AZUL – HELENA

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ポルトガル語のささやき系ヴォーカルとカトリーヌ流フレンチポップ

エレナがパリのトリカテルのスタジオで録音した、おとなしいテクノ混じりポップという感じのセカンドアルバム。
前作「ビキニ」でもお馴染みのカトリーヌ(Philippe Katerine)が、プロデュース、作曲+数曲作詞、ギター、(デュエットといってもいいような)コーラスを担当していて、彼独特のアンニュイで懐かしい雰囲気が表れています。[6]Mon Bel Andalou等、彼自身のアルバムに収録されている曲も入っています。

アレンジは、カトリーヌのアルバムにも参加しているフリージャズグループThe Recyclersが担当。
カトリーヌは、映画「アメリ」の音楽で一躍有名になる前のヤン・ティエルセンを前座で同行させてツアーしていたこともあり、Kahimi Karie カヒミ・カリィ(”Kahimi Karie”, “K.K.K.K.K.”等)やAnna Karina アンナ・カリーナ(“Une histoire d’amour”)のアルバムなど、あちこちに名前が出てきます。

エレナが自ら母国語で作詞した曲もありますが、ポルトガルのポルトガル語は、ボサノヴァで聴きなれたブラジルポルトガル語と感じが違います。

このアルバムのジャケットは結構サイケデリックですが、2001年発売の日本盤ジャケは全くの別物です。
タイトル”AZUL”(ポルトガル語で青)のイメージ通りのすがすがしいジャケットで、帯に「コケティッシュでエレガントなヌーヴェル・ボッサ」、「ゆったりとした時間」、 「コケティッシュな無邪気さとアンニュイなエレガンス」、「『あお』の音楽」、「碧くひろがる海に、青く広がる空に、ひとときのやさしい音楽」…と、ひたすら爽やかな言葉が並んでいます。
確かにエレナの声にはそういう自然なイメージも合うかも知れませんが、 このアルバムはもっと電気っぽくて重い雰囲気。どちらかというとサイケなジャケの方が合っています。
この日本盤のジャケット&コピーの雰囲気を求めるなら、スウェーデン人リサ・エクダールのボサノヴァ風アルバム SINGS SALVADORE POE (デイブレイク)の方が近いかもしれません。

«アズール»

2001 HELENA, KATERINE, THE RECYCLERS(arr.)

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