NIGHT LIGHTS – GERRY MULLIGAN

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ジャケットとタイトルのイメージどおり

潤んだような街の光が水面に揺らめくジャケットとタイトル。豪華客船から街を眺めつつシャンパーニュとシーフード、なんて想像をしつつ、ビールと冷奴で納涼するのに最適なアルバムです

白熱したセッションが好きな人には、おとなしくてつまらないかもしれません。アート・ファーマーなど特に控えめな気がします。熱さが全くなく、心地良い涼気が漂っていて、全員がきれいな夜の景色を思い描きながら夢見心地で演奏しているようなイメージです。気合の入ったセッションとは違う、リラックス感が味わえます。

曲は、ジェリー・マリガンのオリジナルの他、ブラジル音楽やクラシック曲も入れています。
[2]は映画『黒いオルフェ』の中で、主人公がこの曲をギターを弾きながら歌うにつれて朝日が昇っていくシーンで使われている、ルイス・ボンファの有名曲。[3]はフランク・シナトラの十八番ですが、アン・バートンのヴァージョンなども味があって好きです。[4]は、ショパンの切なくなるようなピアノ曲、プレリュード第4番。

普段はピアノなしが好きというジェリー・マリガンが、[1]の「ナイト・ライツ」では、水晶を連想させるような繊細な音で自らピアノを弾いています。 そしていつものようにバリトンサックスを優雅に吹いています。彼が映画『真夏の夜のジャズ』に出てくるのを見ましたが、演奏する姿もcoolでした。いつもにまして水の中をゆらゆら漂っているようなジム・ホールのギターも最高です。

1. Night Lights (1963 Version)
2. Morning Of The Carnival From ‘Black Orpheus’(Luiz Bonfa)
3. In The Wee Small Hours Of The Morning
4. Prelude In E Minor (F.Chopin)
5. Festival Minor
6. Tell Me When
7. Night Lights (1965 Version)
1.ナイト・ライツ(1963年ヴァージョン)
2.カーニヴァルの朝
3.ウィー・スモール・アワーズ
4.プレリュード:ホ短調
5.フェスティヴァル・マイナー
6.テル・ミー・ホエン
7.ナイト・ライツ(1965年ヴァージョン)
MERCURY

«ナイト・ライツ»

1963 Gerry Mulligan (bs,p,cl), Art Farmer (tp/flh), Bob Brookmeyer (btb), Jim Hall (g), Bill Crowe (b), Dave Bailey(tb), Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds)...

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