BRAZILIANA – LUIZ BONFA & MARIA TOLEDO

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ゆったりフワフワ、夢見心地

当時夫婦だったルイス・ボンファとマリア・トレードの、幸せ感たっぷりのアルバム。全曲オリジナルで、自然な明るさ、優しさとふんわり感がただよっています。
マリア・トレドの透明感あるささやきヴォーカル、ルイスのあたたかみのあるギター、多用される口笛&スキャット… すべてが好みで♥Gal Costaガル・コスタ&Caetano Veloso カエターノ・ヴェローゾの”DOMINGO ドミンゴ”と同じくらい愛聴しています。

LUIZ BONFAといえば、Marcel Camus マルセル・カミュ監督の映画 「黒いオルフェ」 (1959年 フランス・ブラジル合作)の音楽をジョビンと一緒に作ったコンポーザー/ギタリストとして有名ですし、ジョアン・ジルベルトは「ボンファに捧ぐ」という曲を作っていますね。
そんなルイス・ボンファはこのアルバムでも、ひとりで出しているとは思えないようないくつものパートの音をさらりとさりげなく奏でています。弾くのは技術がいってむずかしそうですが、大変さを感じさせない、優雅で美しい演奏です。ソロ曲[5],[13]や、ピアノが入る[9]では、その演奏をたっぷり味わうことができます。「黒いオルフェ」でおなじみの[3]も、ソロではないですがギターがメインの曲です。技術を誇示するように早弾きをすることなどはなく、ひたすら快適さを追求するように弾く彼のギター、大好きです。

[1]Whistle Sambaは、口笛とルイス・ボンファのスキャットが楽しい気分にさせてくれる可愛らしい曲です。
[2][4][10]に入っているオーケストラは、昔の映画のような雰囲気をプラスしますが、派手すぎず控えめです。口笛で始まり、マリアが英語で歌っている[8]では、ストリングスがそっと寄り添い、間奏のところで古い映画風の雰囲気をちょっぴり加えています。[6]はカヴァキーニョが使われているわけじゃなく、歌詞にカヴァキーニョと出てくるだけです。マリアのヴォーカルとギターがメインでピアノが加わっています。
[11]は、マリアだけの部分とデュオの部分があるスキャット曲。[12]は、マリアのヴォーカルからデュエットになり、まだ続きそうなところでフェードアウトします。ラスト[14]は、とても幸せな気分にさせてくれる、スキャットのデュオ曲。これでフェードアウトして終わるあたりも、なんだかフンワリしています。

全曲オリジナルで統一感があるせいもあり、夢の世界にいるような心地よさが味わえる、とにかく快適なアルバムです。

ジャズサックスプレイヤーSTAN GETZ スタン・ゲッツの”JAZZ SAMBA ENCORE!”にも、二人揃って参加しています。

1. Whistle Samba
2. Tanto Amor
3. Samba De Orfeu
4. Pierrot
5. Boticario
6. Cavaquinho
7. Improviso
8. Promessa
9. Sugar Loaf
10. Saudade
11. Guanabara
12. Pequeno Olhar
13. Baroco
14. Sambura
1. ホイッスル・サンバ
2. たくさんの愛
3. オルフェのサンバ
4. ピエロ
5. ボチカリオ
6. カヴァキーニョ
7. インプロヴィーゾ
8. 約束
9. シュガー・ローフ
10. サウダーヂ
11. グァナバラ
12. ペケーノ・オリャール
13. バロコ
14. サンブーラ

«ブラジリアーナ»

1965 LUIZ BONFA, MARIA HELENA DE TOLEDO

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