AZUL – HELENA
★ / 5
ポルトガル語のささやき系ヴォーカルとカトリーヌ流フレンチポップ
エレナがパリのトリカテルのスタジオで録音した、おとなしいテクノ混じりポップという感じのセカンドアルバム。
前作「ビキニ」でもお馴染みのカトリーヌ(Philippe Katerine)が、プロデュース、作曲+数曲作詞、ギター、(デュエットといってもいいような)コーラスを担当していて、彼独特のアンニュイで懐かしい雰囲気が表れています。[6]Mon Bel Andalou等、彼自身のアルバムに収録されている曲も入っています。
アレンジは、カトリーヌのアルバムにも参加しているフリージャズグループThe Recyclersが担当。
カトリーヌは、映画「アメリ」の音楽で一躍有名になる前のヤン・ティエルセンを前座で同行させてツアーしていたこともあり、Kahimi Karie カヒミ・カリィ(”Kahimi Karie”, “K.K.K.K.K.”等)やAnna Karina アンナ・カリーナ(“Une histoire d’amour”)のアルバムなど、あちこちに名前が出てきます。
エレナが自ら母国語で作詞した曲もありますが、ポルトガルのポルトガル語は、ボサノヴァで聴きなれたブラジルポルトガル語と感じが違います。
このアルバムのジャケットは結構サイケデリックですが、2001年発売の日本盤ジャケは全くの別物です。
タイトル”AZUL”(ポルトガル語で青)のイメージ通りのすがすがしいジャケットで、帯に「コケティッシュでエレガントなヌーヴェル・ボッサ」、「ゆったりとした時間」、
「コケティッシュな無邪気さとアンニュイなエレガンス」、「『あお』の音楽」、「碧くひろがる海に、青く広がる空に、ひとときのやさしい音楽」…と、ひたすら爽やかな言葉が並んでいます。
確かにエレナの声にはそういう自然なイメージも合うかも知れませんが、
このアルバムはもっと電気っぽくて重い雰囲気。どちらかというとサイケなジャケの方が合っています。
この日本盤のジャケット&コピーの雰囲気を求めるなら、スウェーデン人リサ・エクダールのボサノヴァ風アルバム SINGS SALVADORE POE (デイブレイク)の方が近いかもしれません。
«アズール»エレナ(エレナ・ノゲラ)
2001 HELENA, KATERINE, THE RECYCLERS(arr.)