世紀ブラジル』に近い、ブラックユーモアを感じさせるなんともいえないゴージャス感が漂っています。
日本語の曲”Song of the Black Lizard”もやけに豪華で、夜闇に蝶がひらひら舞う妖艶な東洋的幽玄世界が思い浮かびます。

最初数曲はUKULELE CLUB DE PARISみたいに真顔で冗談言うタイプかと思ったけど、聴き終わると大真面目なんじゃないかという気もしてきます。
古い映画に出てくるようなシャンデリアにじゅうたんか大理石の「デラックス」な「ダンスホール」かどこかでかかっていそうなアルバムです。

1. Amado Mio
2. No Hay Problema
3. Sympathique
4. Que Sera, Sera
5. Soledad
7. Andalucia
8. Song of the Black Lizard
9. Bolero
10. Never on sunday (Pote tin Kiriaki)
11. Brazil
12. Lullaby

«サンパティック/サンパティーク»

1997

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