Waltz For Debby – Monica Zetterlund & Bill Evans

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あったかいスウェーデン。歌うBillサンタもかわいい♪

10代の頃から「自分の葬式やるならビルのMy Foolish Heartとかを流してね」と言っていたくらいビル・エヴァンスが大好きです。好きなアルバムにはいいイメージをつけたままにしたいから、通勤電車で聴いたりはしません。こちらも大事なお気に入りの1枚です。

最初買ったCDにはボーナストラックが入っていませんでしたが、後日紙ジャケット盤WALTZ FOR DEBBY[+6]を見つけたので買ってみたら、
ビルがピアノを弾き語る「サンタが街にやってくる」他数曲が追加収録されていました。
買いなおしてよかった♪

大好きな曲Waltz for Debby ワルツ・フォー・デビーが、このアルバムでは「モニカのワルツ」とされています。

録音されたのは8月末なので、涼やかな夏の白夜を思い浮かべながら聴いてもぴったりくるのかもしれませんが、
私は雪降る北欧のクリスマスに暖炉が燃えさかる光景を思い浮かべてしまうので、風が冷たい季節になってくると無性に聴きたくなります。
冬のイメージなのは、ボーナストラック”Santa Clause Is Coming To Town”の影響でしょうが、
寒い季節に、夏の幸せだった日々を思い出しているような”Once Upon A Summertime”や、ひとことひとこと話しかけるように丁寧に演奏されるスウェーデン民謡[2][7][10]がかもしだす雰囲気のせいもあるかもしれません。
この3曲、北欧音楽らしい憂いとフワフワ感があり、北欧音楽好きにもたまりません。
Om Nattenが「女って~」と演歌のフレーズみたいに聞こえるプチ空耳も味わえます。

ビルが伴奏で参加しているアルバムには、ヘレン・メリルの「ニアネス・オブ・ユー」や、「ルーシー・リード・ウィズ・ビル」もありますが、ヴォーカルがメインで、ピアノを聴くにはもの足りません。
が、このアルバムでは、ビル・エヴァンス・トリオのステキすぎる演奏と、「北欧の歌姫」というキャッチフレーズがつけられたモニカ・セッテルンドのヴォーカルが、どちらもしっかり味わえます。

女優でもあるモニカの歌声は素朴であたたかく、スキャットなどはせずに、力を抜いてさらりと歌っています。
ビル・エヴァンスのピアノも普段より少しウォームな印象で、 みんなで暖炉の前で昔話をしあっているかのようなリラックス感がただよっています。
モニカのアルバムは他に何枚か持っていますが、これ以上に気に入るものはまだ見つかっていません。

このアルバムの弱点といえば、アン・バートンなどももそうですが、
訛りがある(イギリスやアメリカ風じゃない)英語が苦手という人にはあまり合わないことくらいでしょうか。

ビルは「サンタが街にやってくる」を歌っていますが、”TRIO64″などでも演奏していますし、GREEN DOLPHIN STREETの2曲目でもちらっとフレーズを弾いたりしていますから、お気に入りの曲なんでしょうね。
ボーナストラックの彼の声を聴いて「繊細なイメージとギャップが大きくていやだ」という人もいますが、ワーナーあたりの漫画に出てきそうでキュートだし、遊び心があるこのトラック、私は好きです


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モニカの伝記的映画”Monica Z” 『ストックホルムでワルツを』

今年3月に”Valse pour Monica”(モニカのワルツ)がフランスで公開され、見たくてしょうがなかったのですが、もうすぐ東京でも『ストックホルムで朝食を』という邦題で公開されます。

モニカ役を演じるエッダ・マグナソンEdda Magnasonの歌声を聴くのも、ビル・エヴァンス役を見るのも、楽しみでワクワクします。
映画は日本では未公開ですが、もうサントラが販売されているんですね。

 YouTube予告編: フランス版  日本版

追記:日本で公開されたので見に行ってきました。モニカの波乱万丈ともいえる人生をドラマティックに伝えるのかと思いきや、落ち着いた雰囲気で、いろんなエピソードをあっさりつなげたような印象を受けました。
音楽は、あくを抜いてクリーンに精製したような感じ。未精製の方が好みですが、ジャズよりポップが好きという人も聴きやすいと思います。
1960年代頃のヴィンテージファッションが好きなので、衣装やインテリアも楽しめましたが、この映画で一番印象に残ったのは、美しい色使いです。全体的にヴィンテージフィルタをかけたような映像で、ノスタルジックな雰囲気。スクリーンショットを見てもなぜかぴんとこないのですが、彩度低めのスモーキーなブルーやイエロー、華やかだけど落ち着いたパープル~レッド系カラーなど、色合わせがきれいで、目が喜びました。

  1. Come Rain Or Come Shine
  2. Jag Vet En Dejlig Rosa
  3. Once Upon A Summertime
  4. So Long Big Time
  5. Monicas vals (Waltz for Debby)
  6. Lucky To Be Me
  7. Vindarna Sucka Uti Skogarna
  8. It Could Happen To You
  9. Some Other Time
  10. Om Natten
  11. Come Rain Or Come Shine [alt. take]
  12. Come Rain Or Come Shine [alt. take]
  13. Lucky To Be Me [alt. take]
  14. It Could Happen To You [alt. take]
  15. It Could Happen To You [alt. take]
  16. Santa Clause Is Coming To Town [alt. take]
  1. 降っても晴れても
  2. ビューティフル・ローズ
  3. ワンス・アポン・ア・サマータイム
  4. ソー・ロング・ビッグ・タイム
  5. モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)
  6. ラッキー・トゥ・ビー・ミー
  7. 悲しい風
  8. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー
  9. サム・アザー・タイム
  10. イン・ザ・ナイト
  11. 降っても晴れても (#)
  12. 降っても晴れても (#)
  13. ラッキー・トゥ・ビー・ミー (#)
  14. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー (#)
  15. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー (#)
  16. サンタが街にやってくる (#)

    (# 別テイク ボーナストラック)

«ワルツ・フォー・デビー»

1964 MONICA ZETTERLUND(vo), BILL EVANS(p), Chuck Israels(b), Larry Bunker(ds)
モニカ・セッテルンド(ゼタールンド)(ヴォーカル)、ビル・エヴァンス(ピアノ)、チャック・イスラエル(ベース)、ラリー・バンカー(ドラム)

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