E DONA DA BOSSA / CLAUDETTE SOARES

3.5 / 5
後半+モノクロジャケットだけでいい気もするデビューアルバム

画像右のクラウデッチ・ソアーレスの物憂いモノクロ写真を見てジャケ買いし、CDケースを開けてびっくり。表ジャケットとは似ても似つかぬ不気味な写真が現れました(失礼ですが)。
私が買ったのは白黒写真ジャケの日本盤ですが、カラーの方がオリジナルのようです。これが表紙だったらCD買う前に躊躇したかも
中身(音楽)もこれに対応するかのように、6曲目と7曲目の間で分かれます。
6曲目までは華麗なハープやストリングスが舞うオーケストラが目立ち、昔のハリウッド映画音楽のように盛り上がっています。これはこれでいいんですが、個人的には前半も後半と同じ編成ならよかったのになと思います。せっかくいい選曲なのに。
私にとっては、前半6曲イコール左のオリジナルジャケットです。食指がのびないというか。このアルバムが7曲目以降+白黒ジャケットのみだったら、もっと気に入っていたかもしれません。
うってかわって後半は、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスという構成で、ジャズっぽさも感じます。クラウデッチのヴォーカルもかわいく感じられて、断然好きです。

それはそうと、クラウデッチは、エリス・レジーナほど変幻自在でないにしろ、思い通りに情緒たっぷりに歌うし、声もあまり若々しくないので、ファーストアルバムとはいえ堂に入った感じがします。微笑みながら、歌詞をじっくり味わうように感情をこめて歌っているところが目に浮かぶ、味のあるヴォーカルです。
[7]イパネマの娘や[10]ビーチ・サンバは、アストラッド・ジルベルトの歌唱でも有名。ボサノヴァならではの、ヘタウマ寸前なポンワリささやき系シンガー代表アストラッドと、しっとり歌うクラウデッチ。聞き比べても楽しいです。

1. Pra Que Chorar
2. Azul Contente
3. Samba Do Aviao
4. Sem Voce
5. Ah! Se Eu Pudesse
6. Tristeza de Nos Dois
7. Garota de Ipanema
8. Samba So
9. Crediario Do Amor
10. Bosa Na Praia
11. Evolucao
12. Conselho a Quem Quiser Voltar
1. なぜ泣くの
2. 幸福の青
3. ジェット機のサンバ
4. あなたなしでは
5. できるなら
6. 二人の悲しみ
7. イパネマの娘
8. サンバー・ソー
9. 愛の分割払い
10. ビーチ・サンバ
11. エヴォリューション
12. よりを戻したい人への忠告

«イパネマの娘»

1964 クラウデッチ・ソアーレス、エルロン・シャヴェス(オーケストラ)、セザル・カマルゴ・マリアーノ(p)、テオ・バロース(g)、サバー(b)、アミルトン・ピトーリ(d)

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