M エム(MATHIEU CHEDID)

-M- エム、マチュー・シェディッド (1971 フランス Boulogne-Billancourt生まれ)

強烈なギャップと矛盾

フランスの音楽TV番組で-M-(エム)を初めて見た時は驚きました。ふっくらした顔に、どうやって作ってるのか分からないマンガに出てくる悪魔風のM字型ヘアスタイル。ぽっちゃり体型に、肌を露出したポップで大胆な衣装。デーモン小暮か林家ペーか、コントです。お笑い番組が多い日本と違って、フランスのテレビではこういう人が少ないので目立ちます。一瞬、M6(エムシス)局の専属芸人か何かか?と思いましたが、チャンネルが違ったし、おかしいなと思っているうちに、彼が無表情にギターをかき鳴らしつつ歌い踊りはじめました。画は奇妙ですが、しばらく見ていると、違和感だらけの外見に反して、ギターも歌もかっこよく、落差に驚きました。

-M-のサイト(当時はjedisaime.com)を見ると、ビデオクリップも曲も丸ごと出ていたので、堪能しました。ポップ、クール&ダークな独特の世界の中にいるMは、テレビで現世の人間に囲まれていた時の違和感がありません。不思議なことに、ぽっちゃりキューピッドのような土台に、悪魔的ダークさとポップなカラーを足した外見も、キャラクターのようで、見慣れるとちょっと愛着がわいてきました。
時々高音でフルフルとビブラートがかかるセクシー吐息まじりのヴォーカルも、初めは違和感を感じましたが、聴きなれると心地よくなり、ラジオでかかるとつい耳を澄ましてしまいます。 人は相反する要素(矛盾)をはらんだものに惹かれるといいますが、まさにそのパターンという気がします。

見た中で一番強烈だったクリップは、ブリジット・フォンテーヌの”Kekeland”での2人のコラボレーション。-M-がブリジット・フォンテーヌの世界に入ってもほぼ違和感がありません。コミック的という点で2人の世界は近いのかも。異星人のような坊主頭のブリジット、悪魔風M字頭のエムが、幼稚園児の遠足のように仲良く楽しげに歌うクリップ、最高に濃厚です。

言葉遊び、Mという名前・・・

-M-という恐ろしく短い名前は、マチュー・シェディッド(MATHIEU CHEDID)の芸名。
JE DIS AIMEという曲名にも現れているように、AIME(エム、愛す)にかけているようです。
例のコミカルな外見とあいまって、フランスでは、愛をふりまくスーパーヒーローなんて言い方をされたりもしています。
名前だけでなく、曲のタイトルや歌詞も、ユーモアと言葉遊びがいっぱい詰まっています。 父が歌手/作曲家のLOUIS CHEDID(ルイ・シェディッド)、母はジャーナリスト、祖母ANDREEは若い頃ダンサーを夢見ていた詩人。そんな言葉と音楽があふれた家庭環境の影響もあるのかもしれません。

フランスでの人気、コラボレーション、映画音楽・・・

特にジミ・ヘンドリックスに影響を受けていると語るエム。ギターだけではなく、ベース、ドラム、パーカッション等いろいろな楽器をこなすそうです。フランスはMの魔術にかかったようで、結構な人気。 ARTHUR H(アルチュール・アッシュ)とのデュオでは会場中を笑わせていましたが、 ヴァネッサ・パラディのアルバム”BLISS”をプロデュースしたり、父Louis Chedidのアルバムにギター参加したり、Jane Birkin ジェーン・バーキンの2002年のアルバム”A lA LEGERE”に参加したり…。 他にも多くのアーティストとコラボしつつ、活動範囲も広がっています。RATPの電車内広告用の公募詩の審査員に加わったりもしていました。

アルバムリリースは多くありませんが、コンサートは大盛況。受賞も多く、フランスでの人気は今後も続きそうです。国外で知名度が上がらないのは、音楽と裏腹の外見なのか、それより言葉遊びを多用した歌詞の面白さが伝わりくいせいでしょうか。筒井康隆の言葉遊びを多用した小説があまり翻訳されていないのと同様、残念な気がします。

映画音楽にも関わっていて、ヴァンサン・ペレーズが監督した映画”PEAU D’ANGE(天使の肌)”で使われたCELINE B.とのデュオ曲”J’AI UNE PENSEE”は、フランスでよくかかっていました。メランコリックで透明感のあるいい曲です。
2003年のフランスのSYLVAIN CHOMET(シルヴァン・ショメ)のアニメ映画”LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE(BELLEVILLE RENDEZ-VOUS ベルヴィル・ランデブー)”のテーマ曲も話題になりました。Benoit CharestとMの共同作で、ジャンゴ・ラインハルトを思わせるスイング感がある曲に、Mのギターと軽やかなヴォーカルが合っていてcoolです。
この映画は、音楽以外も趣味が良くておもしろいです。ヴィンテージ感ただよう渋い色使い・音楽・雰囲気、独特の強烈な絵ともったり溶けるような動き、絵に負けず強烈な性質のキャラクターたち、突飛なストーリー。子供より大人の方が楽しめる作品だと思います。

M (MATHIEU CHEDID) エム、マチュー・シェディッド ディスコグラフィー

LE BAPTEME [1997] Virgin

JE DIS AIME

[1999] Delabel

アルバムメモ

LE TOUR DE M (LIVE)

[2001] Delabel

QUI DE NOUS DEUX

[2003] Delabel
ピンク一色ですが林家ペーではありません。

LABO M

[2003] Delabel

LIVE AU SPECTRUM (LIVE)

[2005] Delabel

EN TETE A TETE (LIVE)

[2005]

続きは fr.wikipediaに任せるとします。

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